シェードガーデンの作り方。日陰でも育つおすすめの植物は?

シェードガーデンの作り方。日陰でも育つおすすめの植物は?

「わが家の庭は日当たりが悪いから」と、ガーデニングをあきらめていませんか。植物の中には、短い日照時間でも育つものが多く存在します。

今回は、シェードガーデンの基礎知識と作り方および管理のポイント、そして日陰でも育つ植物を日照時間に分けてご紹介いたします。

シェードガーデンの基礎知識

シェードガーデンの基礎知識

はじめに、シェードガーデンについての知識を深めましょう。

シェードガーデンとは

シェードガーデン(shade garden)とは「日陰の庭」のことで、日の当たらない庭に対して使われる用語です。一般的には日当たりのよい庭が好まれますが、必ずしも理想的な日照時間が得られるとは限りません。日の当たらない庭では日陰で育つ植物を栽培し、シェードガーデンとして楽しみましょう。

なお、日陰には3つの種類があるので、下記を参考にしながら庭の様子を観察してください。

シェードガーデンのメリットと楽しみ方

シェードガーデンにはしっとりと落ち着いた雰囲気があり、真夏の日光や強風、豪雨などによるストレスの心配も少なめです。また、シェードガーデンに向く植物には、葉色やツヤの美しいものが多く、短い花期を存分に楽しめる魅力もあります。さらに、日陰を好む植物はゆっくりと育つ傾向があるため、お手入れが楽な点もメリットといえるでしょう。

シェードガーデンの管理【3つのポイント】

シェードガーデンの管理【3つのポイント】

シェードガーデンを管理する際は、次の3点を心がけましょう。

① 庭の様子を知る

庭の日陰はどの種類に当てはまるか、場所ごとに観察してください。

木陰(こかげ)

樹木の日陰になる場所で、「ライトシェード(light shade)」とも呼ばれます。風で木の葉が揺れ、不規則に木もれ日が差す明るい日陰です。季節によって陰の位置や長さも異なり、落葉樹の根元ならば冬に日が当たる場合もあります。

半日陰(はんひかげ)

日照時間が1~3時間ほどの場所で、「ハーフシェード(half shade)」とも呼びます。建物や壁、生垣の横などが半日陰になりやすく、住宅密集地域などに多く見られます。季節によっても日当たりは異なるので、1年を通して庭を観察しましょう。

完全な日陰

日の当たる時間がほとんどない場所を指し、「ディープシェード(deep shade)」とも呼ばれます。建物の北側や目隠し用のフェンス、物置の近くなどが挙げられます。夏は日も高くなるため、一時的に日が当たるケースもあります。

土の状態

日照時間に加えて、土の状態も観察しましょう。砂のように乾いた土の日陰は「ドライシェード(dry shade)」、粘土のように湿った土の日陰は「ダンプシェード(damp shade)」と呼ばれます。植物の好みに合わない環境に植えると、生育が悪くなるので注意しましょう。

状況によって土づくりの資材を使って改良できますが、初心者の方には難しいかもしれません。植えつけが難しい場所では、鉢植えによる管理を考えましょう。

② 植物の性質を知る

草花には、「一年草(いちねんそう)」や「多年草(たねんそう)」などがあります。球根は多年草に分類し、樹木は「低木(ていぼく)」や「高木(こうぼく)」などに分かれます。そのほか、冬の間も葉が残る「常緑(じょうりょく)」、つるを伸ばして生育する「つる性」などの特徴もあります。植物の好みや性質を調べ、庭の環境に合わせて選んでください。

球根については、「おすすめの秋植え球根9選」「【春にきれいに咲かせたい!】秋植え球根の植え方を紹介」の記事で詳しくご紹介しています。

③ 環境を整える

植物は、後述の方法で準備をした場所に植えましょう。植えつけ後は、混み合った部分の茎を切り取って風通しをよくしたり、つるを誘引(ゆういん)したりする作業が必要です。また、日々の観察を心がければ、病害虫の早期発見も可能です。シェードガーデンならではの環境を整え、美しく健康な植物を育てましょう。

シェードガーデンを作ろう!4つのステップ

シェードガーデンを作ろう!4つのステップ

それでは、シェードガーデンの作り方を順にご紹介いたします。

ステップ① 庭の観察と場所の決定

まずは庭を観察し、1年を通して日光の当たり具合や状況を把握しましょう。「通り道になる」「自転車を置く」「排気が当たる」など、生活との関連もチェックしてください。観察が済んだら、植物を植える場所を決定します。

ステップ② デザインと下準備

植える場所を決めたら、シェードガーデンのデザインを考えます。「高低差をつける」「レンガを使う」「一部を鉢植えにする」などがおすすめです。初心者の方は、数種類の植物からはじめて徐々に増やしましょう。

デザインがまとまったら、土の準備に入ります。基本的には、石や落ち葉などを取り除いて下から掘り返し、トレイや黒いビニール袋などに入れて日光消毒します。土を元の場所に戻し、石灰を混ぜて中和してから腐葉土(ふようど)やたい肥などを混ぜてください。

水はけが悪いときは、軽石やパーライトなどを加えます。植えつける1週間前には、粒状の化成肥料を加えてなじませましょう。

デザインについては、「ガーデニングデザインで自宅のお庭をおしゃれな空間に!」「【レンガの敷き方】ガーデニング初心者向けのポイントや材料を紹介」の記事をご覧ください。

ステップ③ 植物の決定と購入

②と並行して、環境に合う植物について調べると効率的です。植物が近くで手に入るとは限らないので、大型店舗やネットショップもチェックしましょう。店頭の苗は、茎や葉の色がよくしっかりと育ったものを選んでください。ポットの底から根が見えるか、土にカビが生えていないかなども調べましょう。

ステップ④ 植物の植えつけ

株間のスペースを取りながら、植えつける穴を掘ります。ポットから苗を取り出し、土を軽く崩してください。穴の中に苗を置き、周囲に土をしっかりと入れます。株元を軽く押さえてから、水をたっぷりと与えましょう。

木陰のシェードガーデンにおすすめの植物

木陰のシェードガーデンにおすすめの植物

ここからは、シェードガーデンにおすすめの植物をご紹介いたします。

育てやすい品種

木陰のシェードガーデンで育てやすい品種は、次のとおりです。

ギボウシ(ホスタ)の黄色、金色

種類が豊富なギボウシのうち、葉が黄色や金色のタイプは木陰によく映えるでしょう。

  • キジカクシ科(ユリ科、リュウゼツラン科、クサスギカズラ科)ギボウシ属(ホスタ属)
  • 多年草
  • 開花期:7~8月

暑さや寒さに強く丈夫な品種で、大半は株が大きく育ちます。夏に白や紫の可憐(かれん)な花が咲き、冬は地上部が枯れます。水はけがよく、栄養の豊富な土を用意しましょう。

ヒューケラ

  • ユキノシタ科ツボサンゴ属(ヒューケラ属)
  • 多年草
  • 開花期:5~7月

種類が豊富で葉の色も美しいヒューケラは、寄せ植えが可能です。常緑で寒さに強く、育てやすい品種です。栄養豊かな土に植え、乾燥し過ぎないようにしてください。

寄せ植えについては、「寄せ植えの基本と作り方。初心者でもおしゃれに仕上げるコツも解説!」「春の寄せ植えを楽しもう!おすすめの花や苗選びのポイントを解説」の記事でもご紹介しています。

セダム

  • ベンケイソウ科マンネングサ属(セダム属)
  • 一年草、二年草、多年草
  • 開花期:種類による

セダム属の多肉植物を総称したもので、日陰のグラウンドカバーに適しています。丈夫で育てやすく、現在500を超える種類があります。水はけのよい土に植えましょう。

リュウノヒゲ

  • キジカクシ科(ユリ科、リュウゼツラン科、クサスギカズラ科)ジャノヒゲ属(オフィオポゴン属)
  • 多年草
  • 開花期:6~7月

ジャノヒゲとも呼ばれ、開花後鮮やかな青い実をつけます。常緑で育てやすく土を選ばないため、ほとんどお手入れを必要としません。コクリュウやタマリュウも同じ仲間です。

シダの仲間

  • 種類によって分類が異なる
  • 多年草

胞子で増える植物で、花は咲きません。メジャーなものは、タマシダやニシキシダ、クサソテツ(コゴミ)、トクサやシノブの仲間などです。土はそれぞれの品種に合わせてください。

個性の豊かな品種

個性の豊かな品種

木陰のシェードガーデンに、個性の豊かな品種も加えませんか。

ニューサイラン

  • キジカクシ科(ユリ科、リュウゼツラン科、クサスギカズラ科)フォルミウム属(マオラン属)
  • 多年草
  • 花はほとんど咲かない

コルディリネに似た美しい葉を地面から広げます。常緑で育てやすく種類が豊富なので、シェードガーデンのアクセントとしておすすめです。水はけのよい場所に植えましょう。

カレックス

  • カヤツリグサ科スゲ属(カレックス属)
  • 多年草
  • 開花期:4~6月

常緑の細長い葉には黄緑、シルバー、斑入りなどがあり、約2000の品種が楽しめます。非常に丈夫で、初夏に花穂がつきます。水はけがよく、やや湿った場所に植えてください。

ラミウム

  • シソ科オドリコソウ属(ラミウム属)
  • 多年草
  • 開花期:5~6月

常緑で緑やシルバー、斑入りなどの葉があり、初夏に紫や白、黄色などの花が咲きます。こんもりとした形を生かした鉢植えもおすすめです。水はけのよい土に植えつけましょう。

花を楽しむことのできる品種

木陰のシェードガーデンで花を楽しめる品種は、次のとおりです。

アジュガ

  • シソ科キランソウ属(アジュガ属)
  • 多年草
  • 開花期:4~6月

常緑の葉がほふく状に広がり、初夏に青紫などの花が縦に並んで咲きます。非常に丈夫で、ほとんど手がかかりません。乾燥を嫌うので、排水性と保水性のよい土に植えてください。

セイヨウオダマキ

  • キンポウゲ科オダマキ属
  • 多年草
  • 開花期:5~6月

オダマキの中でも、「アクイレギア・ブルガリス」など一部の品種を指します。スラリと伸びた茎に咲く、白い清楚(せいそ)な花が印象的な植物です。やや水分の多い土を好みます。

クリスマスローズ

  • キンポウゲ科クリスマスローズ属(ヘレボルス属)
  • 多年草
  • 開花期:1~3月

「冬の貴婦人」とも呼ばれ、色や花の形状が多彩な植物です。丈夫で手もかからず、品種によって常緑と落葉があります。排水性と保水性のよい木陰に植えましょう。

半日陰のシェードガーデンにおすすめの植物

半日陰のシェードガーデンにおすすめの植物

半日陰のシェードガーデンには、上記の植物に加えて次の品種がおすすめです。ギボウシは、斑(はん)入りのものを選んでください。

花を楽しむことのできる品種

半日陰の環境で花を楽しめる品種は、次のとおりです。

ミヤコワスレ

  • キク科ミヤマヨメナ属(シオン属、アスター属)
  • 多年草
  • 開花期:4~6月

国内の山地に自生する「ミヤマヨメナ」の園芸品種を指します。丈夫で育てやすく、初夏には青紫やピンクなどの花を咲かせます。水はけがよく、やや水分の多い土を好みます。

シャガ

  • アヤメ科アヤメ属
  • 多年草
  • 開花期:4~5月

国内の森林や岩場などに自生し、日陰でも育つ常緑の草花です。アヤメ科の特徴をもつ清楚(せいそ)な花を楽しむことができます。乾燥を嫌うので、保水性のある土に植えましょう。

アスチルベ

  • ユキノシタ科チダケサシ属(アスチルベ属)
  • 多年草
  • 開花期:5~7月

やや大きめですが、寒さに強く丈夫で育てやすい品種です。梅雨の間も、フワフワとした花穂が元気に咲き続けます。半日陰の水はけのよい場所を選んで植えつけてください。

つる性の品種

つるの特性を生かして、シェードガーデンをおしゃれにデザインしましょう。

アイビー(ヘデラ)

  • ウコギ科キヅタ属
  • 多年草またはつる植物

非常に丈夫な植物で、主に流通するのはセイヨウキヅタなどおよそ250種です。インテリアグリーンや寄せ植えにしても楽しめます。水はけのよい場所に植えましょう。

インテリアグリーンについては、「インテリアグリーンで室内の雰囲気をおしゃれに!おすすめのインテリアグリーン12選」の記事もご覧ください。

ハツユキカズラ

  • キョウチクトウ科テイカカズラ属
  • つる植物
  • 開花期:5~6月

「テイカカズラ」の園芸用の品種で、常緑の葉にピンクと白の斑が入ります。色がきれいなため、寄せ植えにも向きます。乾燥を避け、排水性と保湿性のよい土を用意しましょう。

ツルニチニチソウ

  • キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属(ビンカ属)
  • 多年草または亜低木
  • 開花期:3~6月

暑さや寒さに強く、半日陰でも育つ丈夫な品種です。初夏には青紫などの花が咲き、1年を通して緑や斑入りの葉を観賞できます。水はけがよければ、特に土を選びません。

完全な日陰のシェードガーデンにおすすめの植物

完全な日陰のシェードガーデンにおすすめの植物

完全な日陰には、ギボウシ(緑のタイプ)やラミウムのほかに次の品種がおすすめです。

ヤブラン

  • キジカクシ科(ユリ科、リュウゼツラン科、クサスギカズラ科)ヤブラン属(リリオペ属)
  • 多年草
  • 開花期:8~10月

国内にも自生する常緑の植物で、細長い葉には緑や斑入りなどがあり、開花後に黒い実が成ります。非常に丈夫で日陰でもよく育ち、植えつける土の性質も選びません。

ツワブキ

  • キク科ツワブキ属
  • 多年草
  • 開花期:10~12月

厚みとツヤのある葉をもつ常緑のツワブキは、海岸近くの林などに自生します。葉に斑が入るものもあり、近年では明るい花色も増えました。一般的な草花用の土で育ちます。

ユキノシタ

  • ユキノシタ科ユキノシタ属
  • 多年草
  • 開花期:5~6月

沢の近くや岩場など、国内各地に自生します。常緑で模様が特徴的な葉をもち、初夏には白い花を咲かせます。やや湿度があり、排水性と保水性のよい土に植えましょう。

苔(コケ)の仲間

  • 種類によって分類は異なる
  • 多年草、一部は一年草

水分や養分が通る「維管束(いかんそく)」をもたず、胞子で増えます。国内には1700ほどの種類があり、一部は日陰でも育ちます。湿度が高ければ土がなくても構いません。

苔については、「自宅でできる苔(コケ)栽培。コケの育て方、増やし方について」の記事をご覧ください。

シェードガーデンのお手入れには

シェードガーデンのお手入れには

日当たりの少ないシェードガーデンにも、雑草が繁殖します。美しいシェードガーデンを保つためにも、フマキラーの「カダン除草王シリーズ ビネガーキラー」をおすすめします。醸造酢を原料にした食品由来の除草剤で、薬剤のかかった部分だけに効果を発揮。大切な植物を枯らす心配もなく、お子様やペットのいるご家庭や、畑・花だんでも安心して使用可能です。

シェードガーデンでお気に入りの植物を育てよう

シェードガーデンでお気に入りの植物を育てよう

今回は、「日当たりの悪い庭」でお悩みの方に向けて、シェードガーデンの概要と作り方や管理のポイント、日陰で育つ植物についてご紹介いたしました。

短い日照時間で育つ植物も多いので、環境に合った品種を選んで栽培してください。まずは庭の観察からスタートして、シェードガーデンにお気に入りの植物を少しずつ増やしていきましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。