アルコール消毒プレミアム ウイルシャット手指用(指定医薬部外品、販売名:フマキラー消毒ハンドP)が以下のウイルス、細菌、真菌に対して高い効果を示すことが確認されました。
| 種類 | 菌・ウイルス名 |
|---|---|
| ウイルス | |
| エンベロープウイルス | 新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルス、RSウイルス |
| ノンエンベロープウイルス | アデノウイルス、ロタウイルス、ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替ウイルス) |
| 細菌 | |
| グラム陽性菌 | 黄色ブドウ球菌、リステリア、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ミクロコッカス、 溶血性レンサ球菌、溶血性レンサ球菌M1UK株 |
| グラム陰性菌 | 大腸菌O157、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、緑膿菌、アシネトバクター、レジオネラ、肺炎桿菌、プロテウス、セラチア、セパシア |
| 真菌 | |
| 糸状菌 | 白癬菌、クロコウジカビ |
| 酵母 | カンジダ |
ウイルスへの効果
細菌・真菌への効果
試験内容
「アルコール消毒プレミアム ウイルシャット手指用(指定医薬部外品、販売名:フマキラー消毒ハンドP)」(以下、試験薬剤)に対して各種ウイルスの不活化効果を調べた。
試験方法概要
〈表1〉供試ウイルス、及び感染価測定方法
| ウイルス | 分類(科) | 感染価測定方法 |
|---|---|---|
| エンべロープウイルス | ||
| SARS-CoV-2 | コロナウイルス科 | TCID50法 |
| インフルエンザウイルス | オルトミクソウイルス科 | |
| 鳥インフルエンザウイルス | オルトミクソウイルス科 | |
| RSウイルス | パラミクソウイルス科 | 免疫蛍光染色 感染フォーカス法 |
| ノンエンべロープウイルス | ||
| アデノウイルス | アデノウイルス科 | 免疫蛍光染色 感染フォーカス法 |
| ロタウイルス | レオウイルス科 | |
| ネコカリシウイルス | カリシウイルス科 | TCID50法 |
〈方法〉
- ①試験薬剤90μLにウイルス液10μLを混合し、エンベロープウイルスは10秒、ノンエンベロープウイルスは30秒作用させた。
- ②作用後、混合液から50μL採取し、培地で10倍段階希釈を行い、作用を停止させた。
- ③②の液を感染価測定用試料の原液としてTCID50法あるいは免疫蛍光染色感染フォーカス法で感染価を測定した。
試験結果
エンベロープウイルス
〈表2〉にSARS-CoV-2、インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルス、
及びRSウイルスの無処理対照及び試験薬剤10秒処理後の感染価を示す。
〈表2〉エンベロープウイルスに対する効果
| 供試ウイルス(感染価単位) | 無処理対照の 感染価 |
試験薬剤10秒 処理後の感染価 |
減少率 |
|---|---|---|---|
| SARS-CoV-2(TCID50/mL) | 107.6 | < 101.8 | 99.99%以上 |
| インフルエンザウイルス(TCID50/mL) | 107.1 | < 102.8 | 99.99%以上 |
| 鳥インフルエンザウイルス (TCID50/mL) | 106.3 | < 102.8 | 99.9%以上 |
| RSウイルス(CIU/mL) | 105.9 | < 102.3 | 99.9%以上 |
※減少率(%):100―(試験薬剤10秒処理後の感染価/無処理対照の感染価)×100
ノンエンベロープウイルス
〈表3〉にアデノウイルス、ロタウイルス、及びネコカリシウイルスの
無処理対照及び試験薬剤30秒処理後の感染価を示す。
〈表3〉ノンエンベロープウイルスに対する効果
| 供試ウイルス(感染価単位) | 無処理対照の 感染価 |
試験薬剤30秒 処理後の感染価 |
減少率 |
|---|---|---|---|
| アデノウイルス (CIU/mL) | 109.0 | < 101.3 | 99.99%以上 |
| ロタウイルス (CIU/mL) | 106.3 | < 102.3 | 99.99%以上 |
| ネコカリシウイルス (TCID50/mL) | 107.8 | < 101.8 | 99.99%以上 |
※減少率(%):100―(試験薬剤30秒処理後の感染価/無処理対照の感染価)×100
出典
医学と薬学
79巻10号
タイトル:各種病原ウイルス(SARS-CoV-2等)に対する医薬品類および雑貨品の有効性判定
79巻10号
タイトル:各種病原ウイルス(SARS-CoV-2等)に対する医薬品類および雑貨品の有効性判定
エンベロープウイルス、
ノンエンベロープウイルスとは
エンベロープウイルスとは、脂質などで構成された膜を持つウイルスであり、この膜がアルコールにより溶解されるため、一般的にアルコールが効きやすいウイルスです。インフルエンザウイルスやコロナウイルスはエンベロープウイルスです。
ノンエンベロープウイルスとは、膜構造を持たずタンパク質の殻に覆われたウイルスであり、一般的にアルコールが効きにくいウイルスです。ノロウイルスやロタウイルスなどはノンエンベロープウイルスです。
試験内容
各種細菌・真菌に対し、「アルコール消毒プレミアム ウイルシャット手指用(指定医薬部外品、販売名:フマキラー消毒ハンドP)」(以下、試験薬剤)の有効性を調べた。
試験方法概要
〈表1〉供試菌
| 分類 | 供試菌名 |
|---|---|
| グラム陽性菌 | 黄色ブドウ球菌、リステリア、VRE、MRSA、ミクロコッカス、 溶血性レンサ球菌、溶血性レンサ球菌M1UK株 |
| グラム陰性菌 | 大腸菌O157、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、緑膿菌、アシネトバクター、レジオネラ、肺炎桿菌、プロテウス、セラチア、セパシア |
| 真菌 | 白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ |
〈方法〉
- ①試験薬剤9.9mLに菌液0.1mLを混合し、15秒間作用させた。
- ②作用後、①の混合液から1.0mL採取し、培地で10倍希釈(溶血性レンサ球菌では100倍希釈)を行い、作用を停止させた。
- ③②の液を寒天培地に播種、または溶解した寒天に滴下し混釈したのち培養した。
- ④コロニー数をカウントし、減少率を求めた。
試験結果
グラム陽性菌
〈表2〉にグラム陽性菌の無処理対照の生菌数、試験薬剤15秒処理後の生菌数、及び減少率について示す。
〈表2〉グラム陽性菌に対する効果
| 供試菌 | 無処理対照の 生菌数 (CFU/mL) |
試験薬剤15秒処理後の生菌数 (CFU/mL) |
減少率 |
|---|---|---|---|
| 黄色ブドウ球菌 | 8.2×107 | < 10 | 99.99%以上 |
| リステリア | 3.6×106 | < 10 | 99.99%以上 |
| VRE | 3.0×105 | < 10 | 99.99%以上 |
| MRSA | 6.8×105 | < 10 | 99.99%以上 |
| ミクロコッカス | 6.8×107 | < 10 | 99.99%以上 |
| 溶血性レンサ球菌 | 1.1×106 | < 1.1×102 | 99.99%以上 |
| 溶血性レンサ球菌M1UK株 | 1.0×106 | < 1.0×102 | 99.99%以上 |
※減少率(%):{1–(試験薬剤15秒処理後の生菌数/無処理対照の生菌数)}×100
グラム陰性菌
〈表3〉にグラム陰性菌の無処理対照の生菌数、試験薬剤15秒処理後の生菌数、及び減少率について示す。
〈表3〉グラム陰性菌に対する効果
| 供試菌 | 無処理対照の 生菌数 (CFU/mL) |
試験薬剤15秒処理後の生菌数 (CFU/mL) |
減少率 |
|---|---|---|---|
| 大腸菌O157 | 4.7×105 | < 10 | 99.99%以上 |
| サルモネラ | 8.2×105 | < 10 | 99.99%以上 |
| 腸炎ビブリオ | 9.7×105 | < 10 | 99.99%以上 |
| カンピロバクター | 2.7×107 | < 10 | 99.99%以上 |
| 緑膿菌 | 6.3×107 | < 10 | 99.99%以上 |
| アシネトバクター | 8.2×105 | < 10 | 99.99%以上 |
| レジオネラ | 2.6×106 | < 10 | 99.99%以上 |
| 肺炎桿菌 | 7.2×108 | < 10 | 99.99%以上 |
| プロテウス | 3.4×108 | < 10 | 99.99%以上 |
| セラチア | 1.7×109 | < 10 | 99.99%以上 |
| セパシア | 6.8×108 | < 10 | 99.99%以上 |
※減少率(%):{1–(試験薬剤15秒処理後の生菌数/無処理対照の生菌数)}×100
真菌
〈表4〉に真菌の無処理対照の生菌数、試験薬剤15秒処理後の生菌数、及び減少率について示す。
〈表4〉真菌に対する効果
| 供試菌 | 無処理対照の 生菌数 (CFU/mL) |
試験薬剤15秒処理後の生菌数 (CFU/mL) |
減少率 |
|---|---|---|---|
| 白癬菌 | 2.9×106 | < 10 | 99.99%以上 |
| クロコウジカビ | 7.5×106 | < 10 | 99.99%以上 |
| カンジダ | 5.6×106 | < 10 | 99.99%以上 |
※減少率(%):{1–(試験薬剤15秒処理後の生菌数/無処理対照の生菌数)}×100
出典
医学と薬学
79巻12号
タイトル:各種細菌・真菌に対する医薬品類および雑貨品の有効性判定
※溶血性レンサ球菌以外の菌への効力
81巻8号
タイトル:A群溶血性レンサ球菌に対する医薬品類及び雑貨品の有効性判定
※溶血性レンサ球菌への効力
81巻10号
タイトル:A群溶血性レンサ球菌M1UK株に対する医薬品類および雑貨品の有効性判定
※溶血性レンサ球菌M1UK株への効力
79巻12号
タイトル:各種細菌・真菌に対する医薬品類および雑貨品の有効性判定
※溶血性レンサ球菌以外の菌への効力
81巻8号
タイトル:A群溶血性レンサ球菌に対する医薬品類及び雑貨品の有効性判定
※溶血性レンサ球菌への効力
81巻10号
タイトル:A群溶血性レンサ球菌M1UK株に対する医薬品類および雑貨品の有効性判定
※溶血性レンサ球菌M1UK株への効力