タチアオイ(ホリホック)は八重咲きの方が人気?タチアオイの育て方や注意すべき害虫を解説

タチアオイ(ホリホック)は八重咲きの方が人気?タチアオイの育て方や注意すべき害虫を解説

スラリと伸びた茎に複数の大きな花が咲く「タチアオイ(ホリホック)」をご存じでしょうか。古くから梅雨明けの目安になる花として、人々の目を楽しませてきました。近年では、多くの花びらが重なったゴージャスな品種も流通します。

今回はタチアオイの育て方を中心に、概要や育て方のポイント、トラブルと対処法などについて解説いたします。

タチアオイ(ホリホック)の基礎知識

タチアオイ(ホリホック)の基礎知識

空き地や道路わきなど、身近な場所に自生するタチアオイを見かけたことがあるかもしれません。タチアオイとは、どのような植物なのでしょうか。

タチアオイの概要

アオイ科タチアオイ属(ビロードアオイ属)に分類され、一年草と二年草、多年草の品種があります。タチアオイ(立葵)は和名、ホリホック(hollyhock)は英名で、一番上の花が咲くころに梅雨が明けるといわれることから、別名「梅雨葵(ツユアオイ)」とも呼ばれます。

高さ1~2m以上まで伸び、開花期の6~8月には直径10cmほどの花を下から順に咲かせます。種類が豊富で、暑さや寒さに強く育て方が簡単なため、初心者の方も気軽に栽培できます。

タチアオイの原産は地中海や中央アジアとされ、5万年前のイラクの遺跡から花粉が発見されています。ヨーロッパや中国に伝わった時期は定かではありませんが、中国では「蜀葵(しょくき・しょっき)」と呼んで、葉や花などを薬用にしました。日本では万葉集や枕草子にも登場し、かつては「唐葵(からあおい)」などと呼ばれ観賞用に栽培されました。

タチアオイの種類

タチアオイの種類は多く、花の色は白や赤、ピンク、黄、黒のほか、複数の色が混ざるタイプもあります。花びらは一重(ひとえ)咲きと花びらが重なる八重(やえ)咲き、その中間の半八重(はんやえ)咲きが流通します。特に花びらが多く重なるタイプは、英語でボタンやシャクヤクを意味する「ピオニー(peony)」咲きと呼ぶこともあります。

近年、バラのようにゴージャスな雰囲気をもつ八重咲きのタチアオイをよく見かけますが、一重のタイプもハイビスカスのように可憐(かれん)な愛らしさで人気を集めています。タチアオイの好みや魅力は、それぞれに異なるといってよいでしょう。

また、1~2mほどの高さまで伸びる品種に対し、60~70cmくらいの小さい「矮性(わいせい)」のタイプもあります。なお、ハーブの「マーシュマロウ」もタチアオイの仲間で、和名で「ウスベニタチアオイ」とも呼ばれます。

ハーブについては、「ハーブ栽培は庭やベランダの虫除けにも最適!」「手軽に育てられるキッチンハーブの魅力」の記事をご覧ください。

タチアオイ(ホリホック)の育て方【2つのポイント】

タチアオイ(ホリホック)の育て方【2つのポイント】

タチアオイの育て方は、次の2点が大切なポイントです。

① 扱いは丁寧に

根に傷がつくと生育に影響が出るため、植えつけるときは丁寧に扱いましょう。苗をポットから出すときは、なるべく根と土を崩さないようにしてください。

② 花がらを摘む

タチアオイは、下から順に花が開花します。咲き終わった花(花がら)をこまめに摘み取り、株の衰弱や病気を予防しましょう。

タチアオイ(ホリホック)の栽培に必要なもの

タチアオイ(ホリホック)の栽培に必要なもの

シャベルやジョウロ、園芸用のハサミなどのほかに、次のものを用意してください。

花だんまたはプランターなど

タチアオイは大きく育つので、広めの花だんが必要です。日当たりがよく、強風の吹きつけないところがよいでしょう。ただし、生育不良や病気が現れる連作障害(れんさくしょうがい)を防ぐため、前年にアオイ科の植物を植えた場所を避けて栽培してください。

鉢やプランターは10号以上のサイズを選び、ネットに入れた鉢底石(はちぞこいし)も用意してください。

タネまたは苗

タネは、英名のホリホックで販売されることもあります。一年草や多年草、花の咲き方など、好みに合わせて選びましょう。なお、秋にタネをまく場合や二年草の品種は翌年に開花するので、説明書をよく読んで購入してください。タネまきをするときは、園芸用のポットやタネまき用の土、霧吹きも必要です。

苗は、茎や葉の緑色が鮮やかでヒョロヒョロとしていないもの、ポットの底から根が見えるものを購入しましょう。

土と肥料など

タチアオイは、水はけのよい土を好みます。花だんの土の下準備には、たい肥や腐葉土(ふようど)、石灰のほか、軽石またはパーライトなどがあるとよいでしょう。鉢植えには、市販の草花用の土を使うと便利です。肥料は、粒状の化成肥料を用意します。

支柱とビニタイなど

背が高く伸びるタチアオイは、支柱とビニタイなどで支えながら育ててください。支柱の長さは、品種に合わせて選びましょう。

タチアオイ(ホリホック)の育て方

タチアオイ(ホリホック)の育て方

それでは、タチアオイの育て方を順に解説いたします。

土の下準備

花だんで栽培するときは、土の中の古い根や落ち葉、小石などを取り除いて下から掘り返し、日光に当てておきます。植えつける2週間くらい前に石灰をまいて、酸性の土を中和させましょう。

その後、たい肥や腐葉土を加えますが、水はけが悪い場合は軽石またはパーライトなどを混ぜます。植えつけの1週間くらい前に、化成肥料を加えてなじませてください。鉢やプランターの土を再利用するときも、同様の手順で準備します。

タネまきの方法

タネまきに適した気温は15~20℃くらいで、3~5月が一般的です。品種によっては、タネを一晩水に浸してから作業してください。ポットに土を入れ、5mmくらいの深さの穴に2~3粒をまきます。タチアオイのタネは発芽の際に光を必要とする「好光性種子(こうこうせいしゅし)」なので、タネをまいた後はごく薄めに土をかぶせましょう。

乾燥しないように霧吹きで水を与え、ビニール袋などをかけて明るい場所に置きます。発芽したら日光に当て、元気な1本を残してほかは抜き取ります。本葉が2~3枚出たら、花だんやプランターなどに植えつけましょう。

植えつけのポイント

植えつけは、3~4月または9~11月が適しています。先述のとおり、苗をポットから出すときは丁寧に扱い、土を崩さないようにしましょう。株と株の間は、矮性の品種は20~25cm、大型の品種は30~50cmくらい空けます。

鉢やプランターには、1鉢に1株が基本です。矮性のタイプであれば、大きめのサイズに2株植えてもよいでしょう。

日々の管理

鉢やプランターには、定期的な水やりが必要です。土の表面を観察し、乾いていたら午前中に水を与えてください。乾燥しがちな夏場は、早朝と夕方に水やりをしましょう。タチアオイは過湿を嫌うため、雨の降る日は軒下(のきした)などに鉢を移動してください。花だんの場合は基本的に降雨のみで、水やりの必要はありません。

高さが20cmを超えたら、倒れないように支柱で支えましょう。なお、タチアオイはあまり肥料を必要としません。植えつけの際に元肥(もとごえ)として施した後は、開花前の4~5月に化成肥料を1回与える程度でよいでしょう。

また、育て方のポイントである花がら摘みも、定期的におこなってください。花がすべて咲き終わったら、株元近くまで茎を切り戻すと新芽が出てきます。環境が整えば、再び花を咲かせます。

タネの採取

タネを採取するときは、開花期の終わりに花をいくつか残し、枯れるまで待ちます。全体的に茶色くなったらタネを取り出し、通気性のよい紙袋などに入れて冷暗所で保管しましょう。

タチアオイの株分け

多年草のタチアオイは、株分けで増やすことが可能です。鉢植えは、1~2年に1度の植え替えのタイミングで株分けをするとよいでしょう。株分けに適した時期は、3~4月または10~11月です。

掘り出す際は丁寧に作業し、なるべく根に負担をかけないようにしてください。1つの株に3~5本くらいの芽を目安にし、根を残したまま分けます。植えつけ後は水を与え、数日は日陰に置いて様子を見ましょう。

タチアオイの冬越し

多年草の冬越しは、茎を3分の1くらいまで切り戻します。葉は徐々に枯れますが、根は生きています。鉢やプランターは日当たりのよい場所に置き、冬の間も土の表面が乾いたら水やりをしましょう。

霜の降りる日は、敷きわらや腐葉土などでマルチングを施してください。鉢植えは、新聞紙や不織布(ふしょくふ)などで周囲をおおうとよいでしょう。

マルチングについては、「園芸におけるマルチングとは?効果や使用方法、注意点をわかりやすく解説」の記事を参考にしてください。

タチアオイ(ホリホック)のトラブルと対処法

タチアオイ(ホリホック)のトラブルと対処法

最後に、タチアオイのトラブルと対処法についてご紹介いたします。

タチアオイの害虫

葉や茎の汁を吸うアブラムシや、巻いた葉の中に生息して葉などを食べるハマキムシがつくことがあります。また、夜の間に新芽を食べつくすヨトウムシは、土の中や葉の裏にひそんでいます。害虫を見つけたらすぐに駆除して、大切な植物を守りましょう。

タチアオイの病気

水はけの悪い場所で栽培すると、葉に褐色のはん点が出る「炭疽(たんそ)病」や、葉や茎などに褐色のはん点が出る「はん点病」にかかることがあります。また、葉にモザイクの模様が出る「ウイルス病」は、アブラムシがウイルスを媒介します。栽培環境を整え、異変が現れた部分はすぐに取り除いてまん延を防ぎましょう。

タチアオイにつくアブラムシには、フマキラーの「カダンセーフ」をおすすめします。食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。

屋内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。また活力成分の天然アミノ酸とAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合していますので、病害虫対策だけでなく植物の生育もサポートする優れものです。

タチアオイ(ホリホック)の育て方はこれでOK!

タチアオイ(ホリホック)の育て方はこれでOK!

今回はタチアオイ(ホリホック)について、概要や具体的な育て方、トラブルと対処法などをご紹介いたしました。タチアオイは、育て方のポイントである「植えつけ」「花がら摘み」の2点を押さえて栽培し、日々観察を心がければほぼ心配はいりません。ゴージャスな八重咲きと愛らしい一重咲き。皆さんはどちらのタチアオイがお好みでしょうか。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。