園芸におけるマルチングとは?効果や使用方法、注意点をわかりやすく解説

園芸におけるマルチングとは?効果や使用方法、注意点をわかりやすく解説

園芸で「マルチングをする」と聞いたことがあっても、具体的な種類や敷き方、管理の方法はわからないという方が多いかもしれません。マルチングには、保温や雑草の抑制といった多くの効果が期待できるので、栽培する植物に合わせて取り入れましょう。

今回は、マルチングの基礎知識と主な種類、敷き方とその後の管理などについてわかりやすく解説いたします。

マルチングの基礎知識

マルチングの基礎知識

はじめに、マルチングの基礎知識をご覧ください。

マルチングとは

マルチングとは、畑や花だん、プランターなどの土の表面を資材でおおう方法を指します。略して「マルチ」とも呼ばれ、マルチングを導入した栽培を「マルチ栽培」という場合もあります。マルチングにはポリエチレンのシートを使うのが一般的ですが、状況に合わせて敷きわらや腐葉土などを用いたり、シートと敷きわらの両方をほどこしたりします。

マルチングの効果

マルチングをほどこすと、次のような効果が期待できます。

保温と保湿

マルチング材で覆われた土は、太陽の熱によって温度が上昇します。春先など気温が十分に上がらない時期の植えつけや、冬を越す植物の保護をしたいときにマルチングが役に立ちます。さらに、水分の蒸発を防いで土の湿度を適切に保つため、水やりの回数を減らせる点もメリットです。

春先に植える野菜については、「【2月に植える野菜】家庭菜園でも手軽にできる種類と育て方」の記事をご覧ください。

雑草の抑制

土の表面を保護するため、雑草のタネが落ちて発芽するのを防ぐことができます。また、黒いマルチシートは日光を遮断するため、もともと土の中にあるタネの発芽や、根を張っている多年草の生長を抑えることもできます。

病気の予防

降雨や水やりによって土がはねると、土の中の病原菌が植物に付着し、病気を発症させる場合もあります。マルチングをほどこせば土のはね返りを防げるので、栽培する植物の病気の予防につながります。

土や肥料の保護

土がおおわれるので、風雨の影響で侵食されたり流されたりするリスクも小さくなります。また、大小の微粒子が形成する土の「団粒(だんりゅう)構造」が壊れにくくなり、ふかふかで通気性のよい状態を保つことができます。同様に、マルチングは雨による肥料の流出も防ぐので、植物はゆっくりと成分を吸収できます。

そのほか

マルチシートの色によっては、アブラムシやアザミウマなどの害虫を寄せつけない効果も期待できます。ジャガイモの栽培では、光を遮断する黒いマルチングをほどこせば、地上に出たイモが変色しないメリットもあります。

主なマルチングの種類

主なマルチングの種類

マルチングにはさまざまな種類があるので、用途によって使い分けましょう。

マルチシート

ポリエチレン製のマルチシートは、広い敷地の栽培に向いています。ほとんどがロール状で販売されており、苗を植える穴が空いたものや、土に還る素材を使用したものもあります。

黒色マルチ

黒色のマルチシートは、季節を問わずに使用できます。太陽の光を通さないため、雑草を抑制する効果があります。夏はシート本体が高温になるので、敷きわらと併用するのが一般的です。

透明マルチ

太陽の光を通して地温がよく上がるため、主に冬から早春の栽培や土壌の殺菌などに使用します。雑草が繁殖しやすい点がデメリットで、地温が上がりすぎる夏は敷きわらと併用するケースもあります。

シルバーマルチ

太陽の光を反射する銀色のマルチシートは、アブラムシやアザミウマなどの防虫効果が期待できます。果実の裏側に光を当てて、色づけに使う使用法も可能です。

アブラムシについては、「アブラムシが発生する原因とは?アブラムシの退治方法と予防方法」の記事で詳しくご紹介しています。

白黒マルチ

表は光を反射する白、裏は遮光性がある黒のマルチシートです。光を遮るので雑草が繁殖しにくく、地温の上昇も抑えます。夏は白を表に、冬は黒を表にして使うことも可能です。

銀黒マルチ

表が光を反射する銀色、裏は遮光性がある黒のマルチシートです。銀色が害虫の飛来や地温の上昇を抑制し、黒が雑草の繁殖を抑える多機能タイプです。

グリーンマルチ

緑色のマルチシートで、黒よりも地温の上昇が穏やかです。日光を遮る力は黒に劣りますが、雑草の抑制効果が期待できます。

そのほかのマルチング

シート以外でマルチングに使用する資材は次のとおりです。

敷きわら

本来はイネやムギなどの茎を干したものを指しますが、雑草や栽培が終わった植物などでも代用でき、最終的には土に還ります。湿度が一定に保たれる上に温度の変化が少なく、隙間に生物が生息して病害虫を予防します。

風で飛びやすい点がデメリットで、敷き方によっては水が流れ出てしまい、うまくしみ込まないことがあります。

腐葉土

落葉や枝などが微生物の力で分解・発酵したもので、保水性や排水性が高く地温効果も期待できます。栄養価が高く通気性もよいため、土の下準備をする際の改良剤としても使われます。ただし、完全に熟していないものはにおいが出たり、発酵の途中でガスが発生して根を傷めたりするケースがあります。

バークチップなど

バークチップは赤松や黒松などの樹皮(bark)をくだいたもので、サイズがやや大きく角に丸みがあり、赤みのある点が特徴です。よく似た名前のウッドチップは、スギやヒノキなどの木を丸ごとくだいたもので、バークチップよりも小さく種類によって香りが異なります。

これらは見た目が美しいため、主に鉢植えや花だんなどで使用しますが、劣化が早く虫もつきやすい点がデメリットです。

新聞紙などの紙

鉢やプランターなどの一時的なマルチングには、紙を細く裂いたものでも構いません。特に新聞紙は保水性や保温性が高く、小規模のマルチングに向いています。見た目は劣りますが、留守が続くときや旅行の際などの応急処置に便利です。

旅行中の水やりについては、「旅行中で水やりができない…どうすればよい?長期外出時の対処法をご紹介」の記事をご覧ください。

マルチングの敷き方~マルチシート

マルチングの敷き方~マルチシート

それでは、マルチングの敷き方を具体的にご紹介いたします。

用意するもの

マルチシートを敷くときは、次のものを用意してください。

マルチシート

季節や目的を考慮し、上記の中から選びましょう。畑の畝(うね)の幅を測り、押さえる分もプラスしたサイズを購入してください。穴が開いたマルチシートを使用する場合は、穴の大きさや間隔の確認も必要です。安価なシートは破けやすいので、なるべく丈夫なものを選びましょう。

マルチ押さえ

マルチシートを押さえるものとして、U字型のピン(ヘアピン)を使用します。「黒丸(くろまる)」と呼ばれる丸いプレートがセットになった商品もあります。また、プラスチック製のT字型のタイプや、ワイヤーの頭が六角に曲げられたタイプも見かけます。

シャベルやレーキなど

小さい面積で畝(うね)を作るときはシャベルでも構いませんが、広い面積では鍬(くわ)があると便利です。畝の表面を平らにする際は、レーキが使いやすいでしょう。

支柱と糸

広い面積にマルチングをほどこす場合は、支柱と糸を使って目印を立てるとまっすぐな畝を作ることができます。糸は色のついた「水糸(みずいと)」がおすすめですが、タコ糸などでも構いません。

カッターや穴開け器

余ったマルチシートを切るには、カッターが必要です。苗を植える穴が開いていないマルチシートは、カッターまたは専用の穴開け器で穴を開けます。

マルチングの手順

マルチシートの敷き方は、次のとおりです。

【下準備】

  1. 土に石灰やたい肥、肥料などを混ぜて下準備をする
  2. 支柱と糸で目印を立てて畝を作り、2~3日置いて土を寝かせる

【敷く作業】

マルチシートを敷くときは風の少ない日を選び、シートが柔らかくなる昼間の暖かい時間帯に作業しましょう。

  1. 畝をレーキなどで平らにならす
  2. 畝の周囲に、マルチシートのすそを埋める溝を作る
  3. 畝の角にマルチシートの端を合わせ、マルチ押さえで仮に留めておく
  4. 中心がずれないようにして、畝の上にマルチシートを広げる
  5. 終点まで広げたら、埋める分の余裕を残してマルチシートを切る
  6. マルチシートを引っ張り、角をマルチ押さえで留めて表面に重しを乗せる
  7. 畝が長いときは、サイドもマルチ押さえで留める
  8. 足でマルチシートのすそを溝に入れながら、土をかけて踏み固める
  9. 穴が開いていないマルチシートは、植える作物に合わせて穴を開ける

マルチングの敷き方~敷きわらなど

マルチングの敷き方~敷きわらなど

敷きわらやバークチップ、腐葉土などのマルチングは、厚さを均一にして株の根元に敷きます。畝に敷きわらを使用するときは、水が流れ出ないように畝と並行に敷きつめてください。鉢やプランターでは、土の表面が隠れるくらいの量を敷きましょう。

マルチング後の管理

マルチング後の管理

最後に、マルチングをほどこした後の水やりと肥料の与え方、栽培のトラブルについてご紹介いたします。

マルチシートの場合

マルチシートを張った畑は、基本的に水やりが不要です。ただし、猛暑などで極端に乾燥した場合は穴から水を与えてください。肥料を追加するときは、マルチシートの片側をめくって根の先端の部分に与えます。作業後はシートを戻し、元のとおりに土をかけて押さえましょう。

シートに穴を開けて肥料を与えることも可能ですが、穴が広がって破けたり、雑草が生えたりする心配もあります。

敷きわらなどの場合

敷きわらや腐葉土のマルチングは、そのまま上から水や肥料を与えても構いません。バークチップや新聞紙は、土が見えるように資材を寄せてから水や肥料を与えます。作業後は、資材を元に戻して土を保護しましょう。

家庭菜園のトラブルには

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マルチングの敷き方を覚えて効果的に使おう

マルチングの敷き方を覚えて効果的に使おう

今回は、マルチングの基礎知識と主な種類、具体的な敷き方を解説し、敷いた後の管理についてもご紹介いたしました。

マルチングには、保温や保湿、雑草の抑制などさまざまなメリットがあります。育てる時期や植物に合わせて種類を選び、積極的に取り入れて栽培に役立てましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。