知っておきたい野菜に発生する害虫とそれぞれの対処法

知っておきたい野菜に発生する害虫とそれぞれの対処法

家庭菜園では、「大切に育てた野菜がこんな姿に!」と嘆くシーンが少なくありません。季節や天候、環境によって、野菜はさまざまな害虫の被害に遭います。この記事では、野菜に付くさまざまな害虫をピックアップし、発生する時期と被害に遭いやすい野菜の種類、効果的な対処法をご紹介し、害虫の予防や対策のポイントもまとめました。家庭菜園で害虫にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

野菜の害虫~ダンゴムシ

野菜の害虫~ダンゴムシ

土を耕すダンゴムシは生活に役立つ「益虫(えきちゅう)」と言えますが、野菜の新芽などを食べてしまうことがあります。

特徴と発生時期

ダンゴムシは「節足(せっそく)動物」の中の「甲殻(こうかく)類」に属し、「オカダンゴムシ」と呼びます。発生時期は2~11月頃で、石の下や湿気がある場所で落ち葉などを食べますが、ナスやジャガイモなどの新芽や根を食べることもあります。まれに、冬に屋外で保管している白菜なども被害に遭います。

対処法

植物保護が目的の場合は、ダンゴムシに適応がある農薬を使用して駆除します。できるだけ農薬を使いたくないという方は、花ガラや落ち葉を取り除き、土も水はけが良く通気性の良い環境作りを心がけましょう。

ダンゴムシについては、「ダンゴムシが大量発生する原因とは?ダンゴムシの習性を知って対策しよう!」の記事も参考にしてください。

野菜の害虫~ナメクジ

葉などに粘液で光る通り道を見つけたら、ナメクジがいると考えられます。

特徴と発生時期

ナメクジは「軟体動物」の「腹足(ふくそく)類」に属し、カタツムリと同じく陸に住む「陸貝(りくがい)」の仲間です。発生は3~11月頃で、湿度が高く暗い場所を好み、夜間に活動します。キク科とアブラナ科の野菜に付きやすく、レタスやキャベツ、白菜のほか、ネギなども被害に遭います。

対処法

ナメクジにはよく「塩をかける」と言いますが、実際は縮むだけで駆除には至りません。植物保護が目的の場合は、ナメクジに適用がある農薬を使用して駆除します。

ナメクジについては、「ナメクジとカタツムリの違いは?それぞれの特性を徹底解説」の記事でもご紹介しています。

野菜の害虫~アブラムシ

アブラムシは、野菜だけでなく多くの植物に付く害虫として知られています。

特徴と発生時期

「カメムシ目(半翅目【はんしもく】)」に属し、国内には形状や羽の有無などが異なる700種類以上が生息します。発生は3~10月頃で、ウリ科やナス科、ネギ科などの野菜に寄生して汁を吸い、ウイルス性の病気を運ぶことがあります。甘い液体を尻(しり)から出してアリを呼び寄せ、天敵であるテントウムシを回避しています。

対処法

反射光を嫌うため、光る素材の防虫ネットやテープを使用したり、土の上にアルミホイルなどを置いたりしましょう。近くにマリーゴールドなどを植えると、虫よけの効果が期待できます。捕獲には、虫取り用の黄色いテープをつるします。また、アブラムシに適用がある農薬を使うのもよいでしょう。

アブラムシについては、「アブラムシが発生する原因とは?アブラムシの退治方法と予防方法」の記事もご覧ください。

野菜の害虫~アオムシ

野菜の害虫~アオムシ

野菜の葉が食われて糞(ふん)が落ちていたら、アオムシの仕業と考えられます。

特徴と発生時期

主にモンシロチョウの幼虫を指しますが、実際は「チョウ目(鱗翅目【りんしもく】)」に属するチョウやガの幼虫のうち、毛が短い緑色のものを総称します。4~6月と9~11月頃に発生し、アブラナ科のキャベツや白菜、ブロッコリー、チンゲン菜などを好みます。モンシロチョウが野菜の近くを飛んでいるときには、産卵をしています。

対処法

苗を植え付けてすぐに防虫ネットをかければ、被害を未然に防げます。アオムシはキク科やセリ科の植物を嫌うので、近くに植える方法もおすすめです。小さいアオムシや葉の裏に卵を見つけたら、すぐに取り除きましょう。大量に発生したときは、アオムシに適用がある農薬を使用してください。

アオムシについては、「アオムシが発生する原因とは?アオムシの退治方法と予防方法」でもご紹介しています。

野菜の害虫~コガネムシ

コガネムシは、幼虫と成虫のそれぞれが被害を及ぼすやっかいな害虫です。

特徴と発生時期

「甲虫目(鞘翅目【しょうしもく】)」に属し、成虫は卵型で金属のような光沢を持ちます。4~5月と10~11月頃には、幼虫が土の中でサツマイモやトウモロコシなどの根を食べます。成虫は6~9月頃の日没後に飛来し、マメ科の葉や花を食べたり、柔らかい土や有機物が多い土に産卵したりします。

対処法

植え付ける際は土の中に幼虫がいないか確認し、周辺にあるマメ科の植物は取り除いてください。成虫が増える6月より前に、土の上に「ココヤシファイバー」などを敷くと産卵を防げます。数が多いときには、コガネムシに適用がある農薬を使用します。

野菜の害虫~カメムシ

悪臭を発するカメムシは、「ヘッピリムシ」や「ヘクサムシ」などの別名があります。

特徴と発生時期

「カメムシ目(半翅目【はんしもく】)」に属し、国内では90種類以上が生息しています。発生の時期は4~10月頃で、マメ科のインゲンや枝豆のほか、ナス科のトマトやピーマン、ジャガイモなどに寄生して汁を吸います。花粉が多い年には大量に発生する傾向があり、洗濯物に付いたり家の中に入ったりすることもあります。

対処法

手で直接つかむとにおいが付くので、ペットボトルで作った捕獲用の容器やガムテープなどを使用しましょう。

カメムシについては、「カメムシが大量発生する原因とは?カメムシの退治方法と予防対策」の記事も参考にしてください。

野菜の害虫~ハムシ

野菜の害虫~ハムシ

名前の通り、野菜などの葉を食べて穴だらけにする害虫です。

特徴と発生時期

「甲虫目(鞘翅目【しょうしもく】)」に属し、国内には500種類以上が生息します。種類にもよりますが、発生の時期は4~11月頃で、成虫はカブやダイコン、コマツナ、チンゲン菜などの葉を食べ、幼虫は種類によって葉や根を食べます。キュウリなどのウリ科の野菜に付く「ウリハムシ」も、ハムシの仲間です。

対処法

アブラムシと同様に反射光を嫌うので、光る素材の防虫ネットやテープなどが有効です。植え付けてすぐの時期は、苗の周りに4本の支柱を立てて肥料の袋などで囲う「あんどん」も虫よけにおすすめです。大量に発生したときは、ハムシに適用がある農薬を使用しましょう。

野菜の害虫~カイガラムシ

あらゆる植物に寄生し、成虫は硬い殻(から)を持つため駆除が困難な害虫です。

特徴と発生時期

「カメムシ目(半翅目【はんしもく】)」に属し、漢字では「介殻虫」と書きます。発生時期は5~7月頃ですが、室内の安定した環境では1年を通して活動します。ナスやピーマン、キュウリなどの野菜の汁を吸い、糖分を含む排せつ物はアリなどを寄せ付け、「すす病」を引き起こします。

対処法

暗くて風通しが悪く、ほこりが多い場所に発生しやすいので、周辺の環境を整えましょう。葉の裏に卵や幼虫・成虫を見つけたら、すぐに取り除いてください。数が多いようであれば、カイガラムシに適用がある農薬を使用しましょう。

カイガラムシについては、「カイガラムシが発生する原因とは?カイガラムシの退治方法と予防対策」の記事でもご紹介しています。

野菜の害虫~ハダニ

体長はおよそ0.5mmとごく小さく、葉の裏にひそむ害虫です。

特徴と発生時期

クモの仲間で「ダニ目」に属し、国内ではおよそ 70種が生息します。キュウリやホウレンソウ、里芋などの葉の裏で汁を吸うので、葉の色が抜けて「カスリ」の布のようになって弱ります。発生時期は4~11月頃で、気温が高く乾燥したときに繁殖する傾向があります。

対処法

糸を出しながら風に乗って来たり、植物や人に付着したりして移動するため、駆除が難しい害虫です。周辺の雑草を抜いて定期的に散水するか、ビニールを折り返した「ダニ返し」を設置すれば数を減らせます。殺虫剤も効果がありますが、成分に対して耐性が付くので同じ種類の使用は避けましょう。

野菜の害虫~ヨトウムシ

夜間に野菜の葉や実がなくなっていたら、ヨトウムシによる被害と考えられます。

特徴と発生時期

「チョウ目(鱗翅目【りんしもく】)」に属す「ヨトウガ」や「ハンスモンヨトウ」などの幼虫を指し、漢字では「夜盗虫」と書きます。発生の時期は5~10月頃で、キャベツや白菜、ナス、トマト、キュウリなどの野菜を好み、夜になると土から出て来ます。産卵の時期が長いため、何度も被害に遭うことがあります。

対処法

植え付け時は土の中の幼虫を、生育中は葉の裏の卵をチェックしましょう。予防には防虫ネットが効果的です。夜間にライトで光を当てておく方法もおすすめです。捕獲には、「米ぬか」を使用した仕掛けが効果的です。

ヨトウムシについては、「ヨトウムシ(夜盗虫)が発生する原因とは?ヨトウムシの退治方法と予防対策」の記事も参考にしてください。

野菜に付く害虫の予防と対策

野菜に付く害虫の予防と対策

最後に、野菜に付く害虫の予防と対策のポイントについてまとめました。

観察と手入れ

害虫は早い段階で気付けば繁殖を防げるので、茎や葉の様子、葉の裏の卵を毎日観察しましょう。葉が混み合った部分はカットして風を通し、雑草は随時抜き取ってください。土の上にココヤシファイバーや「バークチップ」などを敷くマルチングをほどこせば、産卵や病気のまん延を防げます。

防虫ネットや不織布など

植え付けた苗に、防虫ネットや化学繊維の薄い「不織布(ふしょくふ)」などをかぶせれば害虫の侵入を防げます。苗が小さい時期には、ハムシ対策と同様に苗の周りに4本の支柱を立てて肥料の袋などで囲う「あんどん」を仕立てる方法もおすすめです。面積が広い畑にはアーチを作り、編み目の粗い「寒冷紗(かんれいしゃ)」を使用することもあります。

コンパニオンプランツなど

虫よけには、お互いによい影響を与える「コンパニオンプランツ」を近くに植える方法もおすすめです。アブラムシにはマリーゴールドやミントなど、ハムシにはネギやニラなどの組み合わせがあります。また、ムギ類などの「バンカープランツ」と呼ばれる「おとり」を植えると、天敵の虫が来て野菜の被害を減らせます。

自然農薬の使用

古くから農家に伝わる方法として、酢を水で薄めて散布するのが効果的です。劇的な効果は期待できませんが、害虫に耐性が付きにくい点がメリットです。

殺虫剤の使用

野菜に付く害虫を手軽に退治したいときには、食品の原料を使用したフマキラー「カダンセーフ」がおすすめです。アブラムシやハダニのほか、アオムシにも効果があります。

野菜の害虫は毎日の観察で予防しよう

野菜の害虫は毎日の観察で予防しよう

今回は、野菜に付く害虫について、多く発生する時期や被害に遭いやすい野菜、効果的な対処法をご紹介しました。害虫の対策は、早い時期に防虫ネットなどで予防し、毎日の観察と環境の整備を心がけましょう。見つけたときにはすぐに対処して、まん延させないことが大切です。害虫の特徴や対処法をマスターして、野菜作りを存分に楽しみましょう!

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