アオムシが発生する原因とは?アオムシの退治方法と予防方法

アオムシが発生する原因とは?アオムシの退治方法と予防方法

アオムシは絵本のモチーフになっていることもあり、親しみのあるかわいいイメージがありますが、実生活においてはキャベツやブロッコリーを穴だらけにしてしまうといった困った一面も。実際、買ってきた野菜にアオムシがついていたという経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか。

野菜を育てる立場の人たちにとっては、アオムシの被害は深刻です。そこで今回は、大切な野菜をアオムシから守る対策について紹介します。

アオムシの生態

アオムシの他にも、イモムシやケムシなど似たような形態の虫がいますが、その違いはどこにあるのでしょうか。大きな分け方として、アオムシ(青虫)は、モンシロチョウ、スジグロシロチョウの幼虫で、体長は約4cmの長い毛で覆われていない緑色の虫のこと。

イモムシ(芋虫)はチョウやガの幼虫で、毛のないものの総称です。尾端に一本の角があり、体に斑紋があります。ケムシ(毛虫)はチョウやガの幼虫のうち、毛やトゲが生えているものの総称です。多くは褐色または黒色をしています。

アオムシはモンシロチョウの幼虫

アオムシはモンシロチョウの幼虫

アオムシは蝶の幼虫、中でもシロチョウ科に代表されるため、一般的にアオムシと言った場合、多くはモンシロチョウの幼虫を指します。これに対し、ケムシは蛾の幼虫と思っている人も多いようですが、なかには蛾の幼虫のアオムシや蝶の幼虫のケムシもいます。

発生時期・寿命

成虫のモンシロチョウは3月後半から11月頃まで、北海道から九州まで日本全国どこでも見ることができます。蝶になってからの寿命はおよそ1ヵ月半~2ヵ月程度。その間に雄と雌が出会い、産卵します。卵はおよそ1週間でふ化してアオムシに。

モンシロチョウの産卵は春~初夏にかけて最も多く、真夏には少なくなって秋にまた増えます。そのサイクルからアオムシが発生する時期は、4月〜6月と9月〜11月頃となっています。

卵→幼虫→蛹→成虫(蝶)

モンシロチョウの卵はラグビーボールのような形をした、白い1~2mm程度のものです。1ヵ所に複数の卵を密集させて産みつける虫もいますが、モンシロチョウは1つの葉に対して卵1個が基本。ひとつ産みつけては別の葉に移動して産卵を繰り返し、一日に10~100個の卵を産みつけます。

これは、モンシロチョウがもともと小型のアブラナ科の植物を食草としていたため、卵をまとめて産みつけてしまうと兄弟同士でエサの取り合いになり、共倒れになる可能性があるためと言われています。

産卵から1週間程度でふ化しますが、ふ化したばかりの幼虫(アオムシ)は淡い黄色をしていて、緑色の葉を食べることで緑色になっていきます。脱皮をするたびに大きくなっていき、4回目の脱皮を終えると体長は30~40mm程度まで成長します。そして2週間ほどで蛹になる準備として、野菜の茎や枝に体を固定します。暖かい時期だと1週間程度で成虫(蝶)になりますが、寒い時期に蛹になった場合は蛹のままで越冬し、暖かくなってから成虫になります。

体長の変化

アオムシは脱皮を繰り返すことで体が大きくなり食欲も増していきますが、ここでは、脱皮した回数の段階ごとに見られるアオムシの体長の変化について紹介します。また、明確な定義はありませんが、ふ化したばかりは「1齢幼虫」とし、脱皮を繰り返すごとに齢が増え、4回脱皮したのちに蛹になり、成虫(モンシロチョウ)になります。

1齢幼虫
卵からかえった段階で体長は3~5mm。卵の殻を食べ、葉も食べはじめます。

2齢幼虫
1度目の脱皮を行った段階で体長は5~10mmに成長。

3齢幼虫
2度目の脱皮を行った段階で体長は10~18mmに成長。

4齢幼虫
3度目の脱皮を行った段階で体長は18~30mmに成長。

5齢幼虫
4度目の脱皮を行った段階で体長は30~40mmに成長。やがて自分の体に糸をかけて蛹に。この段階は「終齢幼虫」とも呼ばれます。

成虫
蛹の殻を破って、モンシロチョウが姿を現します。

アオムシの発生原因

アオムシの発生原因

アオムシは、アブラナ科の野菜を好み、キャベツ、アブラナ、ブロッコリー、コマツナ、カブ、ハクサイ、カリフラワー、チンゲンサイ、ルッコラなどさまざまな野菜に発生します。

アオムシがアブラナ科の野菜に発生するのは、野菜に含まれるある成分が関係しています。アブラナ科の野菜には、昆虫を寄せつけないためや病気を対処するための成分として「カラシ油成分」を含んでいます。これは大根などを食べたときに感じるあの辛味成分のことで、モンシロチョウはこのカラシ油成分の香りを嗅ぎ分けてアブラナ科の野菜にやってきます。

アオムシを放っておくと…

アオムシは体長30~40mm程度の小さな体をしていますが、その食欲は体に見合わない凄まじいものがあります。野菜に棲みついたアオムシをそのままにしておくと、野菜は穴だらけにされ、葉脈を残すところまで葉を食べ尽くしてしまいます。

こうなると、葉は光合成ができなくなってしまうため成長がストップ。中心の芯葉が食害されると、結球できなくなってしまいます。終齢幼虫になると体の大きさとともにその食べっぷりも増すので、アオムシを見かけたら早めに退治するようにしましょう。

アオムシの退治方法

アオムシを退治するためには、まずはアオムシを発見することですが、葉っぱの色と同系色のため見つけるのはそう簡単なことではありません。そのため、アオムシの姿は見えないのに、気づいたら葉っぱが穴だらけになっていたということもしばしば…。大切な野菜が穴だらけにさせないためにもこまめなケアが必要となります。

こまめに葉の裏をチェック

葉っぱの裏側をこまめにチェックしましょう。葉の裏側に卵やアオムシを見つけたら手で取り除きます。

アオムシがいるサインを見逃さない

アオムシをキャベツなどの葉などに発生するのは、モンシロチョウがそこに卵を産みつけるからです。そのため、モンシロチョウを見かけたら、近くに卵やアオムシがいる可能性が大。葉っぱの表面に糞を見つけた場合なども葉の裏側をよくチェックしましょう。

殺虫剤で退治する

アオムシを一匹ずつ手で取り除くのは面倒、または虫を触るのはちょっと…という人には、殺虫剤を散布するという方法があります。アオムシは成長とともに葉を食べる量が増え、殺虫剤が効きにくくなるため、小さい個体のうちに退治するのがおすすめです。

アオムシなどの害虫を駆除する殺虫剤には、浸透移行性があり葉裏など散布が届かない箇所にも対応できる「オルトラン」や、即効性のある有機リン系の殺虫剤「マラソン乳剤」といった専門的なモノから、家庭菜園などにおすすめの殺虫剤などさまざまなタイプが販売されています。

フマキラー カダンプラスDX

フマキラー カダンプラスDX殺虫・殺菌と同時に、虫や病気で弱った植物に活力を与える、活力成分を配合した業界初の殺虫殺菌ハンドスプレー。アオムシの他にもアブラムシやハダニ、チャドクガに対応し、うどんこ病や黒星病、葉かび病などの予防や治療に効果が期待できます。

浸透移行性を有しているため、散布ムラがあっても潜んでいる害虫を確実に退治します。

事前予防でアオムシの発生率を抑える

事前予防でアオムシの発生率を抑える

大切な野菜をアオムシから守るためには、野菜に近づけないことがいちばんです。そこで、卵を産みつけにやってくるモンシロチョウや、アオムシの侵入を未然に防ぐさまざまな方法を紹介します。

寒冷紗・防虫ネットで予防

モンシロチョウが野菜に近づけないように、野菜に寒冷紗(かんれいしゃ)や防虫ネットをかける方法です。寒冷紗は虫の侵入を防ぐだけでなく、夏は直射日光を、冬は霜などを遮る役割もある、ガーデニングや家庭菜園の必須アイテム。使用する際は網目の細かいものを、保護する野菜に隙間なくかけるようにしましょう。

薬剤で予防

アオムシを退治する薬剤としても紹介した浸透移行性のある薬剤「オルトラン」の粒剤を、キャベツなどの根元にまいておくと、キャベツ自体が殺虫効果を持つようになります。予防の効果は1ヵ月くらい続きます。

コンパニオンプランツで予防

その名を初めて耳にする人も多いと思いますが、コンパニオンプランツとは、種類の異なる植物を一緒に育てることで、病害虫を抑えたり植物の生長を助けます。

アオムシはレタスや春菊などのキク科や、ニンジンなどのセリ科の植物を嫌います。特にレタスはその傾向が強く、アオムシ予防のコンパニオンプランツとしておすすめです。

また、レタスの害虫とされるタバコガはアブラナ科の植物を嫌うため、一緒に育てることで、お互いに害虫の被害を予防することができます。

アオムシの天敵は

鳥やカエルなどアオムシをエサとするさまざまな生き物の他に、アオムシの体に寄生して殺してしまうのが「アオムシコマユバチ」という蜂の仲間です。

モンシロチョウの幼虫であるアオムシの体内に卵(約80個)を産みつけ、産卵後およそ2週間目にアオムシの体を食い破って体外に姿を現し、アオムシの体の近くで繭をつくって蛹化(ようか)します。寄生されたアオムシは蛹になる能力を奪われ、やがて死んでしまいます。

アオムシコマユバチはどうやってアオムシの存在を察知しているのでしょうか。実はキャベツなどのアブラナ科の植物はアオムシに食べられた際、揮発性の化学物質(カイロモン)を出し、アオムシコマユバチはその物質に引き寄せられます。つまり、アオムシたちも命がけでキャベツを食べていると言えるわけですね。

ポイントをおさえてアオムシの被害から野菜を守りましょう!

ポイントをおさえてアオムシの被害から野菜を守りましょう!

大切な野菜をアオムシから守るためには、葉の裏側をこまめにチェックするのがいちばんです。そして、卵やアオムシを見つけたら、早めの駆除を心がけましょう。

<アオムシから野菜を守るポイント>

  • 近くにモンシロチョウが飛んでいたら、卵やアオムシがいる可能性が大きい
  • 葉の表面に糞を見つけたときもアオムシがいる可能性は大きい
  • 卵やアオムシを見かけたらすぐに駆除する
  • モンシロチョウを近づかせないため、野菜に寒冷紗や防虫ネットをかける
  • アオムシが大量に発生したら、殺虫剤で対処する
「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。