2019年7月22日 | 虫
【屋内/屋外】やっかいな蚊を駆除する方法
夏はその暑さを少しでも忘れようと怪談話が人気ですが、怖いと言えば、夏の夜、真っ暗な寝室…、静寂を切り裂くように聞こえてくる“プゥ~ン”という蚊の羽音もまた、夏の恐怖のひとつと言えますね。
灯りをつけても、なかなか見えない敵に怯え、見つけて仕留めるまで安らかに眠ることもできないなど、小さいながらも人間を脅かす蚊。事実、刺されるとかゆくてやっかいですがそれ以上にその存在は脅威で、さまざまな感染症で多くの人が亡くなるなど、蚊は地球上でもっとも人間の命を奪う危険な生き物としても知られています。
そこで今回はそんな夏の害虫である蚊から身を守るための対策について紹介します。
蚊による被害
そもそも蚊はなぜ血を吸うのかと言うと、産卵のために栄養素(タンパク質や必須アミノ酸など)を必要とするためです。ちなみに血を吸うのは交尾後の雌だけで、それ以外は雄・雌を問わず花の蜜や果物の汁などの糖分をエネルギー源としています。
刺されるとかゆいだけではなく、もしそれがウイルスに感染した人を刺した蚊であれば感染症にかかる恐れも。実際2014年に日本で大流行したデング熱をはじめ、海外ではジカ熱などの感染症も数多く報告されています。こうした海外で流行しているウイルスは、旅行者によって国内に持ち込まれる可能性があるため、“たかが蚊”とあなどることなく、十分な対策や駆除を心がけましょう。
蚊は「体温」「汗のニオイ」「二酸化炭素」を求めて集まる
蚊は目がそれほど良くはありません。ではどうやって人を認識しているのでしょうか。蚊は人の体温や湿度、息をするときに吐き出す二酸化炭素や汗などを目印に集まってきます。そのため、体温が高い子どもや汗をかきやすい人に集まりやすいと言えます。
蚊を大量発生させないため、ボウフラの段階から駆除
家のまわりに発生する蚊、その発生源は水たまりです。庭やベランダに置いてある雨水タンクやバケツ、植木鉢の水受皿、家の中の水槽など水が溜まっている場所に卵を産みつけ、そこで蚊の幼虫であるボウフラが発生します。
家のまわりに蚊を発生させないためには、まず水たまりをなくすこと。蚊の大量発生を防ぐには、ボウフラを退治するか、成虫を退治するか大きく2つの方法があります。
ボウフラ(幼虫)の駆除
産みつけられた卵はおよそ3日でボウフラになり、およそ2週間で成虫である蚊になります。つまりボウフラを見つけたら早めの対策がおすすめ。ここではボウフラを駆除する方法を紹介します。
錠剤・粒剤タイプの殺虫剤を入れる
排水溝など水の流れがあるところには、錠剤・粒剤タイプの殺虫剤(デミリン発泡錠、ボンフラン、ハイカプシン粒剤など)がおすすめ。ホームセンターなどで購入できますし、業務用として用いられているものなので効果も期待できます。
フマキラー ボウフラ退治
水たまりにまくだけでボウフラを駆除することができ、結果的に蚊の発生を予防することにつながります。粒剤が水の底に溜まり、徐々に薬剤が溶け出すため、約1ヵ月間効果が持続します。また人や魚への安全性が高いため、安心して使用することができます。
銅(10円玉)を入れる
水の中に銅(10円玉)を入れておくと銅イオンが水中に溶け出します。その作用でボウフラの生育が抑制され、成虫(蚊)なる前に死滅してしまいます。
蚊(成虫)の駆除
成虫になって飛びはじめるとその素早さになかなか仕留めるのが困難な蚊。小さくて、しかも体の色も地味で目立たたないため、見えにくさも捕まえにくい要因です。腕にとまったところをパチンッと仕留めても、すでに血を吸われた後だったり。あたりをプゥ~ンと飛び回る無数の蚊が気になって作業に集中できない。そんなときにおすすめの方法や商品を紹介します。
屋外の蚊の対策
庭やベランダで作業するときに蚊が気になる。屋外にいる蚊は、ヒトスジシマカ(通称:ヤブ蚊)です。屋外の空間には蚊取り線香の煙や、薬剤を広範囲に拡散する方法が効果的です。ここでは、昔ながらの蚊取り線香や、薬剤を効果的に拡散して蚊を撃退するアイテムを紹介します。
フマキラー蚊とり線香本練り
煙に含まれる成分で蚊を撃退する、涼やかな天然香料入りの蚊とり線香。品質本位に選んだ材料を丹念に練り込んだ「本練り」のこだわりが、香りにも色合いや風合いにも生きています。なつかしいあの頃の、しっとりと情感のある夏の夜に”タイムスリップ”してみたい方におすすめです。
フマキラー ヤブ蚊バリア
蚊を寄せ付けたくない場所にスプレー。草木などに付着した薬剤が再蒸散することでバリア効果が最大8時間持続。薬害を起こしにくい水性タイプなので草木を傷める心配がありません。
屋内の蚊を駆除
家の中でよく見かける蚊はアカイエカです。家の中にいるためヒトスジシマカに比べて活動時期が長いという特徴があります。家の中に蚊がいると何をするにも落ち着けないもの。特に寝るときに耳元であの不快音を聞いてしまったら仕留めるまで快眠は訪れません。
そこで、ここでは昔ながらの蚊取り線香や、室内などの仕切られた空間に薬剤を拡散し効果的に蚊を撃退するアイテムを紹介します。
フマキラー蚊とり線香本練り
煙に含まれる成分で蚊を撃退する、涼やかな天然香料入りの蚊とり線香。線香の材料・製法の全面的な見直しで、燃焼時の刺激臭をいちだんと少なくしています。これなら閉め切りがちな部屋などでも気になりません。
フマキラー おすだけベープ スプレー 120回分
1回押すだけで薬剤が瞬時に広がり、すばやい効果を発揮。小さくて軽い粒子が長く空間に漂い、床や壁についた蒸散性の高い薬剤が再蒸散することで、優れた効果が長時間続きます。
蚊に刺されないためにできること
蚊に刺されないためにはそもそも蚊が発生するエリアに行かないこと。そう思っていても、家の中にいてもいつの間にか蚊は侵入していますし、一歩外に出れば人間の体温などを嗅ぎつけて集まってきます。特に夏から秋にかけては、キャンプや野外の音楽フェスなどアウトドアのお楽しみも盛りだくさん。
すすんで蚊の多いエリアに出かけることも多くなるこれからのシーズンに備えて、ここでは蚊に刺されないための予防策をおさえておきましょう。
服の色に注意する
服の色を変えることで蚊に刺されにくくなることをご存知でしょうか。蚊は色を判別することはできず、すべての色を黒と白の濃淡に置き換えて見ているため、はっきりした色を好む傾向にあります。
実際に海外で行われた「黒いシャツと白いシャツを着た人の、蚊に刺される回数」を調べた実験では、黒いシャツを着ていた人のほうが圧倒的に刺されたという結果が出ています。ちなみに黒に限らずはっきりとした色(赤、青など)はモノクロに置き換えたとき黒に見えてしまうため、避けたほうが無難です。
汗をかいたらこまめに拭き取る
交尾後の蚊は、体温や吐く息に含まれる二酸化炭素、汗に含まれる乳酸などの成分に反応して近づいてきます。そのため、体温が高く、たくさん汗をかく人ほど蚊に刺されやすい傾向にあると言えます。
特に蚊は汗に含まれる「乳酸」「オクテノール」という成分を好み、触覚にある嗅覚受容体(膜たんぱく質)というニオイを感知するセンサーで嗅ぎつけて人に集まってきます。汗をかいたら濡れタオルや市販の拭き取りシートなどでこまめに拭き取るようにしましょう。
飲酒を控える
アルコールを飲むと二酸化炭素を吐く量が増え、蚊が集まりやすくなります。屋外でアルコールを飲むときなどは特に注意が必要ですね。
蚊がニオイを嫌うハーブを置く
台所仕事をしているときに蚊が気になった経験はありませんか。蚊は水場を求めて集まってきます。蚊が気になるときは、蚊がニオイを嫌うハーブを置くことをおすすめします。これにより蚊が寄りつきにくくなります。
<蚊がニオイを嫌うハーブ>
- バジル
- ユーカリ
- ローズマリー
- レモングラス
- ペパーミント
など
靴下をこまめに履き替える・靴をよく乾燥させる
蚊は汗の成分に反応して寄ってきますが、靴の中で蒸れるため当然足も汗をかきます。しかも汗をかいた足が靴の中に閉じ込められることで、足のニオイのもとになる常在菌の温床になります。蚊はこの皮膚常在菌によって悪臭を放つ靴下が大好き。足のニオイが気になる人は、靴下をこまめに履き替えることをおすすめします。
また、汗がこもった靴の中は菌が繁殖しやすい高温多湿の環境です。靴の中が乾ききっていないと常在菌はさらに繁殖してしまいます。汗で蒸れた靴はしっかりと乾燥させて履くようにすることで蚊に刺されにくくなります。
「虫よけ」を塗る・スプレーする
蚊の予防策として手軽で効果が期待できる「虫よけ」は、夏のお出かけの際の必須アイテム。塗るタイプやスプレー式などさまざまなタイプの虫よけが市販されています。
もともと多くの虫よけには、「ディート」という、蚊などの吸血する虫に効果がある化学成分が含まれていますが、小さな子どもへの使用には制限があります。
小さな子どもでも安心して使えるものとして蚊が嫌うハーブなど天然由来の成分を使ったスプレーもありますが、あまり効果は望めません。そこで注目されているのが「イカリジン」という新虫よけ成分です。
フマキラーでは、日本初承認としてイカリジンを配合した「天使のスキンベープ」や、イカリジンの濃度を15%まで高め虫よけ効果が最大8時間続く「天使のスキンベープ プレミアム」を販売しています。
【関連記事】注目の虫よけ成分「イカリジン」について解説
発生させない。駆除する。予防する。万全の対策で蚊の被害をなくしましょう!
日本ではちょっとした痛みを「蚊に刺された程度(だから大丈夫)」などと蚊を軽視する言葉もありますが、海外では感染症の被害が甚大で「蚊に刺される=命を落としかねない」と警戒する国もあります。日本も数年前にデング熱が大流行するなど、蚊による感染症は今や「対岸の火事」では済まされない問題となっています。
これからますます蚊が大量発生する季節を迎えますが、蚊に刺されないためには、まずは蚊の発生源となる「水たまりを作らない」。そしてボウフラや蚊を見つけたら「早めに駆除」。そして出かけるときは「しっかりと予防対策する」。発生させない、駆除する、予防する、と万全の対策で蚊の被害を防ぎましょう。