2021年1月24日 | 園芸・ガーデニング
黄色い花を咲かせよう!黄色い花の種類を春・夏・秋・冬の季節ごとに紹介
「黄色い花」と聞くと、ヒマワリやチューリップなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。明るく元気なイメージをもつ黄色い花は種類も多く、四季を通してさまざまな表情を楽しむことができます。
今回は、黄色い花の魅力と季節を代表する花をピックアップし、そのお手入れ方法も簡単にご紹介いたします。
黄色い花の魅力
ガーデニングやフラワーアレンジメントでは、色で花を選ぶ場面が多いかもしれません。黄色は快活でポップな印象を与え、一輪だけでも場が華やぐ点が大きな魅力です。また、無邪気や愛らしさ、個性、希望といった表現も似合います。さらに、黄色は人目を引いて注意を喚起したり、気持ちを高揚させたりする効果をもっています。
風水における黄色は稲穂を表し、実りや収穫を意味する西の方角に置くとよいとされています。また古代エジプトでは、高貴な黄金に代わる色として黄色を大切に扱いました。日常生活の中にもアクセントとして黄色を取り入れると、ひと味違った楽しみが生まれるかもしれません。
春に咲く黄色い花
それでは、春に咲く代表的な黄色い花を、一年草と多年草、球根、樹木に分けてご紹介いたします。
一年草と多年草の黄色い花
一年草および多年草の中で、よく見かける黄色い花は次のとおりです。
キンギョソウ
- オオバコ科(ゴマノハグサ科)キンギョソウ属(アンティリナム属)
- 一年草(本来は多年草だが夏が苦手)
- 開花期:主に4~6月
金魚の形に似た花は黄色や白、赤などがあり、甘い香りも人気です。一重(ひとえ)咲きや八重(やえ)咲きのほか、小型から1m以上の大型のものまで豊富な品種が流通します。
リナリア
- オオバコ科(ゴマノハグサ科)ウンラン属(リナリア属)
- 一年草と多年草
- 開花期:品種による
別名はヒメキンギョソウ、花の色は黄色や白、赤、紫などで、香りも楽しめます。キンギョソウよりも小型で育てやすく、たくさんの株を植えると華やかでボリュームが出ます。
クリサンセマム ムルチコーレ
- キク科コレオステフス属
- 一年草
- 開花期:2~6月
ノースポールの仲間で、「イエローデージー」の別名をもちます。「たくさんの茎」を意味するムルチコーレの名のとおり、ほふくしながら茎が分岐して20cmほどの高さで広がります。
カレンジュラ(カレンデュラ)
- キク科キンセンカ属(カレンジュラ属)
- 一年草または多年草
- 開花期:12~5月
「キンセンカ」の名でも知られ、鮮やかな黄色やオレンジの花を咲かせます。耐寒性があって育てやすく、海外では「太陽のハーブ」や「ポットマリーゴールド」と呼ばれます。
メランポジウム
- キク科メランポジウム属
- 一年草
- 開花期:4~11月
高温と多湿に強く、土の質を選ばずよく育ちます。「セルフクリーニング」の性質を有し、新しい花が前面に出て枯れた花は自然に落ちるため、摘む手間がありません。
春の花については、「春に咲く花10選 ~たくさんの花々に囲まれて思いっきり春を感じよう~」の記事もご覧ください。
球根類の黄色い花
続いて、黄色い花を咲かせる球根類をご紹介いたします。
クロッカス
- アヤメ科サフラン属(クロッカス属)
- 多年草(球根)
- 開花期:2~4月、品種によっては秋
高さは5~10cmほど、黄色や白、紫などの花が咲きます。丈夫で寒さに強く、数年は植えたままでも構いません。明るい窓辺での水耕栽培も可能です。
スイセン
- ヒガンバナ科スイセン属(ナルキッスス属)
- 多年草(球根)
- 開花期:11~4月
栽培の歴史は長く、1万を超える品種があります。花は黄色や白、オレンジなどで、ほのかな香りが漂います。数年ほどは植えたままで管理でき、水耕栽培も可能です。
フリージア
- アヤメ科フリージア属
- 多年草(球根)
- 開花期:3~5月
スラリとした茎に並ぶ花が美しく、切り花としても人気があります。花は黄色や白、ピンク、紫などで香りも楽しめます。開花後に球根を掘り上げ、日陰につるして夏を越しましょう。
チューリップ
- ユリ科チューリップ属
- 多年草(球根)
- 開花期:3~5月
花びらの形状や咲き方などの種類が多彩で、黄色のほかに白や赤、紫などの花が咲きます。夏越しが難しく2年目は開花しにくいため、毎年新しい球根を植えるとよいでしょう。
チューリップについては、「【チューリップの育て方】植え付け時期は?球根の植え方や肥料・水やりも紹介」の記事でもご紹介しています。
ヒヤシンス
- キジカクシ科(ヒヤシンス科、ユリ科)ヒヤシンス属
- 多年草(球根)
- 開花期:3~4月
黄色や白、ピンク、青などの華やかな花が咲き、香りも楽しむことができます。多くの花でボリュームが出るダッチ系と、やや小型で花が少なめのローマン系があり、水耕栽培もできます。
球根については、「おすすめの秋植え球根9選」「【春にきれいに咲かせたい!】秋植え球根の植え方を紹介」の記事も参考にしてください。
樹木の黄色い花
春は、樹木に咲く黄色い花も観賞しましょう。
ミモザ
- マメ科アカシア属
- 高木・常緑樹
- 開花期:3~4月
房状に咲く黄色い花と銀葉のコントラストが美しい樹木で、5~10mくらいまで伸びます。和名の「ギンヨウアカシア」でも流通し、枝はリースやドライフラワーなどに活用できます。
エニシダ
- マメ科エニシダ属
- 低木・常緑樹と落葉樹
- 開花期:5~6月
暑さや寒さに強く、高さ2~3mくらいまで伸びますが、特にせん定をしなくても樹形を保ちます。チョウが羽を広げたような形の黄色い花が、枝に連なるように咲きます。
ヤマブキ
- バラ科ヤマブキ属
- 低木・落葉樹
- 開花期:4~5月
国内に自生し、万葉集に登場するほど歴史のある樹木です。一重または八重の黄色い花が並んで咲きます。暑さや寒さに強いため育てやすく、高さは1~1.5mと小さめです。
夏に咲く黄色い花
暑い夏には、パワーをもらえる黄色い花を観賞しませんか。
マリーゴールド
- キク科マンジュギク属(タゲテス属)
- 一年草
- 開花期:4~12月
一般的なタイプと大輪の花が咲くタイプなどがあり、コンパニオンプランツとしても用いられます。暑さに強く丈夫で、黄色やオレンジ、白、赤などの鮮やかな花が咲きます。
ヒマワリ
- キク科ヒマワリ属
- 一年草
- 開花期:7~9月
黄色い花の代表格。咲き方や花のサイズ、高さの種類が豊富なので、好みに合わせて選ぶことができます。花をドライフラワーにするほか、品種によってはタネを食用や油の採取用として使用します。
エキナセア
- キク科ムラサキバレンギク属(エキナセア属)
- 多年草
- 開花期:6~8月
中心部が盛り上がる独特の姿が印象的な植物で、切り花やドライフラワーとしても人気があります。暑さや寒さに強く、黄色のほかにも赤やオレンジ、白などの花が鮮やかに咲きます。
エキナセアについては、「エキナセアの育て方や気になる病害虫対策について解説」の記事で詳しくご紹介しています。
ユリ
- ユリ科ユリ属
- 多年草(球根)
- 開花期:5~7月(品種による)
種類が多く、国内の一部では自生する地域もあります。黄色い花だけでなく白やピンク、オレンジなどが流通し、高さ2mくらいまで伸びるものもあります。
ハイビスカス
- アオイ科フヨウ属(ヒビスクス属、ハイビスカス属)
- 低木・常緑
- 開花期:5~10月
種類が多く、黄色のほかにオレンジや白、ピンクなどの鮮やかな花を咲かせます。市販のハイビスカスは小型ですが、原産地では2~3mまで伸びることもあります。
秋に咲く黄色い花
秋には、しっとりと落ち着いた黄色い花を選びましょう。
キバナコスモス
- キク科コスモス属
- 一年草
- 開花期:6~10月
一般的なコスモスよりも耐暑性があり、ややコンパクトで葉の幅が広めです。丈夫で育てやすく、近年では黄色のほかに赤い花も誕生し、品種が豊富になりました。
ポットマム
- キク科デンドランセマ属(キク属)
- 多年草
- 開花期:9~11月
鉢(pot)に植える小型のキクを指し、「スプレーマム」や「スプレーギク」などの名前でも知られます。黄色のほか白やピンク、赤などがあり、切り戻して高さを抑えて育てます。
ガーベラ
- キク科ガーベラ属
- 多年草・常緑
- 開花期:四季咲き(しきざき)性で主に春と秋
暑さや寒さに強く丈夫で、黄色や赤、白、オレンジなどの花が咲きます。一重や八重のほか、花びらが針のように鋭いスパイダー咲きなどがあり、花のサイズや高さも多彩です。
秋バラ
- バラ科バラ属
- 低木
- 開花期:四季咲き性で秋に開花するもの
秋に咲くバラは、主にブッシュ・ローズの仲間です。春のバラよりも香りが強めで色合いも濃く、花の数は少なめです。黄色い花のほか、赤やピンク、白などを楽しむことができます。
キンモクセイ
- モクセイ科モクセイ属
- 低木・常緑
- 開花期:9~10月
オレンジに近い黄色の花を咲かせます。日陰でも育ち、寒さに強く丈夫で、生長すると5~6mくらいまで伸びます。
冬に咲く黄色い花
花の数が減る冬は、黄色い花を育てて明るい空間をつくりましょう。
パンジー・ビオラ
- スミレ科スミレ属
- 一年草
- 開花期:10~5月
双方の交雑種が増えた現在、多くの品種が流通します。黄色や白、ピンク、オレンジ、青などさまざまな花を楽しむことができます。寒さに強く次々と開花するので、冬の寄せ植えにおすすめです。
寄せ植えについては、「寄せ植えの基本と作り方。初心者でもおしゃれに仕上げるコツも解説!」「【寒さに負けない!】冬の寄せ植えにおすすめの植物12選」の記事を参考にしてください。
プリムラ
- サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)
- 一年草(本来は多年草だが夏が苦手)
- 開花期:11~4月
冬の間も黄色や白、ピンク、オレンジ、青などの花が鮮やかに咲きほこります。パンジーやビオラと同様に耐寒性があり、種類が非常に豊富なので寄せ植えにおすすめです。
クリスマスローズ
- キンポウゲ科クリスマスローズ属(ヘレボルス属)
- 多年草・常緑(一部は落葉)
- 開花期:1~3月
寒さに強く、黄色のほかに白やピンク、紫などの花を咲かせます。「冬の貴婦人」の呼び名のとおり、花の少ない冬にひっそりと咲く姿は多くの愛好家の心をひきつけます。
カランコエ
- ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属(カランコエ属)
- 多年草・常緑・多肉植物
- 開花期:1~5月
貯水する組織をもつため水やりの回数も少なく、手間がかかりません。葉や株の姿がユニークでバリエーションに富み、黄色や白、赤、ピンクなどの花が楽しめます。
ユリオプスデージー
- キク科ユリオプス属
- 低木・常緑
- 開花期:11月から5月
細かい毛によって白く見える葉と、黄色い花のコントラストが見事です。丈夫な品種で、霜に当てなければ屋外で越冬できます。好みの高さにせん定し、花を多く咲かせましょう。
黄色い花の手入れには
最後に、黄色い花を含めた花全般の管理についてご紹介いたします。
花の咲く植物は、基本的に1日に数時間以上日の当たる場所に置きましょう。鉢植えは、土の表面が乾いたときに水を与えます。次々と開花する品種は、毎日の花がら摘みが欠かせません。茎や枝が伸び過ぎたり混み合ったりする部分は、せん定をして風通しをよくしてください。
さらに、毎日の観察を心がけて病害虫の早期発見に努めましょう。特に黄色い花は、アブラムシなどの小さな虫が寄りつきやすい傾向があります。被害が広がる前に害虫を駆除して、健康な株を育ててください。
黄色い花の手入れには、フマキラーの「カダンセーフ」をおすすめします。新たにアミノ酸やAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合し、病害虫対策だけでなく、植物をイキイキと活性化させる効果を発揮します。食品の成分を使用しているため、お子様やペットが遊ぶ庭でも安心してご利用いただけます。
それぞれの季節に魅力いっぱいの黄色い花を育てよう
今回は、黄色い花の魅力を取り上げ、季節を代表する黄色い花と管理のポイントについてご紹介いたしました。
黄色い花には明るく元気なイメージがあり、四季を通してさまざまな種類や表情を楽しむことができます。日々の手入れと病害虫のチェックを心がけ、魅力あふれる黄色い花からたくさんのパワーを受け取りましょう。