【ラベンダーの育て方】毎日のお手入れ方法や植え替え・増やし方を解説

【ラベンダーの育て方】毎日のお手入れ方法や植え替え・増やし方を解説

紫色の清楚(せいそ)な花と、さわやかな香りが魅力のラベンダー。ハーブと聞くと、まずラベンダーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。今回は、ラベンダーの基礎知識と育て方のポイント、日々の手入れなど具体的な育て方、さらにトラブルと対処法についてご紹介いたします。

ラベンダーの基礎知識

ラベンダーの基礎知識

はじめに、ハーブのなかでも人気の高いラベンダーに関する基礎知識をご覧ください。

ラベンダーの概要

ラベンダーは、シソ科ラベンダー(ラヴァンドラ)属に分類される常緑低木です。花の色は紫や白、ピンク系で、開花期は品種によって異なります。気品のあるたたずまいと香りのよさから「ハーブの女王」とも呼ばれ、観賞用だけでなくサシェやクラフト、アロマオイル、紅茶などに幅広く使われます。

原産は地中海沿岸で、30ほどの原種から誕生した栽培用品種が豊富に流通しています。ラベンダー(lavender)の語源は、ラテン語で「洗う」を意味する「lavo」や「lavare」とされています。

ラベンダーの歴史

古代ローマやエジプトでラベンダーを使用した形跡が残り、1世紀の書物には貴重な植物として登場します。もともとは防虫や殺菌の目的で利用され、蒸留の技術が発展した中世ヨーロッパで精油が作られると、消臭や香水としての人気も高まりました。

19世紀の終わりには、育てやすい交配品種「ラバンディン」の大量栽培により、精油が精製されます。20世紀には人工的な香料の影響で生産が落ち込んだものの、フランス政府の対応によって再起。現在も多くのラベンダー製品が、フランスから輸出されています。

国内には、1800年代に花や精油、タネが持ち込まれました。1937年、北海道の香料の会社がフランスからタネを入手して本格的な栽培をはじめますが、合成香料の登場により生産が減少。しかし、鉄道のカレンダーやドラマなどの効果で、広大なラベンダー畑の人気が高まり、観光地としてあらためて脚光を浴びることとなりました。

ラベンダーの種類

さまざまな分類方法のあるラベンダーですが、苗を選ぶときは次の5つを参考にするとよいでしょう。なおラベンダーの名がついた草花でも、属や科が異なる場合はハーブのラベンダーではありません。

①   アングスティフォリア系

真正(しんせい)ラベンダー(イングリッシュラベンダー、コモンラベンダー)とも呼ばれ、香りがよく見た目も美しいことから最も人気が高く、国内でも多く栽培される品種です。耐寒性がありますが、高温と多湿が苦手なため、暖地では夏越しが難しいかもしれません。

②   ストエカス系

別名はフレンチラベンダーで、花穂の先についたウサギの耳のような部分は、葉が変化して芽を包む「苞葉(ほうよう)」と呼ばれます。やや香りが弱めですが、耐暑性があって育てやすく、四季咲き(しきざき)なので開花期の長い点がメリットです。

③   デンタータ系

葉の縁にギザギザとした切れ込みの入る品種で、フリンジドラベンダーとも呼ばれます。スペインやアフリカの北部が原産で、耐暑性があります。香りはやや弱めですが、四季咲きのタイプで花を長く楽しむことができます。

④   ラバンディン(ラバンジン)系

イングリッシュラベンダーと原種のスパイクラベンダーをかけ合わせて作った品種です。比較的暑さに強く丈夫なため、日本の気候でも育てやすい点が魅力です。生育が旺盛で、背丈が高く伸びる品種もあります。

⑤   プテロストエカス系

レースラベンダーとも呼ばれ、葉にレースのような繊細な切れ込みが入る品種です。香りはやや弱めですが、四季咲きなので花を長く楽しめます。寒さが苦手なため、寒冷地では鉢に植えて冬は室内で管理しましょう。

ハーブ全般については、「ハーブを楽しむ!栽培からハーブティーの楽しみ方まで」「ハーブ栽培は庭やベランダの虫除けにも最適!」の記事もご覧ください。

ラベンダーの育て方【3つのポイント】

ラベンダーの育て方のポイント3つ

ラベンダーの育て方は、次の3点が大切なポイントです。

① 日当たり

ラベンダーは、太陽の光が大好きな植物です。栽培するときは、日当たりと風通しのよい場所を選んでください。

② 過湿に注意

蒸れや加湿が苦手なので、水はけのよい環境で管理し、混み合った部分をせん定しましょう。鉢植えラベンダーの水やりや雨の日の対応は、後述を参考にしてください。

③ 収穫と切り戻し

花穂の2~8割くらいの花が咲いたら、どんどん収穫しましょう。また、開花後に枝を整理し、全体を切り戻して株の負担を減らしてください。

ラベンダーの栽培で用意するもの

ラベンダーの栽培で用意するもの

ラベンダーを栽培するときは、次のものを用意しましょう。

ツールや肥料など

基本のツールとして、小型のシャベルやジョウロ、園芸用のはさみを用意してください。肥料は、粒状の化成肥料を使用します。花だんで栽培するときは、石灰やたい肥、腐葉土(ふようど)などが必要です。冬の間は、マルチング用の敷きわらなどを準備しましょう。

鉢植えにするときは

鉢植えで育てる場合は、通気性のよい素焼きの鉢をおすすめします。市販のハーブ用の培養土と、ネットに入れた鉢底石も用意してください。

苗の選び方

ラベンダーの苗は、茎や葉の銀白色がきれいで生き生きとしたものを選びましょう。つぼみがついているものは、植えつけて間もなく開花します。ポットの底から白い根が見えていれば、元気に根が張っている証拠です。

茎がヒョロヒョロで、葉のつけ根の節(ふし)の間が広いものは、健康に育ちません。また、土に苔(コケ)がついている苗は、加湿の心配があるので避けてください。なお、ラベンダーのタネは発芽率が低めで育て方が難しいため、初心者の方には苗の購入をおすすめします。

ラベンダーの育て方

ラベンダーの育て方

それでは、ラベンダーの育て方を順にご紹介いたします。

苗の植えつけ

ラベンダーは春または秋に植えつけることが一般的ですが、高温と多湿が苦手な品種は秋に植えて株を生長させ、翌年の夏に備えましょう。

花だんの植えつけ

土を下から掘り返して日光に当て、ゴミなどを取り除いて下準備をします。石灰をまいて酸性の土を中和し、たい肥や腐葉土を加えましょう。水はけが悪いときは、日向土(ひゅうがつち)などの軽石やパーライトを混ぜてください。

植えつけの1週間ほど前になったら、肥料を追加してなじませます。株の間は25~30cm、大きく育つものは60cm程度離して植えます。土は深めに耕し、やや土を盛り上げた「高植え(たかうえ)」にして排水性をよくしましょう。

鉢の植えつけ

大きな鉢は、土の量が多いため過湿の心配があります。5~6号(直径15~18cm)の鉢に1株を植えるくらいがよいでしょう。植えつける際は、ネットに入れた鉢底石を鉢の底に敷き、土を3分の1ほど入れて苗を置きます。隙間がなくなるまでしっかりと土を入れ、根元に水を与えましょう。

植えつけて数日~1週間は、明るい日陰または1~2時間だけ日の当たる場所で様子をみてください。なお、ラベンダーは乾燥気味の環境を好むため、ほかの植物との寄せ植えには向きません。

寄せ植えについては、「寄せ植えの基本と作り方。初心者でもおしゃれに仕上げるコツも解説!」の記事で詳しくご紹介しています。

日当たりと水やり

ラベンダーは日光を好みますが、高温と多湿を嫌う品種は西日の当たらない場所で管理しましょう。鉢植えは加湿に気をつけ、土の表面が乾いて少し葉が下がった頃に水を与えます。ジョウロの注ぎ口を株元に近づけて水を与え、葉がぬれたり土がはねたりしないようにしてください。

水やりに適した時間帯は、春・秋・冬ならば午前中の日が昇った頃です。暑い夏は、早朝が適しています。雨の日は、鉢を軒下などに移動させて過湿を防ぎましょう。花だんはほとんど水やりの必要がありませんが、猛暑などで極端に土が乾いたときは早朝に与えてください。

日々の管理

開花期は、こまめに花を収穫して株の衰弱を防いでください。満開になる前に収穫すると、よい香りが残ります。わき芽の部分から葉を4~8枚ほどつけて切り取り、ドライフラワーなどに利用しましょう。

ドライフラワーについては、「ドライフラワーの簡単な作り方を解説【インテリアやプレゼントにも最適!】」の記事でご紹介しています。

大株に生長して混み合ってきたときは、内側の古い枝や下部の弱った枝を切って風通しをよくしてください。開花の時期が過ぎたら、全体を3分の1から半分くらいの高さになるまで切り戻し、翌年に備えます。

冬の間は、腐葉土や敷きわらなどで根元にマルチングをほどこし、根を凍らせないようにしましょう。寒さが苦手な品種は室内の窓辺で日光浴をさせ、冷え込む夜は新聞紙などを巻いて保温します。

肥料の与え方

鉢植えには、春と秋に1度ずつ、粒状の化成肥料を与えてください。花だんの場合は、春の新芽が出る頃に1度与えます。どちらも株の様子を見ながら、下の葉が黄色くなるときは肥料を追加しましょう。

なお、元気なラベンダーを育てるにはフマキラーの「カダン アミノパワー(草花用)」がおすすめです。14種類の天然アミノ酸を配合した植物用のサプリメントで、葉にスプレーするだけで花つきがよくなり、花も鮮やかに発色します。

植え替えのタイミング

鉢植えは、数年経過すると株と鉢のバランスが悪くなり、根が穴から伸びてきます。大きく育ったラベンダーは、生育のはじまる春に、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。ただし、ラベンダーはあまり植え替えを好まないので、茎や根を丁寧に扱ってください。

植え替えの際は、株を取り出して軽く根をほぐし、根の傷んだ部分や長すぎる部分をカットします。植えつけと同様、隙間なく土を入れて水を静かに与え、様子をみてから日なたに移動させましょう。

増やし方

春または秋に、挿し木で増やしましょう。先端から10cmほどの長さで茎を斜めに切り、下側の5cmくらいまで余分な葉を取り除きます。コップなどに水を入れ、1~数時間ほど枝を挿しておきましょう。

湿らせた挿し芽用の土に枝を挿し、乾燥しないように管理してください。4~5日は明るい日陰に置き、その後は数時間だけ日の当たる半日陰に移動します。水を切らさないように管理すれば、1ヵ月ほどで根が出て新芽が伸びてきます。

発根した後は先述した育て方と同様に管理し、茎を支えるほどに育ったら園芸用のポットまたは鉢に植えつけましょう。

ラベンダーのトラブルと対処法

ラベンダーのトラブルと対処法

最後に、ラベンダーの栽培でみられるトラブルと対処法を挙げます。

ラベンダーに多いトラブル

ラベンダーは、蒸れや加湿による衰弱や枯れのトラブルが多めです。特に鉢植えは、雨に当たらないように気をつけてください。混み合う部分の枝をカットして、風通しをよくすることも大切です。また、植え替えの際に根や幹を傷め、枯れるケースもあります。ラベンダーを植え替えるときは、茎や根を丁寧に扱いましょう。

ラベンダーの病害虫

病気の心配はほとんどありませんが、まれに褐斑(かっぱん)病にかかる場合があります。育て方を見直し、病気の部分を早急に取り除いてまん延を防いでください。また、アブラムシやハダニ、カイガラムシ、ヨトウムシなどの害虫がつくこともあります。見つけ次第駆除して、被害が広がらないよう気をつけましょう。

アブラムシ、ハダニの被害には、フマキラーの「カダンセーフ」をお試しください。直接スプレーするだけで、病害虫対策と植物のケアが同時にできる便利な薬剤です。食品成分を原料とするため、食用のハーブを育てるお庭におすすめです。

ラベンダーの育て方は多湿を避けることがポイント

ラベンダーの育て方は多湿を避けることがポイント

今回は、ラベンダーの基礎知識と育て方を中心にご紹介いたしました。ラベンダーは蒸れや加湿が苦手なので、花の摘み取りやせん定で風を通し、土の状態にも気を配って管理してください。初心者の方は、夏の暑さに強い品種を選ぶことをおすすめします。

上手な育て方のポイントを押さえて栽培し、ラベンダーの美しい姿と魅惑の香りを存分に楽しみましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。