【食べられる花】エディブルフラワーの種類や家庭でできる栽培方法

【食べられる花】エディブルフラワーの種類や家庭でできる栽培方法

お菓子などを華やかに彩る食材として注目されるエディブルフラワー。現在は流通する種類が増え、家庭でも気軽に育てられるようになりました。

今回は、エディブルフラワーの基礎知識と家庭での栽培のポイント、おすすめの種類、そして栽培する際のトラブルと対処法についてご紹介いたします。

エディブルフラワーの基礎知識

エディブルフラワーの基礎知識

はじめに、エディブルフラワーの基礎知識からご覧ください。

エディブルフラワーとは

エディブルフラワーとは、文字通り食べられる(edible)花(flower)という意味です。自然の美しい色合いを効果的に用いて、テーブルを華やかに演出する魅力を味わうことができます。

古代ローマではバラやスミレの花、古代のネイティブアメリカンはサボテンの花や花粉を食用にしたとされ、中国では古くからボタンやクズなどの花を漢方に使用しています。日本では「食用花(しょくようか)」と呼ばれ、689年の重陽の節日(ちょうようのせちにち)にキクの花を用いたことがはじまりとされています。平安時代にはサクラやウメの塩漬け、江戸時代にはボタンやタンポポ、ヤマブキなども食用にした記録が残っています。

1980年代になり、アメリカで栽培されたエディブルフラワーが国内のイベントで紹介されると、瞬く間におしゃれな食材として広まりました。

気になる味と栄養

甘みや苦み、からみのほか、あっさりとした味、スパイシーな味、さわやかな風味など、その味は多種多様に表現されます。菜の花やミョウガ、ブロッコリーなどもエディブルフラワーの仲間と考えれば、味の想像が容易かもしれません。

また、植物は子孫を残すために花へ多くの栄養を送ることから、エディブルフラワーの栄養価にも注目が集まっています。種類によって、ビタミンAに変わるβカロテンやビタミンB群、C、カルシウムや鉄、カリウム、食物繊維などのほか、ポリフェノールも含まれます。

【参考】jstage 「食用花弁に含まれるポリフェノール類含有量と抗酸化活性」

使い方と保存方法

デザートなどに添えたり、クッキーの上に乗せて焼いたりするほか、水あめの要領でキャンディーの中に入れて楽しむこともできます。お料理では、サラダやカルパッチョなどの前菜に加えたり、メインの皿に添えたりして華やかさを演出しましょう。

また、ドリンク類のグラスに飾ったり、乾燥させたエディブルフラワーのお茶を飲んだりすることも可能です。コンフィ(confit)と呼ばれる砂糖漬けや、砂糖水などで煮たコンポート(compote)、ジャムなどに使用される場合もあります。

収穫したエディブルフラワーは、乾燥しないようにビニール袋などに入れて冷蔵庫で保存しましょう。霧吹きで水を与えれば、5~7日ほど保存できます。製氷皿にエディブルフラワーと水を入れて凍らせ、ドリンクに使用する方法もあります。ドライフラワーにするときは、風通しのよい場所で乾燥させましょう。

【注意】食べられない花もある

【食用にできない花】 アジサイ、キキョウ、アネモネ、シャクナゲ、キョウチクトウ、クレマチス、クリスマスローズ、ジギタリス、スズラン、スイセン、ヒヤシンス、ヒガンバナなど

すべての花が食べられるわけではありません。種類によっては「プロトアネモニン」や「サポニン」といった毒性の物質を含むので注意してください。

また、観賞用として育てられた花には、延命剤などの薬品が使われているおそれがあるため、下記に紹介する種類であっても食用にはできません。

エディブルフラワーの栽培のポイント3つ

エディブルフラワーの栽培のポイント3つ

次の3点を押さえて栽培しましょう。

① エディブルフラワー用の苗やタネ

栽培には、「エディブルフラワー」として育てられた苗やタネを使用しましょう。農林水産省の指針に従い、エディブルフラワー用として生産した苗やタネが販売されているので探してみてください。

② 農薬はなるべく使わずに

農林水産省のサイトによると、エディブルフラワーは「無農薬、または低農薬で育てる」とされています。農薬をまったく使用しないか、やむを得ず使うとしても規定の半分以下の量で栽培しましょう。植物や魚粉などを原料とした有機質肥料であれば、安心して使用できますのでおすすめです。

【参考】農林水産省 「春を彩るエディブルフラワー」

③ 観賞用とは別に栽培

先述のとおり、観賞用の植物は毒性をもつ種類があるほか、薬剤を使用して育てる場合も考えられます。エディブルフラワーを栽培するときは、観賞用の植物と一緒の鉢やプランターに植えないことはもちろん、混ざらないように区画を分けて管理してください。

エディブルフラワーの主な種類と栽培の方法

エディブルフラワーは100種類ほどあるとされていますが、その中でも育てやすいものをご紹介いたします。

パンジーやビオラ

パンジーやビオラ

初心者の方は、栽培しやすいパンジーやビオラがおすすめです。

概要

スミレ科スミレ属に分類され、ヨーロッパが原産の一年草です。開花期は10~5月頃で、寒さに強く冬の間も鮮やかで愛らしい花をたくさん咲かせます。ほかのエディブルフラワーとの寄せ植えや、ハンギングも楽しむことができます。

栽培の方法

タネまきは8~9月頃、植えつけは10月頃が適期です。土はあらかじめ石灰をまき、中和してから植えつけます。開花したらエディブルフラワーとして収穫しましょう。

開花期は肥料を定期的に与えます。収穫せずに観賞して咲き終わった花(花がら)があるときは、こまめに摘んで病気や株の衰弱を防いでください。

花がらについては、「花がら摘みの方法 – 正しいやり方やタイミング【ガーデニングの基本】」の記事も参考にしてください。

ナスタチウム

ナスタチウムもエディブルフラワーの代表格と言える花です。

概要

南米が原産で、キンレンカやノウゼンハレンとも呼ばれ、ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属(トロパエオルム属、キンレンカ属)に分類されます。つる性の丸い葉と独特の香りが特徴で、花は一重または八重があり、葉に斑(はん)が入る種類もあります。

栽培の方法

タネまきと植えつけは3~5月頃、開花期は真夏を除く4~11月頃です。梅雨が明けたら3分の1くらいの高さに切り戻すと、秋まで花を楽しむことができます。

暑さに弱いため、夏は遮光ネットをかけるか数時間ほど日が当たる半日陰で管理します。下部の葉が黄色くなるときは、肥料を与えましょう。

スイートアリッサム

小さな花が魅力で、花だけでなく若葉も食用にできます。

概要

アブラナ科ニワナズナ属(ロブラリア属)のスイートアリッサムは、地中海から西アジアが原産で、一年草として扱われます。花の色は白やピンク、紫などがあり、優しく甘い香りを楽しむことができます。初心者の方も育てやすい種類で、パンジーなどと寄せ植えにできます。

栽培の方法

タネまきと植えつけは、春または秋の彼岸の頃です。秋にタネをまいて冬を越し、春に咲かせることも可能です。開花期は真夏を除く2~12月頃ですが、高温と多湿が苦手なため、夏の前に切り戻して遮光ネットをかぶせましょう。

花がらは茎ごとカットして、全体の伸びすぎを防いでください。肥料は、開花期に下部の葉が黄色くなったら与えます。

ノースポール

ノースポール

冬から初夏の頃にかけて、マーガレットに似た小さめの花をたくさん咲かせます。

概要

キク科フランスギク属(レウカンセマム属)に分類され、クリサンセマムと呼ばれることもあります。北アフリカやヨーロッパが原産の一年草で、比較的寒さに強く丈夫なため、初心者の方も育てやすい種類です。

栽培の方法

タネまきは9~10月の気温が下がった頃で、暖地では防寒をしなくても越冬できます。植えつけは2~3月、10~12月頃が適期です。

開花期は12~5月頃と長いので、様子を見ながら肥料を与えてください。花がらはこまめに摘み取り、伸びすぎた茎や混み合った部分はカットして風通しをよくしましょう。

プリムラ

豊富な種類の中で、エディブルフラワーに向いているのはプリムラ・ポリアンサ(ポリアンタ)、プリムラ・ジュリアン、プリムラ・マラコイデスなどです。

概要

サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)のプリムラは、ヨーロッパからアジアが原産で、国内では一年草として扱われます。プリムラ・ポリアンサは最も花の色や大きさの種類が豊富で、味や口当たりがソフトなエディブルフラワーです。

栽培の方法

タネまきは6~7月頃、植えつけは9月頃に行います。開花期は11~4月頃で、冬は保温をして管理しましょう。暑さが苦手なので、夏は風通しのよい半日陰に置いてください。

植え替えなどの管理をすれば、多年草としても楽しむことができます。肥料は開花期に与え、こまめに花がらを摘み取って病気を予防してください。

コーンフラワー

ヤグルマギクの名でも親しまれている花で、ドライフラワーにもできます。ユキノシタ科ヤグルマソウ属のヤグルマソウとは、別の種類の植物です。

概要

ヨーロッパ原産で、キク科ヤグルマギク属(ケンタウレア属)に分類され、寒さに強く丈夫な一年草です。開花期が長く、花の色も青や紫、白、ピンクなど豊富です。一般的には、花びらを1枚ずつ取って使用します。

栽培の方法

タネまきは春から秋に行い、植えつけはほぼ年間を通して可能です。背が高く伸びるので、支柱で支えながら育ててください。高さが20cmくらいのときに先端をカットして、脇から出る側枝(そくし)を伸ばしてもよいでしょう。

開花期は12~7月頃ですが、肥料は特に与える必要がありません。寒さに強いため、保温をすれば容易に越冬ができます。

エディブルフラワーのトラブルには

エディブルフラワーのトラブルには

最後に、エディブルフラワーの栽培で起こりやすいトラブルと対処法をまとめます。

病気を見つけたら

種類によっては、葉や茎などに白い粉がつくうどんこ病や、花がらなどに灰色のかびが発生する灰色かび病などにかかる場合があります。毎日の観察を欠かさず、病気と思われる部分はすぐに取り除いて、周囲へのまん延を防いでください。

病気の予防として、同じ科の植物を育てた土を避けて栽培する、葉が密集する部分はカットする、花がらを摘むなどの管理も大切です。

【関連記事】
【園芸の大敵!】うどんこ病とは?うどんこ病が発生する原因と対策について
【被害が広がる前に対処しよう!】灰色かび病の症状と対策について

害虫の対策

アブラムシやハダニ、アオムシなどがつくことがあります。栽培の際は、苗に防虫ネットをかけると害虫の予防ができます。害虫を見つけたら、すぐに駆除して繁殖を防ぎましょう。被害が大きいときは、食品を原料とした薬剤の使用をおすすめします。

フマキラーの「カダンセーフ」は厳しい審査に通った農薬として登録されていますが、ヤシ油やデンプンを原料にしており、エディブルフラワーにも問題なくご使用いただけます。

カダンセーフは、食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。屋内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。また活力成分の天然アミノ酸とAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合していますので、病害虫対策だけでなく植物の生育もサポートする優れものです。

種類が豊富なエディブルフラワーを栽培しよう

種類が豊富なエディブルフラワーを栽培しよう

今回はエディブルフラワーの魅力を取り上げ、基礎知識や栽培のポイント、おすすめの種類とトラブルの対処法などをご紹介いたしました。

エディブルフラワーは専用のタネや苗を用意し、観賞用とは別の区画でなるべく薬剤を使用せずに栽培することがポイントです。家庭で育てた新鮮なエディブルフラワーを用いて、華やかなデコレーションを楽しみましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。