花がら摘みの方法 – 正しいやり方やタイミング【ガーデニングの基本】

花がら摘みの方法 - 正しいやり方やタイミング【ガーデニングの基本】

花をキレイに長く楽しむために欠かせない作業のひとつが「花がら摘み」です。花がら摘みは数あるガーデニング作業の中でも比較的簡単であるため、初心者でも基本的な知識を身に付けておけばすぐに実践することができます。

花がら摘みを行う理由、効果などを知って、美しい庭やベランダの状態を長く保てるようにしましょう。今回は花がら摘みの正しいやり方やタイミングなどを解説します。

花がら摘みはなぜ必要なの?

「萎(しお)れた花をそのままにしておいても害はないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、冒頭でもお伝えしたように花がら摘みは花をキレイに長く楽しむためにも、大切な作業となります。まずはガーデニングにおいて花がら摘みが大切な理由を解説します。

全体の花つきが悪くなる・株の寿命が短くなる

花がら摘みを定期的に行わないと新しく咲く花が順調に育たない可能性があったり、株そのものの寿命が短くなる恐れがあります。開花期間の長い植物などは開花した後には種を作ろうとする働きを見せます。

しかし種を作るには多くの養分を必要とするため、花がらをそのままにしておくとそちらに大量の養分を取られることになります。その結果、これから開花する蕾などに十分な栄養が行き渡らないという状況に陥り、全体的な花つきが悪くなります。

もちろん株全体に行き渡る養分も少なくなるため、株の寿命も短くなるという弊害を招きます。つまり花がら摘みというのはこれから咲き誇る多くの花たちのために行うということです。

落ちた花がらがカビや病気の原因になる

花がらはカビや病気の発生源になることもあります。花がらによって引き起こされる代表的な病気のひとつに「灰色かび病」があります。灰色かび病とはカビ(糸状菌)によって引き起こされる伝染病です。

主な被害部位は花弁、蕾、葉、茎などで、多くは株元に現れることになります。開花後の花は放置しておくと地面に落ちることがありますが、灰色かび病はこの落下した花がらから発病することも多いです。

灰色かび病が発生した花がらが風で飛ばされ、茎や蕾などに付着するとあっという間に感染します。灰色かび病に感染した植物は最初、水がにじんだような褐色になります。その後、腐敗や軟化が進み、表面に灰褐色のカビが生えます。この症状が多発すると植物全体の生育も悪くなり、やがて枯れていくことになります。

灰色かび病はシクラメンやキンセンカなどの草花だけではなく、野菜や果樹、庭木といったありとあらゆる植物で発生するため、ガーデニングや園芸を楽しむ方にとっては非常に厄介な存在でもあります。

もちろんこれらの病気は花がらだけが原因ではありませんが、植物の生育に悪影響を与える可能性があるのは事実です。このような理由から咲き終わった花がらはこまめに摘んでおく必要があります。

見た目の問題

花がら摘みが大切だといわれるのは単に見た目の問題もあります。パッと見で萎れた花が視界に入るのは、正直あまりキレイな状態とはいえません。

近年は「インスタ映え」などという言葉があるように、自身が庭やベランダで育てた花をSNSに投稿する方も増えてきましたが「美しい」「キレイ」と感じるような投稿写真を見ると萎れた花は少ないという印象があります。

また萎れた花を見るとどことなく寂しい気持ちが湧いてくることがあります。人の心を魅了し、その役目を終えた花がらは早めに摘んでおき、新たな美しい花を咲かせる環境をしっかりと整えておきましょう。

花がら摘みの方法~基本的なポイントを抑えておこう~

花がら摘みの方法~基本的なポイントを抑えておこう~

ここからは花がら摘みの基本的なやり方を解説します。花がら摘みで抑えておくべきポイントは少ないため、基本をしっかり理解することで、すぐに正しい花がら摘みの知識を身に付けることができます。

花がら摘みは手で抜き取る方法とハサミで切り取る方法があります。基本的にハサミを使って花がらを摘むことが多いですが、植物によっては茎がやわらかいものもあります。このような特徴がある植物に関しては手で花がらを抜き取っても問題はありません。反対に茎が硬い植物はハサミで切り取る方法を選択するようにします。

そしてここが花がら摘みで最も大切なポイントとなりますが、花がらを摘むときは「萎んだ花首の下の花茎から取り除く」ことです。

花がら摘みを初めて行う方などは萎んだ花びらだけを切り取りがちですが、実はこれだけでは不十分です。花びらだけを取っても種や実が作られる子房、胚珠(はいしゅ)の部分は残ることになります。

これでは新しい種や実に養分が取られてしまうため、株の体力も大きく消耗してしまいます。このような理由から花がら摘みを行うときは、花の元の膨らんだ部分から摘み取ることが大切とされています。

もちろん植物の種類によって切り取る部分は多少異なります(詳細は後述)。しかし、どの植物にもいえることですが「花がら摘みは種や実が作られる部分から抜き取るのが基本」ということには変わりありません。

このポイントさえ抑えておけば、次々に新しい花が咲き、いつまでも美しい庭やベランダを保てる可能性はアップします。

花がら摘みを行うタイミングは?

花がら摘みのタイミングもよく聞かれる悩みですが、基本的には咲いた花が色褪せてきたり、花びらが丸まってきたときなどを目安にするとよいでしょう。花がら摘みは種や実を付けるまでに行なえば、大きな問題になることはありません。

もちろん目安の時期よりも早く摘み取ってしまう方法もありです。花が萎む前のキレイな状態で切り取っておけば、部屋に飾って楽しむということもできます。

花がら摘みを行う上での注意点

花がら摘みを行う上での注意点

ここでは花がら摘みを実施する際に注意しておきたいポイントをご紹介します。

花がら摘みはできるだけ水やり後に行う

花がら摘みは植物ができるだけ元気な状態になっているときに行うことを推奨します。水やり前や水やりが不足している場合は株全体が「しなっ」となっていることが多いです。このような状態で花がら摘みを行うと、残しておく茎などを傷めてしまう可能性があります。

植物を枯らす原因にもなる病原菌は傷ついた茎や葉からも侵入しますので、花がら摘みはできるだけ植物が元気な状態で行うようにしましょう。

水やり後、水分が十分に足りているとき、最適な気温のときなどは植物もみずみずしく、元気な状態ですので、このようなタイミングを狙って花がら摘みを行うのがおすすめです。

花がらと蕾をしっかり見分ける

花がら摘みあるあるのひとつでもありますが、花がらと蕾の見極めができないとこれから開花する蕾まで摘み取ってしまう可能性が高くなります。咲き終わった後の枯れてきている花がらと開花前の蕾は形状が似ています。

この影響で本来は摘み取ってはいけない蕾まで処理してしまい、その後咲く花が激減してしまったという経験をされた方も多いです。そのため、花がら摘みを行うときは花がらと蕾をしっかりと見極められるようにしておきましょう。

植物によって花がらと蕾の形状は異なりますが、一般的に花がらは花びらの先端がシワになっていたり、クルクルと丸まっていることが多いです。

一方の蕾はシワや丸みがなく、小さいながらもピシッと締まった状態になっています。もちろんこれはあくまでもひとつの目安です。中には日光不足や水分不足などの影響で、蕾でも花がらのような状態になっているものがあります。

複数の蕾がそのような状態になっている場合は、花がら摘みを行う前に生育環境のチェックを行ってみましょう。各植物に適した環境なら枯れてきた花がらとこれから咲く蕾には違いがはっきり現れます。

どうしても自身の力だけでは判断できない場合はネットで花がらと蕾の画像を見比べてみる方法もおすすめです。

植物の種類によって花がらを摘む位置も異なる

植物の種類によって花がらを摘む位置も異なる

前述のように花がら摘みのポイントは種や実を作る部分も一緒にカットすることですが、植物によって花がらを摘む位置は多少異なります。ここでは植物の種類ごとに見た花がらを摘む位置を解説します。

一般的な植物

ペチュニア、インパチェンスといった花茎の長さが一般的な植物の場合は、先ほども解説した通り、花びらだけではなく花首の下の花茎から切り取るようにします。咲き終わった花を摘む際には周囲に落下した花がらも確認し、取り除くようにします。

花茎が長い植物

パンジー、ビオラ、プリムラのような花茎の長い植物は花茎の基部(根元)の部分から切り取るようにします。花茎が長い植物の場合、不必要な軸を残しておくような摘み方は見栄えの悪さにもつながります。

また葉も付かずに残った花茎は今後成長することもないため、残しておく価値がないという意味でも基部からカットすることをおすすめします。

そして基部から切り落とすことで腐敗や病気の発生元になるのも防ぐことができます。不必要に残った軸から病気が発生することも多々ありますので、花茎が長い植物を育てる場合はこの点に十分注意しておくようにしましょう。

球根類

チューリップやユリなどの球根類は花と花茎の間の花首部分からカットするのがおすすめです。茎もカットしたほうが見栄えが良くなり、病気も防げるという方もいますが、球根類は葉や茎を使って光合成をし、栄養を蓄えながら大きく成長していきます。

球根類の植物は球根が大きく、凸凹が少ないキレイな形のほうが質の良い花が咲くといいます。

球根植物は花を咲かせた後、ゲッソリ痩せた状態になりますが、葉と茎を残しておき、そこで作られたエネルギーを再び球根に蓄えることで、翌年も立派な花を咲かせてくれます。

花がら摘みは基本を抑えておけばとても簡単!

今回はガーデニング作業の疑問でもよく取り上げられる花がら摘みに関する基本を解説しました。花がら摘みは地味な作業にも見えますが病気を防ぐ、見た目を美しく保つといった効果があるため、日々のガーデニング作業ではとても大切なことです。

花がら摘みが初めての方は難しいと感じるかもしれませんが、基本的には「種や実を作る部分を残さない」という点だけを把握しておけば、大きな問題になることはありません。

また花がら摘みのやり方も比較的簡単であるため、初心者の方でも経験を積めばすぐにマスターできるでしょう。将来、咲いてくる花たちのためにも定期的に花がら摘みを行うようにしましょう。

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