【ラベンダーの楽しみ方】ドライフラワーやアロマキャンドルの作り方を解説

【ラベンダーの楽しみ方】ドライフラワーやアロマキャンドルの作り方を解説

紫色の美しい花と、さわやかな香りが魅力のラベンダー。ハーブの代表格といえるラベンダーは、栽培だけでなく切り花やドライフラワー、アロマキャンドルなどにして楽しめます。

今回はラベンダーの基礎知識に加え、切り花を長く観賞する方法やドライフラワーとアロマキャンドルの作り方など、多彩な楽しみ方をご紹介いたします。

ラベンダーの基礎知識

ラベンダーの基礎知識

はじめに、ラベンダーの基礎知識を身につけましょう。

ラベンダーの概要

ラベンダーはシソ科ラベンダー(ラヴァンドラ)属の常緑低木で、花の色は紫や白、ピンク系があります。ハーブの代表的な品種として知られ、その美しさと香りのよさから、観賞だけでなくポプリやドライフラワー、アロマキャンドルなどのクラフト、ハーブバス、紅茶などに用いられます。

原産は地中海沿岸で、主な種類はイングリッシュラベンダーやコモンラベンダーと呼ばれるアングスティフォリア系、花の上部にウサギの耳のような「苞葉(ほうよう)」がありフレンチラベンダーと呼ばれるストエカス系があります。

また、葉の縁にギザギザとした切れ込みが入るデンタータ系、イングリッシュラベンダーと原種のスパイクラベンダーをかけ合わせたラバンディン(ラバンジン)系、葉にレースのような切れ込みが入るプテロストエカス系も流通しています。

ハーブについては、「ハーブ栽培は庭やベランダの虫除けにも最適!」「手軽に育てられるキッチンハーブの魅力」の記事も参考にしてください。

ラベンダーの育て方

ラベンダーは日当たりと風通しのよい場所で栽培し、加湿や蒸れを防ぐことがポイントです。花だんに植えたラベンダーは基本的に水やりをしませんが、鉢植えは土の表面が乾いていたら午前中に水を与えます。

蒸れを防止するには、茎が伸びて混み合う部分をせん定してください。雨や台風などの日は、鉢植えを軒下(のきした)などに移動して過湿を防ぎましょう。花だんのラベンダーは春に、鉢植えは春と秋に肥料を与えます。

花穂(かすい)に2~8割くらいの花がついたら、収穫して観賞やクラフトに利用してください。開花期が過ぎたころに、全体を半分くらいまで切り戻して翌年に備えましょう。春に伸びた新芽を10cmくらいの長さに切り、挿し木にして増やすことも可能です。

ラベンダーについては、「【ラベンダーの育て方】毎日のお手入れ方法や植え替え・増やし方を解説」の記事もご覧ください。

ラベンダーの楽しみ方~切り花

ラベンダーの楽しみ方~切り花

それでは、ラベンダーの楽しみ方のひとつである「切り花」についてご紹介いたします。

ラベンダーの切り方

ラベンダーを収穫するときは、株の葉を残して切りましょう。開花期であれば、しばらくすると芽が出て再び花を楽しめる可能性があります。収穫したラベンダーは下部の葉を取り除いて、茎の傷みや水の汚れを防いでください。取り除いた葉も処分せずに、乾燥させてポプリなどに活用しましょう。

続いて、水を張ったバケツなどの水中で茎の先端を切る「水切り(みずきり)」をおこないます。水切りはプロも取り入れているテクニックで、切り口の乾燥を防ぐ効果があります。また、水中では茎の切り口を斜めにカットすることもポイントです。茎を斜めに切ると、水に触れる面積が広がって吸水しやすくなります。

ラベンダーの場合は、さらに1時間ほど水を吸わせる「水揚げ(みずあげ)」をしてから活けると長持ちします。

水揚げについては、「【花を長持ちさせる】水揚げの種類と方法について解説」の記事を参考にしてください。

長く楽しむポイント3つ

そのほか、ラベンダーを長く観賞するポイントを3点ご紹介いたします。

① 観賞する場所

一輪挿しや花びんなどの容器は、直射日光やエアコンの風が当たらない場所に置いて観賞しましょう。また、手やものがぶつかる場所、通り道で体や荷物などが触れる場所、不安定な場所も適しません。水を入れた容器は、家電やコンセント、充電器などの近くに置くことも避けてください。

一輪挿しについては、「【一輪挿しでお部屋を華やかに!】一輪挿しの魅力や楽しみ方を紹介します」の記事で詳しくご紹介しています。

② 水と容器の管理

容器の水量は少なめにして、底から数cmくらいを目安に入れてください。季節にもよりますが、ラベンダーの水の交換は1~2日に1回が基本です。水を替えるときに容器の中や茎のぬめりもよく洗い、清潔を保ちましょう。

抗菌剤や栄養分の入った延命剤を使うときは、説明書に従って希釈(きしゃく)したものを花びんに入れてください。延命剤を使用した水は、汚れ具合を見ながら数日~1週間を目安に交換します。

③ 花と茎の手入れ

ラベンダーの花は落ちやすいため、扱いに気をつけて作業してください。花がよく咲いているものは、水を替えるときに先述した方法で茎の先端を切ると長持ちします。花が枯れてきたものは、容器から抜き取って処分しましょう。

ラベンダーの楽しみ方~ドライフラワー

ラベンダーの楽しみ方~ドライフラワー

続いて、「ドライフラワー」の作り方を2つご紹介いたします。ドライフラワーにするには、香りのよいイングリッシュラベンダーの仲間が向いています。香りを強く残すためには、満開ではなく咲きはじめのものを、晴れた日の朝に収穫しましょう。

ハンギング法

長い茎を残したまま乾燥できるため、大きめのスワッグ(壁かけ)やリースを作るときにおすすめの方法です。ハンギング法で作るときは、湿度が高い長雨の時期などを避けて取り組んでください。つるす際は「湿度が低い」「風通しのよい」「日の当たらない」場所を選びましょう。

【用意するもの】

  • ラベンダー
  • 麻ひもなどのひも
  • ピンチ(必要な場合)

【作り方】

1. 収穫したラベンダーを数本ずつ束ねる
2. 下部の余分な葉を取り除き、ひもできつめに結ぶ
3. 適切な場所を選んでつるす
4. 2週間ほど過ぎて、茎が簡単に折れたら完成

シリカゲル法

二酸化ケイ素を原料とする乾燥剤を使用する方法で、季節を問わずにドライフラワーを作れる点がメリットです。容器のサイズが限られるので、小さめのクラフトに使用する際におすすめの方法です。なお、シリカゲルは乾燥させれば再利用できます。

【用意するもの】

  • ラベンダー
  • ドライフラワー用のシリカゲル
  • タッパー(深さがあるもの)
  • スプーン
  • 割りばしまたはピンセット

【作り方】

1. タッパーの中にシリカゲルを入れ、数cmの厚さで平らに敷く
2. 1の上にラベンダーを重ならないように置く
3. スプーンを使用し、ラベンダーが見えなくなるまでシリカゲルをかける
4. しっかりと密閉して1週間ほど置く
5. 割りばしなどを使用して取り出し、茎が簡単に折れたら完成

おすすめの飾り方

ハンギング法は、かわいいリボンなどを結んでつるした状態を見せながら飾ることも可能です。スワッグやリースはラベンダーだけで作ってもすてきですが、ほかのドライフラワーと組み合わせたり、雑貨や英字新聞などをプラスしたりしてもよいでしょう。

画像のように、ドライフラワーを空のガラスびんなどに挿してもおしゃれです。また、小さなフレームにラベンダーを飾りつけたり、ほかのドライフラワーと一緒に詰め合わせたりする楽しみ方もおすすめ。小さなブーケに仕立てて、ちょっとしたお礼などに渡すと喜ばれるかもしれません。

なお、ドライフラワーを作る際に落ちた花は、捨てずにポプリやキャンドルなどに利用しましょう。

ドライフラワーについては、「ドライフラワーの簡単な作り方を解説【インテリアやプレゼントにも最適!】」の記事をご覧ください。

ラベンダーの楽しみ方~アロマキャンドル

ラベンダーの楽しみ方~アロマキャンドル

最後に、手作りの「アロマキャンドル」をご紹介いたします。アロマキャンドルに使用するラベンダーは、香りの成分が高い「アロマティコ」などの品種が向いています。

用意するもの

  • ラベンダー(ドライフラワーにしたもの)
  • ロウソク
  • カッター
  • キャンドルの型(耐熱のガラス容器、紙コップなど)
  • 湯煎(ゆせん)用の鍋(なべ)
  • キャンドル用の鍋または金属の容器
  • タコ糸(ロウソクの芯を再利用するときは不要)
  • 割りばし
  • ピンセットなど
  • アロマオイル(必要な場合)
  • 茶葉用のパック(必要な場合)

アロマキャンドルの作り方

アロマオイルを使用する方法と、ラベンダーから抽出する方法があります。加熱したロウソクを扱う際は、やけどに気をつけて作業してください。

【共通の作り方】

1. カッターでロウソクを削り、チップ状にする
2. ラベンダーを適当な長さに切っておく
3. 湯煎用の鍋に湯を沸かす
4. キャンドル用の鍋にチップ状のロウを入れ、湯煎にかける
5. タコ糸を適当な長さに切り、一方を割りばしに巻きつけておく

【アロマオイルを使用する方法】

6. 4のロウが溶けたら、アロマオイルを数滴垂らす
7. 6を型に流し入れる
8. 7が固まる前に、ピンセットなどを使用してラベンダーを好きな位置に入れる
9. タコ糸を8の中央に垂らし、型の入れ口に割りばしを渡して固定する
10. 固まるまで冷まし、タコ糸を切る
11. 紙コップを使用したときは、はがして中身を出す

【抽出する方法】

6. ラベンダーの花や葉を茶葉用のパックに入れる
7. 4のロウが溶けたら、パックを入れる
8. 湯煎のお湯を足しながら、弱火のまま10分ほど抽出させる
9. パックを取り出し、8を型に流し入れる
10. 9が固まる前に、ピンセットなどを使用してラベンダーを好きな位置に入れる
11. タコ糸を10の中央に垂らし、型の入れ口に割りばしを渡して固定する
12. 固まるまで冷まし、タコ糸を切る
13. 紙コップを使用したときは、はがして中身を出す

【注意点】

キャンドルを作る場合、一度にすべてのロウを注ぐと、固まったときに中央がへこむことがあります。へこみが気になるときは、少量のロウを流し入れて固まってから継ぎ足す方法がよいでしょう。

ラベンダーの楽しみ方は多彩!

ラベンダーの楽しみ方は多彩!

今回はラベンダーの楽しみ方について取り上げ、ラベンダーの基礎知識と切り花の管理のポイント、ドライフラワーとアロマキャンドルの作り方をご紹介いたしました。

ラベンダーの楽しみ方は栽培だけでなく、切り花やクラフトなど多岐にわたります。目的に合わせて品種を選び、ラベンダーの魅力を最大限に楽しみましょう。

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