2022年7月15日 | 園芸・ガーデニング
【夏からはじめるガーデニング】暑さに強いおすすめの夏の花を紹介
梅雨が明ければ、日差しがサンサンと降り注ぐ暑い夏がやってきます。夏のまぶしい太陽の下で、ガーデニングをはじめようと思い立つ方も多いのではないでしょうか。
夏のガーデニングは、暑さに強い植物を選んで適切な管理をすることが大切です。そこで今回は、夏のガーデニングにおすすめの植物を9点ご紹介し、夏の管理のポイントについて解説いたします。
夏のガーデニングにおすすめ!育てやすい花
はじめに、初心者の方も育てやすい夏の花を3点ご紹介いたします。
ヒマワリ
【概要】
- キク科ヒマワリ属
- 一年草
- 開花期:7~9月
夏の花の代表格といえるヒマワリは、暑さに強く育て方が簡単な点が大きな魅力です。一般的なヒマワリは背が伸びて大輪の花が咲くタイプですが、小型のものや八重(やえ)咲きのもの、花をたくさんつけるものなども流通します。観賞用だけでなく、種(たね)を食用やヒマワリ油に加工したり、飼料や肥料に使用したりする品種もあります。
【育て方】
種まきは、地温が20℃くらいに上がる4~6月ごろが適しています。背が高くなる品種は、50~60cmくらいの間隔を空けて植え付けましょう。鉢植えは水分不足に注意し、背が伸びる品種には支柱を添えて倒れないようにしてください。多くの花が咲くタイプは頂点を摘芯(てきしん)して分岐させ、咲き終わった花(花がら)を摘み取りましょう。
ヒマワリについては、「【ひまわりの育て方】さまざまな種類やサンフィニティを見ることのできる施設を紹介」の記事もご覧ください。
アサガオ
【概要】
- ヒルガオ科サツマイモ属
- 一年草
- 開花期:7~10月
夏の風物詩のひとつであるアサガオも、丈夫で育てやすい植物です。花は小型から大型まで豊富にそろい、色は青や白、ピンクなどのほか、筋(すじ)や斑(はん)が入るタイプもあります。つるの性質を生かして「あんどん仕立て」やグリーンカーテンにして楽しめますが、近年ではつるが伸びない小型の矮性(わいせい)の品種も見かけます。
グリーンカーテンについては、「初心者でもできる美しいグリーンカーテンの作り方」「グリーンカーテンにおすすめの植物12選」の記事で詳しくご紹介しています。
【育て方】
種まきは地温が25℃くらいになる5月以降におこない、発芽の処理をしていないものは種に傷をつけてからまいてください。30cmくらいの間隔を空けて植え付け、つるが伸びてきたら支柱やネットに絡ませます。多くの花がつく品種は、花がらをこまめに摘み取りましょう。大きい花を咲かせるときは、脇に出る芽を取り除いて花の数を減らしてください。
マリーゴールド
【概要】
- キク科マンジュギク属(タゲテス属)
- 一年草
- 開花期:4~12月
暑さに強く丈夫で、開花期が長い夏の花です。やや低めで分岐しやすいフレンチ種と背が伸びるアフリカン種、双方の交配種があります。夏に映える黄やオレンジ、赤などの鮮やかな色が特徴で、寄せ植えにも向いています。独特のにおいをもつマリーゴールドは、互いによい影響を与え合うコンパニオンプランツとしても用いられます。
寄せ植えについては「寄せ植えの基本と作り方。初心者でもおしゃれに仕上げるコツも解説!」、コンパニオンプランツについては「コンパニオンプランツを活用し野菜を栽培しよう!植え方や組み合わせ一覧」の記事も参考にしてください。
【育て方】
生育が旺盛なマリーゴールドはこまめに花がらを摘み取り、混み合う部分の茎を切って風を通しましょう。アフリカン種は、支柱を添えて倒れないようにすると安心です。鉢植えは水分不足に注意し、下の葉が黄色くなるときは月に1度くらいのペースで肥料を与えてください。生育が衰えたときは、半分くらいの高さまで切り戻すと再び花を楽しめます。
夏のガーデニングにおすすめ!寄せ植えやハンギング
続いて、寄せ植えやハンギングにもできる夏の花をご紹介いたします。
ペチュニア
【概要】
- ナス科ツクバネアサガオ属(ペチュニア属)
- 一年草または多年草
- 開花期:3~11月
開花期が非常に長く育てやすいため、初心者の方におすすめの夏の花です。花の色はピンクや白、紫、黄などがあり、サイズも多彩で咲き方は一重(ひとえ)と八重が楽しめます。ボール状に茂るタイプとほふく性のタイプがあるので、目的に合わせて選びましょう。ペチュニアの葉のベタベタする成分には、病害虫を予防する役目があります。
【育て方】
ペチュニアは弱酸性の土を好むため、花だんに植え付ける際は土を中和する必要がありません。寄せ植えなどで鉢植えにしたときは、定期的に肥料を与えてください。こまめに花がらを摘み取り、混み合う部分の茎をカットして風通しを確保しましょう。花が減ったときは、葉を残しながら半分くらいの高さまで切り戻すと再び花を楽しめます。
ペチュニアについては、「【ペチュニアの育て方】種まきの方法や初心者におすすめの品種も紹介」の記事もご覧ください。
ニチニチソウ
【概要】
- キョウチクトウ科ニチニチソウ属
- 一年草
- 開花期:5~11月
ニチニチソウも開花期が長く、種類が豊富で暑さに強い植物です。花の色はピンクや白、赤、紫などで、一般的な矮性と上に伸びる高性(こうせい)、ほふく性のタイプがあります。近年では、フリンジ咲きや風車咲きなども楽しめます。ニチニチソウは「ビンカ」の名前で流通することもあるので、好みに合わせてお選びください。
【育て方】
花だんでは25~30cmの間隔を空け、土を少し盛り上げた場所に植え付けて水はけをよくしてください。開花期が長いため、鉢植えには定期的に肥料を与えます。雨が続くときは、鉢植えを軒下(のきした)などに移動して加湿を防いでください。ニチニチソウはたくさんの花をつけるので、こまめに花がらを摘み取って病害虫を予防しましょう。
アメリカンブルー
【概要】
- ヒルガオ科アサガオガラクサ属(エボルブルス属)
- 一年草または多年草
- 開花期:4~10月
涼しげな青い花が特徴のアメリカンブルーは、「エボルブルス」の名前で販売されることもあります。鉢植えではシャンデリアのような形状に育ち、地植えではグラウンドカバーとして一面をおおう様子を鑑賞できます。耐暑性があり、開花期が長い点も大きな魅力です。アメリカンブルーは、ほかの植物と寄せ植えにしても楽しめます。
【育て方】
加湿を嫌うためやや乾燥気味に育てますが、鉢植えは水分不足にならないように気を付けましょう。若いうちに摘芯して枝を分岐させておくと、こんもりとした株に育ちます。アメリカンブルーも多くの花をつけるので、こまめに花がらを摘み取ってください。枝が込み合ったり伸びすぎたりしたときは、好みの位置で切り戻して形を整えましょう。
夏のガーデニングにおすすめ!スタイリッシュな花
おしゃれなガーデニングを楽しめる夏の花は次のとおりです。
センニチコウ
【概要】
- ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)
- 一年草
- 開花期:5~11月
名前のとおり開花期が長く、夏の暑さに強い丈夫な植物です。花のように見える部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉が変化したもので、ピンクや紫、白、赤などの色があります。スタイリッシュな姿が魅力的なセンニチコウは、形が崩れにくく色が残りやすいため、フラワーアレンジメントやドライフラワーなどにも向いています。
ドライフラワーについては、「ドライフラワーの簡単な作り方を解説【インテリアやプレゼントにも最適!】」の記事も参考にしてください。
【育て方】
センニチコウも加湿を嫌うので、やや乾燥気味に育てましょう。花だんでは土を少し盛った場所に植え付け、鉢植えではやや浅めに植えてください。生長して背が伸びたら、支柱を添えると安心です。苞が縦長に伸び、下部が茶色く変化したら摘み取ってください。全体に伸びすぎて株が乱れたときは、葉を残しながら切り戻すと再び新芽が出ます。
センニチコウについては、「千日紅(センニチコウ)の育て方を種まきから植えつけまで徹底解説」の記事で詳しくご紹介しています。
サルビア
【概要】
- シソ科アキギリ属(サルビア属)
- 一年草、多年草、低木
- 開花期:6~11月
サルビアは非常に種類が多く、花の色は赤やピンク、青、白などがあり、サイズは小型から大型までさまざまです。ポピュラーな赤いタイプは「サルビア・スプレンデンス」で、寒さに弱いため一年草として扱われます。多年草の「サルビア・ガラニチカ」や「チェリーセージ」、「パイナップルセージ」などもサルビアの仲間です。
【育て方】
背が高くなる品種は間隔を30cmくらい空けて植え付け、支柱を添えて倒れないようにしてください。鉢植えで栽培するときは、月に1度くらいのペースで肥料を追加します。サルビアは病害虫の被害に遭いにくい植物ですが、花がらをこまめに摘み取って株の衰弱を防ぎましょう。開花の勢いが衰えたら、半分くらいの高さに切り戻して秋に備えてください。
サルビアについては、「【サルビアの育て方】種まきの方法から水やり・切り戻し剪定まで解説」の記事も参考にしてください。
エキナセア
【概要】
- キク科ムラサキバレンギク属(エキナセア属)
- 多年草
- 開花期:6~8月
花の中心が大きく盛り上がる形状が特徴的なエキナセアは、「コーンフラワー」と呼ばれることもあります。海外では古くから医療用のハーブとして使用され、近年では国内でもさまざまな効果が注目されています。花の色はピンクや赤、白、オレンジなどで、ほとんどが大型ですが小型の品種も流通します。エキナセアもドライフラワーにして楽しめます。
【育て方】
20cmくらいの間隔を空けて植え付け、やや乾燥気味に管理してください。背が伸びてきたら、支柱を添えて倒れないようにしましょう。エキナセアはもともと草原に生息する植物なので、風通しと加湿に注意すれば、基本的に肥料を与える必要はありません。こまめに花がらを摘み取り、生育期が過ぎて地上部が枯れたら冬越しの準備をしてください。
エキナセアについては、「エキナセアの育て方や気になる病害虫対策について解説」の記事もご覧ください。
夏のガーデニングと管理のポイント
最後に、夏のガーデニングについて管理のポイントをご紹介いたします。夏に植物を植え付けるときは、日差しを避けてくもりの日か夕方に作業してください。
夏の水やり
夏の間は水分不足にならないように、植物をこまめにチェックしましょう。鉢植えの水やりは、早朝と夕方の2回おこないます。暑さで植物がグッタリとしていても、昼間の水やりは控えてください。土の乾燥が早い場合は、腐葉土や敷きわらなどでマルチングを施すと改善されます。猛暑で花だんの土が乾燥しすぎるときは、早朝に水やりをしてください。
マルチングについては、「園芸におけるマルチングとは?効果や使用方法、注意点をわかりやすく解説」の記事で詳しくご紹介しています。
日差しに注意
夏は日差しが強いだけでなく、日照時間が長いため植物が傷むことがあります。日差しが強すぎる場合は、遮光ネットや寒冷紗(かんれいしゃ)で日除けをしましょう。ネット類は、植物にかぶせたり支柱や樹木の間に張ったりして使用します。とくに西日が強く当たる場所で栽培している植物は、日陰を作って保護するとよいでしょう。
花がら摘み
夏に限らず、花を観賞するガーデニングでは花がら摘みを日課にしてください。咲き終わった花を放置すると株が種を作る準備をはじめ、長い開花期を楽しめません。また、枯れた花や落ちた花びらに菌やウイルスが付着し、病気を引き起こすおそれがあります。種を採取するときは、開花期の終わりに花を残してください。
台風の対策
鉢植えの植物は、風雨をしのげる場所か玄関などの室内に移動しましょう。花だんの植物のうち、背が高いものは支柱にしっかりと留め付け、植え付けたばかりの苗には専用のキャップをかぶせるとよいでしょう。さらに、不織布(ふしょくふ)やビニールなどで囲んで保護すれば安心です。グリーンカーテンのネット類も飛ばされないように固定してください。
病害虫のチェック
日々の水やりや花がら摘みの作業と並行して、病害虫のチェックもおこなってください。葉の裏や込み合った茎の根元など、見づらい部分も確認して早期発見を心がけましょう。病気や害虫の被害を見つけたときは、すぐに取り除いてまん延を防いでください。
夏のガーデニングには、フマキラーの「カダンプラスDX」をおすすめします。カダンプラスDXは野菜や果樹、庭木などに使用できる薬剤で、アブラムシやアオムシなどの害虫の駆除も可能です。パワフルトリガーで広い範囲に散布でき、浸透する成分が植物の全体に行き渡って効果を発揮します。
夏のガーデニングを楽しもう
今回は、夏のガーデニングにおすすめの植物を9点ご紹介し、管理のポイントについても解説いたしました。夏のガーデニングでは水分不足と日差しに注意し、花がら摘みと病害虫のチェックも心がけましょう。台風が来るときは、早めに対策を施してください。暑さに強い植物を選び、夏の間も華やかなガーデニングを楽しみましょう。