2022年1月25日 | 園芸・ガーデニング
室内でも育てやすい観葉植物はどんな種類?育て方や置き場所を紹介
「室内で植物を育てたいけれども、何がよいかわからない」という方も多いかもしれません。室内で育てるには、イキイキとした葉の美しい観葉植物がおすすめです。
今回は、室内でも育てやすい観葉植物を9種類ご紹介し、基本的な育て方や管理のポイントについて解説いたします。
室内におすすめ~育てやすい観葉植物
はじめに、初心者の方が育てやすい観葉植物を3種類ご紹介いたします。
ポトス
- サトイモ科ハブカズラ属(エピプレムヌム属)
- 多年草
- 常緑性
つる性の観葉植物で、葉は緑や黄緑のほか、クリーム色の斑(はん)が入るものがあります。原産地のソロモン諸島では主にジャングルの下草として自生し、「気根(きこん)」と呼ばれる根をほかの植物の幹などにはりつけながら生長します。
丈夫で育てやすく、環境が合えばつるが10mくらいまで伸びることもあります。つるをハンギングの鉢から垂らしたり、支柱や壁などに誘引(ゆういん)したりして楽しめます。室内の日陰でも育ちますが、品種によっては斑が出なくなります。寒さに弱いため、冬は温度管理に気をつけましょう。
モンステラ
- サトイモ科ホウライショウ属(モンステラ属)
- 多年草
- 常緑性
切れ込みが入る葉と長い気根をもつ、トロピカルな印象の観葉植物です。熱帯アメリカのジャングルでは、ほかの植物や岩などに気根を絡めながら生長します。生育が旺盛なモンステラは室内でも2mほどまで伸びるので、コンパクトにしたいときは小型の矮性(わいせい)種を選ぶとよいでしょう。
葉に斑が入ったり穴が開いたりする品種もあり、環境の整った温室ではミズバショウのような花を咲かせることもあります。耐陰性がありますが、ヒョロヒョロに伸びないようにときどき明るい場所に移動してください。
シェフレラ
- ウコギ科フカノキ属(シェフレラ属)
- 低木・高木
- 常緑性
手のひらのように葉が広がる観葉植物で、管理のしやすさから店舗やクリニックなどにも置かれます。アジアを中心とする温帯から熱帯の地域に自生し、大きいものは10m以上に育ちます。園芸用の品種は高さがさまざまで、葉に斑が入るタイプや幹を曲げて育てた株などもあります。
室内の日陰でも栽培できますが、なるべく明るい場所に置いて健康的に育てましょう。なお、混同しやすい「カポック」は、パンヤ科の異なる植物です。シェフレラの品種である「ホンコンカポック」も、流通した当初についた誤称がそのまま使われています。
室内におすすめ~おしゃれな観葉植物
続いて、室内でおしゃれに楽しめる観葉植物を3種類ご紹介いたします。
ガジュマル
- クワ科イチジク属(フィカス属)
- 高木
- 常緑性
ふくらんだ根元がユニークなガジュマルは「多幸(たこう)の木」と呼ばれ、古くから精霊が宿るとされています。原産は東南アジアやハワイなどで、国内でも屋久島や種子島より南に自生します。本来は20mくらいまで伸びますが、園芸用は10cm~数mくらいのものが流通しています。
葉に斑が入るタイプもあり、環境が整えば「花嚢(かのう)」と呼ばれる赤い実をつけます。ガジュマルは明るい場所に置き、冬は温度管理に気をつけてください。洋風・和風のどちらでも楽しめるので、部屋の雰囲気に合わせて鉢を選びましょう。
ベンジャミン
- クワ科イチジク属(フィカス属)
- 低木
- 常緑性
「ベンジャミンゴムノキ」とも呼ばれ、樹形の美しさが印象的な観葉植物です。本来は高木の植物で、原産地のインドや東南アジアなどでは、大木のベンジャミンが観賞できます。スタンダードな品種の葉は緑や黄緑、斑の入るタイプがあり、葉を刈りこめば自由に形を作れます。
幹を三つ編みや螺旋(らせん)状に仕立てたタイプのほか、近年では葉がクルリと丸まった品種も販売されています。耐陰性がありますが、基本的には明るい場所に置き、あまり環境を変えずに栽培しましょう。
ユッカ
- キジカクシ科(リュウゼツラン科)イトラン属(ユッカ属)
- 低木
- 常緑性
まっすぐな幹と上に伸びる鋭い葉が特徴の観葉植物で、「青年の木」の別名をもちます。北アメリカやメキシコなどの原産地では、10m以上の高さに育ちます。国内では、幹から新芽を出した「朴物(ぼくもの)」と呼ばれるタイプが流通します。
スタイリッシュなユッカは、ジャンクやビンテージなどでまとめた室内にも似合います。日光を好むので、室内だけでなく屋外でも栽培できます。冬は水やりの回数を控え、乾燥気味に管理してください。
室内におすすめ~開運や効果の楽しみな観葉植物
次に、開運や効果を期待できる観葉植物を3種類ご紹介いたします。
パキラ
- パンヤ科パキラ属
- 低木・高木
- 常緑性
手のひらのように広がる葉が特徴の観葉植物で、1980年代に台湾で導入した苗がアジアで広く取引されたことから、「発財樹(はつざいじゅ)」や「money tree」の別名をもちます。花言葉は「勝利」「快活」で、風水では仕事運や勉強運を高めるとされます。
原産地の中南米では、20m以上の高さに育ちます。国内では幹を三つ編みにしたものや朴もの、葉に斑が入るものなどが流通します。基本的には明るい場所に置いて、健康的に育てましょう。環境が整えば、大きく生長して花を咲かせることもあります。
サンスベリア
- キジカクシ科(リュウゼツラン科)チトセラン属(サンセベリア属)
- 多年草
- 常緑性
先のとがった細長い葉が特徴の観葉植物で、「トラノオ」や「千歳蘭(ちとせらん)」の別名をもちます。NASA(アメリカ航空宇宙局)の研究により、空気清浄の効果がある植物として話題になりました。花言葉は「永久」「不滅」で、風水では魔除けなどの効果があるとされます。
アフリカやアラビア半島などの乾燥地帯が原産のため、丈夫でそれほど水分を必要としません。細長い葉にクリーム色のラインや縞(しま)の入るものが一般的で、近年では葉が棒状に育つものや横に広がるものなども流通します。
【参考】
NASA「Interior Landscape Plants for Indoor Air Pollution Abatement」
ドラセナの仲間
- キジカクシ科(リュウゼツラン科)ドラセナ属(リュウケツジュ属)
- 低木
- 常緑性
種類が非常に豊富で、細長い葉に斑や縞が入るもののほか、赤い色のもの、花の香りが楽しめるものなどがあります。もっともポピュラーな品種は「幸福の木」と呼ばれる「ドラセナ・マッサンゲアナ」や「ミリオンバンブー」と呼ばれる「ドラセナ・サンデリアーナ」で、ギフトにも用いられます。
ドラセナは朴ものが主流ですが、幹を編んだものや螺旋状に仕立てたものなどがあります。基本的には明るい場所に置き、冬は品種に合わせた温度で管理してください。混同しやすいセンネンボク属(コルジリネ属)のコルジリネは、根の形状が異なる別の植物です。
そのほかの観葉植物については、「インテリアグリーンで室内の雰囲気をおしゃれに!おすすめのインテリアグリーン12選」の記事でもご紹介しています。
室内で観葉植物を育てるポイント
基本的な観葉植物の育て方は、次のとおりです。管理の詳細は、それぞれの植物に従ってください。
置き場所と日当たり
耐陰性のある観葉植物も、昼間はレースカーテン越しの日光が当たる場所に置いて健康的に育てましょう。真夏の間は早朝のみ日に当てるか、厚手のカーテンなどで遮光してください。冬は暖房器具の風が当たらないように注意し、夜は窓辺から移動するか後述の方法で保温するとよいでしょう。
小さいお子さんやペットと暮らす家庭では、肥料や土などの誤飲、鉢の転倒、とがった葉に注意してください。
水やりのポイント
観葉植物の水やりは毎日ではなく、土の表面が乾いたときにたっぷりと与えてください。鉢の底から出た水は処分して、根腐れ(ねぐされ)を防止しましょう。室内が乾燥するときは、霧吹きで葉に水をかけてください。
生育の勢いが衰える冬は水やりの回数を減らしますが、暖房が効いて新芽の出る環境では変えなくても構いません。水耕栽培(ハイドロカルチャー)の観葉植物は、容器の水がなくなったら水を与えます。観葉植物は水を与えすぎると枯れることもあるので、タイミングに気をつけましょう。
観葉植物の管理については、「観葉植物が枯れる原因とは?正しい対処方法を知り長く楽しもう!」の記事で詳しくご紹介しています。
肥料の与え方
観葉植物は、生育期に固形肥料か液体肥料を与えてください。ゆっくりと長く効く固形肥料は月に1回を目安にして、根元から離れた土の上に置きます。短期間で即効性のある液体肥料には、薄めるタイプとそのまま使うタイプがあります。商品の説明に従いながら、数週間に1回を目安にして与えてください。
水やりと同様に、冬でも新芽が出る環境下では肥料を与えてもよいでしょう。水耕栽培の観葉植物には、専用の肥料を使用してください。
植え替えの方法
何年も同じ鉢に植えていると、鉢の中で根詰まり(ねづまり)を起こして生育に支障が出ます。観葉植物は、数年に1度のタイミングで春または秋に植え替えましょう。植え替えるときは、ひと回り大きな鉢と新しい土を用意します。
株を取り出して軽く根をほぐしたら、傷んだ根や長すぎる根をカットしてください。ある程度の土を入れたら、割りばしなどを挿しながら隙間に土を足します。必要があれば、幹や茎を支柱で支えてください。水をたっぷりと与え、数日は風通しのよい日陰に置きましょう。特に問題がなければ、元の場所に戻して同様に管理します。
根詰まりについては、「根詰まりとは?根詰まりサインや失敗しない植え替え方法を解説」の記事を参考にしてください。
観葉植物の増やし方
観葉植物の根元から茎や幹が何本も伸びている場合は、植え替え時に株分け(かぶわけ)で増やせます。株分けとは、株を取り出して根ごと分け、それぞれを鉢に植え替える作業です。一方、朴ものや幹が1本の観葉植物は、5~10cmほどの長さで若い茎を切り取り、「挿し木(さしき)」または「挿し芽(さしめ)」にする方法が一般的です。
切り取った茎の下部の葉を取り除き、水を入れた容器に1時間くらい挿して水を吸わせましょう。園芸用のポットなどに挿し芽用の土を入れ、湿らせてから茎を挿します。根が出るまでは明るい日陰に置き、土の表面が乾いたら水を与えます。新芽が伸びてきたら小さめの鉢に植え替え、同様に管理してください。
ポトスは「水挿し(みずさし)」、ドラセナは「茎挿し(くきさし)」サンスベリアは「葉挿し(はさし)」、モンステラは「茎伏せ(くきふせ)」などの方法でも増やせます。なお、モンステラやベンジャミンなどは、茎を切ったときに白い液が出ます。素手で触るとかぶれることがあるので、ビニール手袋を着用して作業してください。
冬越しの注意点
観葉植物の多くは熱帯や温帯に生息するため、冬の寒さが苦手です。室内でも5℃以下になる場合は、鉢の周囲に新聞紙や不織布(ふしょくふ)を巻いて保温しましょう。日没後に温度が下がる窓際では、段ボールや発泡スチロールなどを使用しても構いません。
室内では暖房器具の直風に注意し、乾燥が続くときは霧吹きで葉に水を与えてください。冬も昼間は日光に当て、水道水をくみ置いて室温にしたものを与えると安心です。
寒さに強い観葉植物については、「寒さに強い観葉植物を紹介。冬でも元気に育てるポイントをまとめて解説」の記事をご覧ください。
室内の観葉植物におすすめの園芸用品
室内の環境によっては、病害虫によるトラブルが発生するので注意しましょう。異変を感じたときは、すぐに対処して被害の拡大を防いでください。
フマキラーの「カダンセーフ」は、観葉植物に発症したうどんこ病などのほか、アブラムシやハダニにも効果があります。食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。室内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。
また活力成分の天然アミノ酸とAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合していますので、病害虫対策だけでなく植物の生育もサポートする優れものです。
室内で観葉植物を育てよう
今回は、室内で育てやすい観葉植物を9種類ご紹介し、観葉植物の管理のポイントについて解説いたしました。観葉植物は明るい場所に置き、土の表面が乾いたときにたっぷりと水を与えることが大切です。この機会に、室内でみずみずしい緑の葉を楽しめる観葉植物を育ててみませんか。