寒さに強い観葉植物を紹介。冬でも元気に育てるポイントをまとめて解説

寒さに強い観葉植物を紹介。冬でも元気に育てるポイントをまとめて解説

冬の寒さが原因で、お気に入りの観葉植物が枯れてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。ほとんどの観葉植物は寒さが苦手なため、冬は保温などの防寒対策が必要です。しかし、なかには耐寒性にすぐれた品種もあり、魅力的な葉色と形で私たちの心をいやしてくれます。

今回は、寒さに強い観葉植物の育て方とおすすめの品種を7つご紹介し、トラブルと対処法についても解説いたします。

寒さに強い観葉植物を育てよう

寒さに強い観葉植物を育てよう

はじめに、寒さに強い観葉植物の冬の管理についてご紹介いたします。

寒さに強い観葉植物とは

ほとんどの観葉植物は、熱帯や温帯など暖かな地域が原産です。基本的には寒さに弱く、最低でも10℃以上の気温が必要です。しかし、寒さに強い観葉植物は5℃くらい、さらに耐寒性のある観葉植物は0~3℃くらいの気温でも耐えることができます。ですから上手に管理すれば、一般的な観葉植物よりも楽に越冬させることができます。

なお、暖地では観葉植物を地植えにすることもあり、寒さに強い品種であれば屋外での越冬も可能です。ただし、雪の日や霜が降りる日は0℃を下回るので、地植えのものは敷きわらなどで保温し、鉢植えは室内に取り込むと安心です。

日当たりと置き場所

寒さに強い観葉植物のなかには、日陰でも育つ(耐陰性がある)品種があります。しかし、室内で健康に育てるためには、レースカーテン越しの日光が当たる窓辺に置きましょう。日中だけ鉢を窓辺に置き、夕方以降はほかの場所に移動しても構いません。

屋外にある鉢植えの観葉植物は、晩秋の頃には室内に取り込み、日中は窓辺で日光浴をさせてください。ただし、急に暖かい部屋に移すと植物に大きな負担がかかります。はじめは屋外で日に当て、夕方以降は玄関など外気温に近い場所で管理するなど、少しずつ室内の温度に慣らしましょう。

冬の水やりと肥料

一般的に、植物の生育が遅くなる冬は、水やりの頻度を減らします。冬の間は、土の表面が白く乾いてから数日後に水やりをしましょう。また、冬の室内は暖房で葉が乾燥しやすいため、霧吹きで葉に水を与える葉水(はみず)をほどこしてください。

同様の理由で、冬は肥料の必要がありませんが、下部の葉が黄色くなるときや暖かい環境で新芽が出るときは与えることもあります。

一般的に春から秋の生育期には、固形肥料は2ヵ月に1度くらい、液体肥料は数週間に1度くらいのペースで与えますので、参考にしてください。

室内の管理について

寒さに強い観葉植物は、室内であれば特に保温の必要がありません。ただし、冬は夜になると窓辺の気温が下がるため、5℃を下回る場合は窓と鉢の間に厚手のカーテンや段ボールなどをはさむと安心です。夜の間だけ、窓から離れた場所に鉢を移動してもよいでしょう。

また、ストーブやエアコンの風が当たると葉が乾燥します。冬の室内では、観葉植物の生育に適した置き場所を選ぶことが大切です。

そのほか、冬の管理については「冬のガーデニングで気をつけるポイント」の記事もご覧ください。

寒さに強い観葉植物7選

寒さに強い観葉植物のなかでも、0~3℃まで耐えられる7種類をご紹介いたします。購入するときは、ラベルに書かれた耐寒の温度を確認しましょう。

①ユッカ

ユッカ

上に伸びる葉がスタイリッシュなユッカは、丈夫で寒さに強い観葉植物のひとつです。

概要

キジカクシ科(またはリュウゼツラン科)イトラン属(またはユッカ属)に分類されるユッカは、北アメリカから中央アメリカの乾燥地帯に自生します。「青年の木」の別名をもち、力強く上に伸びる様子から、入学や就職などのお祝いに贈られることもあります。耐寒性や耐陰性にすぐれ、丈夫で育てやすいため、初心者の方におすすめの品種です。

育て方

乾燥を好むので、冬期間の水やりは上記よりも控えめにしましょう。耐陰性がありますが、基本的には日光の当たる窓辺で管理してください。肥料は、先述のタイミングを参考にしましょう。生育期に新芽が多く出たときや茎が伸びすぎたときは、切った部分を挿し木として土に挿しておくと根が出てきます。

②シェフレラ

シェフレラ

だ円形の葉が愛らしいシェフレラは、乾燥や暑さ・寒さに強い観葉植物です。

概要

原産は台湾や中国などの熱帯から温帯の地域で、ウコギ科フカノキ属(またはシェフレラ属)に分類されます。流通している品種・商品名からも分かるとおり、葉が似ているカポック(パンヤ科またはアオイ科)と混同されがちですが、本来は別の植物です。シェフレラの種類は非常に多く、白い斑(ふ)の入らないタイプが育てやすく丈夫です。

育て方

耐陰性がありますが、基本的には日光に当たる場所に置きましょう。冬の水やりと肥料は、先述のタイミングを参考にしてください。背が高くなったときは支柱を立て、数年に1度は大きい鉢に植え替えましょう。生育期には、先端の新芽を切って挿し木にすることも可能です。

③オリーブ

オリーブ

おしゃれな雰囲気が人気のオリーブも、乾燥と暑さ・寒さに強い観葉植物です。

概要

モクセイ科オリーブ属のオリーブは地中海沿岸などが原産で、栽培の歴史は紀元前までさかのぼります。平和の象徴として知られ、結婚や新築などのお祝いに用いられることもあります。寒さに強い観葉植物で、品種によっては氷点下まで耐えることができます。実を収穫するときは、異なる2種類を育てて開花期に授粉しましょう。

育て方

日当たりのよい場所で管理し、冬の水やりは先述のタイミングでおこなってください。肥料は、芽が出る前の3月頃と生育期の6月頃、収穫後の10月頃に与えます。春または秋にせん定をして、古い枝を切りましょう。開花期に人工的に授粉をすれば、10~11月頃に収穫が見込めます。生育期には、若い枝を使って挿し木もできます。

人気の観葉植物については、「インテリアグリーンで室内の雰囲気をおしゃれに!おすすめのインテリアグリーン12選」の記事も参考にしてください。

④コルジリネ

コルジリネ

寒さに強い品種としては、葉が細く鋭い「レッドスター」がおすすめです。

概要

東南アジアやオーストラリアなどが原産で、キジカクシ科(またはリュウケツジュ科、リュウゼツラン科)センネンボク属(またはコルジリネ属)に分類されます。葉の色や形、斑の入り方が豊富で、国産の品種も流通します。葉の形が似たドラセナ属と混同されますが、地下に太い根があればコルジリネとして区別します。

育て方

日当たりのよい場所に置き、冬の水やりと肥料は先述のタイミングを目安にしましょう。葉が乾燥しやすいため、1年を通して葉水も与えてください。生長のスピードが速いので、毎年ひと回り大きな鉢に植え替えます。葉の先が枯れたときは、変色した部分をはさみで切って見た目をよくしましょう。コルジリネも、生育期には挿し木などで増やせます。

⑤シュロチク

シュロチク

青々とした細い葉が特徴で、寒さに強い観葉植物として人気があります。

概要

シュロチク(棕櫚竹)はヤシ科ラピス属に分類され、中国や東南アジアが原産です。寒さに強い観葉植物の代表格で、暖地では地植えもできます。耐寒性のみならず耐暑性にもすぐれ、病害虫の少ない品種です。和風やアジアンの雰囲気によく合い、おしゃれなインテリアとしても楽しむことができます。

育て方

耐陰性がありますが、なるべく日光に当てて管理しましょう。乾燥には弱く、水はけのよい土に植えられるため、冬も土の表面が乾いたら水やりをしましょう。定期的に葉水も与えて、乾燥を防いでください。肥料は、生育期に与える程度で構いません。数年に1回の植え替えと同時に株分けをして、仲間を増やしましょう。

⑥シュガーバイン

シュガーバイン

かよわい印象のあるシュガーバインですが、寒さに強い観葉植物として冬も楽しめます。

概要

ブドウ科ツタ属(またはパルテノシッサス属)に分類されます。オランダで、原種のツタ(Parthenocissus tricuspidata)に交配した別のツタ(Parthenocissus.hybrid「Jap.55」)をかけ合わせて作られました。

シュガーバインの名前は、葉の裏に白く甘い液がつくことに由来するといわれています。手のひらのような5枚の葉が愛らしく、つるを生かした寄せ植えやハンギングなどに用いられます。

育て方

耐陰性がありますが、基本的には日の当たる窓辺に置いて育てましょう。冬の水やりと肥料は、先述のタイミングを目安にしてください。葉が乾燥しやすいため、1年を通して葉水を与えます。つるがよく伸びるので、せん定を兼ねて茎をカットしましょう。生育期には、切った茎を挿し木として増やすことも可能です。

⑦アイビー

アイビー

寒さに強い観葉植物の代表格ともいえるアイビーは、暖地では地植えもできます。

概要

ヘデラやツタとも呼ばれるアイビーは、ウコギ科キヅタ属に分類され、原産地はヨーロッパや北アフリカなどです。暑さや寒さに強い観葉植物で、白い斑の模様や葉の形の種類が豊富です。つるを生かしてフェンスや外壁にはわせたり、夏のグリーンカーテンとして育てたり、寄せ植えやハンギングに仕立てたりして楽しめます。

グリーンカーテンについては、「初心者でもできる美しいグリーンカーテンの作り方」「グリーンカーテンにおすすめの植物12選」の記事をご覧ください。

育て方

耐陰性がありますが、日に当てるほうが健康に育ち、斑の模様もきれいに出ます。冬の水やりは先述のタイミングでおこないますが、肥料はあまり必要としません。つるがよく伸びるので、ときどきせん定して形を整えましょう。生育期に若い茎を挿し木にして増やせば、さまざまな用途で楽しむことができます。

寒さに強い観葉植物のトラブルと対処法

寒さに強い観葉植物のトラブルと対処法

最後に、寒さに強い観葉植物のトラブルと対処法についてご紹介いたします。

観葉植物に多いトラブル

耐寒性の有無にかかわらず、枯れる、葉が落ちるなどのトラブルに遭うことがあります。そのほとんどは、水分や日光の不足、ときに水分の過多、急な環境の変化などが原因です。観葉植物の元気がないときは、まず育て方や環境を見直してください。水の与えすぎで根腐れを起こしているときは、傷んだ部分を取り除いてから植え替えて様子を見ましょう。

具体的な原因や対応については、「観葉植物が枯れる原因とは?正しい対処方法を知り長く楽しもう!」の記事でご紹介しています。

暖かい環境下のトラブル

暖冬の年や温室内では、1年を通して暖かい環境にあるため、アブラムシなどの害虫によるリスクがあります。害虫を見つけたときは、すぐに駆除して繁殖を防ぎましょう。被害が広範囲なときは、殺虫剤で駆除するのがおすすめです。

冬は寒さに強い観葉植物がおすすめ

冬は寒さに強い観葉植物がおすすめ

今回は、寒さに強い観葉植物について取り上げ、冬の管理のポイントと特に耐寒性のある7種類をご紹介いたしました。

寒さに強い観葉植物の場合、室内では保温の必要がありません。しかし、置き場所によって5℃を下回るときは、段ボールなどの寒さ対策や、置き場所の移動などの管理を適切におこなってください。

日当たりと水やりのタイミングに気を配り、寒さに強い観葉植物を冬も元気に育てましょう。

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