冬のガーデニングで気をつけるポイント

冬のガーデニングで気をつけるポイント

ガーデニングは1年を通して楽しめますが、特に冬は気温の低下や雪などの心配があるため、植物の管理に気をつけなければなりません。

今回はガーデニング初心者の方に向けて、冬のガーデニングで注意するポイントや、植物の種類別による管理の方法、寒さに強いおすすめの植物をわかりやすくご説明します。冬のガーデニングの管理方法をマスターして、大切に育てた植物を元気に冬越しさせましょう。

冬に楽しむガーデニング!4つのポイント

冬に楽しむガーデニング!4つのポイント

初めに、冬のガーデニングで注意するポイントを4つご紹介します。

①     天候と気温のチェック

冬は気温が下がるだけでなく、冷たい風や雪、霜(しも)などの心配があるため、植物にとってはあまりよい環境とはいえません。地域にもよりますが、11月上旬の「立冬(りっとう)」を過ぎた頃から毎日の天候と気温をチェックしましょう。寒気が来るときには、後にご紹介する方法で寒さの対策を行います。

②     水やりは控えめに

一般的に、植物は冬になると活動が弱まるので、夏ほど水を必要としません。気温が下がってきたら、鉢やプランターの水やりは回数を減らしましょう。水やりは暖かい昼頃までに済ませ、鉢の底から水が出るくらいの量を与えます。翌年も生育する多年草(たねんそう)や球根などの、まだ芽が出ていない鉢も管理を忘れないようにしてください。

③ 冬も日当たりが大切

冬は植物の活動が弱まるものの、光合成は持続しています。日照時間が短い冬は、日光がよく当たる場所に鉢やプランターを移動させましょう。球根などの芽が出ていない鉢も同様に日を当てます。室内で管理する植物も、窓越しに日光浴をさせてください。

④ こまめに花がら摘みを

冬のガーデニングに限らず、花の咲く品種は「花がら(咲き終わった花)」を茎の部分から摘み取る作業が必須です。花がらが残っていると見栄えが悪いだけでなく、タネを作ろうとして株が弱り、病気の発症につながることもあります。

【初心者向け】冬のガーデニングの管理方法

それでは、冬のガーデニングの管理について、植物の種類別にご紹介します。

花の冬越し~花だんと寄せ植え

花の冬越し~花だんと寄せ植え

冬のガーデニングで花が咲く品種を育てるときには、下記の点に注意します。

花だんの管理と寒さ対策

花だんに霜が降りると土が盛り上がり、根が浮いたり引っ張られたりして傷むことがあるため、土に「マルチング」をほどこして苗を守りましょう。マルチングとは、さまざまな木材をくだいたウッドチップや、マツの樹皮をくだいたバークチップ、わら、落ち葉などを株の根元に敷きつめる方法です。

まだ植えて間もない若い苗には、プラスチックやビニール製の専用キャップや、ペットボトルを半分に切ったものをかぶせて保護する方法もあります。土にワイヤーを立てて、ビニールなどのシートを張ってもよいでしょう。特に、葉の色が赤紫になったときは早急な対応が必要です。寒気が過ぎたらカバーを取り除き、外の空気に当てて育ててください。

冬の花だんは、極端な乾燥を除いて水やりの必要がありませんが、花が咲く品種には適宜肥料を与えます。使っていない花だんは春のガーデニングに備えて土を下から掘り返し、寒気や日光に当てる「天地返し(てんちがえし)」で土を殺菌しましょう。

寄せ植えの管理と寒さ対策

寄せ植えの鉢植えやプランターは日当たりがよい場所に置きますが、冷たい風が強く吹きつけるような場所に置かないよう注意してください。また、冬は地面から温度が伝わるので、鉢を台や棚の上に移動することをおすすめします。特に寒さに弱い品種は、室内に取り込んで管理しましょう。室内のガーデニングについては、後の観葉植物の項目でお伝えします。

水やりは夏よりも控えめで、土の表面が白く乾いてから数日後を目安にします。冬の間、多くの植物は葉を平らに広げているので、葉の下から静かに水を与えましょう。寒気が近づいているときは、段ボールや発泡スチロール、麻袋、新聞紙などで囲うか、不織布(ふしょくふ)のシート、穴を開けたビニールなどをかぶせて保護します。

寒さに強いおすすめ品種

冬の花で耐寒性がある品種は、パンジーやビオラ、ノースポールなどがおすすめです。翌年も花を咲かせるものは、クリスマスローズやハボタン、ユリオプスデージーなどがあります。

そのほか、寒さに強い品種は「冬の花でガーデニング!寒さに強く育てやすい植物12選」でもご紹介しています。

ハーブの冬越し~花だんと寄せ植え

ハーブの冬越し~花だんと寄せ植え

もともと野草として生育するハーブは耐寒性にすぐれた品種が多いので、冬のガーデニングにおすすめです。

冬の管理と寒さ対策

ハーブの場合は、さほど神経質にならなくても冬を越せます。花の管理と同様に日当たりがよい場所に置き、土の様子に合わせて水やりを行います。寒気が来るときはマルチングをほどこしたり、鉢やプランターをカバーしたりして備えましょう。

バジルやレモングラス、ゼラニウムなどの寒さに弱いハーブを地植えにしているときは、冬の間だけ鉢に植え替える「鉢上げ(はちあげ)」を行い、軒下(のきした)や玄関などに置くと安心です。

寒さに強いおすすめ品種

ハーブの中でも特に寒さに強い品種は、レースラベンダーを除くラベンダー、ローズマリー、セージの仲間などです。銀色の葉を持つシルバーリーフも耐寒性があるものが多く、シロタエギクやサントリナ、アサギリソウなどがおすすめです。

球根の冬越し~花だんと寄せ植え

球根の冬越し~花だんと寄せ植え

球根は、春に植えつけるタイプと秋に植えつけるタイプで管理の方法が異なります。

冬の管理と寒さ対策

春に植えつけて夏から秋に開花する「春植え球根」は、ほとんどが寒さに弱い品種といえます。開花後、葉が黄色くなったら球根を掘り上げ、風が通って凍らない温度が確保できる場所で保管します。

秋に植えつけて冬を越し、春に開花する「秋植え球根」は、むしろ冬の寒さに当たるとよい花が咲きます。花だんに植えた場合は、ほとんど水やりの必要はありません。霜が降りると球根が凍ることがあるため、寒気が来るときにはマルチングをして土を保護しましょう。

鉢やプランターは日当たりのよい場所に置き、土が乾いたら暖かい時間帯に水を与えます。花の苗と同様に、寒気が近づいているときは不織布などでおおって保護します。品種によっては玄関などの暖房がない場所に移動し、寒気が去ったら外へ戻しましょう。

寒さに強いおすすめ品種

秋植え球根の多くは耐寒性があり、数年は植えたままでも管理ができます。中でも、特に寒さに強い品種はスイセンやスノードロップ、スノーフレークなどがあります。ラベルなどの説明をよく読み、それぞれの球根に合わせて管理を行いましょう。

秋植え球根については、「【春にきれいに咲かせたい!】秋植え球根の植え方を紹介」「おすすめの秋植え球根9選」の記事も参考にしてください。

樹木の冬越し~地植えと鉢植え

樹木の冬越し~地植えと鉢植え

冬の管理と寒さ対策

地植えの樹木は移動ができないため、寒さが苦手な品種は不織布などで幹をおおうか、「雪囲い(ゆきがこい)」用のネットなどで保護しましょう。花の苗と同様に、木の根元にもマルチングをほどこすと安心です。植えて間もない幼い木の苗は、鉢上げをして軒下や玄関などで管理します。

果樹は枝を刈り込む「せん定」などの作業が必要な品種もあるため、育て方を確認しましょう。鉢植えの樹木は、花の苗と同様に日当たりと水やりに気をつけ、寒気が来るときには不織布やビニールなどでおおって保護します。

寒さに強いおすすめ品種

冬の間も葉が茂っている「常緑樹(じょうりょくじゅ)」では、コニファーの仲間やキンモクセイ、ナンテン、ソヨゴ、シラカシなどが寒さに強い品種です。果樹で耐寒性がある品種は、ブルーベリー、ラズベリー、梅、姫リンゴなどがあります。

野菜の冬越し~畑とプランター

野菜の冬越し~畑とプランター

ガーデニングで冬に収穫する野菜を育てているときには、次の方法で管理を行います。

冬の管理と寒さ対策

畑も花などと同様に、ほとんど水やりは行いません。畑の寒さ対策は、マルチングのほかに不織布などで土を直接おおう「べたがけ」や、支柱を使って不織布などをかける「トンネル」と呼ばれる方法があります。畑のマルチングは落ち葉やわらを使用し、株の根元に厚く敷きつめます。

べたがけは不織布を使用し、畑に直接かぶせてピンや石などで端を押さえる方法です。トンネルは、等間隔に立てたアーチ状の支柱に不織布などをかけて端を固定する方法で、背が高い作物に向いています。

プランターで育てている野菜は、土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。プランターの寒さ対策は、べたがけで全体をおおう方法が簡単です。また、プランターの四隅にワイヤーを立てるか、サイズに合ったアーチを用意し、不織布や穴が開いたビニールなどをかぶせる方法もあります。

寒さに強いおすすめ品種

寒さに強い野菜は、白菜やホウレンソウ、コマツナ、ネギ、ダイコンなどがあります。冬に収穫する野菜は、寒さに当たるほど甘みが増しておいしく育ちます。育て方はそれぞれの野菜で異なり、地域によっては防寒が必要ない場合もあります。

観葉植物・多肉植物の冬越し~鉢植え

観葉植物・多肉植物の冬越し~鉢植え

観葉植物や多肉植物のほとんどは熱帯や亜熱帯が原産のため、寒さが苦手です。最高気温が15度くらいになったら、屋外の鉢は室内に取り込む準備をしましょう。

冬の管理と寒さ対策

屋外の植物を暖かい室内に取り込むと、環境の変化についていけないことがあります。玄関などの暖房がない場所に1日置くか、発泡スチロールなどで保護して徐々に温度に慣れさせてください。室内ではエアコンやストーブの直風が当たらない場所を選び、窓越しに日光浴をさせます。ただし、夜間は窓辺の気温が下がるので、鉢は壁際などに移動しましょう。

観葉植物の水やりは、土の表面が白く乾いてから数日後が目安です。冬の水道水は冷たすぎるため、いったん室温になるまでくみ置いてから与えましょう。また、室内では霧吹きで葉に水をかけて乾燥を防いでください。

春や夏に生長する多肉植物は休眠期に入るので、1カ月に1回ほどの水やりで問題ありません。冬に生長するタイプは、土が完全に乾いてから水をたっぷり与えます。育てている植物の耐寒温度を調べ、室内でも適温より下回るときは不織布や穴が開いたビニール、新聞紙などで鉢の周りをおおって保護してください。

寒さに強いおすすめ品種

観葉植物では特にアイビーが寒さに強く、シェフレラやアガベ、ユッカ、ストレリチアなども耐寒性がある品種です。多肉植物では、セダム属のゴールデンカーペットやオーロラ、セネシオ属のグリーンネックレス、ハオルチア属の五重塔などは耐寒性にすぐれています。寒さに強い品種とされていても、初心者の方は室内に取り込んで管理しましょう。

冬のガーデニングは管理がポイント!

冬のガーデニングは管理がポイント!

今回は、冬のガーデニングの注意点と、植物の種類別の管理方法についてお伝えしました。冬のガーデニングは温度管理に気を配り、水やりや置く場所にも注意が必要です。室内に取り込んだ植物は暖房器具の風を避け、晴れた日は日光浴をさせましょう。

植物が元気に越冬できるよう、ポイントを押さえて冬のガーデニングをお楽しみください。

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