ゲジゲジが発生する原因とは?ゲジゲジの予防と駆除について

ゲジゲジが発生する原因とは?ゲジゲジの予防と駆除について

まるでSF映画の未確認物体が現実世界に飛び出してきたような、とにかく見た目のインパクトが強烈なゲジゲジ。足がたくさんついているため、ムカデやヤスデの仲間と思っている人も多いようです。

また、その強烈な見た目から、噛んだり、刺したり、強力な毒を持っていそうなイメージがつい先行しがちですが、実は人間にとってはとても無害な存在なのです。

そこで、今回は多くの謎に包まれたゲジゲジについて、知られざる生態や駆除する方法について紹介していきます。

ゲジゲジの生態や特徴

ゲジゲジは、ムカデ綱のゲジ目(学名:Scutigeromorpha)に属する生き物の総称です。ゲジゲジとは伝統的な呼び名で、現在の標準和名は「ゲジ(蚰蜒)」。

ちなみにゲジゲジの正式名称は、ゲジ目ゲジ科ゲジ属ゲジといった、見た目同様、インパクトのある名称をしています。

体長は20~40mmで、北海道から九州、南西諸島まで全国的に生息。日本には「ゲジ」と「オオゲジ」の2種類がいて、オオゲジは体長40~80mmで中にはゲジの倍以上の大きさのものもいます。

特徴・形態

特徴・形態

見た目の特徴は、体の左右にたくさん生えている縞(しま)模様がついた細く長い脚。褐色の体にも大きな縞模様が入っています。ゲジゲジは幼虫のときは足が左右4本ずつ計8本しかありません。

脱皮を繰り返すことで足もどんどん増えていき、15回以上脱皮を繰り返して成虫になると、左右15本ずつ計30本もの足がびっしりと生えたあの独特な姿となります

優れた能力

優れた能力

この細く長い足を動かしてゲジゲジはとても素早く動くことができます。その速さはあのすばしっこいゴキブリを捕食するほど。低空飛行している虫をジャンプして捕まえるほど身のこなしの軽い生き物なのです。

実はこの足には秘密があり、天敵の鳥などに襲われたとき、トカゲが尻尾を切るように、自分で足を切り落とします。切り落とした足はしばらくピクピクと動くため、鳥がその足に気をとられているスキに逃げるそうです。ちなみに切り落とした足は、脱皮によって再生することができます。

また、目には個眼(こがん)という小さな瞳を1,000個もっていて、そのおかげで暗闇でも暗視スコープのように見通すことができます。この個眼とは節足動物の複眼を構成する個々の目のことで、断面が六角形か五角形の棒状が密に並んだもの。

ちなみに複眼でおなじみのトンボの目は小さな個眼が10,000~28,000個ついています。こうした優れた能力を活かし、相手より有利な状況下において、足音もなく素早く忍び寄り捕食する様子は、虫界における優秀な暗殺者といったところでしょうか。

生息場所

ゲジゲジは暗く湿り気のあるジメジメした場所を好み、エサとなる昆虫がいる大きな石や落ち葉の下、草むらや家の床下、洞窟などに生息しています。

また、土のあるところに卵を産むため、畑などで孵化した小さな幼虫や、成虫の姿を見ることがあります。家の中では湿気の多い場所として、お風呂場などで目撃されるケースがあります。

活動時期・産卵時期

主な活動時期は3月~12月で、特に活動が活発化するのは6月~9月。1年のうちで特に梅雨時はゴキブリの幼虫などが繁殖する時期でもあるため、ゲジゲジは好物となるものを求めて家の中に入ってくることが多くなります。また、秋も終わりに近づき気温も下がってきたときも越冬場所として、家の中などに入り込んできます。

産卵時期は6月~11月まで継続的に行われます。ゲジゲジの卵は土の中に産みつけられるため、あまり目にすることはありませんが、およそ100~300個の卵が産みつけられ、15~20日後に孵化します。

幼虫はおよそ15回以上も脱皮を繰り返しながら約2年をかけて成虫になります。成虫になってからは3~4年生きるので、ゲジゲジの寿命は約5~6年と言われています。

ムカデやヤスデとの違い

ゲジゲジ、ムカデ、ヤスデ、どれも足がたくさん生えていることから、同じ虫と思っている人も多いのではないでしょうか。ひとつひとつじっくり観察していくと、足の長さや生え方、毒がある・ないなど、細かな違いがあることに気づかされます。ここでは、3者の違いについて見てみましょう。

ゲジゲジ ムカデ ヤスデ
大きさ 20~40mm 60~200mm 10~25mm
体:褐色(黄の縞)
足:黄(黒の縞)
体:黒
足:オレンジ
体:茶
足:黄
足の長さ 長い 中くらい 短い
足の生え方 1つの節に1対 1つの節に1対 1つの節に2対
足の本数 15対30本 21対42本(トビズムカデ) 最多のもので350対700本以上
スピード 速い 中くらい 遅い
人体への被害 なし 強い毒、噛む なし
好物 ゴキブリ、カマドウマ、クモ、蛾など ゴキブリ、コオロギ、ダンゴムシなど 湿った落ち葉や堆肥
生息地 石や落ち葉の下、家の床下、洞窟、畑など 石や落ち葉の下、コンクリートの隙間、植木鉢の下など 落ち葉の下や朽ちた木など
発生時期 6~11月(産卵期)、3~12月 5~6月(産卵期)、9~10月(孵化したムカデが活動開始) 6~7月初旬、9~10月

不快なのは見た目だけ!?ゲジゲジは無害な益虫

家の中でゲジゲジと遭遇して思わず絶叫してしまった人もいるのではないでしょうか。あのビジュアルのため、不快害虫と呼ばれるゲジゲジですが、ゴキブリやクモを捕食してくれる益虫なのです。

しかも、あの見た目の割に性格は穏やかで臆病。とても警戒心が強いため、自分から人間の前に姿を見せることはあまりありません。

ゲジゲジは衛生害虫には含まれない

ゲジゲジは几帳面できれい好き。ゴキブリを捕食した際も、羽まで残さずきれいに食べます。また、ゴキブリのように病原菌を運ぶ機能などは備えていないため、衛生害虫でもありません。

このように、人間にとって無害なのに不快な「害」虫と言われてしまうのは、少々気の毒な気もしますが、そうとわかっても家の中で出会うのは勘弁してほしいという人のために、ゲジゲジが家の中で発生する原因について見ていきましょう。

ゲジゲジが家の中に発生する原因とは

ゲジゲジは基本的には屋外で生活していますが、エサを求めて家の中に入ってきてしまいます。具体的な侵入経路は、玄関のドアの隙間やサッシや網戸の隙間、換気扇やエアコンの室外機からダクトをつたって侵入するなど、あらゆる隙間から家の中へとやってきます。

家に侵入させない・近づけない

ゲジゲジが家の中に入ってくるのは、エサとなる虫(ゴキブリなど)がその家にいるから。そこで、まずは家の中を、虫が発生しない環境とすることが大切です。ゲジゲジのエサとなるゴキブリは、家の床などに落ちている食べかすや、食材の切れ端、生ごみなどのニオイに集まってきます。

また、家の中に極力湿った場所をなくすため普段あまり開けない物置やクローゼットなどを定期的に換気や掃除をし、常にきれいに、乾燥した状態を保つようにしましょう。こうした地道な努力が、ゲジゲジを寄せ付けない第一歩となります。

家のまわりも対策を

家のまわりも対策を

常に家の中をきれいにしておくことで、ゴキブリなどの発生率を低くすることはできますが、それだけで安心するわけにはいきません。ゲジゲジは日のあたらない暗いジメジメした場所を好みます。そこで、家のまわりにそういった環境がないかよく見てみましょう。

車のタイヤなど物置きになっている場所や、庭のガーデニングスペースやバルコニーのプランターなど、湿気が多そうな場所はゲジゲジが発生する可能性が高いと言えます。

家の中と家のまわり、合わせてきれいにしておくことで、ゲジゲジの発生率を下げることにつながります。

ゲジゲジの駆除

虫嫌いな人にとってはゲジゲジに限らず、家の中で虫を見かけることは苦痛なもの。ましてや、見た目にインパクトがある不快害虫が家の中や家のまわりにいるのは耐え難いことでしょう。そこで、ゲジゲジを駆除したいという人のために、ゲジゲジを駆除する方法を紹介します。

くん煙剤

家の中にいるゲジゲジを駆除するなら、くん煙剤が有効です。湿気が溜まりがちなクローゼットなどの扉を全開放して、くん煙剤をたきます。

凍らせて駆除

フマキラー 凍殺ジェット 300ml」は、-85℃※の冷却効果で凍らせて処理するタイプの噴霧剤です。殺虫剤を使用していないので室内で使っても安心。お子様やペットのいるご家庭にもおすすめです。
※降下温度(条件によって異なります)

誘引殺虫剤を撒く

ゲジゲジのように地面を這って家の中に入ろうとする虫に有効な方法に、誘引殺虫剤を家のまわりをぐるっと取り囲むように撒くという方法があります。殺虫成分が含まれた誘引剤でゲジゲジを誘引し、これを食べさせて退治します。

フマキラー カダン お庭の虫キラー誘引殺虫粒剤 300g  」は5種のおいしいエサを独自にブレンド。優れた誘引力を発揮してゲジゲジを駆除します。

ゲジゲジを家の中にいれない、居つかせない

おさらいすると、ゲジゲジを家の中に入れないためには、ゲジゲジのエサとなる虫たちを家の中で発生させないこと。そして家のまわりにゲジゲジが好む環境をつくらないことが重要です。

その虫がどんな虫か、情報がわからないと人は不安になるものです。反対にその虫について学ぶことで、家の中でバッタリ遭遇したときも、落ち着いて対処できるようになります。

ゲジゲジはその見た目以外は人間にとって無害。今後、家の中でゲジゲジと遭遇したときは、そのことをしっかりと思い出して、冷静に対処してみてください。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。

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