2021年2月26日 | 園芸・ガーデニング
【2月に植える野菜】家庭菜園でも手軽にできる種類と育て方
まだ寒さが残るものの、少しずつ春に向けて動き出す2月。防寒の対策をほどこせば、家庭菜園でも2月という時期に適した野菜の栽培をはじめられます。
今回は、2月に植える野菜をピックアップし、管理のポイントとそれぞれの育て方や収穫、トラブルと対処法などについてご紹介いたします。
2月に植える野菜の管理のポイント
2月に植える野菜の栽培は、温度の管理に気を配りましょう。園芸用ポットなどにタネをまくときは、全体にビニールをかぶせるか、家庭菜園用の小さな温室で保温をしてください。畑やプランターに直接タネをまく場合も、ビニールなどで保温します。
ただし、プランターにビニールをかぶせると昼間の温度が上がりやすいので、ビニールには通気用の小さい穴を開けてください。また、寒さが残る2月は土の上に敷きわらなどのマルチングをほどこし、霜の対策をしましょう。
発芽したら、防虫対策として不織布(ふしょくふ)などをかぶせます。なお、2月に植える野菜に限りませんが、同じ科の植物を同じ土で栽培すると、連作障害(病気にかかりやすくなったり、生育に支障が現れたりする障害)が出やすいので気をつけてください。
冬の家庭菜園については「冬におすすめの家庭菜園7選。気をつけたいポイントと合わせて解説」、マルチングについては「園芸におけるマルチングとは?効果や使用方法、注意点をわかりやすく解説」の記事でご紹介しています。
2月に植える野菜~プランターでも育つ8選
それでは、2月に植える野菜を8種類ご紹介いたします。
ジャガイモ
調理のアレンジが幅広く、家庭菜園でも人気の高いジャガイモを育ててみましょう。
概要
- ナス科ナス属
- 植えつけ:2月下旬~3月
- 収穫:5~6月
南米アンデス山脈の高地が原産で寒さに強く、2月に植える野菜として適しています。
育て方
酸性の土壌を好むため、石灰で中和する必要がありません。畑は畝(うね)を高くして、排水性をよくしてください。「種芋(たねいも)」を購入して日光に当て、発芽させます。種芋を半分に切り、切り口に腐敗防止のため草木灰(そうもくばい)などをつけ、乾かしましょう。間を30cmほど空け、切り口を下に置いて土をかぶせます。
プランターは深さ30cm以上のものを選び、幅30~40cmのタイプに1株を植えてください。芽が伸びたら茎が硬いものを数本残して抜き取り、軽く土を寄せて追加の肥料(追肥)を与えます。高さが30cmくらいの頃に土寄せと追肥をして、イモが日光に当たらないようにしましょう。花が咲いたら取り除き、茎と葉が黄色く変色したら収穫します。
ブロッコリー
2月に植える野菜のひとつとして、栄養豊富なブロッコリーを栽培しませんか。
概要
- アブラナ科アブラナ属
- タネまき:2~3月
- 苗の植えつけ:3~4月
- 収穫: 4~6月
地中海沿岸が原産で、ビタミンなどを豊富に含む緑黄色野菜です。プランターで栽培するときは、茎が長めで幅を取らない「スティックブロッコリー」もおすすめです。
育て方
発芽する温度は20~25℃とやや高めなので、温室による管理がよいでしょう。園芸用のポットなどに土を入れて、数粒をまきます。発芽したら2本に、本葉が2枚の頃に1本に、それぞれ間引き(まびき)します。植えつける土に石灰を混ぜて中和し、たい肥や肥料を加えて用意します。
本葉が4枚になったら、間を40~50cmくらい空けて植えつけ、防虫対策をしましょう。幅65cmのプランターには、2株が目安です。植えつけて2週間頃とつぼみが見えた頃に追肥し、花が咲く前に収穫します。脇から出た芽を伸ばせば、再度収穫できます。
「【美しい見た目!】家庭菜園でロマネスコを栽培する方法や調理方法をご紹介」の記事では、ブロッコリーの仲間のロマネスコをご紹介しています。
ホウレンソウ
寒さに強いホウレンソウは、2月に植える野菜の代表格ともいえるでしょう。
概要
- アカザ科ホウレンソウ属
- タネまき:2~4月
- 収穫:4~6月
ホウレンソウは、ビタミンやミネラルが豊富な冬の緑黄色野菜です。一般的な品種はシュウ酸を多く含むため下ゆでして調理しますが、サラダ用はそのまま食べられます。畑やプランターに直接タネをまいて育てます。
育て方
土に石灰を混ぜて中和し、たい肥や肥料を加えて下準備します。深さ2cm、幅3cmの溝を作り、1~2cmの間隔でタネをまきます。発芽する温度は15~20℃なので、ビニールなどをかぶせて保温しましょう。
発芽したら防虫対策をおこない、本葉が1~2枚の頃と3~4枚の頃に間引きして、間を6cmほどまで空けます。追肥を与えて高さが20cmまで生長したら、花が咲く前に収穫します。生長が早いものは、タネまきから約1ヵ月で収穫できます。
コマツナ
栄養価の高いコマツナも、2月に植える野菜としておすすめします。
概要
- アブラナ科アブラナ属
- タネまき:2~10月
- 収穫:5~12月
コマツナは暑さや寒さに強く、数時間しか日光の当たらない場所でも育ちます。畑やプランターに直接タネをまいて栽培します。
育て方
土に石灰を混ぜて中和し、たい肥や肥料を加えてから畝を作ります。1cmくらいの深さの溝に、1cm間隔でタネをまきます。プランターでも同様にタネをまいてください。コマツナが発芽する温度は20~30℃くらいなので、ビニールをかぶせて保温しましょう。
発芽後は防虫ネットなどをかぶせ、双葉(子葉)または本葉が1~2枚出たら3~4cm間隔に、3~4枚出たら5~6cm間隔に間引きます。2回目の間引きの後に追肥し、タネまきから1ヵ月ほど過ぎて高さが25cmくらいになったら早めに収穫します。
ダイコン
2月に植える野菜の5つ目は、使い回しのきくダイコンをご紹介いたします。
概要
- アブラナ科ダイコン属
- タネまき:2~4月
- 収穫:5~7月
根だけでなく葉も栄養価が高いダイコンは、胃腸の働きを助けることでも知られます。深く耕した土に、直接タネをまいて栽培しましょう。
育て方
土に石灰を混ぜて中和し、たい肥や肥料を加えて30~35cmくらいの深さまで耕します。25~30cmの間隔を取り、びんの底などで深さ1.5cmくらいの穴を作って1か所に5~6粒のタネをまいてください。発芽する温度は25℃くらいなので、ビニールをかぶせて保温します。
発芽したら防虫対策をして、双葉が開いたら3本に、本葉が2~3枚の頃に2本に、それぞれ間引きます。間引き後に追肥し、株が倒れないように根元に土を寄せてください。本葉が6~7枚になったら、1本に間引いて育てます。外側の葉が垂れ下がり、中心の葉が横に開いてきたら早めに収穫しましょう。
エンドウ
寒さに強く栄養価の高い緑黄色野菜で、秋に発芽した苗を越冬させることも可能です。
概要
- マメ科エンドウ属
- タネまき:2~5月
- 収穫:3~10月
新芽は豆苗(とうみょう)、若いサヤはサヤエンドウ、生長したらスナップエンドウ、熟した豆はグリーンピースとして食します。土に直接タネをまいて栽培します。
育て方
土に石灰を混ぜて中和し、たい肥や肥料を加えてから畝を作ります。30cmの間隔を取り、びんの底などで深さ3cmほどの穴を作って1か所に4~5粒のタネをまきます。発芽する温度は20℃くらいなので、ビニールをかぶせて保温しましょう。発芽後は防虫対策をして、本葉が3枚くらいになったら2本に間引きます。
つるが伸びたら、支柱やネットを設置して誘引しましょう。追肥は開花後と収穫の最盛期に1度ずつ、その後は1ヵ月に1回ほどのタイミングでおこないます。スナップエンドウまで生長させるときは、若い芽を収穫しすぎないようにしましょう。スナップエンドウは、開花から20~25日頃に収穫できます。
豆苗については、「【栄養たっぷり!】豆苗(とうみょう)の栽培方法やレシピをご紹介」の記事でご紹介しています。
キャベツ
調理のアレンジ幅が広いキャベツも、2月に植える野菜としておすすめします。
概要
- アブラナ科アブラナ属
- タネまき:2月中旬~3月
- 苗の植えつけ:3月下旬~4月
- 収穫:5~6月
春にタネをまくタイプのほか、夏にまいて冬に収穫する冬キャベツ、秋にまいて春に収穫する春キャベツもあります。
育て方
園芸用ポットなどに土を入れ、3~4粒のタネをまきます。発芽温度は15~30℃なので、ビニールをかぶせるか温室で管理しましょう。発芽したら防虫対策をほどこし、1週間後に2本に、本葉が2枚の頃に1本に間引きます。本葉が5~6枚まで出たら、中和および施肥を済ませた土に40~50cmくらいの間を取って植えつけ、防虫用の不織布などをかぶせます。
キャベツは葉が広がって育つため、プランターは大きめのものを選んでください。追肥は植えつけて3週間後と、丸く結球(けっきゅう)する頃に与えます。球が割れる前に、結球したものからどんどん収穫しましょう。
キャベツはアオムシがつきやすいので、「アオムシが発生する原因とは?アオムシの退治方法と予防方法」の記事を参考にしてください。
リーフレタス
2月に植える野菜の最後は、結球せずに葉が広がって育つリーフレタスをご紹介いたします。
概要
- キク科アキノノゲシ属
- タネまき:2~3月
- 苗の植えつけ:3~4月
- 収穫:4~7月
ビタミンやミネラルが豊富で、タネまきからおよそ60日で収穫できます。根元にマルチングをほどこせば、土もつかずきれいな葉が育ちます。
育て方
大きめのポットやトレイなどに、10~20粒のタネをまきます。日光を受けながら発芽するため、土は薄めにかぶせます。温室またはビニールをかぶせて管理し、15~20℃くらいを保ちましょう。発芽して本葉が2枚になったら、直径6cmのポットに1本ずつ植え替えます。
底から根が見えたら、中和および施肥の下準備を終えた土に20~30cm間隔で植えつけ、防虫対策として不織布などをかぶせます。直径20~25cmに育ったら根元を切って収穫できますが、少しずつ外側の葉を収穫すれば長い期間楽しむこともできます。
2月に植える野菜のトラブルには
2月に植える野菜の種類によっては、モザイク病や軟腐(なんぷ)病、白さび病などにかかることがあります。病気と思われる症状を発見したら、すぐに取り除いてまん延を防ぎましょう。
また2月に植える野菜に限らず、植物の栽培では防虫対策が欠かせません。害虫も見つけ次第すぐに駆除して、被害の拡大を防いでください。病害虫対策には、フマキラーの「カダンセーフ」がおすすめです。
ヤシ油やでんぷんを原料としたカダンセーフは、有効成分の膜で包んで病原菌や害虫の活動を阻止します。詳しくは「カダンセーフ」ページの【適用表】をご確認ください。また、配合された天然アミノ酸などの活力成分が、野菜の生育を促します。
2月に植える野菜を育てよう
今回は、2月に植える野菜の育て方を中心に、管理のポイントやトラブルの対処法などについてご紹介いたしました。
まだ寒さの残る2月でも、保温や霜への対策をすれば野菜の栽培に取りかかることができます。やがて来る収穫の日を楽しみに、日々生長する緑とともに心豊かな毎日を送りましょう。
春の足音が近づいてきたら、2月に植える野菜の栽培をはじめませんか。