2021年2月22日 | 園芸・ガーデニング
【レンガの敷き方】ガーデニング初心者向けのポイントや材料を紹介
庭に好みの花を植えたり、ガーデングッズを飾ったり、おうち時間を活用して緑に親しむ人も増えているようです。しかし、「もっと本格的なガーデニングにチャレンジしたい!」と思ったときは、庭にレンガを敷いてみませんか。レンガの一角があるだけで、庭の雰囲気がグンとランクアップします。
今回は、レンガの基礎知識と敷く際に必要なものや予算、レンガの敷き方のポイントと具体的な敷き方のほか、レンガの庭の雑草対策などについて解説いたします。
レンガの基礎知識
はじめに、レンガに関する基礎知識を身につけましょう。
そもそもレンガとは
レンガとは、粘土などの原料をブロック状に成形した建築用の材料を指します。国内で流通するものは焼いて仕上げた「焼成(しょうせい)レンガ」で、中東などの海外では焼かずに日光に当てて固めた「日干し(ひぼし)レンガ」を使用するところもあります。
JIS規格による国産レンガの一般的なサイズは、長さ・幅・厚さが210×100×60(単位mm)となっています。
レンガのメリット
レンガを使用した庭や建物は景観が美しく、年数を重ねるほどに風合いが増して独特の重厚感と存在感を醸し出します。また、基本的にメンテナンスの必要がないため、補修や塗装の手間がかかりません。さらにレンガは断熱性が高く、建物に使用すると冬は暖かく夏は涼しい快適な環境を保ちます。
レンガの種類~用途
国内で流通する焼成レンガは、大きく「普通レンガ(赤レンガ)」と「耐火レンガ(特殊レンガ)」に分かれます。普通レンガは水に強いので、ガーデニングや通路、駐車場、壁などの装飾に向いています。耐火レンガは熱に強いため、ピザ用の窯(かま)やバーベキュー用のコンロ、暖炉などに使用します。
また、輸入物のレンガには「オーストラリアレンガ」「ドイツレンガ」「フランスレンガ」「アンティークレンガ」などがあります。これらはサイズがやや大きめで、敷き方によっては輸入物独特のおしゃれな雰囲気を楽しむことができます。商品の説明に従い、用途に合わせて選びましょう。
おしゃれな庭については、「ガーデニングデザインで自宅のお庭をおしゃれな空間に!」「ナチュラルガーデニングでお庭づくり!ポイントは「自然」「誇張しないこと」」の記事も参考にしてください。
レンガの種類~形状やサイズ
普通レンガは、一般的なものを「中実(ちゅうじつ)」、穴が開いたものを「穴あき」と呼びます。レンガの穴には、軽量化を図ったり鉄筋を通したりする目的があります。
国産レンガの主な名称とサイズ(長さ・幅・厚さ)は次のとおりで、さまざまに組み合わせて使用します。(単位mm)
おなま | 210×100×60 |
---|---|
はんぺん | 210×100×30 |
ようかん | 210×45×60 |
二寸角 | 210×60×60 |
半ます | 100×100×60 |
しちこぶ | 150×100×60 |
レンガの敷き方のパターン
さまざまなパターンの中から、好みの敷き方を選んでデザインしましょう。敷き方の主なパターンには、一般的な模様の「馬踏み(まふみ)」または「ランニングボンド」、カゴの編み目のような「バスケット」、布の織り目のような「ヘリンボーン」または「あじろ」、縦と横を組み合わせた「ハーフアンドバスケット」または「セイラー」などがあります。
【馬踏み】
【バスケット】
【ハーフバスケット】
【ヘリンボーン】
レンガの敷き方~事前の準備
庭全体のデザインを考えて敷く場所を計測してから、必要な道具や資材をそろえましょう。
計測とデザイン
敷く場所を決めたら、メジャーで正確に計測しましょう。紙に簡単な図面を描き、数値を記入すると便利です。数値がわかったらパターンを参考にして敷き方を決め、必要なレンガの数を計算します。
レンガの間隔(目地:めじ)を広めにする場合は、その幅も計算に入れましょう。敷く面積がわかれば、基礎として使う路盤材(ろばんざい)や砂の量も予測できます。
庭のDIYについては、「ガーデニングをはじめたい!DIY術やアイデア実例まとめ」の記事でご紹介しています。
基本の資材と道具
レンガを敷く際に必要な資材や道具は、次のとおりです。
- レンガ
デザインと面積に合わせて、必要な分を用意します。
- 路盤材
クサビ型の砕石(さいせき)で、基礎を作る際に使用します。
- 川砂・ケイ砂
基礎を作るときや、レンガの目地を埋めるときに使用します。
- シャベルやスコップ・クワ
レンガを敷くための穴を掘る際に使用します。
- 転圧機(土ならし)
路盤材を敷いた後に固める道具で、枕木(まくらぎ)などでも代用できます。
- ベニヤ板・表面が平らな棒
基礎を水平に踏み固めるとき、平らにならすときなどに使用します。
- 水糸(みずいと)と支柱
2つの支柱に糸を張り、穴の深さが均一になっているか確かめる際に使用します。
- ゴムハンマー
レンガを敷いた後、固定したり調整したりするときに使用します
- ハンマー・レンガ用のタガネ
レンガを半分に割るときに使用しますが、半分のサイズのレンガを購入するときは必要ありません。
- 水平器
敷いたレンガの上に置き、水平かどうかを確認する道具です。
- ほうき
目地にケイ砂を埋める際に使用すると便利です。
セメントを使用する場合
セメントを使用してレンガを敷く場合は、上記に加えて次のものが必要です。
- セメントと砂、またはドライモルタル
「ポルトランドセメント」とセメント用の砂、またはそのまま使えるドライモルタルを用意します。
- セメント用の容器
セメントと砂を混ぜるときに使用します。本格的には「タフブネ」と呼ばれる容器を使いますが、衣装ケースなどでも代用できます。
- セメント用のコテ
シャベルでも代用できますが、広範囲に敷く場合はコテがあるとよいでしょう。
予算の概要
一例として、1㎡にレンガを敷く場合に必要な資材の概算をあげます。(※資材のほかにシャベルなど道具を購入する場合の費用は除く)
砂だけで仕上げる場合
初心者の方は、基礎の上に砂を敷いてレンガを並べる方法がよいでしょう。
資材 | 数 | 単価 | 計 |
---|---|---|---|
レンガ | 50個 | 1個 @100 | 5000 |
路盤材 | 60kg | 20kg@400 | 1200 |
川砂 | 15kg | 2000 | |
ケイ砂 | 10kg | 600 |
セメントを使用する場合
駐車場などにレンガを敷く際は、セメントを使用してしっかりと固めましょう。左側がセメント、右側がドライモルタル使用時の予算です。
資材 | 数 | 単価 | 計 | 資材 | 数 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
レンガ | 50個 | 1個 @100 | 5000 | レンガ | 5000 | |
路盤材 | 60kg | 20kg@400 | 1200 | 路盤材 | 1200 | |
セメント | 25kg | 5kg@600 | 3000 | ドライモルタル | 30kg | 3000 |
セメント用の砂 | 15kg | 200 | ||||
ケイ砂 | 10kg | 600 | ケイ砂 | 600 |
レンガの敷き方~ポイント3つ
レンガの敷き方で大切なポイントは次の3点です。
① 基礎を水平に作る
レンガの敷き方で最も大切なポイントは、基礎を水平に作ることです。基礎のできばえは仕上がりにも影響するので、ゆがんでいるとレンガが美しく並びません。
② 縁をまっすぐにする
レンガの敷きはじめや縁は、まっすぐにそろえましょう。①と同様に、縁がゆがんでいると仕上がりに影響します。
③ 目地をしっかりと固定する
レンガを敷き終わったら、目地にケイ砂を埋めて仕上げます。レンガをしっかりと固定して、美しい状態を長く保ちましょう。
レンガの敷き方~具体的な手順
それでは、レンガの敷き方を具体的にご紹介いたします。
【共通】基礎作り
- レンガを敷く場所を、レンガの厚さ+路盤材3cm+砂またはセメント3cmの深さに掘る
- 両端に2本の支柱を立てて水糸を張り、深さが均一かどうか確認する
- ベニヤ板を使って土を踏み固め、路盤材を3cmの厚さに敷きつめる
- ベニヤ板や転圧機で平らにして、水糸で水平かどうかを確認する
砂だけで仕上げる敷き方
「サンドクッション工法」「砂ぎめ工法」と呼ばれ、やり直しができるので初心者の方におすすめの方法です。
- 基礎の上に、川砂を3cmの厚さで敷きつめる
- ベニヤ板や棒で平らにならし、レンガの厚さと同じ深さに整える
- 敷きはじめを棒でまっすぐにそろえ、端からレンガを並べていく
- 凹凸のある部分をゴムハンマーでたたき、水平器を使って全体を平らに整える
- 目地にケイ砂を埋め、ほうきで掃いて仕上げる
- 1ヵ月ほどして隙間ができたら、もう1度目地にケイ砂を埋める
セメントを使用する敷き方
セメントを使用する場合は、次の2つの方法があります。
ドライモルタル工法
モルタルとは、セメントと砂を混ぜたものを指します。セメントを乾いた状態で使うドライモルタル工法の手順は、次のとおりです。
- セメントの水分を吸収しないように、レンガを水につけておく
- セメント1:砂2または3の割合で混ぜ合わせる
(市販のドライモルタルはそのまま使用する) - 基礎の上に、2を3cmの厚さで敷きつめる
- ベニヤ板や棒で平らにならしてレンガを並べ、表面を水平に整える
- 目地にケイ砂を埋め、ほうきで掃いたら全体に水をかける
- 24時間は触らないようにして乾かす
ウェットモルタル工法
セメントと砂を水で練ったものを使用する敷き方です。経験者の方は、ウェットモルタル工法に挑戦してみましょう。
- セメントの水分を吸収しないように、レンガを水につけておく
- セメント1:砂2または3の割合で混ぜ合わせ、水を少しずつ加えて練る
(市販のドライモルタルは、指示に従って水を加える) - 基礎の上に、2を3cmの厚さで敷きつめる
- ベニヤ板や棒で平らにならしてレンガを並べ、表面を水平に整える
- 目地にケイ砂を埋め、ほうきで掃く
- セメントが固まるまで乾かす
レンガの庭の雑草対策には
最後に、レンガを敷いた庭の雑草対策についてご紹介いたします。レンガ敷きのすてきな庭でも、雑草が生えていてはせっかくの景観が台なしです。レンガを敷いたおしゃれな庭の雑草対策には、フマキラーの「カダン除草王シリーズ ビネガーキラー 2L」をおすすめします。
ビネガーキラーは、畑や花壇でも使える食品生まれの除草剤で、フマキラー独自の高密着高濃度処方、約15分で枯れ始めます。薬剤はすみやかに分解されて土に残らないので、環境への影響が少なく何度でも使用が可能(※)。レンガを敷いた庭にも、安心してご使用いただけます。
※ 植え付け前に散布することもでき、この場合散布から5日経過後に植物を植えられるという制限があります
レンガの敷き方をマスターしておしゃれな庭に
今回は、レンガの基礎知識と敷く際のポイント、具体的な敷き方、雑草対策などについてご紹介いたしました。レンガの敷き方のポイントは、水平な基礎作り、敷きはじめをそろえること、目地の仕上げの3点です。
初心者の方は、セメントを使わない工法から取り組むのがおすすめです。敷き方の具体的な手順を参考にして、本格的でおしゃれなガーデニングをお楽しみください。