2022年9月12日 | お役立ち情報
ポリエステル衣類の洗濯方法・注意点を紹介!洗濯機と手洗いはどちらがおすすめ?
普段身に付ける衣類には「ポリエステル」が使用されているものが多く流通しています。着用する以上、必ず洗濯するタイミングがやってきますが、正しい洗濯方法はあまり知られていません。そこで当記事では、ポリエステル衣類の洗濯方法とそれに際しての注意点を紹介します。また、洗濯の方法には「洗濯機」と「手洗い」があるため、ポリエステル衣類はどちらで洗うのがよいのか理由とともに紹介します。
ポリエステルってどんな素材?
ポリエステルとは、石油から加工された素材の一種のことで、衣類には紡績した「ポリエステル繊維」が使用されています。ポリエステル素材にはいくつか種類があるのですが、一般的である「PET」はペットボトルの原料としても有名です。衣類とペットボトルの素材が同じなのは面白いですよね。
ポリエステル繊維は、加工しやすく耐久性も備わっているため、大量生産に適した素材です。安価でしわになりにくく扱いやすいポリエステル製の衣類は、多くの人にとって扱いやすいでしょう。いまや市場に流通する衣類のうち6割をポリエステルが占めるといわれています。
ポリエステルの強み・弱み
ポリエステルの強みは、以下のようなものが挙げられます。
- 安価である
- しわになりにくい
- 耐久性が高い
- 速乾性が高い
このような特性を活かし、アパレル市場には多くのポリエステル衣類が流通しています。また、「速乾性が高い」という強みを活かしてスポーツウェアの素材としても用いられます。ポリエステルは繊維の中に水分が入り込みづらいという特徴があり、汗などの水分が生地に触れると、すぐに蒸発してサラサラの手触りを保ってくれます。スポーツ時に汗をたくさんかき、衣類が肌に張り付いて不快に感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。購入時に素材をチェックして、ポリエステル製の衣類を選べばそのような不快感を避けられます。
反対に、ポリエステルの弱みは以下のようなものがあります。
- 静電気が発生しやすい
- 毛玉が発生しやすい
- においや汚れが吸着しやすい
ポリエステルは静電気を起こしやすく、それが原因で毛羽立ちや毛玉が発生しやすい素材です。ハサミや毛玉取り器で定期的にケアすればきれいに保てます。また、においや汚れがつきやすいのも弱みのひとつです。こまめに洗濯をする、洗浄力の強い洗剤を使うなどの対策を心がけましょう。
ポリエステル衣類を洗濯する際の4つの注意点
耐久性が高い一方で、毛玉や汚れの吸着など、繊細でもあるポリエステル。衣類を傷めずきれいな状態を保つために、洗濯時に気を付けたい4つの注意点を解説いたします。
事前に洗濯表示を確認する
ポリエステル素材は耐久性が高くしわになりにくいため、基本的には洗濯機で洗えますが、デザインによっては手洗いが推奨されている場合もあります。この場合洗濯機で洗うと衣類に負担がかかり、傷みを早める原因にもなりますので、優しく手洗いするとよいでしょう。ポリエステルだからといってすぐに洗濯機に投げ込むのではなく、必ず一度洗濯表示を確認しましょう。
汚れもの・色の濃いものとの洗濯は避ける
ポリエステルは、においや汚れを吸着しやすいという弱みがあります。そのため、汚れものや色の濃いものと一緒に洗濯をすると、汚れや色移りの原因になりかねません。一緒に洗濯するのは避けるのがベターですが、時間がないなどの問題で難しい場合には、洗濯物を詰め込み過ぎない、洗剤の量を多くするなどの対策を講じることで、汚れの吸着を防げる場合もあります。
毛玉ができやすいので注意
先述のように、ポリエステルは毛羽立ちや毛玉が発生しやすい素材です。この原因のほとんどは、洗濯物同士がこすれあって起こる摩擦と、そこから発生する静電気です。手洗いであればリスクを軽減させられますが、洗濯機を使う場合にはネットに入れて洗うと摩擦を軽減でき、毛玉の発生を防げるでしょう。
干す際は日陰干しがおすすめ
洗濯が終わって、乾燥させる際にも注意点があります。ポリエステルは、紫外線に当てると脱色や変色を起こしやすい素材です。そのため、乾かす際にはハンガーにつるし、風通しのよい日陰でじっくり乾かしましょう。また、しわになりにくい素材とはいえ、そのまま乾かしては衣類が型崩れしてしまいます。縫い目を持って軽く上下に振り、しわを伸ばしてから干すときれいに仕上がるでしょう。
ポリエステル衣類を洗濯機で洗う方法
ポリエステルの特徴や、洗濯の際の注意点を解説してきました。ここからは、実際にポリエステル衣類を洗濯する方法をご紹介いたします。ポリエステル衣類の洗濯方法は、「洗濯機を使う方法」と「手洗いする方法」の二通りがあります。どちらの方法を選ぶかについては、先にも触れたように衣類の洗濯表示を確認するとよいでしょう。まずは丸投げできて手軽な洗濯機を使った方法から見ていきましょう。
用意するもの
- スポット洗剤
- 洗濯ネット(衣類に対してぴったり目のサイズが好ましい)
- 弱アルカリ性洗剤
- 柔軟剤
手順
- 目立つシミや汚れがある場合は、スポット洗剤を用いて事前にシミ抜きを行います。
- 衣類を畳んで、洗濯ネットに入れます。これにより衣類同士の摩擦を防ぎ、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制します。
- 弱アルカリ性洗剤を洗濯機に入れます。この際、柔軟剤をあわせて使用すると静電気の発生を抑えられます。静電気は毛羽立ち・毛玉の原因にもなりますので、使用することをおすすめします。
- すすぎは2回がベスト。少なすぎると洗剤が衣類に残り、黒ずみの原因になることもあります。しっかりとすすいで汚れを落としましょう。
- ポリエステルは、繊維の中に水分が入り込みづらく、比較的乾きやすい素材です。そのため、脱水は短めでかまいません。部屋干しでも1~2分程度で十分でしょう。脱水時間が短いほうがしわにもならず、アイロンの手間が省けます。
- 脱水が終わったらハンガーにつるし、しわを軽く伸ばして風通しのよい日陰で乾かしましょう。
ポリエステル衣類を手洗いする方法
次に、ポリエステル衣類を手洗いする方法について解説いたします。手洗いの場合、洗濯機と比べて手間がかかるものの、衣類への負担を最小限に減らして傷みにくくすることができます。難しい方法ではないので、ぜひ一度お試しください。
用意するもの
- おしゃれ着用洗剤
- 柔軟剤
- 洗面器
手順
- 洗面器に30℃前後のぬるま湯を張り、おしゃれ着用洗剤を入れて混ぜます。
- ポリエステル衣類を入れて、約15分つけ置きします。
- 優しく押し洗いして、汚れを落としていきましょう。
- 洗面器の水を変えて、洗濯物を軽く泳がすようにすすぎます。この際、洗面器に柔軟剤を入れてすすぐと静電気を予防できます。
- すすぎが終わったら、タオルとタオルの間に洗濯物をはさんで水気をよく切りましょう。洗濯機がある場合には、30~1分程度脱水をかけてもよいでしょう。
- ハンガーにつるし、しわを軽く伸ばして風通しのよい日陰で乾かしましょう。
洗濯後のポリエステル衣類を状態よく保つには
ポリエステルは化学繊維のため、虫食いなどの心配はほとんどありません。しかし、天然素材のウールやカシミヤと混紡している場合には防虫対策は必須です。最近は無臭の防虫剤も発売されており、におい移りしやすいポリエステル衣類には最適です。
また、先述したようにポリエステルは紫外線に弱いという性質を持っていますので、長時間日光の下にさらされていると、脱色や変色のおそれがあります。そのため、干す際は必ず日陰で干しましょう。また、日光ほどではありませんが、室内の蛍光灯からも微量の紫外線が発生しています。光が届かないようにカバーを掛けたり、袋をかぶせたりすることで鮮やかな色合いを保てるでしょう。
ポリエステル衣類の静電気対策
ポリエステルの弱みのひとつに、静電気が発生しやすいというのがあります。この原因としては、洗濯の際の摩擦や、コーディネートの際にポリエステルと相性の悪い素材を組合せているなどが挙げられます。静電気が起こると毛羽立ちや毛玉ができやすくなりますので、できれば避けたいところです。
洗濯の際の摩擦を軽減するには、洗剤と柔軟剤を併用するとよいでしょう。柔軟剤に含まれる界面活性剤の効果で生地表面に水分が付着しやすくなり、静電気の発生を抑えられます。最近では静電気防止効果をうたっている柔軟剤も流通しており、そのような製品を選べばさらに抑制できるでしょう。
一方で、柔軟剤の効果は一時的なものであり、長続きはしません。何度も対策をするのが面倒だと感じる人は、静電気の発生しづらい素材の組合せを把握し、コーディネートに活かしてはいかがでしょうか。
静電気は、プラスに帯電した繊維とマイナスに帯電した繊維同士が擦れ合い、プラスとマイナスのバランスが崩れたときに発生します。プラスとマイナスの性質や帯電の大きさは繊維の種類によって異なります。代表的な繊維の帯電列表は以下の通りです。
↑(+)
ナイロン
羊毛
絹
レーヨン
綿
アセテート
ポリエステル
アクリル
↓(-)
近い距離にある繊維同士は静電気が起きにくく、遠い距離にある繊維ほど静電気が起きやすくなっています。
この関係を押さえておき、ポリエステルから遠い位置にある素材と組み合わせてコーディネートしてみてはいかがでしょうか。ポリエステル素材と組合せるのでしたら、市場にも広く流通している綿やレーヨンなどがおすすめです。
まとめ
ポリエステル衣類の強みは、耐久性があってしわになりにくく、洗濯機で比較的簡単に洗濯ができることです。しかし、中には手洗いが推奨されている繊細なデザインの衣類もあるため、洗濯機か手洗いか迷ったら、事前に洗濯表示を確認するとよいでしょう。
一方で、汚れやにおいが移りやすい、毛玉ができやすいといった弱みもあります。基本的には、ポリエステル衣類と汚れものは分けて洗濯するのがおすすめです。また、毛玉の原因は、衣類同士の摩擦による静電気が挙げられます。洗濯時に柔軟剤を使用する、静電気の発生しづらい素材同士でコーディネートすることで、静電気の発生を抑制できるでしょう。ポリエステル衣類を長持ちさせるために、ぜひ当記事を参考に試してくださいね。