【スノードロップの育て方】植え付け方法や意外に知らない花言葉を紹介

【スノードロップの育て方】植え付け方法や意外に知らない花言葉を紹介

まだ雪の残る早春に、可憐(かれん)な花を咲かせるスノードロップ。見かけのイメージと異なり非常に丈夫な植物で、育て方はそれほど難しくありません。

今回はスノードロップの育て方を中心に、基礎知識と花言葉、育て方のポイント、トラブルと対処法などについてご紹介いたします。

スノードロップの基礎知識

スノードロップの基礎知識

はじめに、スノードロップの基礎知識を身につけましょう。

スノードロップとは

スノードロップ(Snowdrop)は、ヒガンバナ科マツユキソウ属(ガランサス属)に分類される多年草で、チューリップなどと同じ秋植え球根の仲間です。雪の残る時期にいち早く開花し春を告げることから、「マツユキソウ(待雪草)」の別名もあります。

学名の「ガランサス(Galanthus)」は、ギリシャ語で「乳」を意味する「gala」と「花」を意味する「anthos」から成り、「乳のように白い花」を表します。開花期は2~3月ですが、早いものは1月末から咲きはじめます。夜は花びらを閉じてしずくのような形になり、日光が当たると外側の3枚の花びらを開きます。

原産は東ヨーロッパで、15~20種類の原種から多くの園芸用品種が誕生しています。ヨーロッパでは古くからスノードロップを清浄な花として扱い、主に教会や修道院などの敷地に植えました。国内には、明治初期に渡来したとされます。

チューリップについては「【チューリップの育て方】植え付け時期は?球根の植え方や肥料・水やりも紹介」、秋植え球根については「おすすめの秋植え球根9選」「【春にきれいに咲かせたい!】秋植え球根の植え方を紹介」の記事をご覧ください。

スノードロップの花言葉

スノードロップの一般的な花言葉は、「希望」と「慰(なぐさ)め」です。聖書に登場するアダムとイブがエデンの園から追放された際、舞い落ちた雪を天使がスノードロップの花に変えて慰めたというエピソードに由来するという説もあります。

なお、イギリスの農村地域に古くから伝わる「スノードロップを恋人の亡骸(なきがら)に手向けたところ、雪のしずくになってすべてが消えた」という話から、スノードロップには死に関する花言葉もあります。国内ではあまり聞かれない内容ですが、スノードロップを不吉な花とする地域もあるので、プレゼントとして贈る際は注意しましょう。

スノーフレークとの違い

スノードロップと似ている「スノーフレーク」は、同じヒガンバナ科のスノーフレーク属(レウコユム属)に分類されます。色合いが似ていますが、スノーフレークの花はスズランのような形で、スノードロップよりもやや遅く3~4月に開花します。

スノードロップの育て方のポイント2つ

スノードロップの育て方のポイント2つ

スノードロップの育て方は、次の2点がポイントです。

① 花がら摘み

咲き終わった花(花がら)は、花のついた茎の根元から切り取ってください。花をそのままにしておくと病気にかかりやすいうえ、球根の栄養が不足してしまいます。

② 夏越し

スノードロップの球根は乾燥しやすく、高温に弱い傾向にあります。以下にご紹介する方法を参考に夏を越し、翌年も美しい花を咲かせましょう。

スノードロップの栽培に必要なもの

スノードロップの栽培に必要なもの

スノードロップを栽培するときは、シャベルやジョウロなどの基本的なツールのほかに、次のものを用意してください。

花だんまたは鉢など

秋から春にかけて日当たりがよく、夏は日陰になる場所がもっとも適しています。日当たりのよい花だんでも栽培できますが、可能であれば落葉樹の下などがよいでしょう。鉢やプランターで育てるときは、通気性のよい素焼きの素材がおすすめです。鉢底石(はちぞこいし)は、ネットに入れて使用すると便利です。

球根または芽出し(めだし)球根

球根は、硬くて重さがあるものを選びましょう。やわらかい球根は、腐敗または乾燥している場合もあります。とくにスノードロップの球根は乾燥しやすいので、実際に軽く触って確かめてから購入してください。また、傷がなくきれいなもの、根が出ていないもの、なるべく芽が出ていないものを選びましょう。

なお、スノードロップは土に植えて芽を出した状態の「芽出し球根」として販売されることもあります。秋に球根を植え忘れたときやひと足早く花を楽しみたいとき、寄せ植えにしたいときには芽出し球根がおすすめです。

寄せ植えについては、「寄せ植えの基本と作り方。初心者でもおしゃれに仕上げるコツも解説!」「春の寄せ植えを楽しもう!おすすめの花や苗選びのポイントを解説」の記事で詳しくご紹介しています。

土と肥料など

地植えにするときは、石灰や腐葉土(ふようど)、たい肥を用意してください。水はけの悪い場所には、軽石またはパーライトを混ぜるとよいでしょう。鉢やプランターで栽培するときは、市販の球根用か草花用の培養土を使うと簡単です。

また、下準備の際に元肥(もとごえ)として粒状の化成肥料を使用します。追加やお礼肥(おれいごえ)で与えるときは、化成肥料でも液体肥料でも構いません。

敷きわらなど

地植えの場合、夏の休眠期には土を敷きわらでおおったマルチングを施します。育て方のポイントでお伝えしたように、スノードロップの球根は乾燥しやすく、高温に弱い傾向があります。夏の間はマルチングで保護して、球根の傷みを防いでください。

マルチングについては、「園芸におけるマルチングとは?効果や使用方法、注意点をわかりやすく解説」の記事をご覧ください。

水耕栽培で育てる場合

スノードロップを水耕栽培で育てるときは、水耕栽培用の容器と液体肥料を用意します。一般的な球根でも構いませんが、可能であれば「水耕栽培用」として販売されているものを選びましょう。近年では、球根と容器がセットになった商品もあるので探してみてください。

【初心者におすすめ】スノードロップの育て方

【初心者におすすめ】スノードロップの育て方

それでは、スノードロップの育て方を詳しくご紹介いたします。

土の下準備

球根を植える場所の土を深く掘り返し、古い根や小石などを取り除いて日光に当てます。石灰を混ぜて酸性の土壌を中和させてから、腐葉土とたい肥を加えましょう。水はけが悪い場所は、軽石などを混ぜてください。

球根を植える1週間くらい前になったら、化成肥料を加えてなじませます。鉢やプランターの古い土を再利用するときも同様に作業して、清潔で栄養の豊かな土を用意しましょう。

植え付けの方法

スノードロップの球根は、8月の終わりから10月の半ばくらいに植え付けます。植える間隔は5~10cmくらい、深さは5cmくらいが基準です。鉢植えで栽培するときは、直径15cmの5号鉢に6~7個を目安に植えてください。寄せ植えにするときは、草花を先に植えてから隙間に球根を植えます。植えた後はたっぷりと水を与えましょう。

芽出し球根の場合は上記の深さではなく、販売されていたときと同じ状態に植えるのがポイントです。株を土ごと取り出し、植える場所の土の表面と株の土が同じ高さになるように深さを調節してから植えてください。寄せ植えにするときは、芽出し球根を先に植えてから草花を植えます。

日々の管理

地植えにしたスノードロップは基本的に降雨のみで問題ありませんが、鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水を与えてください。スノードロップは寒さに強いので、雪や霜にも耐えられます。ただし、大雨や強風のときは鉢植えを軒下(のきした)などに移動しましょう。

育て方のポイントでお伝えしたように、開花中はこまめに観察して花がらを茎の根元から切り取ります。枯れた葉や傷んだ葉も取り除いて、病気を防いでください。花が終わった鉢植えは、水やりの回数をやや減らします。

肥料の与え方

スノードロップは肥料が多すぎると花が咲きにくくなるため、開花中は与えません。ただし、寄せ植えなどで下の葉が黄色くなるときは、固形肥料を月に1回、または液体肥料を2~3週間に1回くらいのペースで与えてもよいでしょう。

開花期が終わったら、地植え・鉢植えともにお礼肥として液体または固形肥料を与えてください。葉が枯れるまで待って栄養を蓄えさせ、葉が黄色くなったら切り取ります。

夏越しの方法

スノードロップの球根は、2~3年は植えたままで構いません。先述のとおり、地植えで栽培しているときは、夏に敷きわらでマルチングを施して乾燥と高温から保護します。猛暑が続いて土が極端に乾いたときは、水を与えて湿度を保ってください。

鉢植えは軒下などの日陰に移動し、芽が出ていなくても土の表面が乾いたタイミングで水を与えます。涼しくなった秋以降は日なたに戻して、同様に水やりを続けましょう。

球根の増やし方と保管

植え付けから数年がすぎたスノードロップは、葉が枯れたころにいったん掘り上げてください。掘り上げた球根の下についている1cmほどの小さい球根は、手で取ってすぐに新しい鉢に植え替えます。同様の管理で、環境が整えば数年後に開花します。小さい球根が育っていない場合は、分けずにそのまま植え戻しましょう。

もともとの球根は新しい場所に植えるか、おがくずまたは湿らせた水ゴケなどの中に入れて涼しい場所で保管し、秋に植え付けます。球根が大きい品種は乾燥しにくいため、ネットに入れて風通しのよい場所につるして保管してください。

水耕栽培の方法

容器にセットした球根の底につく量の水を入れ、根が出るまでは室温15℃くらいの冷暗所に置きます。根が伸びたら、根の3分の2がつかる程度まで水を減らします。芽が出たタイミングで、レースカーテン越しの日光が当たる窓辺に置いてください。

水は4~5日に1回くらいを目安に交換し、容器も清潔に保ちましょう。肥料は、水耕栽培用の商品の説明に従って与えます。

スノードロップのトラブルと対処法

スノードロップのトラブルと対処法

最後に、スノードロップの栽培で気をつけたいトラブルと対処法をご紹介いたします。

球根には毒性がある

スノードロップの球根には、毒性のあるアルカロイドが含まれています。誤って口にしてしまうと、めまい・おう吐・下痢などの症状が出ることもあります。小さなお子さんやペットと暮らす家庭では、購入後や植え付け後の球根の管理に十分注意を払ってください。万が一、間違えて食べてしまったときは早急に医療機関を受診してください。

スノードロップの病害虫

スノードロップは丈夫な植物なので、病害虫の心配はほぼありません。ただし、まれにしおれた花びらなどに灰色のかびがつく灰色かび病にかかることがあります。病気と思われる部分があればすぐに取り除き、被害の拡大を防いでください。花がらをこまめに摘み取って、鉢植えは風通しのよい場所で管理しましょう。

なお、元気なスノードロップを育てるにはフマキラーの「カダン アミノパワー (草花用)」がおすすめです。14種類の天然アミノ酸を配合した植物用サプリメントで、葉にスプレーするだけで花つきがよくなり、花も鮮やかに発色します。

スノードロップの育て方を覚えて春を先取り!

スノードロップの育て方を覚えて春を先取り!

今回は、スノードロップの概要と花言葉、具体的な育て方やトラブルなどについてご紹介いたしました。スノードロップの育て方は、花がら摘みと夏越しの2点がポイントです。

球根類の中でもいち早く開花し、春を知らせるスノードロップ。この機会にスノードロップの育て方を覚えて、春を先取りしませんか。

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