【2022年 春の花粉飛散予測】天気と花粉の関係は?

天気と花粉の関係は?2022年春の花粉飛散予測を紹介

毎年春になると、花粉に悩まされている方が多いのではないでしょうか。花粉の飛散量は天気と関係があるといわれているため、増えやすい空模様を知っておけば普段以上にしっかりとした対策ができるでしょう。

そこで今回は、花粉の飛散量が増える天気や増加しやすい時間帯、花粉の対策方法などについて解説いたします。また、2022年春の花粉飛散予測についてもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

花粉症とは

花粉症は、突然発症することがあります。昨年まで大丈夫だった方でも「もしかして花粉症?」と思うことがあるかもしれません。まずは花粉症のメカニズムや症状について確認しましょう。

花粉症のメカニズム

花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎のことです。花粉症は、次のようなメカニズムで発症します。

  1. 花粉が目や鼻から入る
  2. アレルゲン(花粉)に反応してリンパ球でIgE抗体が作られる
  3. IgE抗体は肥満細胞と結合する
  4. 再び花粉が体内に侵入するとIgE抗体と結合する
  5. 肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が放出される
  6. 鼻や目の神経が刺激されるため、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状が現れる

風邪と花粉症の見分け方

風邪と花粉症の見分け方

風邪と花粉症の症状は似ています。また、風邪の季節と花粉症の季節は連続しているため、「風邪なのか花粉症なのかわからない」という方もいることでしょう。風邪と花粉症を見分けるためのチェックリストをご紹介いたします。次の症状に当てはまる場合、花粉症の可能性が高いといえるでしょう。

  • さらっとした透明の鼻水が出る
  • 連続したくしゃみが出る
  • 目のかゆみがある
  • 発熱がない(あった場合でも微熱)

【参考】
的確な花粉症の治療のために|厚生労働省
「花粉症について」:みんなの医療ガイド|公益社団法人全日本病院協会

天気と花粉の関係

花粉の中でも、多くの人を悩ませているのがスギ花粉です。スギは2〜3月にかけて開花し、雄花から花粉が飛散します。花粉は気象条件が合えば飛散量が増加しますので、以下のような天気の日はいつも以上に対策し、症状の悪化を防ぎましょう。

晴れて暖かい日

スギの雄花は気温が上がると開きやすいため、最高気温が15度以上になるような暖かい日は花粉が飛びやすい傾向です。

湿度が低く乾燥している日

湿度の高い日は花粉が湿気を吸って重くなるため、飛散しにくくなります。反対に湿度が低く乾燥した日は飛散量が増すので注意が必要です。

風が強い日

風の強い日は花粉が遠くまで飛びます。とくに山側から強い風が吹く日は、スギ林から花粉が飛散してくるため注意しましょう。

雨上がり

スギ花粉の飛散量が増える時期は、雨の降る前日に気温が上がることが多いものです。そのため雨上がりには、雨の日に飛散しなかった花粉が大量に飛び出します。また、地面に落ちた花粉が気温の上昇により巻き上がり、飛散量が大きく増えることもあります。

前年夏の気象条件も影響する

花粉の飛散量には、前年夏の気象条件も影響します。スギの花芽は前年の夏にできるため、雄花の花芽が多く形成されやすい天候であれば、翌年春の飛散量も増加するのです。

  • 気温が高い
  • 日照時間が多い
  • 雨が少ない

夏の気象条件がこのような場合、翌年春の花粉飛散量は多くなる傾向にあります。一方、最高気温が25度程度の冷夏では木が枝を伸ばすことに力を入れるため、花芽が成長しにくくなって花粉飛散量も少なくなる傾向です。

花粉が増える時間帯

花粉が増える時間帯

花粉の飛散量は、時間帯によっても増減します。気象条件によっても異なりますが、花粉の量が増える時間帯は1日に2回、お昼前後と日没前後に訪れる傾向です。

スギ林で早朝に開花して飛散したスギの花粉は、住宅地や都市部にお昼前後に到達します。その後はいったん落ち着きますが、夕方になって気温が低下してくると空気の対流による飛散量の変化が起こります。上空に上がった花粉が地上に落下してきたり、地面に落ちていた花粉が舞い上がったりするため、日没前後に再び花粉の量が増えるのです。

花粉の飛散量が多い季節は、日中だけでなく日没前後も注意しておく必要があります。

2022年春の花粉飛散予測

2021年12月9日に日本気象協会が発表した「2022年 春の花粉飛散予測(第2報)」によると、2022年の飛散量は九州から近畿までは前年と比べて同じかやや低い予想となっていますが、その他の地域では前年と比べて軒並み多くなると予想されています。前年比で東海では約130%、北陸で約170%、関東甲信や東北で約120%、北海道にいたっては310%と特に多くなると予想されています。

※北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します

地方 飛散量(地方平均値%) 2021年夏の気象
例年比 前年比 気温 降水量 日照時間
北海道 非常に多い
(220%)
非常に多い
(310%)
かなり高い かなり少ない かなり多い
東北 やや多い
(110%)
やや多い
(120%)
かなり高い 平年並 多い
関東甲信 例年並
(100%)
やや多い
(120%)
高い かなり多い 平年並
北陸 例年並
(90%)
多い
(170%)
高い 平年並 多い
東海 やや少ない
(80%)
やや多い
(130%)
高い 多い 平年並
近畿 やや少ない
(70%)
やや少ない
(70%)
平年並 かなり多い 平年並
中国 やや少ない
(70%)
やや少ない
(80%)
平年並 かなり多い 平年並
四国 少ない
(60%)
やや少ない
(70%)
低い 多い 平年並
九州 例年並
(90%)
前年並
(100%)
平年並 多い 平年並

【図】日本気象協会「花粉飛散の傾向予想(各地域まとめ)

花粉飛散量予測は、前年夏の天気と年ごとの増減傾向が根拠となっています。2021年夏の天候は、特に東北や北海道で日照時間・気温ともに平年を上回り、記録を更新する月もありました。そのため、雄花の生育に適した気候であったといえます。

スギ花粉の飛散開始時期

スギ花粉の飛散開始は九州から東北までは例年並となる予想で、福岡が2月9日、東京が2月11日、広島が2月15日、名古屋が2月19日、大阪が2月23日、仙台が2月24日などとなっています。

特に2月上旬に飛散開始が予想される地域では1月のうちから花粉対策を始めることをおすすめします。

【参考】日本気象協会「2022年 春の花粉飛散予測(第2報)

日常生活でできる花粉対策

日常生活で簡単にできる花粉対策があります。花粉症の方はできるだけ花粉を浴びないよう、日ごろから対策をしましょう。

しっかりマスクをする

しっかりマスクをする

コロナ禍で1年中マスクをする生活が当たり前になりましたが、花粉対策にもマスクは有効です。マスクは鼻や口をおおい隠すため、花粉が粘膜に付着するのを防ぐ効果があります。マスクと顔の間に隙間があると花粉が侵入してしまうため、ぴったりフィットさせましょう。フィルター性能の高いタイプは異物の侵入を遮るため、花粉症対策にはとくに有効です。

家に入るときは衣服の花粉を取り除く

外出先から帰宅したら、家の中に入る前にウェットシートや湿らせたタオルで上着の表面をぺたぺたとやさしく押さえるようにして、花粉を取り除きましょう。手で払うと花粉を舞い上がらせ、鼻や目に入る原因になってしまいます。花粉の粒子は軽いため、手で払っても地面に落ちずに舞い上がってしまうのです。ウェットシートやぬれたタオルを使えば、花粉を舞い上がらせることなく除去できます。

静電気の発生を防ぐ

静電気が発生すると衣類に花粉が付着しやすくなりますが、洗濯時に柔軟剤を使用すれば静電気の発生が抑えられ、花粉の付着を軽減できます。静電気防止スプレーの使用も効果的です。たとえば女性のスカートの裏など、静電気が起こりやすい部分にスプレーしておくと、花粉を寄せ付けにくくなります。ウール素材や摩擦で静電気が起こりやすい部分には、花粉を寄せ付けないように静電気対策をしておきましょう。

換気は花粉の飛散量が少ない時間帯におこなう

花粉が気になるといっても、換気しないわけにもいきません。花粉はお昼前後や日没前後に飛散量が増えるため、換気をおこなうのは比較的飛散量の少ない朝や夜にしましょう。

布団乾燥機を使う

飛散量の多い季節は、布団を干すと花粉が付着してしまいます。この時期は布団の天日干しを避けて、布団乾燥機を使いましょう。天日干ししなくても、布団の湿気が取り除かれてフカフカになります。

拭き掃除する

拭き掃除する

フローリングの床に掃除機をかけると、床に落ちた花粉が空中に舞い上がって除去するのが難しくなります。そのため花粉の掃除には掃除機やほうきを使わず、固く絞った雑巾で拭き掃除しましょう。就寝中は空気の動きが少なく、室内の花粉が床に落ちてくるため、朝一番に拭き掃除するのがもっとも効果的です。ただし、カーペットなどは繊維に花粉がからまるため、掃除機で吸い取りましょう。

イオンの力で花粉をブロック

イオンの力で花粉が目・鼻・口に侵入するのを防ぐ、フマキラーの「アレルシャット ウイルス 花粉 イオンでブロックスプレータイプ」。顔にスプレーすると、陽イオンポリマー(プラスイオン)が顔や髪をむらなくコート。花粉やウイルスなどを反発・吸着して、目・鼻・口への侵入を防ぎます。

粒子が細かいエアミストなので、メイク後に使っても化粧崩れの心配はありません。アルコールフリーなので、肌が敏感な方やお子さんにも安心して使えます。花粉だけでなく、PM2.5や黄砂もブロックするので、花粉症ではないご家族の方にもおすすめです。花粉の飛散量が多い時期は、お出かけ前や外出先でぜひお使いください。

まとめ

2022年の花粉飛散予測によると、飛散量は全国的に平年よりやや少なめのようです。しかし、北日本では飛散量が増えると予想されています。花粉症の方は症状が悪化しないよう、しっかりと花粉対策しておきましょう。花粉症は突然発症する場合もあり、昨年まで大丈夫でも安心はできません。気になる症状がある方は、先のご説明した「風邪と花粉症の見分け方」を参考にしてください。

花粉の飛散量は、気象条件によって変化します。飛散量が増える時期がきたら、各種予測サイトや、花粉の飛散エリア・飛散量が確認できるアプリなどを利用して情報収集し、しっかりと対策しましょう。

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