【秋冬のゴキブリ対策】越冬させずに駆除する方法を生態とともに解説

【秋冬のゴキブリ対策】越冬させずに駆除する方法を生態とともに解説

夏によく見かけるゴキブリ。秋冬になると遭遇する機会は少なくなりますが、油断はできません。ゴキブリは20℃以上の環境なら生息できる昆虫です。

今回は、次の年の大繁殖を避けるためにゴキブリを越冬させず駆除する方法を解説し、駆除に効果のある殺虫剤もご紹介いたします。

日本には約60種類生息するゴキブリ

およそ3億年前から生息

ゴキブリの祖先は古生代(およそ3億年前)にまで遡(さかのぼ)り、昆虫のなかでももっとも古いグループのひとつです。人類の祖先が地球上に現れたのが約20万年前といわれることを考えると、人類よりもずっと早くから生息している生物であることがわかります。

【参考】なぜ人はゴキブリを怖がるのか?(情報・知識&オピニオン imidas)

相次ぐゴキブリの新種発見

世界には約4,000種のゴキブリが生息しており、日本でも約60種が確認されています。

2020年、日本に生息するゴキブリとしては35年ぶりに、鹿児島県・沖縄県の南西諸島で「アカボシルリゴキブリ」「ウスオビルリゴキブリ」が発見されました。2021年には、56年前にタイの北部チェンマイで採集された標本のなかから「イツツボシルリゴキブリ」を新たに発見。さらに鹿児島県十島村臥蛇島では「ツヤアカゴキブリ」が発見され、新種として登録されたことが話題になりました。

古くから生息する種だけに、研究が進めばゴキブリの進化や分布の過程を知る手がかりになりそうです。

【参考】
ルリゴキブリ類新たに2種 南西諸島で発見、黄赤色の紋様(時事ドットコムニュース)
56年前にタイで採集された標本群からゴキブリの新種を発見!(磐田市竜洋昆虫自然観察公園)

人家に侵入するゴキブリは約30種

多くの種があるゴキブリのうち、人家に入り込むのはおよそ30。主なものはチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリなどです。

とくによく見かけるチャバネゴキブリ、クロゴキブリについては、以下のとおりです。

小型で茶色いチャバネゴキブリ

体長10~15㎜程度の小さなゴキブリで、名前のとおり茶色い体です。チャバネゴキブリについては、【夏場に注意!】チャバネゴキブリが発生する原因とは?チャバネゴキブリの習性を知って対策しようの記事で、詳しくご紹介しています。

大型で黒光りする体のクロゴキブリ

体長25~30㎜程度の大型のゴキブリです。成虫は黒く光沢のある体ですが、幼虫は赤茶色をしているため、チャバネゴキブリと間違えることがあります。クロゴキブリについては、クロゴキブリが出る原因とは?クロゴキブリの対策と駆除方法についての記事もご覧ください。

「ゴキブリ」の語源

カタカナで表記することが多い「ゴキブリ」ですが、古くは「ごきかぶり」(御器噛)と呼ばれ、この音が変化して「ゴキブリ」になったと考えられています。

【参考】精選版 日本国語大辞典

ただし、「ゴキブリ」が広く使われるようになったのは戦後のことで、それまでは地域ごとの呼び名もあり、江戸時代には「油虫」と呼ばれることが多かったようです。江戸時代の百科事典『和漢三才図会』にも、「あふらむし」として、漢語の「蜚蠊」(ひれん)とともに紹介されています。

ゴキブリの生態

ゴキブリの「姿を見るのもいや」という方もいると思いますが、その生態を知っておくと、効果的な対策をするのに役立ちます。ゴキブリは、どのようなところに生息する昆虫なのでしょうか。

エサにするもの

エサにするもの

ゴキブリは雑食性で、食物や野菜くず、食べこぼしなどをエサにします。使った食器をそのままにしておいたり、流しの三角コーナーに生ごみが残っていたりすると、ゴキブリにとっては格好のエサ場になります。

活動的な時間

ゴキブリは夜行性。夜、台所や浴室で遭遇することが多いのは、このためです。

ゴキブリの生活史

ゴキブリは、「卵鞘」(らんしょう)という、複数の卵が入った堅い殻を産み落とします。卵は孵化(ふか)すると幼虫になり、複数回の脱皮を繰り返して成虫になります。

通年発生するチャバネゴキブリ

チャバネゴキブリは、一生に4~5個の卵鞘を産み落とします。卵は1ヵ月余の後に孵化して幼虫になり、およそ6ヵ月弱活動して成虫になります。成虫の寿命は約200日で、この間に繁殖します。

寒さに強いクロゴキブリ

クロゴキブリは寒さに強く、卵・幼虫・成虫のすべての段階で冬を越せます。産み落とされた卵鞘は約20日間で孵化し、およそ1~2ヵ月弱、幼虫として活動します。成虫は3~5ヵ月生きて、この間に繁殖します。

ゴキブリ退治に重要な秋・冬

ゴキブリ退治に重要な秋・冬

暖かい場所を好むゴキブリですが、実は20℃以上ある環境なら生息が可能です。秋・冬でも、部屋の暖かい場所に住みついて繁殖することがあります。

ゴキブリが住みつきやすい場所

ゴキブリは寒さが苦手ですが、室内の暖かい場所に潜んでいます。気温の下がる秋・冬にゴキブリを見かけなくなっても、死滅したわけではありません

気密性が増した現在の住宅では、たとえば次のような場所に住みつくことがあります。

エサのある場所

居間、台所の流し周辺

暖かい場所

暖かい場所

居間、冷蔵庫・洗濯機など家電製品の裏や底面

テレビやコンピューター、音響機器の背面など

風の当たらない場所

ダンボールや古紙・古本、たんすの隙間や重ねた洋服の間など

湿気がある場所

台所、浴室、トイレ、洗濯機のまわりなど

屋内なら越冬できるゴキブリ

ゴキブリは、気温の低下に伴い活動が鈍くなります。しかし、寒い環境になっても、暖かい場所に集まってしっかりと餌をとり繁殖することがあるという報告があります。

秋はゴキブリの繁殖期

上記のとおり、秋冬でもゴキブリは繁殖することがあります。この時期に卵と幼虫を一緒に駆除できれば、翌年の繁殖を防ぐことができるという意味で、ゴキブリ退治には格好の時期といえます。

室内にペットのいるご家庭は注意

室内にペットのいる家は注意

犬や猫など、室内でペットを飼っているご家庭では、とくにペットフードの管理に注意しましょう。ペットフードは、ゴキブリを誘引してしまう可能性があります。

ゴキブリの駆除

家のなかでゴキブリを見つけたときに役立つのが殺虫剤です。さまざまな種類がありますが、用途に合わせて選ぶと駆除の効果も高まります。

置くだけで巣ごと退治

フマキラー「ゴキファイタープロ」(12個入)は、ゴキブリの出そうなところに置くだけで、効果がおよそ1年間持続。誘い込まれてエサを食べたゴキブリはもちろん、そのゴキブリのフンを食べた仲間、さらにはその仲間という具合に連鎖して、ゴキブリを巣ごと退治。最大約36畳分の広さに使用できます。

「ゴキファイタープロ」には4タイプの容器(円形、正方形、コーナー用、隙間用)があり、ゴキブリが潜みやすい電化製品の後ろや、家具の隙間など、場所に合わせて選べます。狭い場所にも置けるように容器は小ぶりですが、入口を広く取ってあるので、大型のゴキブリも誘引します。薬剤耐性の強いゴキブリや、チャバネゴキブリのメスの卵(抱卵初期)にも効果を発揮します。

隠れたゴキブリを追い出して退治

フマキラー「ゴキブリワンプッシュプロプラス」は、ゴキブリが住みつきやすい冷蔵庫の裏や洗濯機の底部、家具の裏などの隙間に、シュッと吹きかけるだけ。細かい霧状の薬剤が、狭い隙間の奥まで届いて効果を発揮します。

「ゴキブリワンプッシュプロプラス」の効果はおよそ1ヵ月持続。このため噴霧後に現れたゴキブリも退治し、住みつきや繁殖を防ぎます。残量がわかりやすい透明な容器で、約80回使用可能。チャバネゴキブリのメスの卵(抱卵初期)にも有効なので、大繁殖を未然に防ぐ効果も期待できます。

近づかずに素早く退治

世界で初めて、ボタンを押すと0.1秒で起き上がる18cmのロングノズルを採用した、フマキラー「ゴキファイタープロ ストロング」(450ml)。虫に近づくことなくスプレーを噴射、動きの早いゴキブリも逃しません。

ゴキブリが通りそうな場所にあらかじめスプレーしておけば、夜間に活動するゴキブリを退治する予防効果も期待できます。また、マダニやトコジラミ(別名ナンキンムシ)、ノミ、イエダニにも効果を発揮します。

秋冬こそゴキブリ対策を

ゴキブリが少ないのは、1~2月と11~12月の寒い時期です。寒さが苦手なゴキブリの活動が鈍る季節こそ、ゴキブリ退治のチャンス。行動範囲が狭くなり、暖かい場所に集まる習性を利用して、翌年の繁殖を防ぎましょう。

【参考】「ゴキブリ」日本大百科全書(ニッポニカ)

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。

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