2020年10月13日 | 園芸・ガーデニング
【寒さに負けない!】冬の寄せ植えにおすすめの植物12選
初めに、冬の寄せ植えの楽しみ方と管理のポイントをご紹介いたします。
冬の寄せ植えの楽しみ方
イベントが続く冬は、華やかな寄せ植えでムードづくりをしてみませんか。植物の生長が遅い冬だからこそ、完成形をしっかりとイメージしながら寄せ植えを楽しむことができます。
クリスマス用には、おしゃれな鉢に赤や緑を意識した寄せ植えがおすすめです。ツリーをイメージしたコニファーを中心に、ヒイラギやポインセチアをセレクト。アクセントにはシロタエギクなどのほか、クリスマスのガーデンピックやフィギュアを添えるとすてきです。
お正月用には、シックな鉢に松などの針葉樹とナンテン、ハボタンなどを寄せ植えして和風に。アクセントには、ハツユキカズラやコクリュウなどを合わせてもよいでしょう。
寄せ植えについては、「寄せ植えの基本とは?作り方のポイントを紹介!」の記事でもご紹介しています。
水やりと置き場所など
基本的に、土の表面が乾いたら水を与えますが、冬は水やりの回数が減ります。水分の蒸発が遅い冬は、表面が乾いてから1日~数日後に与えましょう。水やりは、気温が上がる午前9時からお昼くらいまでに行います。花の上からではなく、株の根元に静かに水を注いでください。
冬は、冷たい風が吹きつけない日なたを選んで置きましょう。コンクリートや土の上は地面の温度が直接伝わるため、一段高いところに置くことをおすすめします。
また、寄せ植えには月に1度の固形肥料を、よく花が咲くものは週に1度の液体肥料を与えましょう。
寄せ植えの寒さ対策
寒さに強い植物も、根まで凍ると傷んで枯れてしまいます。霜が降りるときや雪の日は、不織布などで鉢の周囲を保護して軒下(のきした)に移動させましょう。寒冷地では、気温が下がる10~11月以降は日中だけ屋外で日光浴をさせ、夕方から夜は玄関などに移動してください。
冬の管理については、「冬のガーデニングで気をつけるポイント」の記事も参考にしてください。
暖冬の病害虫トラブルには
冬は病害虫のトラブルが少なめですが、昨今では暖冬の年も少なくありません。暖かい環境では害虫の活動が弱まらず、大切な植物が被害にあうおそれもあります。また、湿度が高い秋から初冬は、咲き終わった花などに発症する灰色かび病にも注意しましょう。
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冬の寄せ植え~寒さに強い一年草
冬の寒さに強いおすすめの一年草をご紹介いたします。一年草とは、発芽から枯れるまでが1年の周期である植物を指します。
① パンジー・ビオラ
冬を彩る花といえば、パンジーやビオラを思い浮かべる方も多いでしょう。
概要
スミレ科スミレ属で、ヨーロッパが原産の一年草です。花の色が豊富で育てやすいため、初心者の方におすすめの品種です。花は10~5月くらいまで観賞でき、自然にタネが落ちて秋に芽を出すこともあります。
育て方
気温が下がる10月下旬以降に植えつけ、日当たりのよい場所で管理しましょう。水を与え過ぎると蒸れて病気になりやすいので、冬は先述のタイミングで水やりをしてください。花が咲き終わったら茎の根元から摘み取り、株の衰弱や病気を防ぎましょう。
② ノースポール
冬を代表する一年草で、マーガレットに似た花を咲かせます。
概要
ノースポールは「クリサンセマム」とも呼ばれ、キク科フランスギク属またはレウカンセマム属に分類されます。北アフリカやヨーロッパが原産で、寒さに強く開花期も12~5月と長いため、冬の寄せ植えにおすすめです。
育て方
気温が下がる10月以降に植えつけます。大きく育つので間を10cm程度空けてください。寄せ植えの鉢は日なたに置き、咲き終わった花の摘み取りや混み合った部分のせん定をしましょう。春に伸びた部分は、3分の1くらいの高さに切り戻してください。
③ プリムラ
もともと多年草ですが、暑さに弱いことから一年草として扱われます。
概要
ヨーロッパが原産のプリムラはサクラソウ科サクラソウ属またはプリムラ属に分類され、種類や花の色が豊富なため冬の寄せ植えにおすすめです。国内で多く流通するのはプリムラ・ジュリアンとプリムラ・ポリアンサで、開花期は11~4月頃です。
育て方
秋の彼岸が過ぎてから植えつけ、日当たりのよい場所で育てましょう。花が終わったら摘み取り、風通しをよくして灰色かび病などを防いでください。夏は、日陰または数時間ほど日の当たる半日陰で管理すれば、秋以降に再び開花する可能性があります。
冬の寄せ植え~翌年も楽しめる多年草・低木
多年草は、開花後に地上部と根、または根だけが残って何年も生存する草花を指します。
低木は、人間の背丈または2mくらいまでの高さの樹木です。
④ クリスマスローズ
冬の多年草の中でも丈夫で育てやすい品種です。
概要
クリスマスローズはバルカン半島を中心としたヨーロッパが原産で、キンポウゲ科クリスマスローズ属またはヘレボルス属に分類されます。寒さに強く日陰でも育ち、近年では花の色や種類が増えて12~3月くらいまで楽しむことができます。
育て方
10~11月頃に植えつけます。根がよく伸びるので、寄せ植えは毎年のように大きな鉢に植え替えます。開花後は茎の根元から切り取り、傷んだ葉も見つけ次第取り除きましょう。夏は直射日光や雨の当たらない場所に置き、適宜水やりをして秋に備えてください。
⑤ ハボタン
ヨーロッパが原産ですが、多くは観賞用として国内で品種改良されました。
概要
キャベツの仲間であるハボタンは、アブラナ科アブラナ属またはブラシカ属に分類され、近年では小型や鮮やかな色の品種も流通します。寒さに強く初心者の方も育てやすいため、冬を彩る寄せ植えにおすすめの品種です。
育て方
9月頃までに植えつけ、日当たりのよい場所で傷んだ葉を取りながら育てましょう。10月を過ぎて気温が下がると、葉に色がつき始めます。春の開花後に茎を切り取ると、新芽が伸びて人が踊るように見える「踊りハボタン」を楽しむこともできます。
⑥ ユリオプスデージー
丈夫で開花期が長く、低木に属します。
概要
キク科ユリオプス属のユリオプスデージーは南アフリカが原産で、寒さに強い丈夫な品種です。11~5月頃に、マーガレットに似た黄色い花を咲かせます。寄せ植えには大きめの鉢を選び、高さを生かして中央または後方に植えましょう。
育て方
植えつけは10月までに行い、日当たりのよい場所で管理しましょう。加湿を嫌うので、雨の日は軒下などに移動してください。開花が終わったら半分くらいの高さまで切り戻し、2年に1回を目安に植え替えましょう。
冬の寄せ植え~手間がかからない球根
球根は多年草に属しますが、ここでは別に取り上げてご紹介いたします。
⑦ ガーデンシクラメン
本来寒さが苦手な花ですが、ミニシクラメンを改良して耐寒性のある品種が誕生しました。
概要
ガーデンシクラメンはサクラソウ科シクラメン属に分類され、ヨーロッパや北アフリカなどが原産の球根類です。近年では品種改良によってさらに花の色や種類が増え、10~3月頃までの花が少ない季節を彩ります。
育て方
11月頃に植えつけ、日なたで過湿や乾燥に気をつけながら管理しましょう。花が終わったら茎ごと切り、枯れた葉も取り除いて病気を防いでください。品種にもよりますが、夏は直射日光を避けて管理し、夏を越したらひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
⑧ スノードロップ
白く愛らしいたたずまいで、「春の訪れを知らせる花」として人気があります。
概要
東ヨーロッパが原産のスノードロップは、ヒガンバナ科マツユキソウ属またはガランサス属に分類されます。耐寒性があり育てやすく、秋に球根を植えると2~3月頃に開花します。また、開花した苗は年明けから流通します。
育て方
寄せ植えにするときは、芽が出る場所を予測して秋から球根を植えるか、開花した苗を年明けに購入して植えつけます。日当たりのよい場所に置き、花が咲き終わったら茎の根元から切り取りましょう。開花期が過ぎたら「お礼肥(おれいごえ)」の肥料を与えます。その後は葉が枯れるまで待ち、種類によっては掘り上げて乾燥させ、秋に植えつけてください。
⑨ スイセン
紀元前から栽培され、色や花びらの形状などが非常に豊富です。
概要
ヒガンバナ科スイセン属またはナルキッスス属のスイセンは、イベリア半島から地中海沿岸が原産で、英国王立園芸協会(RHS)には1万を超える品種が登録されています。開花中の11月中旬~4月は、甘い香りが楽しめます。
育て方
スノードロップと同様、寄せ植えにするときは芽が出る場所を予測して秋に球根を植え、日なたで管理してください。年が明けた頃には開花した苗が出回るので、利用してもよいでしょう。
花が咲き終わったら、茎の付け根から取り除いてください。お礼肥を与えて葉が枯れたら切り取りますが、数年は植えたままでも構いません。
冬の寄せ植え~アクセントに使いたい植物
寄せ植えのアクセントにおすすめの植物をご紹介いたします。
⑩ アイビー
ヘデラとも呼ばれ、冬の間も緑の葉を楽しむことのできるつる性多年草です。
概要
ウコギ科キヅタ属に分類されるアイビーは、ヨーロッパや北アフリカが原産で暑さや寒さに強く、一部は日陰でも育ちます。葉に白い斑(はん)が入るものや葉がスマートなものなど、さまざまな品種が流通しています。
育て方
植えつけは春から秋に行います。つるの動きを活かして、おしゃれな寄せ植えを作りましょう。生育が旺盛なので、ほかの植物を押しのけないように適宜カットしてください。斑が入ったタイプは、日光が足りないと模様が出にくくなります。
⑪ シロタエギク
シルバーリーフの代表格で、ダスティーミラーの名でも親しまれています。
概要
シロタエギクはキク科セネシオ属に分類され、地中海沿岸が原産の多年草です。花よりも葉を観賞する目的で栽培され、寄せ植えのアクセントとして用いられます。育てやすい品種ですが、日光が不足すると葉が緑色になることがあります。
育て方
1年を通して植えつけができ、やや乾燥した環境を好みます。茎の先端をカットすると、脇から芽が出てボリュームのある株に育ちます。6~7月頃に開花しますが、株が弱るのでつぼみを早めに切り取りましょう。
⑫ ハツユキカズラ
緑の葉に淡いピンクや白の斑が混ざる、美しいつる性の低木です。
概要
キョウチクトウ科テイカカズラ属のハツユキカズラは、テイカカズラを園芸用に改良したもので、秋から冬にかけての紅葉も見事です。ゆっくりと生長するうちにピンク色は白や緑に変わりますが、新芽は再び美しい斑の混ざった葉となります。
育て方
植えつけは秋頃に行い、斑の色がよく出るように日なたで育てましょう。5~6月頃の開花期には、甘い香りを楽しむことができます。花を咲かせるときは、せん定せずに初夏に出る芽を残してください。緑色に変わった枝を切り戻して新芽をうながすと、色つきの葉に生長します。
そのほか、冬に楽しめる植物については「冬の花でガーデニング!寒さに強く育てやすい植物12選」の記事もご覧ください。
寒さに強い植物で冬も寄せ植えを楽しもう
今回は、冬の寄せ植えの楽しみ方と管理のポイント、寒さに強い植物を12種類ご紹介いたしました。冬の寄せ植えは、寒い風が吹きつけない日なたで管理し、水は控えめの間隔で与えましょう。霜が降りる日や雪の日は、寒さ対策を施してください。
花の少ない冬にも、寒さに強い植物で華やかな寄せ植えを楽しみましょう。