ノミが発生する原因とは?ノミの退治方法と予防対策

ノミが発生する原因とは?ノミの退治方法と予防対策

ノミは一般的にはイヌやネコなど動物に寄生する外部寄生虫として知られていますが、一度大発生すると、イヌ・ネコだけでなく人間にも被害を及ぼします。

ノミに刺されると、数日間強いかゆみが出るこがあります。また、アレルギー反応が強く出てショック症状が出る場合もあり得ますので、注意が必要です。イヌやネコを飼っている人はノミ対策を行っているケースが多いですが、現在ノミとの接点がないからといって安心することはできません。ノミに接している機会がないと思える生活をしていても、ちょっとしたきっかけでノミの被害を受ける可能性があります。

本記事では、ノミの発生原因や退治方法、予防対策について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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主なノミの種類

ノミの習性、生態について

ノミは世界で2,000種類以上、日本でも約70種類がいるといわれており、イヌ、ネコ、人間などの恒温動物に寄生してその血を養分にして生きています。

その中で私たちの生活に影響を及ぼす可能性が高いのは、ネコノミとイヌノミです。

ネコノミ

体長約1.5~3.5ミリメートル主にネコを宿主としますが、ネコだけではなくイヌや人などにも寄生します。

日本国内で主にノミの被害があるのはイヌノミよりもネコノミの方が多いです。

イヌノミ

体長約2~4ミリメートル。ネコノミより少し大きいですが、見た目ではネコノミと区別がつきません。最も大きな違いは、イヌノミの頭部の形状はネコノミと比べると丸くなっている点です。

現在の日本では、イヌに寄生するノミの多くはネコノミで、イヌノミはあまり見かけません。

イヌノミの活動範囲はネコノミより狭い傾向にあります。

ヒトノミ

体長約1.5~4ミリメートル。主に人に寄生するノミですが、他の種類のノミと同様に鳥類やイヌ・ネコなどの哺乳類にも寄生します。

最近では衛生面の向上により、ヒトノミによる寄生被害はほとんどなくなっています。

現在では、人に感染するノミのほとんどはネコノミです。

ネズミノミ

体長約1.5~2ミリメートル。主にネズミに寄生、繁殖するノミの仲間で、代表種はケオプスネズミノミ(別名「東洋ネズミノミ」)です。ケオプスネズミノミは世界中に分布し、日本でも北海道以外の各地に生息しています。

ケオプスネズミノミはペストを媒介することで知られています。1927年以降、日本国内でペストの感染は確認されていませんが、ペストに感染する恐れのあるエリアに渡航する旅行者は、予防接種を受けるなど注意しなければなりません。

ネズミノミは、宿主であるネズミが死んでしまうと他の宿主に移動します。ネズミの死がいに接触すると寄生される可能性があります。リケッチアなどの感染症を媒介する可能性があるため、むやみに触らないように注意しましょう。

ノミの生態

ノミのライフサイクル

ノミはイヌやネコの体表に寄生して吸血を開始します。吸血を始めて約24~48時間後には卵を産みます。ノミの卵は表面が滑らかで、27℃以上の温度が苦手です。そのため宿主の体にとどまらず、畳やカーペット、床などに落ちて孵化します。

卵は0.5ミリメートルほどの円形状で、孵化するまでの期間は2日から3日程度です。幼虫のエサはノミの成虫の糞や食べかす、ごみの一部などです。6日から11日ほどの期間を経てサナギになります。

サナギは条件が良い場合には、6日から14日ほどで羽化します。成虫の寿命は約3週間から6週間といわれています。ただし、ノミのライフサイクルは気温などの条件によって大きく変動するのが特徴です。サナギは13℃以下ではそのままの状態で長期間生存します。冬にはサナギの状態で越冬可能です。

旺盛な繁殖力

メスのノミが産卵する卵の数は1日あたり4個から20個ほどです。1匹のメスノミは一生で400個から1,000個ほどの卵を産むともいわれています。

つまり、餌が無限にあるなどの条件が整えば、1か月で1000倍に増える可能性があります。

驚異的なジャンプ力

ノミの大きな特徴の一つが驚異的なジャンプ力です。ノミは大きな後ろ脚を持っていて、30センチメートルを超える高さまでジャンプ可能です。この高さは自分の体長の約200倍に相当します。人間に当てはめると約300メートルの高さまで跳べることになります。

このジャンプ力を生かしてイヌやネコ、人に素早く跳び移って寄生することが可能です。

ノミによる被害

ノミによる被害について

ノミはペットだけでなく、時には人間にまで深刻な被害を与えるケースがあります。

見た目の不快感

ノミは、人、イヌ、ネコの体温や、呼吸をしている際に排出する二酸化炭素に反応して、跳んできます。1匹で跳んでくると気がつかないケースが多いです。しかし、繁殖力が強い害虫であるため、大量発生している場合は人間やペットにたくさんのノミが寄生することもあります。

数が多いと見た目にもゾッとするし、不快に感じる人も多いでしょう。

激しいかゆみ

ノミはオス、メス両方とも吸血をし、吸血時間は20分から25分と長めです。ノミのジャンプ力は30センチ程度のため、人間が立っている状態だと脚に跳びかかろうとすることが多く、屋外でノミに刺される被害は足のひざ下ぐらいまでが中心です。

他にも家の中で繁殖している場合は寝ている時などに刺されると全身に被害が出るケースもあります。ノミに刺されると赤い斑点が目立ち、数日間は強いかゆみに悩まされます。

蚊よりも症状がしつこく一般的な虫さされ薬では効果を発揮しないことが多いため、医療機関を受診して薬を処方してもらった方が良いでしょう。一般的にノミ刺されで処方される塗り薬はステロイド軟こうが多いようです。

アレルギー症状

ノミに咬まれた際にノミの唾液に反応してアレルギー症状が出ることがあります。人間の場合、強いアレルギー反応が出て水泡、発赤、かゆみなどの症状が出てくる場合や、症状が悪化すると全身にアレルギー反応が現れて呼吸困難などに陥る可能性もあるので注意が必要です。

猫ひっかき病

猫ひっかき病は、バルトネラ菌という細菌によって引き起こされる病気です。バルトネラ菌を保有しているノミに咬まれた場合、もしくはバルトネラ菌を保有しているノミが寄生したイヌやネコに咬まれたり引っ掻かれたりした時に傷口からバルトネラ菌が感染します。

2週間ほどの潜伏期間の後に傷部分に熱や痛みを伴った丘疹(きゅうしん)や膿疱ができたり、リンパ節の腫脹が数か月続いたりする症状がでます。

瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)

ノミには瓜実条虫(サナダ虫)が潜んでいる可能性があります。ノミの卵がついた手をたまたま口にもっていき瓜実条虫の幼虫を口に入れることで経口感染します。

ほとんど無症状なので気がつかないことが多いようですが、幼児の場合は下痢や腹痛を訴える例があるので注意しなければなりません。

もし瓜実条虫を発見した場合、寄生虫駆除剤を使用すると比較的簡単に駆除できます。

ノミが発生する原因

ノミは体温や二酸化炭素に反応して寄生し、増えるきっかけとなっています。ノミに寄生されるきっかけやノミが好む環境を覚えておくと発生の原因を見つけやすくなります。

外からの侵入

ノミが発生する原因は、ほとんどが外からの侵入です。多くの場合、犬や猫などの外を出入りしているペットによって持ち込まれるため、ペットが外に出るたびにノミに寄生される可能性があると考えた方が良いでしょう。

家の中ではペットの体表で卵を産み、卵がカーペットに落ちて孵化。幼虫はホコリなどに含まれる有機物や成虫のフンをエサにして徐々に増えていきます。

また、ペットを飼っていない家庭でも外での庭作業や屋外活動の際に人間の体温などを感知して服につき、そのまま家に持ち帰るケースもあります。

イヌ・ネコ以外の野生動物にも注意

ノミは主に恒温動物に寄生するため、人間やペット以外にも寄生、繁殖する可能性があります。郊外の家などでネズミやハクビシンなどが住み着いたり、コウモリなどが出入りしたりしている場合、これらの害獣にノミが寄生していると屋根裏や軒下などで繁殖する可能性があるでしょう。

また動物の死骸を発見した時は、宿主を失ったノミが移動してくる可能性があるため、被害にあわないためにも直接触らないようにしてください。

ノミの活動に適した環境

気温18~27、湿度75~85%ぐらいの環境を好みます。そのため1月から3月の寒い時期は活動が少ないですが、冬以外の時期は発生しやすく、特に7月から9月の夏の時期は活動が活発になります。

ノミの被害にあわないために

ノミの被害にあわないために

ノミを家に持ち込んで被害にあわないためにも、早期発見とノミが住みやすい環境をつくらないようにするのがポイントです。

外でのノミ対策

できれば屋外で雑草や藪の中に入らないyおうにするのが望ましいのですが、やむを得ず入る場合は服装に注意しましょう。ノミは下からジャンプして人に寄生しようとするため、服装は長袖、長ズボン、靴下を着用するとある程度被害を予防できます。

ただし、夏などの暑い時期には生地が薄い衣服を着用することがあるため、衣類越しに刺されるケースもあるでしょう。

また、ノミに刺される被害を防げたとしても衣服に付いたまま持ち帰る可能性があります。ノミがいそうな場所を歩いた後は車に乗る前や家に入る前に衣服を手で払っておくと家への持ち込みを減らせます

屋外での活動時にはスプレータイプの忌避剤がおすすめです。フマキラーの「スキンベープミスト アルコールフリー」は、アルコールフリーでお肌の弱い方やアルコールの刺激が苦手な方も安心してご使用いただけます。

虫よけ効果は最大8時間持続。ノミだけでなく蚊やダニ類、アブなどの害虫にも有効です。

部屋ではこんなところに注意

ノミの幼虫はホコリなどに含まれる有機物をエサにします。部屋の角、カーペット、ソファーやベッド、家具のすき間などの暗く通気が悪い場所などはホコリが多いため、ノミが住みやすい場所です。

ペットを飼っている場合はペットの寝床周辺などにもノミがいる可能性があります。

ペットにノミが寄生していないかのチェック方法

一緒に生活しているペットにノミが寄生していないか、確認する方法があります。
イヌ・ネコ用の目の細かいノミ取りクシで毛をとかしたときに、赤黒っぽい色のフケのような塊が出てきたら濡れたティッシュの上に置いてみてください。しばらくして濡れたティッシュに付いた塊が赤くにじむようでしたら、それはノミが吸血した血液を含んだ糞です。

そのような状況の場合は、ノミがペットに寄生していると考えて良いでしょう。

ペットのノミ対策

外を出入りするイヌ・ネコなどのペットがいる場合、外に出るたびに寄生される可能性があるため常にノミ対策をしなければなりません。ペットのノミ対策としてはノミ取りシャンプーがありますが、洗っても洗いにくい頭部や毛の根元にノミが逃げてしまうこともあり、完全には駆除できない可能性があります。

ノミ取り効果のある首輪もニオイがきつくて犬猫の体調が悪くなったり、薬の成分が影響して首部分に皮膚トラブルが起きたりするケースもあるため慎重に利用しましょう。

ノミ取りクシを使う場合は、クシで取り除いたノミを水につけて殺す方法が有効です。ノミを探す時間と根気が必要ですが、薬剤を使わない安全な方法として実践している人もいます。最近ではノミ取り効果のある滴下薬があります。首の後ろの肩甲骨の間につけることでノミを駆除・予防可能です。

ただし、滴下薬の中には卵には効果がないものや成長を遅らせるだけのものもあり、効果が持続する期間も1カ月から3カ月と薬によってばらつきがあります。薬の効果を確実に発揮させるために、製品の用法に従って使用するようにしましょう。

他にも忌避効果があるノミ取りスプレーや経口薬などもあるため、状況に合わせてペットのノミ対策をしてください。

ノミを見つけたときの対策

ノミを見つけた時に行う対策

家の中でもしノミを見つけてしまったときには確実に捕まえるのが被害を減らすうえで欠かせません。ところがノミ退治をしたつもりが逆に増えてしまうケースもあるため、退治する時には以下の点に注意が必要です。

家の中でのノミ対策

まずは部屋を念入りに掃除するのが基本です。掃除機をかけた後のごみは幼虫や卵がいる可能性があるため、ビニール袋などでしっかりと密封して早めに処分してください。家の中で増えてしまったノミ対策としては、駆除用殺虫剤を使用する方法が有効です。

ノミは繁殖力が強くあっという間に増えてしまうため、姿を見なくなるまでは根気よく掃除をして対策していきます。姿を見なくなっても卵や幼虫がまだいる可能性もあるため、しばらくは念のために対策をするようにした方が良いでしょう。

まとめ

ノミはペットを飼っている家にいる印象が強いですが、意外なところから入り込んで増えてしまう可能性があります。日頃からノミを家に持ち込まないように注意するのと、こまめに掃除をしてノミを増やすきっかけを作らないようにすることがポイントです。もし家にノミが入り込んでしまった時のために殺虫剤を準備しておくと早めに対応できます。

最近の殺虫剤はノミやダニなど複数の害虫に対応しているものもあるため、見つけたらすぐに退治をすると大増殖を防ぐ対策の一つになります。

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