扶養控除とは?知っておきたい控除額と扶養家族の年齢

扶養控除とは?知っておきたい控除額と扶養家族の年齢

毎年発生する所得税や住民税など、税金の支払いに頭を抱える人も多いのではないでしょうか。このような時に有効活用できるのが扶養控除です。扶養控除に関する知識を身につけておくことで、納税者の税負担を大きく軽減することも可能となります。

そこで今回は扶養控除に関する基本情報や控除額、扶養控除を受けることができる条件などをまとめましたので解説します。

扶養控除とは?

扶養控除とは税金を納める納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に適用される所得控除です。年末調整や確定申告の時期などになると「扶養に入れる」「扶養に入れない」といった言葉が聞かれるようになります。

対象となる親族を扶養に入れることで、納税者は所得控除を受けることができる、つまり納める税金額を安くすることができます。もっと簡単に説明すると「あなたには養っている家族がおり、お金が必要になるため税金を減らしてあげますよ」という制度が扶養控除となります。

一般的には納税者に専業主婦の奥様や定められた収入の範囲内で仕事をしているパート主婦がいると控除を受けられることは有名ですね(配偶者控除)。しかし、詳細は後述しますが、控除の対象となる人は配偶者(妻・夫)だけではありません。

意外と知られていませんが、扶養控除の対象となる親族の範囲は幅広いです。また、扶養親族の区分によって控除額も変わってくるのが特徴です。したがって扶養控除の制度を利用して、納める税金額を安くしたいという方は扶養親族の範囲や控除額をしっかりと把握しておくことを推奨します。

扶養親族の対象となる人の範囲

扶養親族の対象となる人の範囲

扶養控除の対象となる人がいることで、税金の負担を軽減することができます。では具体的に扶養控除の対象となる人の範囲はどのように定められているのでしょうか?ここでは扶養控除の対象となる人の範囲を取り上げてみましょう。

配偶者以外の親族

配偶者以外の親族、つまり妻や夫以外の親族を指します。ちなみに配偶者には前述のように「配偶者控除」が用意されているので、扶養控除の対象からは外されます。ここで気になるのが「親族の範囲」です。これは法律でも定められている「6親等内の血族及び3親等内の姻族」をそのまま当てはめてもらってもかまいません。法律上の親族は以下のように定義されています。

親等 血族関係
1親等 父母・子ども
2親等 祖父母・兄弟姉妹・孫
3親等 曾祖父母・ひ孫・甥姪・叔父叔母
4親等 高祖父母・玄孫・祖父母の兄弟姉妹・いとこ・甥姪の子ども

上の表は6親等内の血族のうち4親等までに該当する「親族」を記載したものです。また「3親等内の姻族」に関してですが、姻族とは配偶者の血族のことを指しています。つまり夫からみた場合は妻の血族(妻の父母など)、妻からみた場合は夫の血族(夫の父母など)が姻族に該当します。

また自分の6親等内の血族の配偶者(夫・妻)も姻族となります。すなわち、自分の兄弟姉妹や子ども、孫の配偶者(夫・妻)も姻族になるということです。その他、配偶者以外の親族には都道府県や市町村から養育、養護を委託された児童(里子)や老人も該当します。

納税者と生計を一にしている

税制の要件には「生計を一にする」「同一生計」などの少しわかりにくい表現が含まれることがあります。一般的にこのような表現を用いられると「同居していることが条件」と思われがちですが、必ずしも同居が必要とされているわけではありません。

税制上の「生計を一にする」は勤務、修学、療養費等の都合で、他の親族と日常生活を共にしていない状態でも、一定の要件を満たしていれば同一生計として扱われます。

具体的には進学のために親元を離れたが学資金や生活資金は親から援助を受けている、病気の治療のために資金を全額負担してもらっているなどのケースでは「同一生計」とみなすことができるでしょう。

また会社員や公務員が単身赴任などで家族と別居している場合でも、常に生活資金を送金している状態であれば「同一生計」に該当するでしょう。これらの「生計を一にする」「同一生計」の明確な定義は存在しませんが「常に資金の援助が行われている」ということが一つの判断材料になります。

年間の合計所得金額が38万円以下

こちらも年末調整や確定申告の時期が近づくとよく聞かれる言葉です。所得とは収入から必要経費を差し引いたものを指しています。例えばですが1ヶ月120万円の売上が上がっているラーメン店があるとします。

しかしこの120万円の売上すべてが店主のもとに入ってくるわけではありません。家賃、麺や具材の仕入れ代金、スタッフの給料などお店を経営する上では絶対に欠かすことができない部分でお金がかかってきます。

このお店を経営する上でかかるお金が「必要経費」となります。仮にこのラーメン店の1ヶ月にかかる経費が80万だとしましょう。1ヶ月120万円の部分が収入となりますから、以下のような計算となります。

○ 120万円 (売上)-80万円 (必要経費)=40万円

売上から必要経費を差し引いた金額が40万円となりました。この40万円が「所得」と呼ばれる部分です。

テーマを扶養親族の範囲に戻しますが、1年間でこの所得金額が38万円以下なら、納税者は扶養控除を受けることができます。またパートやアルバイトの方などは給与収入を得ていますが、収入が給与のみの場合は103万円以下であれば扶養控除の適用を受けることが可能です。

給与を受け取っていない青色申告者の事業専従者又は白色申告者の事業専従者

こちらは納税者が個人事業主の場合に関係してくる要件です。事業専従者とは青色申告又は白色申告を行う納税者と生計を一にする配偶者や15歳以上の親族で年間6ヶ月以上、納税者が営む事業に従事している人のことを指します。

そして納税者はこれらの人に給与を支払った場合は扶養控除を受けることができなくなります。青色申告者の事業専従者の場合は「青色専業専従者給与」として必要経費として計上でき、白色申告者の事業専従者には「事業専従者控除」が適用されるからです。

つまり納税者から給与を受け取った場合は、他の制度で節税ができるため、扶養控除の対象にはならないということです。ちなみに青色申告者の専従者給与は給与額がそのまま経費となるため、支給額が年間で38万円以下の場合は扶養控除のほうがお得になります。

扶養親族の年齢と控除額

扶養親族の年齢と控除額

扶養親族と呼ばれるには年齢なども関係してきます。また扶養控除の金額も年齢によって異なってくるため、納税者は各区分で定められた控除額をしっかりと把握しておきましょう。

一般の控除対象扶養親族

一般の控除対象扶養親族とは扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上の人のことを指します。つまり子どもが中学を卒業してアルバイトやパートを開始することができる年齢に達していれば、控除対象扶養親族とみなされることになります。控除対象扶養親族に該当する親族がいる場合の控除額は38万円となります。

特定扶養親族

特定扶養親族はその年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人が該当します。この年代はちょうど高校を卒業して大学入学、そして卒業までの期間となります。大学生は基本的に学費などでお金がかかり、親の経済的負担も大きいです。

この負担を軽減するために特定扶養親族と呼ばれる区分が設定されています。特定扶養親族は一般の控除対象扶養親族よりも控除額が大きく63万円となっています。こうしてみると19歳以上23歳未満の子どもがいる家庭の税負担は大きく軽減できることがわかります。

ちなみにこの特定扶養親族ですが大学生か否かは関係ありません。あくまでも19歳以上23歳未満であれば特定扶養親族の対象となります。したがって社会人でも年間の所得合計が38万円以下であれば、納税者は63万円の控除が適用されます。逆に大学生でも浪人や留年などの関係で23歳以上になると、この控除は受けられなくなります。

老人扶養親族 (同居老親等以外の者)

老人扶養親族 (同居老親等以外の者)

老人扶養親族とはその年の12月31日現在の年齢が70歳以上の人のことを指します。また老人扶養親族には2つの区分がありますが、こちらは同居をしていない70歳以上の方がいる場合に受けられる控除となります。

同居をしていない老人扶養親族がいる場合は48万円の控除を受けることが可能です。ちなみに70歳以上の方は年金を受給して生活していることがほとんどです。この年金収入額から控除額を差し引いた所得金額が38万円を超えてしまうと扶養控除の対象から外れてしまうので注意しておきましょう。

70歳以上の方の場合は基礎控除38万円と公的年金控除の120万円が適用されます。したがって年間に受給している年金収入が158万円以下の場合は所得金額が38万円以下となるので、扶養控除の適用を受けることが可能です。自分の親や祖父母を扶養に入れる場合は、この年金収入で引っ掛かる場合がありますので、時間がある時にチェックをしておくとよいでしょう。

老人扶養親族 (同居老親等)

老人扶養親族 (同居老親等)は同居をしている70歳以上の人のことを指します。一般的には自分の親や祖父母と一緒に暮らしている家庭が当てはまるのではないでしょうか。前述の同居をしていない70歳以上の方が該当する老人扶養親族との違いは控除額です。

同居をしていない場合の控除額は48万円でしたが、同居をしているケースでは控除額が58万円となります。つまり一緒に暮らして生活した場合のほうが納める税金額を安くできるということです。

ただし前述のように同居をしていても年金所得が合計で38万円を超えると扶養控除を受けられなくなるので、この点は注意しておきましょう。ちなみに「同居」に関してですが、中には病気の治療のために1年、2年も病院に入院しているという方もいます。

このようなケースの場合は「同居に入るの?」という疑問を持つ方も少なくありません。結論からいうとこのような長期入院のケースでも同居とみなしてくれるので控除額も58万円で変わることはありません。ただしこれが入院などではなく、老人ホームなどに入居しているとそこが居所となるため、この場合は同居とみなすのは難しいでしょう。

扶養控除は生活の負担を軽減してくれるので積極的に活用しよう

扶養控除の対象となる人の範囲や控除額の種類は多くあります。年齢や同居の有無などによって控除額も変わってくるため、節税を目指す方は対象親族の区分などをしっかりと把握しておきましょう。

基本的に扶養控除は守る人がいる納税者のために存在する制度です。そのため、扶養控除に対する理解をしっかりと深めて、積極的に活用していきましょう。生活の負担を少しでも軽くしたいという方はぜひ参考にしてください。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。