京都ってどのようなところ?京都府の文化・食べ物・祭り・府名の由来などを紹介!

京都ってどのようなところ?京都府の文化・食べ物・祭り・府名の由来などを紹介!

47都道府県を順にご紹介するシリーズ、今回は「京都府」です。2000以上の神社仏閣を有し、世界文化遺産は17スポット。千年の都・京都は見どころが多いため、1年を通して多くの観光客や修学旅行生でにぎわいます。文化や食べ物、建築物から「和」を感じられる京都の魅力をお伝えいたします。

京都府とは

はじめに、京都府の基本情報をご紹介いたします。

位置と県庁所在地

京都府は本州の中央付近にあり、統計約134〜136°、北緯34〜35°に位置します。面積は4612.20㎢で、15市10町1村からなり(令和元年10月1日現在)、日本海に接する丹後半島から奈良県・滋賀県・三重県に接する南山城市まで、北西〜南東方向に細長い地形です。

県庁所在地は政令指定都市の京都市です。京都府の人口2,578,087人(令和2年10月1日国政調査)のうち、京都市の人口は1,463,723人なので半数以上を占めます。

京都市内には賀茂別雷神社(上賀茂神社)、賀茂御祖神社(下鴨神社)、清水寺、醍醐寺など世界文化遺産も多く、1年を通して多くの観光客が訪れます。

府名の由来

「京」とは皇居のある土地を表し、「都」には人が多く集まる場所という意味があることから、平安京の繁栄を願って「京都」と呼ばれるようになったといわれています。固有名詞の京都ですが、中国では「京都」や「京師(けいし)」といった言葉とともに、かつて「都」を表す普通名詞でした。京都という名前が固有名詞になったのは、平安時代後期の院政時代からといわれています。

京都府の文化

京都府の文化

京都府に伝わる文化のうち、主なものをご紹介いたします。

茶道

豊臣秀吉に仕えた千利休によって大成された茶道は、その後さまざまな流派に分かれていきましたが、利休の子孫である表千家・裏千家・武者小路千家の三千家や、利休の弟弟子がはじめた薮内家はいずれも京都に本拠地を置き、「和敬静寂(わけいせいじゃく)」の精神を脈々と今に伝えています。

西陣織

西陣織とは京都の西陣で作る先染めの織物のことで、多品種少量生産が特徴です。「綴(つづれ)」「経錦(たてにしき)」「緞子(どんす)」など12の品種があります。多彩な色糸をさまざまな技法で織って文様を作るため、完成までに多数の工程があり、それぞれの専門家によって分業されています。

「牛若丸」(うた)

「京の五条の橋の上、大の大人の弁慶は長い薙刀ふりあげて、牛若めがけて切り掛かる…」で始まる童謡「牛若丸」の舞台になっているのは、京都市内の鴨川に架けられた五条大橋です。乱暴者の武蔵坊弁慶は、毎晩五条橋の上に現れ、通行人の刀を奪っていました。1000本まであと1本というときに出会ったのが笛を吹きながら通りかかった牛若丸です。弁慶は襲いかかりますが、牛若丸は軽やかに欄干を飛び交い、最後は弁慶を降参させてしまいました。

五条大橋の西詰には、牛若丸と弁慶の石像が建てられています。

京都府の食文化・有名な食べ物

京都府の食文化・有名な食べ物

続いて、京都府の主な食文化をご紹介いたします。

おばんざい

おばんざいとは、京都の日常的な家庭料理のことで、食材を無駄なく使い切るように工夫した京都の食文化です。旬の野菜などを使い、煮物や和え物など出汁を基本にシンプルで飽きのこない優しい味付けになっています。

京野菜

京都は千年余りの間、都として栄えたため、全国から宮廷や社寺に優れた献上品が集まりました。野菜もその1つで、京都の肥沃な土壌や豊かな水源、また農家の高い栽培技術によって改良されていきました。京野菜には一般の野菜にはない独特の味・香り・彩りがあり、健康に役だつ機能成分も豊富に含まれることが明らかになっています。

京野菜の中でも京のブランド産品として認証されている主な野菜をご紹介いたします。

  • 京みず菜(1年中)
  • 加茂なす(5月上旬〜10月下旬)
  • 伏見とうがらし(5月上旬〜10月下旬)
  • 万願寺甘とう<万願寺とうがらし>(5月下旬〜10月下旬)
  • えびいも(10月下旬〜2月下旬)
  • 九条ねぎ(1年中)
  • 鹿ヶ谷かぼちゃ(7月中旬〜8月上旬)
  • 堀川ごぼう(11月上旬〜12月下旬)
  • 聖護院だいこん(11月中旬〜2月下旬)
  • 金時にんじん(11月上旬〜1月下旬)

湯豆腐

湯豆腐は京都の南禅寺周辺が発祥といわれ、門前には湯豆腐専門店が立ち並んでいます。もともとはお坊さんの精進料理でした。当時の湯豆腐は今のような昆布だしで茹でて食べるものではなく、焼き豆腐を煮たものだったそうです。京都の豆腐が格別においしいといわれる理由は、良質な地下水や湧水がまろやかな軟水なため、風味がよく上品な豆腐を作れるからです。

にしんそば

にしんそばは、「松葉」の2代目松野与三吉さんが1882年(明治15年)に発案したといわれています。物流の少ない時代、四方を山に囲まれた京都の町衆は「にしん」や「たら」などの干魚類をタンパク源として常食していました。2代目松野与三吉さんが保存食の「身欠きにしん(にしんの干物)」とそばの組み合わせに成功し、栄養バランスのとれたにしんそばが誕生したのです。にしんそばの具は、骨までやわらかくなるように煮含めたにしんの甘露味のみです。

鯖寿司

冷蔵技術が発達していなかった時代、サバは鮮度が落ちるのが早いため、長く楽しめるように塩漬けなどの工夫がされていました。若狭湾から京都まで「鯖街道」と呼ばれるルートを通ってサバを運ぶと2日〜3日かかり、ちょうどよい塩加減になったそうです。その塩漬けにしたサバで「鯖寿司」が作られ、庶民の間でも青魚を楽しめるようになったといわれています。現在は冷蔵技術が発達しましたが、鯖寿司はハレの日のごちそうとして食べられ、京都の三大祭りや府内各地の秋祭りでも鯖寿司を食べる風習があります。

京都府の伝統行事・祭り

京都府の伝統行事・祭り

京都府に伝わる主な伝統行事や祭りは、次の通りです。

葵祭(あおいまつり)

京都には三大祭りがあり、その中の1つが毎年5月15日に行われる「葵祭」です。賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭で、約1500年前に始まったとされています。5月初旬から「競馬足汰式」「流鏑馬神事」「斎王代女人列御禊神事」など前儀といわれるさまざまな儀式が開催されます。ハイライトは5月15日の「路頭の儀」です。平安貴族の装束を身に纏った500余名が約8kmの距離を練り歩きます。御所車と呼ばれる牛車や、大きな傘に牡丹や杜若(かきつばた)などの花を飾りつけた風流傘なども目を引き、まるでタイムスリップしたかのような平安絵巻が楽しめます。

祇園祭

京都の三大祭りの1つで、日本三大祭にも数えられるのが「祇園祭」です。八坂神社の祭礼で、「コンチキチン」の祇園囃子とともに7月1日〜31日の1ヶ月に渡って行われます。祇園祭の由来は平安時代前期の869年(貞観11年)、京で流行した疫病を抑えるため、広大な庭園の神泉苑に当時の国の数にあたる66本の鉾を立て、八坂神社の御輿を迎えて疫病退散を祈願したのが始まりとされています。

祇園祭のハイライトは7月17日(前祭)、と24日(後祭)に行われる34基の山鉾巡行です。また、駒形提灯に灯りが灯り、山や鉾を鑑賞できる宵山(前祭:7月14日〜16日/後祭:7月21日〜23日)は多くの人でにぎわいます。

時代祭

京都三大祭りの3つめは「時代祭」です。平安遷都1100年を記念して1825年(明治28年)に始まった平安神宮の大祭で、毎年10月22に行われます。時代祭では、2000人の市民が織田信長や紫式部など歴史上の人物に扮して京の街を練り歩きます。衣装やヘアスタイル、祭具などは正確に復元され、白川女(しらかわめ)・大原女(おはらめ)・桂女(かつらめ)など、市井で活躍した女性たちも登場します。維新勤王隊から延暦時代まで、都の1000年を約2時間で振り返る時代風俗行列が見どころです。

京都五山送り火

毎年8月16日に行われる「京都五山送り火」は、お盆の精霊を送る京都の伝統行事です。まず東山に「大」の字が点り、続いて松ケ崎に「妙」「法」、西賀茂に「舟形」、大北山に「左大文字」、嵯峨に「鳥居形」が点ります。

京都府の建築物・遺産

京都府の建築物・遺産【提供】(公社)京都府観光連盟

京都府の主な建築物や遺産は次のとおりです。

伊根の舟屋郡

「日本のヴェネツィア」といわれる伊根町は丹後半島の北東部に位置し、2005年(平成17年)に漁村では全国初となる「重要伝統的建造物分保存地区」に選定されています。伊根町は、井根湾を囲むように海辺ぎりぎりに立ち並ぶ約230軒の舟屋が有名です。舟屋とは、1階が船の格納庫、2階は住居となった建築物で、まるで家が海に浮いているように見える美しい景観が魅力です。

住所:京都府与謝郡伊根町字平田491(伊根町観光協会)
公式ホームページ:https://www.ine-kankou.jp/funaya

美山かやぶきの里

90%が森林に覆われている美山町の真ん中あたりに「美山かやぶきの里」があります。美山かやぶきの里は39軒のかやぶき屋根が立ち並ぶ静かな里で、日本の原風景が広がる人気の観光スポットです。とくに冬はかやぶき屋根に降り積もった雪景色が美しく、雪灯廊や雪まつりなどのイベントも行われるため、人気のシーズンです。

住所:京都府南丹市美山町北
公式ホームページ:https://kayabukinosato.jp

宇治上神社

宇治市の「宇治上神社」は世界文化遺産に登録されています。国宝の本殿は日本最古の神社建築です。拝殿には、鎌倉時代前期に伐採された桧が使用され、宇治離宮の遺構といわれる寝殿造り風の住宅建築です。一方、本殿は平安時代後期に伐採された木材が使われ、一間社流造りの三殿から成り立っています。

住所:宇治市宇治山田59
公式ホームページ:https://ujikamijinja.amebaownd.com

伏見稲荷大社

伏見稲荷大社は全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮です。創建は平安遷都より古い711年で、2011年に御鎮座1300年を迎えました。五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、諸願成就の神として信仰されています。見どころは圧巻の千本鳥居で、独特の神秘的な雰囲気が漂っています。

住所:京都市伏見区深草薮之内町68番地
公式ホームページ:http://inari.jp

府民の日はある?

都道府県の多くは「県民の日」を制定していますが、京都府は「府民の日」を制定していません。その代わり、昭和63年の京都国体を盛り上げるために設立された「府民運動推進協議会」が毎月23日を「歩民デー」と定めました。歩く健康づくりの普及、啓発に努めていましたが、現在では実施されていません。ふ(2)みん(3)の語呂合わせで23日になったようです。

まとめ

今回は、京都府の概要や文化、有名な食べ物、祭り、建築物や遺産などについてご紹介いたしました。京都府の世界文化遺産は京都市や宇治市に集中していますが、伊根町や美山町などのように日本の原風景が心を癒してくれるエリアもあります。

京都には有名な観光スポットが多いので、何度訪れてもまた行きたくなるでしょう。京都市内にはレンタル着物店も多いので、着物に着替えて京都の街を散策してはいかがでしょうか。

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