ヒラタキクイムシが発生する原因とは?ヒラタキクイムシの予防と駆除について

ヒラタキクイムシが発生する原因とは?ヒラタキクイムシの予防と駆除について

室内のフローリングに突如として小さな穴を発見したことはありませんか?あるとすれば、それはヒラタキクイムシの仕業である可能性が高いと言えます。

ヒラタキクイムシは、フローリングなどの木材を食べて育つ「家屋害虫」です(人を噛んだり刺したりすることはありません)。特に春から夏にかけてフローリング表面に木材の粉が現れることがありますが、これはヒラタキクイムシが存在するというサインかも知れません。

ヒラタキクイムシは木材の中に卵を産みつけ、その中で幼虫、蛹の期間を経て、成虫となって穴を開けて出てくるため、新築の家では住みはじめから数年の間に被害にあうという、なんともやっかいな存在なのです。

今回はこのヒラタキクイムシの生態から予防・駆除方法まで解説していきます。

生態と特徴

生態と特徴

ヒラタキクイムシは節足動物、昆虫網、コウチュウ目、ヒラタキクイムシ科に属します。

木材を食べるという被害から「家屋害虫」のほかにも、「建材害虫」や「家具害虫」、「文化財害虫」などといった独特な括りで呼ばれています。木を食うキクイムシの中でも、平たい体をしていることからこの名がついたと言われています。

そんなヒラタキクイムシの生態は、「卵→幼虫→蛹→成虫」の一世代一年。続いては、成長段階におけるそれぞれの特徴を見ていきます。

卵は乾燥した木片の導管や師管に産卵管を差し込んで卵を産みつけられ、直径約0.2mm、長さ約1mmの白色の楕円形をしています。一匹の成虫が産む卵の数は1回に約1~4個。一生のうちにおよそ70個の卵を産みつけます。

幼虫

卵は10~20日で幼虫に。幼虫期間が最も長く、約10ヵ月間もの間、木材の内部を食い荒らして育ちます

暖かい室内では幼虫のまま越冬し、約10ヵ月後に蛹になります。8~20日で成虫となり、羽化後2日ほどで、穴を開けて外に出てきます。

成虫

成虫のヒラタキクイムシは、赤褐色から暗褐色をした、体長3~8mmほどの細長い甲虫。顎(あご)が強く、木材を食べるといった被害をおよぼします。成虫になってからの寿命は3~5週間程度。この間に交尾・産卵を行います。

発生時期

成虫になったヒラタキクイムシの発生時期は4~8月。自然環境下では特に5~6月に多く発生しますが、暖房がきいた暖かい室内では幼虫の生育も早く2~3月に発生するケースも見受けられます。

成虫となって木材の外に出る際、ヒラタキクイムシは画びょうで刺した穴よりも小さな穴を開けて出てきます。穴自体はとても小さく気づきにくいですが、脱出の際、同時に木粉や糞を穴から排出するため、脱出口には白っぽい粉が小高く盛られ、それによって被害に気付くことがほとんどです。

木材から出て、活動する期間(寿命)は3~5週間程度。この間に交尾・産卵を行います。成虫は夜行性で、日中は日光を避け木材の裂け目に潜伏したり、出てきた穴に再度侵入するなどして身を潜めます。

生息場所

ヒラタキクイムシは日本全国に分布しています。なかでもヒラタキクイムシは本州以南に広く生息。北海道などの北日本には「ナラヒラタキクイムシ」が多く生息しています。また、ヒラタキクイムシより高温の環境を好み、西日本を中心に東海地域まで拡大する外来種の「アフリカヒラタキクイムシ」は、生活環境への適応力に優れ日中に飛翔。繁殖能力が高く、年に数回発生するとてもやっかいな存在。

関西で発生している「アメリカヒラタキクイムシ」も、最近になって国内に侵入したものと思われる外来種です。

ヒラタキクイムシの被害

ヒラタキクイムシの被害

成虫になって木材の外で活動し始めたヒラタキクイムシは、木材の食害以外にどんな被害をもたらすのでしょうか。ここでは、ヒラタキクイムシの被害について見ていきます。

床や家具などの被害

家屋害虫と呼ばれる通り、ヒラタキクイムシは家の中で使用されているさまざまな木材に被害をもたらします。特に被害が多いのが床のフローリング材。その他、木製の家具、屋根裏に使用されている木材などが食害にあいます。

食害される木材

交尾を終えた雌は、材表面をかじり、その木材が幼虫の発育に適した環境かどうかを確かめたのち、産卵管を木材の導管に挿入し産卵します。幼虫の発育には、でんぷんの含有量が3%以上、水分を12~15%含んだ辺材(木の外側に近い部分)部が適していて、ヒラタキクイムシが好んで食害する木材は、ラワン、ナラ、ケヤキ、シオジ、タモ、キリなど広葉樹の乾材。木材の中の水分が多すぎると生存することができません。

でんぷん質があるのは辺材部で、心材にはないため心材部分の食害はなく、木造住宅の柱や梁に使用されるスギやヒノキなどの針葉樹は、卵を産みつける導管がないため、食害されません。

なお、辺材部にはでんぷんの他にタンパク質や糖類などの栄養分が含まれていますが、これらの栄養分は時間とともに変質するため古材は食害されにくく、住居においては新築から2年以内の被害発生が全体の80~85%という報告もあるようです。

家の中での発生場所

フローリングや壁、押し入れ、屋根裏、家具など、家の中でヒラタキクイムシが見つかる場所はさまざまです。

ヒラタキクイムシには翅(はね)があり、夜になると室内を飛び回るものの、飛距離はわずか。そのため、家の中で発生する場合、家の中で使用されている木材(ラワン、ナラ、ケヤキ、シオジ、タモ、キリ)にあらかじめ棲んでいたケースや、さまざまな木製品や竹製品などの持ち込みによって発生するケースがほとんどです。

ヒラタキクイムシはもともと竹材を食害する害虫でしたが、ラワン材が日本で普及し始めたことで、ラワン材への被害が多くなったと言われています。

フローリングの場合、製造工程において高温高圧処理されるため卵や幼虫は死滅します。そのため、フローリングから発生するヒラタキクイムシは、こうした周りの材料から発生したり、施工後に卵を産みつけられ、翌年に成虫が発生するケースが多く見られます。

木を食べるのは幼虫だけ

ヒラタキクイムシは辺材部で育つ幼虫の栄養源として広葉樹の辺材を食害します。木を食べるのは幼虫の時期のみで成虫になると木は食べません。10ヵ月以上、幼虫が辺材部を食べるため、木材の中は空洞化が進みます。

木造住宅の柱や梁に使用されるスギやヒノキなどの針葉樹は食害しないため、住居の耐震性に影響を与えることはありません。

人体への被害

人を刺したり咬んだりすることはなく、人体に直接影響がないヒラタキクイムシですが、穴を開けて出てくるその存在は不快であり、精神的苦痛を感じる人も少なくありません。

ヒラタキクイムシの駆除・予防方法

ヒラタキクイムシの駆除・予防方法

フローリングの表面に小さな穴を発見したり、ヒラタキクイムシの被害が発生したら、早急に駆除するようにしましょう。

駆除方法

応急処置としては、ヒラタキクイムシが空けた小さな穴に、殺虫剤を専用のノズルで注入する方法が一般的です。虫穴がいくつもある場合はすべての穴に殺虫剤を注入します。虫穴は木片などで塞いで侵入経路を塞いでおくようにしましょう。

虫穴以外にも、その周辺にある幅木の下や接合部などの隙間部分にも殺虫剤を噴霧してください。時間をおいて数回行うとさらに効果的です。

殺虫剤を噴霧する際は、室内の換気に十分注意してください。ご使用前には必ず殺虫剤に記載されている取扱説明書をよく読み、噴霧後もしばらく換気を行うようにします。

予防方法

  • ヒラタキクイムシが好まない木材を選ぶ

床材や壁材などに使用する際、防虫処理が施された木材を使用することで、ヒラタキクイムシの食害を予防できます。また、スギやヒノキなどの針葉樹は辺材部には導管やでんぷんなどの栄養分がないことから産卵される心配がないため、こうした木材を使用するのもひとつの方策と言えます。

  • 床や壁などに防腐剤を塗布する

すでに建築済みの住居の場合、フローリングや壁などの木材の表面に防腐剤を塗布することで、食害を予防できます。防腐剤の他にも、ニスや塗料を塗ることも有効です。継続的に行うことで効果も高まります。

  • 殺虫剤を使用する

ヒラタキクイムシの発生予防には、殺虫剤の噴射が有効です。あらかじめ床材の表面に殺虫剤を噴射しておくことで、雌の産卵を防止することができます。駆除を行った場合、その穴に噴射しておくことをおすすめします。

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約6mmまで届くジェット噴射ノズルは、床下換気口用すきまノズル付きだから、逆さにしても噴霧できるので床下もラクに処理できます。

まとめ

まとめ

ヒラタキクイムシの被害については、人体への影響がない上に、穴も小さく常生活の中でなかなか気づきにくいものです。ですが、そのまま放置しておくと毎年発生し、木材の内部に卵を産みつけるため、毎年被害を繰り返すことになります。

床や壁が穴だらけになってしまったり、大切にしている家具に穴が開いてしまったり残念な見た目になってしまいます。家の中で、小さな穴を見つけたら、ヒラタキクイムシの存在を疑い、駆除や予防を行うようにしましょう。

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