広島県で取れる海の幸は?おすすめの海鮮グルメを紹介

広島県で取れる海の幸は?おすすめの海鮮グルメを紹介

瀬戸内海の西部に位置する広島湾では、さまざまな海の幸が獲れます。広島県を訪れた際は、新鮮でおいしい海鮮グルメを堪能したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、広島県で獲れる海の幸を種類別にご紹介します。また「広島湾七大海の幸」や広島の海鮮グルメについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

広島県で獲れる海の幸【魚類】

まずは広島県で獲れる海の幸の中から、主な魚類をご紹介します。

マダイ

マダイ

縁起の良い魚の代表的存在であるマダイ(真鯛)は春が旬です。3月~4月の産卵前は「桜鯛」とも呼ばれます。広島県では一本釣り漁や呉市豊浜町のアビ漁、鞆の鯛網など伝統的な漁法が伝えられています。江戸時代に始まったとされる福山市鞆の浦の「鯛しばり網漁法」は、福山市の無形民俗文化財に指定されています。

鞆の浦は鯛めしが名物です。また、ゆでたそうめんを大皿に盛り、その上に鯛の姿煮を添える「鯛めん」もしくは「鯛そうめん」は、尾道市や廿日市市など瀬戸内海沿岸地域の郷土料理になっています。

カタクチイワシ(コイワシ)

広島県でカタクチイワシは「コイワシ(小イワシ)」と呼ばれており、県の漁獲量の約60〜70%を占めるといわれています。毎年6月10日にイワシ漁が解禁されます。カタクチイワシといえば、通常はいりこやちりめんなどのような加工品が一般的です。しかし、広島県では刺身や天ぷらで食べる食文化が根付いています。

カタクチイワシは傷みやすいため、刺身で食べるには鮮度が重要です。広島県は漁場に近く6月~8月の間は朝に獲れた新鮮なものが即流通するため、刺身で食べられます。カタクチイワシは繰り返し流水で洗うことによってうろこや特有の臭みが取れ、身が引き締まり「7回洗えば鯛の味」といわれています。

メバル

メバル

春が旬のメバルは「春告げ魚」とも呼ばれます。丸く大きな目が張り出して見えることが名前の由来です。メバルはこれまで1種類と考えられていましたが、近年になって「アカメバル」「クロメバル」「シロメバル」の3種類に分類されました。

広島湾ではカキ筏の下がメバルのすみかになっているため、カキに付着する豊富な餌生物を食べて育ち、脂がのっておいしいと評判です。主に煮付けや唐揚げなどで食べられます。

クロダイ(チヌ)

広島県は日本有数のクロダイの産地で、主に広島市、呉市、江田島市、尾道市などの広島湾周辺で漁獲されます。クロダイは広島で「チヌ」と呼ばれています。名前の由来には悪い血を抜くからという説があるため、広島では産後3日以内の母親にチヌを食べさせるのが習慣です。

広島湾は島の岩場やカキ筏があるため、クロダイが生息しやすい環境です。また、広島湾のクロダイは筏のカキに付着する餌生物を豊富に食べて育ちます。特に、「寒チヌ」と呼ばれる冬場のクロダイは脂がのっています。

オニオコゼ

オニオコゼは怖そうな顔をした魚で、背びれには毒針を持っていますが、見た目とは裏腹に上品な味わいの白身魚です。薄造りはフグに匹敵するおいしさの高級魚です。広島市では平成17年よりオニオコゼの放流を始め、最近では漁獲量が増えたこともあり、広島を代表する海の幸となっています。旬は4月~5月頃で、広島市中央卸売市場はオニオコゼの取扱量日本一です。

アナゴ

アナゴは広島県を代表する海の幸で、旬は夏と冬の2回です。広島湾のカキ筏の下で獲れたアナゴは豊富な餌を食べて育ち、脂がのり、おなかの色が黄色味を帯びた「黄金アナゴ」と呼ばれます。広島県のアナゴは、廿日市市の「穴子めし」が有名ですが、地元の料理店では刺身で提供してくれるところもあります。

スズキ

成長とともに「セイゴ」「ハネ」「スズキ」と名前が変わる出世魚で、60cm以上の成魚が「スズキ」と呼ばれます。広島県で漁獲されるスズキは、梅雨にカタクチイワシを食べて育つのでおいしいといわれています。旬は7月~8月頃です。

広島県で獲れる海の幸【貝類】

続いて、広島県で獲れる海の幸の中から貝類をご紹介します。

カキ

カキ

広島県の海の幸を代表するカキは、生産量が全国1位で、全国総生産量の約6割を占めています。広島のカキの特徴は、殻が小さめで身はぷりっと大きく濃厚な味わいです。10月〜5月頃まで生産されていますが12月〜2月の寒い時期に旬を迎えます。

カキは「海のミルク」といわれるほど栄養価が高く、ビタミン群や亜鉛などのミネラルが豊富です。疲労回復に効果があるといわれるタウリンも豊富に含んでいます。

アサリ

アサリは全国的に漁獲量が減少傾向です。しかし、広島県では干潟を耕したり、エイなどに食べられないよう網を張ったりすることで、漁獲量が回復しています。餌が豊富な広島湾で育ったアサリは、身がプリプリしていて味が濃厚です。

アサリは春から秋にかけて収穫できますが、特に5月が美味しい時期です。酒蒸しやみそ汁、かき揚げなどさまざまな料理で食べられます。

広島県のアサリは各地でブランド化が進んでおり「大野あさり」は国が地域ブランドを守るために設けたGIに登録されています。

大野あさりの漁場は、廿日市市の本土側と宮島の間の水路である「大野瀬戸」です。宮島の山は保安林で木の伐採ができないため、原始林から流れ出る水が大野瀬戸に流れ込み、植物プランクトンやミネラルなど栄養豊富な漁場をつくっています。大野あさりは栄養豊富な漁場で育っているため、大粒で味が濃いのが特徴です。

広島県の海の幸【その他】

広島県には、魚類や貝類以外にも有名な海の幸があるのでご紹介します。

タコ

三原市は瀬戸内でも有数のマダコの産地で、江戸時代からタコ漁が盛んです。主な漁法はタコつぼ漁です。瀬戸内海随一の多島美と評される三原の海は岩場が多く、タコが好む餌が多く集まるため、肉厚でうまみが濃厚なタコに育ちます。

また、三原の海域は潮の流れが速く、岩場に足をしっかり張り付けなくてはいけないことから足は短くて太く、プリッとした歯ごたえが特徴です。

三原のタコは「三原やっさタコ」としてブランド化されております。三原やっさタコは、独特の歯ごたえが特徴です。ゆでると柔らかいため、地元では新鮮なタコを使った「タコしゃぶ」も楽しめます。そのほかにも、タコ天やタコ刺し、タコ飯などでおいしいタコ料理を味わえます。

広島で獲れる海の幸がおいしい理由

瀬戸内海は四方を陸地で囲まれているため、栄養分を豊富に含んだ川が山から流れ込み、魚の餌となるプランクトンが豊富です。また、潮の干満差が大きいため、強い潮流が発生します。速い潮流を泳ぎ待った魚は身が引き締まっておいしい魚に成長します。

広島湾は日本有数のカキの養殖場です。島々に囲まれて波が穏やかな広島湾では、竹で作った筏を用いてカキを養殖するため、カキ筏の周辺には魚の餌となるエビやゴカイが多く存在します。また、中国山地を源とする太田川から豊かな栄養分が運ばれるため、植物プランクトンが多く存在する環境であることも魚にとって恵まれています。

広島湾七大海の幸とは

広島湾は魚の餌が豊富なため、魚に取って恵まれた環境です。広島湾七大海の幸とは、以下の7種類の魚介類を指します。

  • メバル
  • コイワシ
  • オニオコゼ
  • アサリ
  • クロダイ
  • カキ
  • アナゴ

広島湾の周辺市町(広島市、呉市、江田島市、廿日市市、大竹市、坂町)や市場関係者、漁協が協働してPRし、消費拡大を目指しています。

広島のおすすめ海鮮グルメ

最後に、広島で食べられるおすすめの海鮮グルメをご紹介します。

カタクチイワシの刺身

毎年6月10日にイワシ漁が解禁されるため、広島では6月〜8月の間、新鮮なカタクチイワシの刺身を味わえます。傷みやすいカタクチイワシ(コイワシ)の刺身は、広島県以外ではなかなか食べられません。漁場が近く、新鮮な状態で流通する広島県ならではの海鮮グルメで、おろししょうがと一緒に食べるのが一般的です。

焼き牡蠣

広島県の海の幸を代表するカキ。カキは冬が旬ですが、近年は品種改良によって1年中カキ料理を味わえる店もあります。カキ料理は焼き牡蠣、蒸し牡蠣、生牡蠣、牡蠣フライ、土手鍋などさまざまです。宮島には焼き牡蠣発祥の店があり、食べ歩きができる牡蠣専門店もあります。

殻ごと焼いた焼き牡蠣は、磯の香りを感じながらカキのうまみを味わえます。お好みでレモン汁やポン酢をかけていただきましょう。

穴子めし

穴子めし

宮島名物の穴子めしは、炊き立てのご飯の上にふっくらした穴子の蒲焼が敷き詰められています。世界遺産の厳島神社を訪れた際は、宮島の名物グルメであるあなご飯を味わってみてはいかがでしょうか。

オニオコゼの唐揚げ

オニオコゼを丸ごとカリっと揚げた唐揚げは、広島名物の海鮮グルメです。「鬼のように醜い魚」が名前の由来というオニオコゼは強面ですが、身はふっくらした上品な味わいです。二度揚げしたオニオコゼは骨まで食べられます。

でべら

でべらは「でべらかれい」と呼ばれますが、正式には「たまがんぞうびらめ」の干物です。尾道では江戸時代から食べられている冬の名物グルメです。でべらは骨を木づちでたたいて柔らかくしてからオーブントースターなどで炙り、しょうゆや七味マヨネーズなどをつけて食べます。

まとめ

瀬戸内海に面し、広島湾を有する広島県は海の幸に恵まれています。魚介類が好物の方は、「広島湾七大海の幸」をはじめとした、広島の海鮮グルメを味わいに訪れてみてはいかがでしょうか。広島で海鮮グルメを堪能するなら、旬の時期を把握しておきましょう。たとえば広島でしか刺身で食べられないコイワシの刺身は6月〜8月が旬です。

一方、広島グルメを代表するカキは冬が旬になります。新鮮な魚介類が流通する広島県ならではの海鮮グルメを味わいに、旅行を計画してみてはいかがでしょうか。

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