2021年6月17日 | 虫
【ユスリカの屋外対策】網戸や外壁・車に付くユスリカの駆除方法を解説
夏の夕暮れに群れて飛ぶユスリカとはどんな虫なのでしょうか?みなさんは夏の夕暮れ時、田んぼや河川敷の近くで、群れて飛ぶ小さな虫を見たことはありませんか?複数のQ&Aサイトにも、次のような質問が寄せられています。
- 「夏によく見かける、小さい虫の大群はなんですか?」
自転車などで走っている際、細かい虫の大群の中に入ってしまい髪の毛に虫が付いたり、目や口に虫が入ったりした経験のある方もいるかもしれません。あの小さな虫はなんだろうと気になりますね。
この記事ではユスリカの特徴や習性、屋外のどんな場所で活動しているか、また人への被害や駆除方法について解説します。
小さな虫が群れをつくるユスリカ
かたまりのように、群れをつくって飛ぶ小さな虫はユスリカです。名前に「カ」が入っていますが、人や動物を刺して血を吸う蚊ではありません。双翅(そうし)目ユスリカ科の仲間の昆虫です。幼虫が水の中で呼吸するときに体を揺らす様子から、「ユスリカ」の名があるといわれます。
【参考】世界大百科事典 第2版「ユスリカ」(平凡社)
地域によっては、「頭虫」「脳食い虫」「わいわい虫」と呼ぶこともあるようです。ユスリカについては、ユスリカが発生する原因とは?ユスリカの退治方法と予防対策」で詳しく解説しています。
屋外ではどのようなところにいるのか
蚊柱をつくる
ユスリカは、群れて飛んで「蚊柱」(かばしら)をつくります。夕暮れや夜明けに縦に連なって飛ぶ様子が、まるで蚊の柱のように見えるのでこう呼ばれています。しかし、正しくは蚊ではなく、繁殖期にできるユスリカのオスの群れが蚊柱の正体です。
【参考】「蚊柱」は、“ユスリカ” のメスが結婚相手を見つけるための「お見合い会場」!?(日本気象協会)
俳句で、「蚊柱」は夏の季語になっています。ユスリカが群れをなして飛ぶ様子は、夏らしい自然現象ともいえるでしょう。ほかにも、カゲロウやトビケラ、カワゲラ、クビナガカメムシなども蚊柱をつくることがあります。
【参考】日本大百科全書(ニッポニカ)「蚊柱」(小学館)
街灯や電灯など、灯りに集まる
ユスリカには灯りに導かれる習性があります。夏の夕方や夜、街灯や玄関灯にたくさん集まることがあります。たとえ刺されることがなくても、玄関灯や明かりのもれる窓辺に群らがる様子はいやなものです。朝、窓の網戸やベランダにユスリカの死骸がたくさん落ちて、掃除が大変だという悩みもあるかもしれません。
高いものに集まる
ユスリカは木の枝やその先端など、高いところに集まる習性があります。周りに高いものがないところでは、人の頭上に集まってくることもあります。そういう場合は慌てず、頭を低くしてその場を離れるか、自分の背丈よりも高い木のそばに行くと、ユスリカの群れはそちらに移ります。
ユスリカにはどんな害があるのか
不快・迷惑になることのある害虫
先述のとおり、見た目は蚊に似ていますが、蚊と違って刺すことはなく血を吸うこともありません。ただ、人家の近くにたくさんいると困ることもあり、「不快害虫」「迷惑害虫」のカテゴリーに入れられる場合があります。
住環境上の問題
具体的には、このような問題が考えられます。
- 不快感:自転車で走っているときなどに、目や口に入ることがある
- ふとんや洗濯物の汚れ:ふとんや洗濯物に付いて汚す
- 建物の汚れ:家の外壁や玄関灯、網戸に張り付いて汚す
- 車の汚れ:車体を汚したり、車内に入り込んだりすることがある
- 異物混入:窓などから入り、調理・保存中の食品に紛れ込む
- 吸入性アレルギー:アレルギー性の鼻炎やぜんそくの原因になる
「ビワコムシ」とも呼ばれるユスリカ
水辺で繁殖する
ユスリカは、水中や水辺に産卵します。幼虫はそのまま水辺で育つことから、成虫も田んぼや湖・沼、川などの近くにいます。
滋賀県の琵琶湖や、茨城県の霞ケ浦などでは周期的に大繁殖し、とくに琵琶湖周辺では「ビワコムシ」とも呼ばれるほど増えて、近くの商店や民家を困らせたことがあります。長野県の諏訪湖近くでも多く見かけられ、地元では「スワコムシ」「ウンカ」などと呼ばれています。湖や川以外にも、建物の外をめぐる側溝や道路の水たまりで繁殖することもあります。
【参考】迷惑虫「ビワコムシ」が大量発生、壁や車にびっしり…「メチャきしょい」が、実は環境守る“いい虫”(産経デジタル)
川の汚染を知らせる、実は「よい虫」?
ユスリカは、水汚染指標生物でもあります。河川・湖沼の汚染度を測る目安となる生き物のひとつです。水中で育つ過程で、幼虫が水や泥の有機物を消費するため、ユスリカのどのような種類がどれだけ生息しているかを調べれば、水質を知ることができるからです。
また、ユスリカの幼虫はアカムシ、アカボウフラと呼ばれ、釣り餌や観賞魚のエサにもなっています。
このように、ユスリカはまさしく生態系の一部であって、決して迷惑なだけの存在ではないといえます。とはいえ、建物の外壁に付いて汚したり屋内に入り込んだりするため、人が暮らす環境の近くで繁殖すると不快や迷惑を感じる原因になりやすいわけです。
ユスリカは、殺虫剤を使って駆除することができます。しかし、体や衣類について屋内に入ってしまうことも考えると、忌避効果のある薬剤を使用して、近寄らせないことがより重要といえるでしょう。手の汚れないスプレー式の虫よけが、使いやすくて便利です。
死骸が原因となるアレルギーに注意
ユスリカの死骸は、乾くと粉のようになって周りに散らかりやすくなります。それを吸い込むと、ぜんそくやアレルギー性の鼻炎を引き起こす原因にもなるため、注意が必要です。
【参考】ユスリカ(成虫)(CAPアレルゲン) 略号:i7 (株式会社ビー・エム・エル)
アレルギー体質など外からの刺激に敏感な方は、窓枠や網戸に集まったユスリカの死骸を片づけるときにはマスクをつけることをおすすめします。
繁殖を防ぐ環境づくり
繁殖しやすい場所を減らすために、次のような工夫もあります。
- 庭や玄関などの雑草を取り除き、隠れる場所をなくす
- 側溝や下水溝などを掃除し、家の周りの水たまりをなくす
家の近くに湖や川などがあってユスリカの繁殖に悩んでいる場合は、お住まいの自治体窓口に相談して対処を依頼するのもひとつの方法です。
さまざまなシーンでの虫よけ・殺虫
ユスリカは、水辺だけでなく庭木の陰など薄暗いところにも生息することがあります。また屋内に侵入してくる可能性がありますので、用途に合わせて虫よけ・殺虫剤をご活用ください。
屋外の虫よけ・殺虫対策
庭仕事には、殺虫・忌避効果のある屋外用スプレー剤が役立ちます。フマキラー『カダン お庭の虫キラーダブルジェット』で、危険・不快な虫をシャットアウトしましょう。庭での作業前には、虫の出やすい茂みや地面にさっとスプレー。
あらかじめスプレーしておくことで、危険・不快な虫を避けられるだけでなく、そこに来た虫を退治することも可能。
屋内への侵入を防止する
フマキラーの『虫よけバリア プレミアム 300日』は、超パワフルな吊り下げ型虫よけです。ベランダや軒下に吊り下げておくだけでイヤな虫の侵入を防ぎます。
※虫の侵入を完全に防ぐものではありません。
※強風時、低温時等、使用環境によっては効果が得られない場合があります。
※本品は蚊を対象とした商品ではありません。
屋内の虫よけ対策
家に入り込んでしまったユスリカには、フマキラーの『おすだけベープスプレーハイブリッド』をおすすめします。ユスリカのほかチョウバエやショウジョウバエ、ノミバエなどに効き、飛んでいる虫も止まっている虫も退治できます。
「おすだけ」の名のとおり、室内で1回噴射するだけで薬剤が広がり、24時間(※)効果が続きます。噴射されて床や壁面に付着した薬剤が、再蒸散して効き目を発揮。壁や床に付着した薬剤もそこからさらに広がり、16畳のような広い部屋でも効果は持続します。使いはじめには部屋の窓やドアを閉め、2~3時間ほど閉め切った状態にしておくとより効果的です。誤噴射防止ロックもついているので、小さなお子さんのいるご家庭でも安心して使用できます。
※ユスリカ・チョウバエに対する駆除効果
まとめ
今回は、家の網戸や外壁に集まる小さな虫「ユスリカ」について、その生態や特徴、近寄らせないための対策をご紹介いたしました。
ユスリカは、人を刺すことはありませんが、家の近くや庭で繁殖すると不快な虫です。家の周りの雑草を取り除き、水たまりをなくすなど、集まりにくくなる工夫をしましょう。また、庭・玄関・窓・屋内など場所に合わせた虫よけ剤、殺虫剤を活用しましょう。