ゴキブリが発生する原因とは?習性を知って対策しよう

ゴキブリが発生する原因とは?習性を知って対策しよう

害虫の中でも身近な存在であるゴキブリですが、その発生原因は意外と知られていません。どこからやってきて、どのように増えるのか知ることで、ゴキブリが湧かないように対策を採ることができます。目からうろこのゴキブリの生態や習性をご紹介します!

ゴキブリは優秀な生命体

ゴキブリは化石の発見により、少なくとも今よりおよそ3億4000万年前には存在していたことが分かっています。しかし、古代のゴキブリは現生のゴキブリと見かけは似ていても、体の構造は少し違っていました。

ゴキブリが人類の居住空間に住み着くようになったのは、約200万年前だと言われています。北京原人の住まいに住み着くようになり、それ以来、人類同様地球上の至る所で見られるようになりました。

ゴキブリの体のつくり

私たちにとって身近であるのにもかかわらず、謎の多いゴキブリですが、体のつくりはどうなっているのでしょう。ゴキブリをはじめ、全ての昆虫は骨格を体外にまとっています。この殻はキチン質という極めて軽い性質です。

体は頭部、胸部、腹部の3つの部分から成り立っています。脚は胸部に付いていて、呼吸器官は胸部と腹部に付いています。腹部の両側の小さな穴から呼吸をするのは地球上でゴキブリやその仲間の昆虫だけです。(2022年7月に一部内容を修正いたしました)

ゴキブリはシロアリやカマキリといくつかの共通点を持っています。その一つが、卵鞘(らんしょう)と呼ばれる卵を入れておく容器を持っていることです。雌はこの硬い殻に覆われた器官の中に産卵します。それでは、各部分に分けて体の構造を見ていきましょう。

頭部

昆虫に特徴的なことといえば、触角があることではないでしょうか。これは髭のようなものではなく、実は管状をしています。130もの節から成り立っていて、それぞれの節が温度や動き、匂いを感知する器官をもっています。

眼は2種類あります。一つは8角形のレンズを2000個ずつ含んだ複眼で、もう1つは明るさを感知するだけの眼点です。

ゴキブリが物を噛む際は丈夫な歯が生えた大顎を使います。触角や脚の身づくろいをする際は小顎を使います。顎の近くには小さな肢が生えています。これを物に突き刺すことで、食べられるかどうか判断することができます。

胸部

胸部には三対の脚が付いています。これらの脚には、それぞれ2つの関節が付いていて、膝の関節には耳となる膝下器官があります。この器官で他のゴキブリの足音のようなかすかな音まで聞き分けることが出来ます。

翅(はね)は薄く破れやすい後翅を厚い前翅が覆っている構造になっています。

腹部

腹部には8組の気門があり、それらは気管に繋がっています。雄の場合は腹部に3本の鉤爪状の生殖器が付いており、雌の場合は細い穴となっています。

ゴキブリには尾角という尾のような触角が付いています。この尾角によって、危険を察知することができ、有事の際はすぐさま脚に指令が伝わり、逃げられるようになっています。

ゴキブリの心臓は腹部にあり、細い管が無色の血液を体中に送っています。この体液は消化器官から得た栄養素で、体内組織を潤します。老廃物は排泄器官に運ばれていきます。

ゴキブリの体の働き

ゴキブリは昆虫ですので、当然、人とは異なった消化や感覚の機能を持っています。一部似ているのは生理で、雄には精巣、雌には卵巣があり、体内受精を行うということです。そのほか、人には似ても似つかない体の働きはどうなっているのでしょうか。

消化・排泄

ゴキブリは食べ物を口にすると、まずは噛み砕きます。咀嚼された食べ物は唾液と混ざり、食道に流れ、素嚢(そのう)という場所にたどり着きます。この袋状の器官は食べ物の収容量に合わせて自在に膨らみます。

胃の中には歯のような突起があり、ここでさらに食物を細かくします。栄養分を吸収したら、残りは結腸に流れ、腸の中で代謝老廃物と混ざります。最後に直腸で水分が吸収されてできた粒状の糞が、肛門から排出されます。

感覚

ゴキブリは2つの脳を持っています。頭部にある2組の神経球のほかにも、尾角にも神経球が付いているのです。この2つは巨大な神経線維で繋がっていて、普通の神経の10倍の速度で刺激を伝えます。ゴキブリの動きが速い原因はここにあります。

日本に多いゴキブリの種類

日本に多いゴキブリの種類

ゴキブリがいかに小さいながら、無駄のない体の構造を秘めているか分かっていただけたでしょうか。しかし、発生の原因を知って、繁殖を未然に防ぐにはゴキブリの種類も分かっていないといけません。

ゴキブリ目には5つの科があります。ゴキブリ科、ブラベルスゴキブリ科、チャバネゴキブリ科、ムカシゴキブリ科、ヨロイゴキブリ科です。その種類となると、世界中で3500種類を超えます。その中で人家に棲みつくのは、約50種と言われています。

日本で見られるのは50種類以上で、その中にはチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、コワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、モリチャバネゴキブリ、オガサワラゴキブリ、ハイイロゴキブリなどがいます。ここで代表的な種類を紹介します。

【参考】公益社団法人 東京都ペストコントロール協会

チャバネゴキブリ

成虫は明るい茶色で、背中に2本の黒い線が走っているのが特徴です。幼虫は黒っぽい体に1本の線が入っています。雄・雌ともに翅がありますが、飛ぶことは滅多にありません。全国的に見られる種類で、暖かい鉄筋コンクリート造りのビルや工場、飲食店の調理場まで幅広く生存しています。

チャバネゴキブリに「ついては、「【夏場に注意!】チャバネゴキブリが発生する原因とは?チャバネゴキブリの習性を知って対策しよう」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

クロゴキブリ

ワモンゴキブリの親戚にあたり、世界中で見られます。前胸背が大きく、全体的にツヤがあります。どんどん住居に侵入するため、駆除が難しい種類です。関西以西に多く分布する暖地性の種です。幼虫は休眠をするのが特徴です。

クロゴキブリに「ついては、「クロゴキブリが出る原因とは?クロゴキブリの対策と駆除方法について」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

ワモンゴキブリ

アフリカ原産の熱帯亜種で、茶褐色の大型種です。背中には淡黄色のリング状斑点があります。都市の下水設備や住居でよく見られます。日本では沖縄の市街地に多く分布しています。耐寒性が低く、寒いと簡単に死亡します。

ヤマトゴキブリ

全体が黒褐色の大型種です。雄は黒ゴキブリに似るが、細型で全体的にツヤが少なくなっています。雌は翅が短い特徴があります。本州中北部から北海道にかけて見られる種類です。野外で越冬し、屋内にも侵入します。

ゴキブリのしぶとさの秘密

ゴキブリのしぶとさの秘密

生命力があることの比喩で、「ゴキブリ並みのしぶとさ」という表現を耳にしたことはありませんか?ゴキブリは軽く叩いたくらいでは死にませんし、簡単な水泳もできます。そのしぶとさの理由は何なのでしょうか。ここでは、3つ挙げてみます。

理由1 すばしっこい

言うまでもありませんが、ゴキブリの動きは俊敏です。いつも人が丸めた新聞新やスリッパを振り下ろすのを素早くかい潜って、見えないところに走って行ってしまいます。

先述したとおり、ゴキブリの尾角には神経球があります。ここで風圧などを感じると、その情報は人間の瞬きよりも早くゴキブリの脚に伝わります。新聞などで叩き殺そうとしても逃げられてしまうのも納得ですね。

理由2 頭が良い

もしゴキブリに学習能力が無ければ、とうの昔に絶滅してしまっていたでしょう。実際にはゴキブリは昆虫の中では頭のいい部類に該当します。迷路を使った過去の実験では、数回の試行を経ればゴキブリはゴールまでたどり着けることが分かっています。これは既に通った道を記憶しているということの証です。

また、ある行為をすると電気ショックを与えるような仕組みを作ったところ、しばらくするとショックを受けないように気をつけるようになったという実験もあります。ただ、それらの記憶を長い間保持することはできないようです。

理由3 脂肪体

ゴキブリの繁栄の理由の1つが脂肪体です。ゴキブリは腹部の大部分に白い塊を蓄えています。これは脂肪体という組織で、複数の機能を果たしています。その機能とは、タンパク質やグリコーゲン、脂肪などの非常食用途、アミノ酸・ビタミンの生成、エネルギー源用途です。

えさがなくてもそう簡単には死なない原因はこの脂肪体にあります。

ゴキブリの習性

古代から存在する有力な昆虫であるゴキブリは大変しぶといことが分かっていただけたかと思います。そんなゴキブリでも習性があります。習性を知り尽くせば繁殖をコントロールすることができるため、ゴキブリ制圧に一歩近づきます。ゴキブリの習性の一部をご紹介します。

  • 水がなければ生きられない
  • 潤滑油に弱い
  • 昼間は隠れていることが好き
  • 密室空間だと共食いをする
  • 味や香りが付いた物なら紙、木片、革なども食べる

ゴキブリの発生原因は侵入にあり

ゴキブリの発生原因は侵入にあり

全ての害虫と同じく、ゴキブリは無から発生するのではありません。必ずどこかから侵入しています。ゴキブリが湧く原因を知って、対処すれば防除や個体の激減に繋がります。
ゴキブリの侵入経路は次の5つです。

  • 屋内で発生する
  • 飛来して侵入する
  • 這って侵入する
  • 排水設備から侵入する
  • 人為的に移入される

隙間から匂いを嗅ぎつける

クロゴキブリやヤマトゴキブリは屋外で休眠越冬し、初夏から活動を再開し、屋内に侵入します。日中は樹木の中や樹皮の下、枯葉の下、植木鉢の下などに潜伏し、夜になると活動します。扁平な体なので、締めたはずのドアの下の隙間や網戸の隙間などから容易に侵入ができます。

なぜそのような隙間が見つけられるかというと、理由は発達した嗅覚にあります。室内の匂いが原因で、その匂いを隙間から嗅ぎつけ、そこから侵入するのです。夜であれば、明かりに向かって飛来した結果、室内にたどり着くこともあります。

ゴキブリの発生を抑えるには

ゴキブリの発生を抑えるには

ゴキブリは這い、飛ぶことができるだけではありません。少々の水であれば死なないため、トイレの中に潜むこともできます。そのため、ゴキブリを完全にシャットアウトすることは難しいかもしれません。

しかし、よく侵入する場所や発生する場所にベイト(殺虫成分入りの餌)を仕掛けることで、個体の侵入を減らし、繁殖の数を抑えることはできるでしょう。

ゴキブリを繁殖させないためにできること

個体数を増やさないように住居を清潔にし、食物や水、食べ残し、三角コーナーのごみを放置しないことが大事です。また、ごみ箱には蓋をし、匂いをさせないようにします。

ベランダや庭はこまめに掃除をし、落ち葉や枯れ木が地面に積もらないようにします。鉢植えは地面との隙間ができないタイプのものの方が良いでしょう。

人の近くで暮らしているチャバネゴキブリは薬剤への耐性が強い傾向にあります。しかし、大型種は元々野外の虫であるため、殺虫剤の効果は期待できます。ゴキブリに困ったときは、殺虫剤の力を借りてみてはどうでしょうか。

【参考】ゴキブリの生態と防除方法|千葉市

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