【世界中で大量発生!?】バッタの生態や特徴、自然環境への影響とは

【世界中で大量発生!?】バッタの生態や特徴、自然環境への影響とは

子どもの頃、原っぱでトノサマバッタやショウリョウバッタを追いかけ、捕まえたことのある人も多いのではないでしょうか。芝生や草が生えている場所で容易に見つけることのできるバッタは、小さい頃から特に馴染みのある昆虫といえます。

一方で、仲間が増えると体に変化が起こるなど、バッタのユニークな生態についてはあまり知られていないのではないでしょうか。最近ではアフリカやインドでバッタの大量発生による作物への甚大な被害が話題になっていますが、ここにもそのユニークな生態が大きく関係しています。

今回は、バッタの生態や特徴、大切な植物や作物を守る方法、そしてバッタが大量発生する原因や、各国で起こっている甚大な農業被害などについて解説いたします。

バッタの生態や特徴

バッタの生態や特徴

まずはバッタの生態や特徴についてご紹介いたします。

生態

「バッタ」は、バッタ目(直翅目)バッタ亜目に分類される昆虫の総称で、イナゴやコオロギ、キリギリスなどもこの仲間に属します。草を主食とするため、おもに原っぱなどに生息し、夏から秋にかけてその姿を見ることができます。秋に繁殖期を迎え、交尾をした雌は地中に腹部を差し込んで卵塊で産卵。卵の状態で越冬し、初夏に孵化。その後、脱皮を繰り返しながら成長していきます。

バッタは卵から幼虫期を経て成虫となる不完全変態の昆虫で、孵化したときからすでにバッタの形をしています。イナゴやコオロギ、キリギリスなども同様に、幼虫から成虫まで蛹(さなぎ)にならずに成長します。(これに対して、蝶やカブトムシなどのように卵-幼虫-蛹-成虫と成長することを完全変態といいます)

特徴

バッタは、大きく発達した後ろ脚で体長の何十倍もジャンプができ、成虫になると翅(はね)が伸びて飛ぶこともできるようになります。(成虫になっても翅が小さいままで、飛ばない種類もあります)キリギリスやコオロギなども同じバッタ目で一見よく似ています。しかしバッタは触覚が短く、耳は胸部と腹部の間(キリギリスやコオロギの耳は前脚)に一対あり、ほとんどの種類で雌のほうが雄よりも大きいという特徴があります。

日本でよく見るバッタの種類

日本でよく見るバッタの種類

トノサマバッタやショウリョウバッタは知っていても、他の種類は知らないという方も多いのではないでしょうか。日本に生息するバッタの仲間は約150種類といわれています。そのなかから、日本でよく見るバッタをいくつかご紹介します。

トノサマバッタ

大きく立派な体つきをしたバッタで、体長は雄が35~40mm、雌が45~65mmほどです。体は緑色で翅が茶褐色のものや、全体的に茶褐色のものがあります。北海道、本州、四国、九州、沖縄と広く分布。7~11月頃まで原っぱなどで見られ、ススキなどイネ科の植物の葉を好んで食べます。

ショウリョウバッタ

8~11月頃まで原っぱなどでよく見られる細長いバッタです。体長は雄が40~50mm、雌が75~80mmほどで、体は全体的に緑色や茶褐色です。本州、四国、九州、沖縄に分布。飛ぶときにチキチキと音がすることから、チキチキバッタとも呼ばれています。

トゲヒシバッタ

3~11月頃まで、田んぼなどの湿地で見られるバッタです。体長は20mm前後で体は茶褐色、長い翅と白っぽい触覚、胸部側面にトゲがあるのが特徴です。北海道、本州、四国、九州に分布し、水面を泳ぐこともあります。

ヒナバッタ

トノサマバッタを小さくしたような見た目のバッタです。体長は雄が19~23mm、雌が25~30mmほどで、体は全体的に茶褐色です。北海道、本州、四国、九州に分布し、7~12月頃に草原で見られます。乾燥に弱く、草原のなかでも灌木や藪に近い場所に生息しています。

オンブバッタ

姿がショウリョウバッタに似たやや小さめのバッタです。体長は雄が20~25mm、雌が40~42mmほどで、体は全体的に緑色や茶褐色です。北海道、本州、四国、九州、沖縄と広く分布し、8~11月頃まで活動します。ちなみにオンブされているのは雄で、これは雌が雌を独占するための行動といわれています。

よく似ているイナゴとの違いは?

バッタによく似た昆虫にイナゴがいます。特に、コバネイナゴとトノサマバッタは大きさも見た目もよく似ています。バッタはバッタ目バッタ科の、イナゴはバッタ目バッタ亜科イナゴ科の昆虫ですので、分類学的にも似ていて不思議はありません。

それぞれを見分けるポイントは、翅の長さです。コバネイナゴは「コバネ」と名が付くように翅が短く、トノサマバッタはお尻を覆い隠すほど翅が伸びています。また、イナゴは口の下あたりに小さな突起があることや、トノサマバッタの後ろ脚にはオレンジ色が入っていることなども、両者を特徴づける違いです。

バッタの被害について

バッタの被害について

バッタの多くは、ススキや猫じゃらしに代表されるエノコログサなど、イネ科の植物を食害します。イナゴも稲を食い荒らしてしまう害虫としておなじみです。イナゴは食用にされていますが、これはその昔、稲を食害された人たちが大量発生したイナゴを食べるようになったためといわれます。

またオンブバッタは、大葉やバジル、ミントなどのシソ科やキク科の植物を好んで食害します。さらにアブラナ科やマメ科などさまざまな野菜類や、アサガオやキクなどの花きなどにも発生します。

バッタの予防・駆除方法

原っぱでは子どもに大人気のバッタですが、大切に育てている作物の葉を食害されてはたまりません。ここでは、バッタの予防や駆除方法についてご紹介いたします。

見つけ次第捕獲する

ガーデニングなどで大切に育てている植物や作物にバッタを見かけたら、手などで捕獲しましょう。

防虫ネットでガードする

大切な植物や作物に防虫ネットをかけて、バッタの侵入を防ぐ方法です。小さい虫の場合はネットをかけても網をすり抜けて侵入しますが、バッタはある程度の大きさがあるため、ちょうどいい具合にガードできます。虫に触るのが苦手という方や、農薬や殺虫剤を使いたくない場合におすすめです。

殺虫剤を使用する

見つけたらシュッとスプレーするだけでバッタを速攻退治できる、フマキラーの「カダン お庭の虫キラーダブルジェット」もおすすめです。超速効殺虫成分「イミプロトリン」の働きで、バッタをはじめとする虫(100種類以上)を素早く退治。さらにバッタが潜んでいそうな場所にあらかじめスプレーしておけば、住みつきを1カ月間予防できるという優れた効果を発揮します。

植物にかかっても枯れにくいので、庭木や花壇の近くでも安心してお使いいただけます。

アフリカ・中東・インドなどで大量発生する「サバクトビバッタ」

アフリカ・中東・インドなどで大量発生する「サバクトビバッタ」

アフリカやインドで大量発生し、集団で農作物を次々と食い荒らす様子がニュースで報じられているのが「サバクトビバッタ」です。日本のトノサマバッタに似たこのバッタが、なぜ大量発生し、どのような被害をもたらしているのでしょう。そして、日本にもやってくるのでしょうか。昨今注目のバッタの実態について少し触れたいと思います。

大量発生の理由は?

幼虫の時期に、多くの仲間と群れで暮らす「群生相(ぐんせいそう)」で育ったバッタは、翅が伸びて飛翔能力が高くなり、体の色も黒くなります。このように、育つ環境によって体型が変わる現象を「相変異(そうへんい)」といいます。

サバクトビバッタや一部のトノサマバッタが相変異を起こし群生相となると、大きな被害をもたらすようになります。この群れを「ワタリバッタ」ともいい、空に舞う大群が飛行機の進路を妨げることさえあるのです。

アフリカの半砂漠地帯に生息するサバクトビバッタの場合、砂漠が雨季になると、エサとなる草が生えてきます。成虫はお腹を満たして産卵しますが、その後乾季が続くとエサがなくなってしまうので、生まれた幼虫は成虫になるのを待ち、新しいエサ場に旅立ちます。

サバクトビバッタはこうしたサイクルで子孫の繁栄を繰り返しますが、大雨が降るとエサが豊富になるため移動する必要がなくなり、同じ地で何世代か連続して繁殖します。バッタの繁殖力は高いため、同じ地にとどまって繁殖することで爆発的に仲間の数が増えてしまうというわけです。

さらに、仲間が増え群生相となることで、なんと1日に100km以上も飛べる能力を身につけるのです。

被害状況について

バッタは漢字で「飛蝗」や「蝗」と表記します。「蝗害(こうがい)」という言葉は、文字通りトノサマバッタなど相変異を起こすバッタの大量発生による災害のことです。

昔からバッタは、大群で農作物を食い荒らして甚大な被害を与えてきました。今回のサバクトビバッタのケースでは、特に東アフリカで被害が深刻化しています。栽培と収穫を迎えた大切な時期に、ケニアでは7万ヘクタールの農地が被害を受けるなど、過去70年間で最悪レベルの事態に発展しています。隣国のエチオピアやソマリアでも、穀物や家畜用の草などが被害を受けています。2020年1月以降の大量発生による食害で、アフリカ東部ではなんと約2,500万人以上が食糧危機に陥ると予想されています。

サバクトビバッタは、その後東へと移動を続け、東アフリカからサウジアラビア、そこからイラク、イラン、パキスタン、インドへと移動し、各国で農業被害を起こしています。

日本には飛来してくる?

どんどん東へ移動するサバクトビバッタのニュースを聞くたびに、いずれ日本にもやってくるのではないか?と心配している方もいるのではないでしょうか。

専門家の見解では、日本には飛来しないという見方が強いようです。バッタは寒さに強くないため、サバクトビバッタでも1000m以上の山は越えられない、というのがその理由のようです。インドと中国の国境には、ヒマラヤ山脈など7000~8000m級の山が連なる山岳地帯があるため、サバクトビバッタがそこを越えてくるのは現実的ではないという見方です。

とは言え、今後の動向には十分注視していきたいところです。

まとめ

バッタは子どもたちに人気のある反面、農作物などには甚大な被害(食害)をもたらす存在として、昔から害虫扱いされてきました。東アフリカで大量発生し、人々を震撼させているサバクトビバッタですが、どうやら今回は日本にやってくることはなさそうです。

しかし今後の異常気象などによって、日本でもバッタが大量発生するおそれは十分に考えられます。大切な植物や作物がバッタの被害にあわないように、予防と駆除をぜひ実践してみてください。

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