【アリの巣を駆除したい】アリの巣のメカニズムや被害について解説

【アリの巣を駆除したい】アリの巣のメカニズムや被害について解説

子どもの頃、アリの巣に細い枝を突っ込みながら、「アリの巣の中ってどうなっているんだろう?」と思った人は多いのではないでしょうか。さらに、「巣はどこまで広がっているの?」「巣の中には何匹のアリが暮らしているの?」「雨が降ると巣の中はどうなっちゃうの?」など、アリの巣に関する疑問は尽きません。

家のまわりにハチの巣があれば大騒ぎになりますが、アリの巣があっても皆それほど気にかけないでしょう。でも、家のまわりにアリが生息していることで、多少なりとも被害は出ているのです。そこで今回はアリの巣のメカニズムやアリの被害について解説します。

よく見かけるアリは

世界中で確認されているアリの種類は約12,000種と言われており、日本では約280種が確認されています。家のまわりで見かける種類としては、在来種として昔からいる「アミメアリ」「トビイロシワアリ」「オオズアリ」などや、1990年代前半に発見され、日本で広く見られるようになった外来種の「アルゼンチンアリ」などがいます。

アリによる被害とは

シロアリによる被害は深刻な問題として取り上げられますが、アリの被害と聞いてピンとこない人も多いのではないでしょうか。でも、家の中でアリを見かけるとちょっと不快な気持ちになりますよね。ここではアリによる被害について見ていきます。

住宅・食料への被害

住宅・食料への被害

アリの被害で思い浮かぶのは、住宅への侵入や食品への被害ではないでしょうか。窓や玄関から列をなして家のなかに入り込んだアリたち。原因はこぼした砂糖やアイスの食べ残しだったという人もいると思います。出しっぱなしの食品にたかることもあり、アリがたかった食品は食べるのが少しためらわれるという人もいるでしょう。

家の中に入ってくるアリは「イエヒメアリ」や「ルリアリ」というアリの種類。この「ルリアリ」は電化製品の中に入り込んで壊してしまう恐れがあるので、十分ご注意してください。

人体への被害

アリを捕まえたりすると、指を咬んだり攻撃してくることがあるので、好奇心旺盛なお子さんは注意が必要です。また、アリ(蟻)はハチ目・スズメバチ上科・アリ科に属しているため、基本的にはハチと共通の特徴を持っていますが、日本に生息するアリの多くは針を持たず、針を持つ種のアリも針が弱く、刺さないことがほとんどです。

ただし刺されると痛みを伴うアリも存在します。特に「ニセハリアリ」や「トフシアリ」などに刺されるとかなり痛く、また沖縄に生息する「トゲオオハリアリ」はアシナガバチより痛いです。

植物・農作物への被害

アリが直接的に被害をもたらすことはほとんどありませんが、植物や農作物に被害をもたらす害虫であるアブラムシやカイガラムシと共生関係にあります。アリはアブラムシやカイガラムシが分泌する甘露が好物。アリはエサを与えてくれる自分より小さなアブラムシやカイガラムシを土の壁などで隠したりして天敵から守ることで、結果として植物や農作物の被害に関与しています。

また外来種のアルゼンチンアリは、農作物に直接被害をもたらすため、国内農業へも大きな影響を及ぼす危険性があります。

アリの巣について

このように少なからずアリの被害があるとわかると、アリやアリの巣をそのままにしておくわけにはいきません。そこで、まずはアリの巣のメカニズムについて見てみましょう。「広さや深さ」「部屋の仕組み」「雨が降ったときにどうなるか」などアリの巣の疑問について解説します。

アリの巣のメカニズム

アリの巣のメカニズム
(画像はイメージです)

アリの巣は縦穴が通路になっていて、そこから左右に枝分かれするように部屋ができています。「女王アリの部屋」をはじめ「育児室」や「食料を貯めておく部屋」「繁殖室」など、地中にいくつもの部屋があり、それらが互いにトンネルでつながっていて、地表には小さな出入り口があります。アリの巣は働きアリの一群が土の粒を少しずつ運ぶことで形成されていきます。

アリの巣の大きさは

アリの巣の部屋のひとつひとつは小さいものの、左右に広がる小さな部屋が地中深くまで伸びています。世界でいちばん大きなアリの巣は、ブラジルで発見された「ハキリアリ」の巣と言われ、地中8mの深さがあり、その規模はなんと125平方メートル(約75畳分)。このアリの巣を調査するため(巣の型をとるため)に10トンものセメントが流し込まれたそうです。

雨が降っても大丈夫?

縦穴と横穴で構成されたアリの巣は縦穴が通路として地中深くに伸びています。こうした構造のため、雨水が侵入してきても地下深くに流れていき、横穴への被害は少なく済みます。地中にはいくつもの部屋が形成されていますが、雨が降ったときに水がたまるため、重要な部屋は最下層部にはつくりません。

しかも、アリのほとんどが巣をつくるとき水はけのよい場所を選ぶため、雨で巣が水没することはないと言います。スコールや降水量が多い地域に生息するアリは、地中ではなく木の幹の中など地面より高くなっているところに巣をつくります。

雨が降ると巣の入り口をふさぐ

雨が降ると巣の入り口をふさぐ

アリには雨を察知する優れた能力があります。アリは触覚や体毛をセンサーとして気圧や温度の変化を感じ取ることができ、雨を察知すると巣の入り口をふさいでしまいます。アリのこうした行動から、「アリが巣の入り口をふさぐと雨が降る」や「蟻は五日の雨を知る」といったことわざも生まれています。

巣の創設

もともとハチの仲間だったアリは、ハチ同様「女王君主」で、巣の中で産卵できるのは女王アリだけ。産卵しても働きアリしか生まれてきません。しかし、アリの巣が大きくなってくると、女王アリが「羽の生えた新しい女王アリ」と「羽を持つ雄のアリ」を産みます。そして繁殖期になると、新しい女王アリと羽のある雄アリたちがいっせいに巣から飛び立ち、飛びながら交尾(結婚飛行)します。交尾を終えた女王アリは、地上に降り、自ら羽を落として新しい巣をつくる、これを「巣の創設」と言います。

アリの巣がつくられる場所

ほとんどのアリが土の中に巣をつくりますが、それ以外の場所として木の幹の中や、雑草の下、コンクリートの隙間などに巣がつくる種類もいます。

土の中に巣をつくるアリ

日本でいちばんよく見られる大型(体長7~12mm)の「クロオオアリ」や、ひとまわり小さい(体長5mm前後)「クロヤマアリ」、また、山野の日陰で見られる体長4.5~8mmの「アシナガアリ」などは土の中に巣をつくる代表格と言えます。

枯れ木に巣をつくるアリ

日本全国で見られる体長2.5~3.5mmの「トビイロケアリ」や、体長2mmほどの「ルリアリ」、大型の「ムネアカオオアリ」(体長8~12mm)や「ミカドオオアリ」(体長8~11mm)などは枯れ木の中に巣をつくります。「トビイロケアリ」はアブラムシやカイガラムシが分泌する甘露をもらう替わりに、彼らを天敵のテントウムシから守るという共生関係にあります。

民家の壁などに巣をつくるアリ

体長2~3mmほどの「イエヒメアリ」は、家の中に入って人間の食料を食べることがあります。土でなくても巣をつくることができ、民家の壁などにも巣をつくります。

アリの巣を駆除する方法

アリの被害をなくすためにはアリを駆除するとともに、アリの幼虫などが暮らす巣ごと駆除するのが一番です。

殺虫剤でアリの巣を駆除する

アリの巣を突き止めたら、殺虫剤で巣ごとアリを駆除しましょう。

フマキラー 巣のアリ退治 液剤は、アリの巣やアリの行列に直接まくだけの液剤タイプ。巣の仲間同士で触れ合うというアリの習性を研究した「フィプロニル」の連鎖殺虫効果で、やっかいなアリを巣ごと一掃します。植物にかかっても安心の水性タイプですから、庭木や植木鉢のまわりにも手軽に使えます。

その他、アリに効果のある殺虫剤はこちら⇒ フマキラー【殺虫剤】アリ

毒針を持つヒアリにも注意!

毒針を持つヒアリにも注意!

強い毒性を持つ中南米原産の危険なアリとして「特定外来生物」にも指定されている「ヒアリ」。アメリカや中国、台湾などへの定着が確認され、2017年5月以降、国内においても相次いでヒアリ発見の報告がなされています。

ヒアリは毒性が強く、毒針で刺されるとアレルギー反応により死に至ることもあるため、世界各国で大きな問題となっています。

ヒアリの大きさや特徴

体長2.5~6.0mm、全体的に赤茶色で腹部が黒っぽい赤色をしています。巣は土で高さ15~50cm程度のドーム状のアリ塚をつくって暮らします。

生息地など

米国などの生息地では、道路わき、牧草地、芝生、造成地などにいることが多いです。

ヒアリを駆除するためには

ヒアリの駆除には次の商品がおすすめです。

フマキラー ウルトラ巣のアリフマキラー

ウルトラ巣のアリフマキラーは、あちこちに置ける10個入りで、いろいろな場所に置いてアリとの遭遇率を大幅にアップ。エサはアリの大好物を配合し、アリを強力に誘引します。巣の仲間同士で触れ合うというアリの習性を研究した「フィプロニル」の連鎖殺虫効果で、やっかいなアリを巣ごと一掃。容器入りなので雨が降っても使用できます。

フマキラープレミアム

フマキラープレミアムは、速効殺虫成分「イミプロトリン」が害虫を徹底駆除。強力ジェット噴射でヤブの奥にまで薬剤が到達、しっかり効果を発揮します。さらに草木などに付着した常温蒸散成分「トランスフルトリン」が再蒸散し、虫よけ効果が最大1ヵ月(※1)も持続。フマキラー史上最強処方(※2)で、ヒアリにも効果を発揮します。

※1:雨がかからない条件でのムカデ、クモに対する待ち伏せ殺虫効果
※2:不快害虫用エアゾール剤の殺虫効果において

まとめ

アリは家の中に侵入を許してしまうと、そこからたくさん集まってくるやっかいな存在です。家の中でアリを見つけたら、早急に家のまわりにある巣を突き止めて、確実に駆除しましょう。また、ヒアリなど凶暴な外来種は、人体にも危険な被害をもたらす恐れがあるので、十分な注意が必要です。

しかしながら、小さなアリは見た目で種類を判断するのは、なかなか難しいものがあります。危険なアリを近づけないためにも、殺虫剤などで普段からアリを家に近づけないようにしておきましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。

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