マダニによる感染症と症状について マダニの習性を知って対策しよう

マダニによる感染症と症状について マダニの習性を知って対策しよう

近年、アウトドアやピクニックなどでマダニに咬まれ、感染症による病気が発生しています。では、野外活動で出かけるときには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?また、マダニの習性や症状なども知っておくと、もし刺されたとしても慌てずに対応できますね。

そこで、今回はマダニによる感染症と症状について、またマダニの習性と対策についてご紹介します。

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マダニの感染症とは?

ウィルスや細菌を持っているマダニに咬まれると、発熱や嘔吐、腹痛などの症状が引き起こされます。このマダニを媒介として動物から人へ、あるいは人から人への感染症が問題となっています。

感染症といえば、2014年に蚊を媒介としたデング熱の感染が東京の代々木公園で発生しました。まさか都会の真ん中で…と誰もが驚いた出来事でした。このようにいつどこで発症するかわからないのが、感染症のこわさです。こうしたことからも、平常時からの対策が重要であることがわかると思います。

マダニは一度咬みついたら、長時間にわたって吸血し続けます。病原体が瞬時に人の体に侵入するわけではなく、ある程度の時間がかかることもあります。しかし、時間がたてばたつほど、マダニの唾液から粘着性のある物質が出され、取り除くのが困難になってきます。刺されたらなるべく早く見つけることも、感染症を防ぐポイントです。

マダニの感染症としてあげられるのは、日本紅斑熱やライム病、Q熱のほか、重症性血小板減少症候群 (SFTS)などがあります。これらの新興感染症には今のところワクチンも治療薬もないので、人々を不安な思いにさせます。

なかでも、 重症性血小板減少症候群(SFTS)は 新たな感染症として拡大しつつあります。国も各市町村を通じて注意喚起を呼びかけているので、野外活動に出かける前にはぜひチェックしておきましょう。

マダニの生態と種類

マダニの生態と種類

生態

マダニの大きさは大型で、哺乳類、鳥類、は虫類などの皮膚に食いつく吸血寄生虫です。山林や野原などに生息していて、主にイノシシやシカなどの動物に寄生しています。犬にもよくつくので、山野を散歩したりすると犬から人へと害が広がっていきます。

ダニ類はクモやサソリと同じ種類で、その形は、頭部、胸部、腹部が一体で、その前方に口器が付いた節足動物です。

卵から産まれた幼虫は、寄生した動物から吸血して、皮膚から離脱して地面に落ち、そして、静止期を経たあとで脱皮し、若虫となります。脱皮後、外皮が硬くなるまで動かず、硬化して体が扁平(へんぺい)になると、また次に寄生する動物を探します。若虫も同じことを繰り返し、いよいよ成虫へと育ちます。

そして、体長3mmほどのメスの成虫は十分に吸血すると、体長10mm〜15mmになって地上へ落下し、卵を産み始めます。約1カ月にわたって1万個以上の卵を産んだあと、死んでしまいます。

日本で発見されたマダニの種類

日本で発見されたマダニの種類

マダニの種類は、世界中で800種以上も報告されていて、日本でこれまで発見されたのは47種となっています。誰でも訪れる野外の森や公園、河川敷などの草木の葉の裏側などに密集して潜伏し、そこを通る動物に寄生して吸血します。

フタトゲチマダニ

  • 体長/2〜3mm
  • 病名/SFTS、日本紅斑熱を媒介
  • 感染源/牛、ヒツジ、ヤギ、シカなど
  • 時期/4〜10月
  • 日本全国に分布し、放牧牛に寄生するほか、多くの哺乳類や鳥類にも各期が寄生

ヤマトマダニ

  • 体長2〜3mm
  • 病名/日本紅斑熱、脳炎ウイルスを媒介
  • 感染源/げっ歯類
  • 時期/4月〜7月
  • 日本全土に分布

キチマダニ

  • 体長2〜3mm
  • 病名/SFTS
  • 感染源/野生肉料理を食べて感染
  • 時期/4〜11月
  • 発生場所/日本全土に分布し、主に犬に寄生

タカサゴキララマダニ

  • 病名/SFTS
  • 感染源/シカ、イノシシ、ヤギ
  • 時期/4〜11月
  • 発生場所/日本全土に分布

シェルツェマダニ

  • 病名/ライム病
  • 感染源/鳥類、げっ歯類
  • 発生場所/北海道、東北や本州中部以北の山間部に分布、体長3〜5mm

マダニがひそんでいる場所は?マダニの多い季節は?

マダニがひそんでいる場所は?マダニの多い季節は?

マダニは、春から秋にかけて、シカやクマ、イノシシなどの住む山林に生息しています。ハイキングなどで山林を歩いたときに人間に取りついて吸血します。私たちが野外に出かける季節がマダニの活発な時期と重なるので、くれぐれも注意しなければいけませんね。

マダニは動物や人の血液を栄養源としているので、幼虫、若虫、成虫のどの段階でも動物などに寄生して吸血します。マダニの被害に合わないためには、生息している場所へ踏み込まないことですが、森林浴などのアウトドアも楽しみたいですよね。そこで、マダニがどんなところにひそんでいるのか学んで、なるべくそういう場所に近寄らないようにしましょう。

山間部だけマダニの危険性があるというわけではありません。誰でも訪れる野外の森や公園、河川敷などの草木の葉の裏側などに張り付いていて、近づいてきた動物やペットなどに寄生して吸血します。最近、シカやイノシシなどの野生動物が山間部で繁殖してその数が増え、人と動物が接触する機会を増やす原因にもなっています。

また、マダニ類は、私たちがよく知っているイエダニや食品に発生するコナダニ、そしてアレルギーの原因になるチリダニなどとは、まったく別の種類なのでこれも覚えておきましょう。イエダニやチリダニは小さくて肉眼では見えませんが、マダニは成虫で約1〜5mmくらいになります。

犬や猫などのペットにも注意

犬や猫などのペットにも注意

人間だけでなく、マダニは犬や猫などのペットにも寄生します。散歩で森や草むらなどへ出かけたときに、マダニが付着することがあります。よく見つかるのは、ペットの耳の後ろや鼻、足先などの柔らかいところです。一匹でも驚きますが、たくさんのマダニが付いていることがあります。飼い主さんは散歩に行ったあと、ペットの体にマダニが付いていないか入念にチェックしてあげてくださいね。

マダニに吸血されると、ペットは貧血や神経障害を起こしたり、マダニを媒介とした感染症にも注意しなければいけません。ペットは咬まれたといって訴えないので、できるだけ早く取ってあげたい気持ちになりますが、咬んだマダニの口先が皮膚に残ってしまうとやっかいなことになるので、動物病院で処理してもらうようにしましょう。

感染症の種類は

感染症には、「1類感染症」のエボラ出血熱やペストなど、「2類感染症」の結核や鳥インフルエンザなど、「3類感染症」のコレラ、細菌性赤痢など。そして「4類感染症」には節足動物によるデング熱、マラリアなどのほか、マダニが原因の日本紅斑熱、ライム熱、Q熱、ダニ媒介脳炎、重症性血小板減少症候群(SFTSウイルス)などがあげられます。

日本紅斑熱

紅斑熱は山や牧場などで、世界中で症例がみられる感染症です。特に、北米大陸のロッキー山紅斑熱や地中海沿岸の地中海紅斑熱などが知られています。日本では1984年に初めての発症があり、日本紅斑熱と名付けられました。

山の中などでマダニに咬まれると、感染するおそれがあります。症状としては、刺されてから2〜8日頃から頭痛、全身倦怠感、高熱が続きます。その後、高熱とほぼ同じ時期に紅色の湿疹が手足などにたくさん出てきます。白血球減少、血小板版減少、肝機能異常など重症に陥ることもあります。

4月〜11月に多く発症します。媒介ダニは、キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマトダニなどです。

ライム病

ネズミや鳥の菌が、マダニを媒介とした細菌による感染症のことです。

19世紀後半からヨーロッパで発見され、1970年以降アメリカ北西部で感染症が見つかっています。

症状は関節炎、遊走性皮膚紅斑が見られ、神経症状、心疾患、眼症状、筋肉痛、関節痛、発熱、倦怠感などインフルエンザと似ているのが特徴です。日本での発症数は少なく、本州中部以北の北海道や長野県で数百例が報告されています。媒介ダニは、シュルツェマダニです。

Q熱

Q熱は、Query fever(不明熱)という意味で、1935年にオーストラリアの屠畜場の従業員間で原因不明の熱性疾患が流行したのが、最初の報告でした。その後は世界中で発症が報告されています。感染した動物のふんや尿、乳などから感染することがあります。動物やペットにも感染しますが、人から人への感染はほとんど見られません。

症状は発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、呼吸器疾患などで、インフルエンザと間違えやすいことがあります。また、慢性Q熱にかかると、慢性肝炎、骨髄炎、心内膜炎などにも注意が必要です。

重症性血小板減少症候群(SFTS)

重症性血小板減少症候群は、SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。2013年に国内で初めての患者が発生した新興感染症で、西日本を中心に感染症が増加しています。高齢者の死亡率が高いこともわかってきました。わが国で初めての発症した2013から2018年10月にかけて、60人の方が亡くなっています。

【参考サイト】国立感染症研究所

症状は発熱や嘔吐、腹痛、下痢、筋肉痛、神経症状、血小板減少、白血球減少など、重篤な傾向にあります。おおよその潜伏期間は6〜14日で、血中ウイルス量が高いと死亡にいたることもある怖い病気です。媒介ダニは、フタトゲチマダニ、オウシマダニなどです。

ダニ媒介脳炎

ダニ媒介脳炎は、フラビウイルスによる感染症のことです。わが国では1993年に北海道の酪農家が感染したことが初めてです。その後は、国内での発症は少ないですが、全世界では毎年6000人が感染していて、ヤマトマダニなどから感染します。

症状は、脳炎をおこすため後遺症の心配も残ります。今のところ、重症性血小板減少症候群と同じく最適な治療法は見つかっていません。

もしマダニに刺されてしまったら

もしマダニに刺されてしまったら

無理に取り除くのは危険

マダニは吸血しながらだんだん大きくふくらみます。スイカの種くらいの大きさになることもありますが、人でも犬でも口先が皮膚の奥まで入り、ピンセットでつまんだくらいでは取れません。もしも、口の部分だけ残して体部が取れてしまった場合は、医療機関で口の部分を取ってもらわなければなりません。

痛くてもマダニにふれないようにしましょう。あわてて皮膚から引き抜こうとするとマダニの口器が皮膚の中に残ってしまう可能性があり危険です。この場合、マダニがついている周辺を消毒液などで洗っておく程度にとどめておきます。

医療機関で診察を

マダニは、唾液の中に痒みや痛みを感じさせない物質が含まれています。このため、食いついても気づかれることなく長時間吸血し続けることができます。

マダニは満腹になるまで吸い続け、なかには、数日〜10日以上も気付かなかったということもあります。発熱や嘔吐などの症状が出たら、咬まれた可能性が考えられますので早めに医療機関を行くことをおすすめします。その際はいつ頃どこへ行ったかを説明して、診察するようにしてください。

応急処置について

山の中などでマダニに咬まれたことに気付いて、医療機関へ駆けつけるまでの応急処置も必要なときもあります。まず、ピンセットで慎重にマダニの口刺をまっすぐ引き抜くことが重要です。あとは、消毒をしてできるだけ早く皮膚科で受診してください。

身を守る服装を心がける

ハイキングや山間部にのときには、暑くても肌を露出しないようにすることが大切です。上着は長袖、ズボンは長ズボンを着用し、上半身はシャツの裾はズボンの中に入れ、下半身はズボンの裾は靴下の中に入れておきましょう。

こうしておくと、たとえマダニが付着したとしても皮膚には簡単にたどりつけないからです。服の生地は、毛羽立ったウールなどは避け、木綿のシャツやツルッとした素材のアウター、色は白か薄色のほうがマダニを発見しやすいですね。

帰宅後に気をつけること

帰宅後は着ていた洋服を玄関先で脱ぎ、もし、マダニが衣服についていたらガムテープなど粘着性のあるもので除去しましょう。

自身もすぐシャワーを浴び、脱いだ服を洗濯し、天日干しあるいは乾燥機にかけるようにしましょう。マダニは洗濯しただけでは死なないのですが、乾燥に弱い虫です。リュックなどの持ち物もよく乾かすことが大切です。

そのほか、採取した植物やキノコを持ち帰り、それに付着していたマダニに咬まれたというケースもあります。マダニがひそんでいる可能性のあるものは、くれぐれも注意が必要です。

虫よけや殺虫剤を活用する

山林のヤブを歩くときには、虫よけスプレーを吹き付けておくと効果があります。

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まとめ

恐るべしマダニの怖さがよくわかりましたね。感染症は怖い病気ですが、マダニの生息地にはあまり近づかないこと、また、山間部へ出かけるときの服装など注意点を覚えておけばマダニの危険から身を守ることができますね。

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