【初心者も安心!】パクチー(コリアンダー)の育て方と簡単レシピを紹介

【初心者も安心!】パクチー(コリアンダー)の育て方と簡単レシピを紹介

パクチーと聞くと、アジア料理をイメージする人が多いのではないでしょうか。独特な芳香が特徴のパクチーは、栄養価も高く、女性を中心に人気があります。今回は、パクチーの基礎知識と育て方のポイント、パクチーの栽培に必要なものと具体的な育て方、トラブルと対処法のほか、パクチーを使った簡単レシピもご紹介いたします。

パクチーの基礎知識

パクチーの基礎知識

はじめに、パクチーについての知識を深めましょう。

パクチーの分類と歴史

セリ科コエンドロ属の一年草で、地中海や中東が原産の香味野菜です。「パクチー」はタイ語であり、中国語で「シャンツァイ」、英語で「コリアンダー」、ポルトガル語が由来の和名では「コエンドロ」とも呼ばれます。パクチーのタネは甘い柑橘(かんきつ)類のような香りを放ち、カレーなどのスパイスとして使用されます。

パクチーは非常に古くから親しまれている野菜で、紀元前のエジプトの書物や旧約聖書にも登場します。古代ギリシャでは医療用、中国では長寿の薬などに利用したとされています。国内での歴史も古く、「胡荽(こすい・こずい)」の呼び名で、平安時代の法令集「延喜式(えんぎしき)」などに登場します。

1980年代、静岡県でパクチーの生産が始まりました。2010年代には女性を中心としたパクチーブームが起こり、各種メディアで紹介され、専門店もオープンしています。

パクチーの栄養と旬

海外のデータによると、パクチーにはビタミンCやE、Kのほか、βカロテンや鉄分、カリウム、食物繊維などが豊富に含まれます。加熱するとビタミン類が流出するため、生の状態で食べるとより多くの栄養を摂取することができます。

パクチーの収穫期は真夏を除く5~11月頃で、時期をずらして栽培すれば長期間の収穫が期待できます。

【参考】U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE 「Coriander (cilantro) leaves, raw」

パクチーを栽培してみよう

パクチーを栽培してみよう

続いて、パクチーの育て方のポイントを順にご紹介いたします。

用意するもの

パクチーを栽培するときは、シャベルなどの基本的なツールのほかに次のものを用意してください。

タネまたは苗

多くの商品がありますが、輸入物であれば日本語の説明と採取の年月日が記載されているものを選びましょう。タネから育てるときは、園芸用のポットとタネまき用の土も用意します。ただし、タネからの栽培は少々難しいので、初心者の方には苗の購入をおすすめします。

パクチーの苗は、茎が太く葉が青々としたものを選び、根元の葉が枯れていないかチェックしましょう。近年では、パクチーのタネや苗、土などがそろった栽培用キットも販売されています。

畑または鉢やプランター

畑で育てるときは、日当たりのよい場所を選びましょう。パクチーは、連作(れんさく:同じ土で同じ科の植物を続けて育てること)しても障害が出にくい植物です。しかし病気予防のためにも、なるべく異なる土で栽培してください。

鉢に1株だけ植えるときは直径が15cmほどの5号サイズ、3~4株を植えるときは幅が60cmほどのプランターがおすすめです。秋から栽培するときは、鉢やプランターに植えておくことで、冬期間に移動させることも可能です。

土と肥料

畑の土は根や石などを取り除き、掘り返して日光消毒をします。石灰をまいて酸性を中和し、苗を植える2週間ほど前にたい肥や腐葉土を混ぜてください。元肥(もとごえ)として、植えつけの1週間ほど前に肥料を加えて下準備をします。

鉢やプランターで育てる場合は、野菜用の土を購入すると便利です。古い土を再利用するときは、畑の土と同様に下準備をしましょう。パクチーなどの野菜を育てる際は、魚の粉や植物などを原料にした有機質肥料がおすすめです。

タネから育てるとき

タネから育てるとき

タネが発芽する適温は、15℃くらいです。温暖な地域のタネまきは、3~5月または9~10月頃が適期です。タネは殻がついて硬いため、一晩水に浸すか、殻を割って中身を取り出してからまきましょう。

土に直接まくときは、株と株の間が20cmほど空くように場所を決めます。1カ所につき1cmほどの深さの穴を3つ空け、1粒ずつタネをまきます。土をかぶせて、静かに水やりをしましょう。

園芸用のポットにまくときは、タネまき用の土を入れて1cmほどの深さの穴を空け、タネを3~4粒まきます。土をかぶせて霧吹きなどで静かに水を与え、乾燥しないように新聞紙などをかぶせてください。日当たりのよい場所に置き、霧吹きで毎日水やりをして管理すると10~14日ほどで発芽します。

1つのタネから2本の芽が出たときは、本葉が3~4枚になる頃に間引き(まびき)をして元気な1本を残しましょう。

植えつけと置き場所

植えつけは、春と秋が適期です。ポットで育てた苗は、本葉が5~7枚くらいになったら植えましょう。根を傷めないように丁寧に扱い、株と株の間は20cmほど空けてください。

鉢やプランターは、日当たりと風通しのよい場所に置きます。日差しが強い真夏は、午前中の数時間だけ日に当てて、午後は日陰に移動させましょう。

水やりのポイント

畑は基本的に水やりをしませんが、猛暑や乾燥などで土が乾いたときは朝に水を与えます。鉢やプランターは、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。夏の間は、土の状態を見ながら朝と夕方に水やりをしてください。

肥料の与え方

パクチーは1カ月半ほどで収穫できるので、一般的には肥料を追加しません。タネを採取する場合には、追肥が必要です。栽培の期間に合わせ、1カ月に1回くらいを目安に与えましょう。肥料が多すぎると株が弱るため、量は説明書に従って調節してください。

管理と収穫

パクチーが生長して混み合ってきたら、病気予防のため小さい葉や生長の悪い株を取り除き、サラダやスープなどに利用しましょう。また、花が咲くと株が弱って収穫量も減るので、つぼみはこまめに摘み取ってください。秋に植えた場合の収穫期は3~5月、春に植えたときは9~11月頃です。

パクチーは生長が速いため、高さが20cmほどになったら大きい葉から早めに収穫しましょう。葉だけをはさみで切るか、株ごと抜いて収穫します。

タネの採取と利用

パクチーのタネを採る場合は、収穫の終期に咲いた花を残しましょう。実が茶色くなったら、株ごと抜いて日陰につるします。完全に乾いたらタネを摘み取って紙袋などに入れ、来年用として冷暗所で保管してください。タネをスパイスにするときは、すりつぶして使用します。

冬越しの方法

秋に植えつけた株は、冬越しの準備をしましょう。パクチーはやや耐寒性がありますが、畑は土の上に敷きわらなどのマルチングをして保温します。鉢やプランターは室内に取り込み、日当たりのよい場所で管理しましょう。頻度はやや減りますが、水やりも土の状態を見ながら続けます。

冬のガーデニングについては、「冬のガーデニングで気をつけるポイント」の記事でも紹介しています。

パクチーの水耕栽培

パクチーは、土を使わない水耕栽培でも育てられます。

用意するもの

水耕栽培用のキットもありますが、自分で用意するときは下記を参考にしてください。

  • パクチーのタネ
  • タネまき用のスポンジとトレイ
  • 栽培用の容器とハイドロボール
  • 水耕栽培用の液体肥料

水耕栽培の方法

水耕栽培の基本的な育て方は、以下のとおりです。

  1. タネは一晩水に浸すか、殻を割って中身を出す
  2. 数cm角のスポンジに切り込みを入れ、トレイに並べる
  3. 切り込みに数粒ずつタネをまく
  4. 霧吹きで水を与えながら、明るい場所で管理する
  5. 発芽したら、根が伸びるまで育てる
  6. ハイドロボールを入れた容器に移し替える
  7. 容器の水を適宜交換して清潔を保ち、ときどき肥料も与える

パクチーのトラブルと対処法

パクチーのトラブルと対処法

パクチーの栽培で起こりやすいトラブルと対処法をまとめました。

気をつけたい病害虫

かかりやすい病気には、葉や茎などに白いはん点が出るうどんこ病や、葉に不整形の褐色の模様が出るコリアンダー褐斑(かっぱん)病(仮称)、葉や茎が水っぽく傷むコリアンダーはん点細菌病などがあります。アブラムシやハダニ、カメムシなどの害虫がつくこともあるので注意してください。

病気や害虫に気づいたらすぐに取り除き、被害の拡大を防ぎましょう。パクチーなどの野菜の栽培には、フマキラーの「カダンセーフ」がおすすめです。カダンセーフは、食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。屋内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。また活力成分の天然アミノ酸とAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合していますので、病害虫対策だけでなく植物の生育もサポートする優れものです。

タネが発芽しない

パクチーのタネは、発芽率が低めです。先述のとおりタネを水に浸したり、殻を割ったりしてからまきましょう。発芽するまでは霧吹きなどで静かに水を与え、土を乾かさないことがポイントです。気温が15℃に届かないときは、まくのを控えてください。

パクチーの保存方法とおすすめレシピ

パクチーの保存方法とおすすめレシピ

最後に、パクチーの保存方法とおすすめのレシピを3つご紹介いたします。

パクチーの保存方法

収穫したら、湿らせたティッシュや新聞紙などで根元をくるみます。ビニール袋に入れ、茎が曲がらないように立てて冷蔵庫で保存しましょう。保存は数日くらいまでで、香りが薄れる前に食べてください。

おすすめレシピ①~サラダ

ドレッシングにナンプラーや柑橘類を加えると、本格的な味に仕上がります。そのほかの材料としては、にんじんやもやし、蒸しエビなどがおすすめです。

【用意するもの】

  • パクチー
  • 鶏のささみ
  • 中華風ドレッシングなど

【作り方】

  1. ささみを耐熱皿に並べ、電子レンジで加熱する
  2. パクチーを食べやすい大きさに切る
  3. ささみの粗熱が取れたら、手で細くほぐす
  4. 2と3を合わせ、好みのドレッシングをかける

おすすめレシピ②~ガパオライス風

本格的な味にするときは、トウガラシやナンプラーなどを加えてください。半熟の目玉焼きをのせてもおいしくいただけます。

【用意するもの】

  • パクチー
  • 豚ひき肉
  • ピーマン、パプリカなどの野菜
  • ショウガ、ニンニク(チューブで可)、ごま油
  • しょう油、酒、赤みそ、オイスターソース、砂糖など(お好みで)
  • 炊き立てのご飯

【作り方】

  1. 野菜は大きめのみじん切り、パクチーは食べやすい大きさに切る
  2. しょう油、酒、赤みそ、オイスターソースは同量、砂糖は少々を混ぜておく
  3. 加熱したフライパンにゴマ油を入れ、ショウガとニンニクを軽くいためる
  4. ひき肉を加え、ほぐしながらいためる
  5. ひき肉の色が変わったら、野菜を加えていためる
  6. 全体に火が通ったら、2を入れて混ぜる
  7. 皿にご飯をよそい、6をのせてパクチーを添える

おすすめレシピ③~フォー風

そうめんやひやむぎを使って、和風のフォーにアレンジしましょう。鶏がらスープと塩、しょう油、ナンプラーなどの味つけもおすすめです。

【用意するもの】

  • パクチー
  • 鶏のささみまたは胸肉
  • そうめんまたはひやむぎ
  • めんつゆ、水

【作り方】

  1. 大きめのなべに湯を沸かす
  2. 鶏肉を耐熱皿に並べ、電子レンジで加熱する
  3. パクチーを食べやすい大きさに切る
  4. めんつゆを規定の分量で薄める
  5. 鶏肉の粗熱が取れたら、手で細くほぐす
  6. そうめんまたはひやむぎをゆでて、ザルに上げる
  7. 器にめんを入れ、3、5をのせて4をかける

パクチーの育て方と簡単レシピを参考に

パクチーの育て方と簡単レシピを参考に

今回は、アジア料理に欠かせないパクチーについて、基礎知識と育て方、簡単レシピをご紹介しました。パクチーの育て方のポイントは、日当たりと水やり、混み合った部分の葉や花の摘み取りです。新鮮なパクチーを収穫したら、簡単レシピを参考にして豊富な栄養をおいしくいただきましょう。

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