モザイク病とは?モザイク病が発生する原因と対策について

モザイク病とは?モザイク病が発生する原因と対策について

家庭菜園や花だんで栽培している植物は、気候や環境によってさまざまな病気が発症します。今回は、ウイルスが原因で発症するモザイク病を取り上げ、その概要とかかりやすい植物、対処法や予防法についてご紹介します。モザイク病の基礎知識を身につけて、適切な対応と予防を心がけましょう。

ウイルスが原因のモザイク病

ウイルスが原因のモザイク病

はじめに、モザイク病について簡単に説明します。

そもそもモザイク病とは

モザイク病はウイルスの繁殖が原因です。原因となるウイルスの種類は多く、春から秋の気温が高めで晴天が続く時期に多く発症します。モザイク病の主なウイルスは、ククモウイルス(Cucumovirus)属のキュウリモザイクウイルス(Cucumber Mozaic Virus:CMV)で、主にウリ科やナス科、アブラナ科、ユリ科、キク科などに繁殖します。

もう1つはトバモウイルス(Tobamovirus) 属のタバコモザイクウイルス(Tobacco Mozaic Virus:TMV)で、主にナス科やマメ科、キク科などの植物に繁殖します。そのほか、チューリップモザイクウイルス(Tulip mosaic virus:TulMV)やカブモザイクウイルス(Turnip mosaic virus:TuMV)などによる被害も見られます。

モザイク病のウイルスは人体に影響がないため、感染した初期の野菜や果実は食用にしても構いません。

モザイク病の症状

主にCMVのモザイク病は、若い葉に鮮明なモザイクの模様や、黄色いモザイクに似た模様が出ます。果実が感染すると、表面が硬くなり凹凸(おうとつ)ができて変形したり、中身に変色が見られます。TMVのモザイク病は、若い葉にはやや黄色く淡いモザイクの模様が出現し、生長した葉には暗い緑色の斑(はん)がます。

イネなどの葉には別のウイルスが繁殖し、モザイクではなくスジや斑の模様が出ます。モザイク病が進行すると葉が細くなって縮むほか、一部の組織が死ぬ壊疽(えそ)、全体の萎縮(いしゅく)などで弱り、枯れるケースもあるので注意しましょう。

モザイク病は、複数のウイルスが1つの植物に重複したり時期を変えたりして繁殖するケースもあります。例えば、トマトの場合は先述したCMVやTMVのほか、トマトモザイクウイルス(Tomato mosaic virus:ToMV)やジャガイモYウイルス(Potato virus Y:PVY)などにも感染します。

モザイク病の原因

CMVなどのモザイク病は、アブラムシによって運ばれたウイルスに感染することが原因です。他にもウイルスがついた手やはさみなどを介して発症するケースもあります。TMVなどのモザイク病は、ウイルスが付着したタネや土壌、植物の根などが原因で感染します。

ウイルスの種類によっては、アブラムシだけでなくハダニやアザミウマ、コナジラミ、土の中の線虫などの害虫が媒介したり、水を介して発症したりする場合もあります。

アブラムシについては、「アブラムシが発生する原因とは?アブラムシの退治方法と予防方法」の記事で詳しくご紹介しています。

モザイク病にかかりやすい植物

モザイク病にかかりやすい植物

次に、モザイク病が発症しやすい植物をご紹介します。

野菜類

野菜類は、ウリ科のキュウリやズッキーニなどのほか、ナス科のトマトやナス、ジャガイモ、ピーマン、アブラナ科のハクサイやダイコン、ブロッコリー、マメ科のインゲン、ダイズなどがあります。野菜類は、9~11月の雨が少ない環境で発症する傾向があります。

果樹・花木類

果樹は、リンゴやミカン、レモン、イチジクなどが発症しやすく、花木はアジサイやジンチョウゲ、キョウチクトウ、クワなどが挙げられます。

草花類

草花類は、チューリップやユリ、バラ、パンジー、キク,カーネーション、ペチュニア、ラン、シンビジウムなどが発症しやすい品種です。

モザイク病が発症したときの対処法

モザイク病が発症したときの対処法

モザイク病のウイルスは薬剤で対処ができないため、発症した葉などを取り除くか、ウイルスを運ぶ害虫の駆除をしてまん延を防ぎましょう。

患部を取り除く

モザイク病が発症した葉や茎、果実などは早急に取り除き、ビニール袋に入れて処分してください。株の全体が侵されたときは根から抜き取り、感染した根を土に残さないことが大切です。

害虫の駆除

アブラムシなどの害虫の駆除には、フマキラーのカダンプラスDXをおすすめします。カダンプラスDXは野菜や草花、花木などに幅広く使用できる薬剤で、アブラムシ、ハダニ、コナジラミなどに効果があります。浸透性の薬剤が植物の全体に行き渡るため、葉の裏にひそむ害虫も手軽に駆除できます。

ウイルスに感染した部分の除去や害虫の駆除の後も、再発がないか定期的に植物をチェックしてください。

モザイク病を予防するには

モザイク病を予防するには

最後に、モザイク病を未然に防ぐ具体的な方法をご紹介します。

虫よけネットやマルチング

先述したように、CMVなどのモザイク病はアブラムシやハダニ、アザミウマなどの害虫がウイルスを運ぶことで発症するため、あらかじめ害虫の飛来を防ぐ工夫をしましょう。植物は、幼い苗の段階から防虫ネットや不織布(ふしょくふ)、寒冷紗(かんれいしゃ)をかぶせると防虫の効果があります。

また、光るものを嫌うアブラムシの習性を利用し、植えつけの際にシルバーマルチを使用したり、株元にアルミホイルを敷く方法もおすすめです。そのほか、害虫を寄せつける粘着テープなども販売されているので、環境に合わせて試してみてください。

ツールの管理と作業の順番

モザイク病のウイルスは、園芸用のツールや作業する人の手を介して感染するケースもあります。せん定用のはさみや草取り用のカマ、スコップ、手袋などは定期的に洗浄や消毒をして、作業の前後には手をよく洗うようにしましょう。

また、せん定や誘引、わき芽を取るなどの作業や、野菜や果実の収穫は健康な株から行い、病気が疑われる株は最後に回すなどの配慮も必要です。

土壌と周辺の環境

TMVなどのモザイク病は土壌が原因で感染するため、病気が出た場所の土は適切な薬剤で消毒をしてから次の植物を植えつけましょう。また、同じ場所で同じ科の植物を続けて育てる連作(れんさく)は、モザイク病だけでなくさまざまな病気にかかるリスクがあるので避けてください。

モザイク病のウイルスは、冬の間は周辺の雑草や落ち葉などで越冬します。1度モザイク病が発症したときは、家庭菜園や花だんの周辺を定期的にチェックし、雑草や落ち葉、枝などを処分しましょう。

健康な株を選ぶ

モザイク病を防ぐには、病気にかかった苗やタネ、球根などを栽培しないことがポイントです。また、モザイク病を発症した株の枝や茎を使用した挿し木や挿し芽、接ぎ木(つぎき)、株分けなども病気が広がる原因です。

家庭菜園や花だんで採取したタネや球根は、専用の薬剤で消毒すると安心です。苗を購入するときは、茎が太く葉が鮮やかな緑色をした元気なものを選びましょう。近年ではウイルスに強い品種の改良が進んでおり、キュウリやトマトなどは病気にかかりにくい苗が販売されています。

そのほかの病気については、「植物に発生するさまざまな病気。予防法と対処法とは?」の記事もご覧ください。

害虫を退治してモザイク病を防ごう

害虫を退治してモザイク病を防ごう

今回は、ガーデニングの大敵であるモザイク病についてご紹介しました。モザイク病のウイルスは薬剤で対応ができないため、害虫の飛来を阻止すること、栽培の管理と環境を見直すことがまん延を防ぐポイントです。

病気の特徴を理解して早期発見に努め、対処法や予防法を取り入れながらガーデニングを楽しみましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。