2019年11月15日 | お役立ち情報
ドローンをはじめてみたい!ドローンの基礎について解説
ここ数年、ドローンへの注目が高まっていますので、飛ばしてみたいと思っている人もいるのではないでしょうか。ドローンに興味があっても「どこだったら飛ばしていいのだろう?」「誰でも飛ばしていいのだろうか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
ドローンを飛ばす前に、ドローンに関係するさまざまなルールを確認しておく必要があります。
この記事では、ドローンの魅力やドローンを飛ばすために知っておきたい規制・注意点を解説します。安全にドローンを飛行させるために、確認しておいてください。
ドローンとは
まずはドローンの基礎知識を解説します。
ドローンって一体何?
ドローンとは、無人航空機のことです。ラジコンのようにリモートコントローラーで遠隔操作して飛行させるだけでなく、搭載したコンピューターで自立飛行するタイプもあります。
ドローンの歴史
ドローンが注目され始めてからそれほど年数は経っていませんが、実はドローンが誕生したのは第二次世界大戦中です。
アメリカ軍が無人航空機に爆薬を搭載して体当たりさせるために開発されましたが、成功することはありませんでした。その後も軍事用の無人機として開発は続けられ、標的機として普及し、魚雷を投下する用途でも配備されました。1970年代には偵察機が開発されるようになり、1995年には有名な軍事用ドローン「プレデター」が開発されたことで注目を集めました。
日本では1987年にヤマハ発動機が産業用無人ヘリコプターを開発。日本でのドローンの利用目的は、主に農薬の散布でした。
一般向けドローンが広まるきっかけになったのは、2010年に発売されたフランスのparrot社の「AR.Drone」です。iPhoneにアプリをダウンロードして操縦できる機能が話題となりました。
このように軍事向けとして誕生したドローンは、さまざまな分野で活用されてきました。今後さらに多くの分野での活躍が期待されています。
ドローンの魅力
話題のドローンには、どんな楽しみ方があるのでしょう?ドローンの代表的な楽しみ方を3つご紹介します。
① 空からの撮影
ドローンの魅力といえば、なんといっても空撮ができる点です。ドローンを使えば高い視点から写真が撮れるので、素晴らしい風景写真を撮影できます。まるで鳥になったような気分を味わえるでしょう。
② 操縦を楽しむ
ラジコンタイプのドローンなら、純粋に操縦を楽しめます。ドローンのほとんどはセンサーがついているため安定していて、ラジコン飛行機やラジコンヘリより操縦が簡単です。ドローンを自分の思い通りに飛行させ楽しめるでしょう。
③ ドローンレース
ドローンの操縦に慣れてきたら、ドローンレースに参加するという楽しみ方もあります。複数の団体がドローンレースを企画していますので、興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
ドローンを飛ばすのに資格はいる?
ドローンを飛ばすために資格は必要ありませんが、民間団体の認定資格はあります。ドローンの認定資格を取得すれば、次のようなメリットがあるでしょう。
知識や技術が身につく
ドローンを飛行させるために資格は必要ありませんので、ドローンについての知識が乏しい人でも飛ばすことはできます。しかし認定資格の取得を目指せば、それぞれの資格のカリキュラムを終了し、認定試験に合格しなくてはなりませんので、高い技術や知識が身につきます。
知識や技術の証明になる
仕事でドローンを任されるチャンスがあったとき、認定資格を持っていたらドローンについての知識や技術があることの証明になります。資格がなければいくら技術があっても伝わらないかもしれません。認定資格を取得すれば、ドローンを飛行させる技術の客観的な証明となるでしょう。
「10時間飛行実績」の証明書となる
人口集中地区などのドローン飛行は、国土交通省の許可・承認が必要になるケースがあります。飛行許可申請時に民間団体の資格証明書があれば、「10時間飛行実績」の証明書となる場合があるので役に立つでしょう。
ドローンの認定資格
複数の民間団体がドローンの認定資格を設けていますので、代表的なものをご紹介します。
DJI「DJIスペシャリスト」
2006年創業のDJIは本社が中国にあり、民生用ドローンの世界シェア7割を担う世界有数のドローンメーカーです。DJIの日本法人であるDJI JAPAN株式会社が主催するDJI CAMPは、企業向けのプログラムであり、受講資格が設けられています。
- 法人または個人事業主の方
- ドローンの飛行経験が10時間以上ある方
- DJI製品のユーザーマニュアルを事前に熟読し、実際のマルチコプター飛行業務に従事できる方
以上の条件を満たせば受講可能です。2日間の座学講義を受講し、筆記試験と実技試験に合格すれば、DJI スペシャリスト認定証が発行されます。受講費用はDJI CAMPを開催するDJI CAMPインストラクター企業によって異なります。
JUIDA「無人航空機操縦士」「JUIDA安全運航管理者」
JUIDAは日本で最初にドローンの操縦士と安全運航管理者養成スクールの認定制度を始めた団体です。資格は2種類あり、「無人航空機操縦士」を取得することで、一定以上の操縦技術を証明できます。また、「無人航空機操縦士」を取得すれば、安全に対する知識や意識が高いことの証明となる「JUIDA安全運航管理者」の受講資格があります。
JUIDAの認定資格は個人向けで、20歳以上であれば飛行経験がなくても受講可能です。受講内容や費用の詳細は、認定スクールによって異なります。座学と実技講習を受講後、試験に合格すれば証明書が発行されますが、発行の申請をする際はJUIDA個人会員への入会が必須です。
DPA「ドローン操縦士回転翼3級」「ドローン操縦士回転翼3級インストラクター」
一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)の認定資格には、「ドローン操縦士回転翼3級」と「ドローン操縦士回転翼3級インストラクター」の2種類があります。
「ドローン操縦士回転翼3級」はDPA認定校でカリキュラムを受講後、学科・実技試験を受け、合格すればE-Learningで安全運航管理基礎講座を受講することで、認定証の発行を申請できます。受講資格は15歳以上で視力、色覚、身体要件があります。
また、ドローン操縦上級者を対象とした「ドローン操縦士回転翼3級インストラクター」の受験資格は18歳以上で視力、色覚、身体要件があります。
ドローン検定協会株式会社「ドローン検定」
座学のみでドローンの資格が取得できるのが、ドローン検定協会株式会社が実施している「ドローン検定」です。1級~4級まであり、3・4級は誰でも受験可能。1級と2級は、それぞれ1つ下の級を取得した人に受験資格があります。
講座を受講する必要はありませんが、公式テキストが販売されていますので、まずは知識を身につけたいと考えている人も気軽に受験できるでしょう。
ドローンを飛ばしてもいい場所
ドローンには飛行を禁止されている地域があります。どこがNGでどこがOKなのかそれぞれ見ていきましょう。
飛行禁止区域以外
200g以上のドローンは航空法が適用されるため、次のような場所での飛行は禁止されています。
- 地表または水面から 150m 以上の高さの空域
- 空港周辺の空域
- 人口集中地域の空域
飛行させたい場所が人口集中地域かどうかは国土交通省のホームページで確認できます。
【参考】国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
飛行禁止空域であっても、国土交通省に申請して許可されたら飛行可能です。しかし、申請するにはドローンの操縦時間が10時間以上という条件がありますので、ドローンをあまり操縦した経験がない初心者では申請が難しいでしょう。
上記3点をクリアする場所といえば、山や海岸、河川敷などがあります。飛行させるときは、近くに人がいないことを確認しましょう。
ドローン専用の飛行場・練習場
ドローンの飛行場や練習場を利用すれば、料金はかかりますが、安心して飛行させられます。ドローンを操縦できる場所を求めて遠方までいかなくても、近くにドローンの飛行場や練習場があるかもしれませんので、確認してみてはいかがでしょうか。
ドローンを飛行させるときの注意点
飛行禁止区域ではなくても、次のような飛行方法は航空法で規制されています。飛行させる場合は、国土交通省に申請して承認をもらわなくてはなりません。
夜間飛行
ドローンを飛行させてよいのは日の出から日没までとなっています。
目視外飛行
飛行させてよいのは操縦者がドローンとその周辺を目視できる範囲内です。
30m未満の飛行
ドローンは第三者と第三者が所有する建物や自動車から30m以上離れて飛行させなければいけません。
イベント上空飛行
多数の人が集まる催し場所の上空は飛行禁止です。
危険物輸送
ドローンで爆発物などの危険物は輸送禁止です。
物件投下
ドローンから物を投下することは禁止されています。農薬を散布する場合は危険物輸送と物件投下の申請・許可が必要です。
また、令和元年9月18日付で、次の4つの飛行ルールが追加されています。
- アルコール摂取時は操縦禁止
- 飛行前には必要な準備が整っていることを確認
- 航空機や他の無人航空機と衝突しそうな場合は地上に降下させる
- 不必要な騒音など他人に迷惑をかける方法で飛行させない
ドローンの規制は変わっていきますので、「知らなかった」ということがないように定期的にチェックして、法令を順守して飛行させましょう。
ドローンで起きている社会問題
ドローンの歴史は意外と古いものの、注目されるようになってきたのはここ数年のことです。個人で利用する人も増えてきたため、「花火などのイベント会場でドローンを飛ばす」「夜景を撮影するため夜間に人口集中区域で飛ばす」といった違反行為がおこなわれ、書類送検されるケースが発生しています。
また、ドローンは目視できる範囲内でのみ飛行させられますが、見失ってしまい墜落させてしまうケースも。墜落場所によっては事故につながる可能性もあるので、問題視されています。
まとめ
空の産業革命といわれているドローンは、空撮や測量などでの利用が進み、今後は物流や災害対策などへの活用が期待されています。ドローンはますます身近な存在になってきますので、自分でも操縦したくなったときは法律を守り、十分安全に気をつけて飛行させるようにしましょう。