2019年1月25日 | 虫
チャタテムシが発生する原因とは?チャタテムシの退治方法と予防対策
チャタテムシは、畳のある和室や古本が収納されている本棚などに発生する害虫です。いつの間にか小さなダニのようなチャタテムシがたくさん繁殖していてびっくりします。
チャタテムシは人を毒針で刺したり咬んだりしませんが、繁殖すると食品などに混入してアレルギーの原因となり、ほかの害虫を呼び寄せる被害を及ぼします。
大量のチャタテムシの発生を防ぐためには、まず発生する原因を知ることが必要です。ここではチャタテムシの生態と習性を紹介し、その習性に合わせた退治方法や予防対策をご紹介します。
チャタテムシの生態と習性
チャタテムシの名前の由来は、チャタテムシの一種である「スカシチャタテ」の出す音が、茶筅(ちゃせん)でお茶を立てるときの音のように聞こえることから付けられたと言われています。
チャタテムシは世界中に広く生息し、その種類は2000種類以上です。そのうち、日本で知られているチャタテムシは約10種類となっています。そのなかでも代表的なのが「ヒラタチャタテ」という種類です。
ヒラタチャタテの特徴
体長:1~1.5mmほど。体の色は、褐色で羽がありません。
生息地:日本全国
発生時期:夏~初秋
餌:ビスケットやスナック菓子、チョコレート、チーズといった乾燥食品。古本や畳、壁紙など。湿気によって発生したカビ。
ヒラタチャタテの姿は、お尻の部分になる後腿節が平たく広がっているので、よくダニやシラミと間違えられます。
チャタテムシの発生時期と成長サイクル
チャタテムシは湿度の高い夏から初秋の間に発生します。チャタテムシの代表的なヒラタチャタテが好む気温は24~29℃になっています。卵でいる期間と幼虫の期間は、共に9~13日程度、成虫となる期間は20日程度です。成虫の寿命は、環境が良いと160日以上になります。
チャタテムシの産卵について
ヒラタチャタテの場合、成虫となって1~4日後に産卵を始めます。1日に1~2個ずつ卵を産み、寿命までの間に1匹あたり100個以上産卵を続けます。
繰り返し、何度も卵を産み付けられるので、駆除をするときは成虫だけでなく卵の存在にも気を付けなければなりません。
チャタテムシによる被害
チャタテムシは、人に危害を与える虫ではありません。しかし、大量に発生してしまうと食品の中に侵入し、誤ってチャタテムシを食べてしまう恐れがあります。また、チャタテムシの死がいが乾燥して、空中に舞ってしまい吸い込む可能性もあります。チャタテムシには毒はありませんが、体内に入ってしまうとアレルギーの原因となる可能性があります。
ツメダニに注意しよう
チャタテムシが発生すると、チャタテムシを餌とするツメダニも発生することがあります。ツメダニは吸血をしないのですが、稀に人を刺して体液を吸う被害を及ぼします。ツメダニに刺されると、かゆみを生じたり皮膚炎が発症したりします。
チャタテムシが発生する原因
チャタテムシが発生する原因は、ジメジメとした湿度が高い場所を好んで生息し、繁殖します。チャタテムシはカビも餌にします。湿度が高い場所に発生したカビを求めて集まります。
ヒラタチャタテの活動が活発になる湿度は75~90%です。人が生活するのに快適な湿度は40~60%とされています。60%以上になると、カビが発生するようになります。
チャタテムシの発生を抑えるには、湿度に注意しなければなりません。
段ボールに注意しよう
チャタテムシが部屋に侵入する原因の1つは段ボールです。段ボールに付着したチャタテムシがそのまま家に侵入してしまいます。
段ボールに付着したチャタテムシは、段ボールの外側と内側の紙の間にある波板状になっている「中芯」と呼ばれる部分や、谷折りになっている部分に隠れてしまうため、表面を拭いただけでは取り除けません。段ボールで届けられた荷物は、なるべく段ボールを畳の上などに置かないようにします。荷物はすぐに取り出して、段ボールを玄関先や外に出しておくようにしましょう。
家の中で発生しやすい場所をチェック
チャタテムシは、家じゅうの至るところに発生してしまいます。その中でも、特に注意したい発生場所をまとめました。
和室
畳に生息することが多いので、和室の管理に注意しましょう。畳の上にカーペットなどを敷いていると、畳とカーペットの間に湿気が溜まってしまい、チャタテムシの温床となる可能性が大きくなります。畳の上にはなるべくカーペットなどを敷かないようにしましょう。
チャタテムシは、畳だけでなく和室にある、ふすまや障子、壁紙にも発生します。清掃するときにチェックしましょう。
本棚や押し入れ
読まなくなった古本が本棚にあると、チャタテムシが発生する原因になります。チャタテムシは本を製本するためのノリを好んで餌にします。チャタテムシは英語で「Booklouse(ブックラウス:本のシラミ)」と呼ばれているほどです。
押し入れも、チャタテムシが集まりやすい場所です。押し入れには暗くて湿気が多いため、特に気を付けなくてはなりません。
台所
チャタテムシが餌にするビスケットやスナック菓子などの乾燥食品がある台所にも注意しましょう。チャタテムシが餌にする菓子類、鰹節、乾麺、小麦粉といった食品を流し台の下といった暗い場所に放置しておくと、チャタテムシが大量に発生してしまう可能性があります。
チャタテムシの退治方法
チャタテムシを退治するためには、カビと一緒に駆除するようにしましょう。カビを生やしたままチャタテムシだけ駆除しても、すぐにまた発生してしまう可能性があります。
畳に発生したカビをエタノールで取り除く
畳にチャタテムシが発生したら、エタノールを使って清掃します。チャタテムシが発生した畳を見てみると、白く粉っぽいものが見えます。この粉っぽいものがカビです。カビは、掃き掃除や掃除機を使うだけでは、除去することができません。エタノールを使った清掃で、カビの発生を抑えましょう。
エタノールを使った清掃方法
- カビの生えた畳をブラシやたわしでこすってカビをこすり落とします。このとき、カビを吸い込んだり手が荒れたりしないようにマスクや手袋を使用すると良いでしょう。
- こすり落としたカビは、掃除機で吸い取ります。
- 霧吹きでエタノールを畳全体に撒きます。畳が少しエタノールで濡れた状態になるまで散布しましょう。
- 畳をしっかり乾かしたあと、乾拭きを行います。
エタノールはカビの発生を抑えるのに役立つアイテムです。お風呂場やタイル面などの場所にはカビ取り剤を使うと良いのですが、畳や押し入れといったカビ取り剤が使えない場所にはエタノールを使用すると良いでしょう。
熱処理消毒で退治
チャタテムシが畳に大量発生したときは、専門業者に依頼して畳を熱処理で駆除する方法もあります。自分ではチャタテムシを駆除しきれないときは、専門業者に相談すると良いでしょう。
死がいを吸い込まないように清掃
チャタテムシは死がいになると乾燥して、空気中に舞ってしまいます。空気中に漂ったチャタテムシを吸い込まないようにするために、掃除機を使ってこまめに清掃するようにしましょう。
チャタテムシの予防対策
チャタテムシが好む場所は、暖かく湿気のある場所です。逆に、寒くて乾燥した場所には生息できません。チャタテムシは気温が18℃以下になると活動が鈍ります。湿度は55%以下になると成長も鈍り、生存できなくなります。
チャタテムシの生息を予防するためには、まず湿気に気を付けましょう。
カビ予防対策
チャタテムシを発生させないためには、カビの予防対策が必須です。湿気が溜まりやすい場所は、なるべく風通しを良くするようにして、畳や古い本などは虫干ししましょう。
食品を密閉保存
菓子類や乾麺などの乾燥食品は、密閉した容器に保存すると、チャタテムシ発生の予防となります。特に、袋を開けてしまった乾燥食品は、袋の口をクリップなどで留めるだけでなく、ジッパー付きの保存袋などに入れて保存しましょう。
アルミサッシのレールに注意
アルミサッシのレールは、冬に起こる結露により、カビが発生しやすい場所になっています。ホコリも溜まりやすく、チャタテムシの餌となるものが集まっているので、こまめに清掃するようにしましょう。
まとめ
チャタテムシが発生する原因は、湿気の溜まりやすい場所を作ってしまうことが挙げられます。チャタテムシは湿気が多い場所では活発に活動して繁殖します。さらに、湿気によってできたカビを餌にするため、放っておくと大量発生してしまう可能性もあります。
畳にカビが発生したときには、カビをたわしなどで取り除いてからエタノールを撒くとカビの発生を抑えられます。
チャタテムシを発生させないためには、湿気に注意すると良いでしょう。畳や古本は、定期的に虫干しをして乾燥させます。畳の上にカーペットなどを敷かないようにするのも大切な予防策です。押し入れや日の当たりにくい部屋の場合は、なるべく風通しを良くしましょう。
チャタテムシの餌となる小麦粉や乾麺、スナック菓子などは密閉できる容器で保存します。風通しの悪く、暗い流し台の下などに放置したままにすると、チャタテムシが発生してしまうので、食品の保管にも気を付けましょう。
正しい駆除方法と予防策を行って、チャタテムシの被害を回避しましょう。