ボウフラが発生する原因とは?ボウフラの退治方法と予防対策

ボウフラが発生する原因とは?ボウフラの退治方法と予防対策

夏の暑さが気になる時期になってくると蚊に刺される被害が出てきます。この蚊の幼虫といえばボウフラですが、ボウフラは夏の季語にもなっているぐらいよく見かける光景です。

だからといってボウフラを見て風情があるなと思ってはいけません。ボウフラを放置してしまうと大量発生につながり、蚊による被害が増える事になるのです。

蚊の対策をするなら、その前段階のボウフラの対策をする事もおすすめします。ボウフラはなぜ発生してしまうのか、その原因と対策をご紹介します。

ボウフラの生態について

ボウフラの生態について

ボウフラの親となる蚊の種類は3200種類以上います。その内約100種類が日本に生息していますが、日常生活でよく見かける蚊はヒトスジシマカとアカイエカ、チカイエカ、そして藪の中などで刺される事が多いオオクロヤブカなどがいます。

日常生活で見かける機会のあるボウフラはこれらの種類のボウフラである可能性が高いです。

蚊の種類によって若干、ボウフラの大きさや色の違いがありますが、成長するにしたがってボウフラ(幼虫)の時期とオニボウフラ(さなぎ)の時期を経ていく過程は共通しています。

ボウフラ(幼虫)

ボウフラは孑孑と書き、大きさは6㎜ほどあります。体の横から脚のようなものが出ているのは毛で、前頭毛、肩毛、呼吸管毛など、部位により様々な名称がついています。

クネクネと良く動き、見た目には棒を振ったように動く事からボウフリとも呼ばれ、ボウフラの名前の由来にもなっていると言われています。

しっぽが呼吸管となり空気を取り入れることが出来るので、しっぽが上の状態で水中にいます。流れがない水のたまった場所でも生きていく事が出来ます。

ボウフラは水中の微生物や細菌類、生物の死骸、排泄物、脱皮した殻などを食べて生きていきます。

オニボウフラ(さなぎ)

ボウフラが脱皮を繰り返し1週間ほどでオニボウフラ(さなぎ)になります。オニボウフラは頭部1.5mm、全長4mmの大きさで、頭が大きくなったような見た目と丸まったような姿勢で水に浮いている状態をよく見かけます。

胸のあたりから呼吸管を伸ばし、背中の面を水面に出して呼吸することが出来ます。

この呼吸管がついている部分が、鬼の角のように見えることに由来してオニボウフラと呼ばれています。

サナギというと動かないイメージがありますが、オニボウフラは気配を察知して逃げようとして動きます。

ボウフラは警戒心が強い

ボウフラは呼吸をする時に水面まで上がってきますが、物音や影が近づくと身を隠そうとして水の底に逃げる傾向があります。

ボウフラ同士で食べる種類も

カクイカ類、オオカ類など、ボウフラの時に他のボウフラを食べる種類もいます。

ボウフラのライフサイクル

蚊は成虫になってから一か月ほど生きるのですが、その間に1回200個ぐらいの卵を産むといわれています。

卵は水面に数百個と縦型にまとめた状態で産みつけるので、見た目にはある程度固まったものが水に浮いているという感じです。蚊の卵の塊は卵舟と呼ばれています。

産み付けられた卵は2日から5日でボウフラになります。ボウフラになってからは4回ほど脱皮を繰り返し大きくなり、早いと1週間ほどでオニボウフラとなり、3日ほどで蚊の成虫になります。

ボウフラによる被害について

ボウフラによる被害について

直接ボウフラによる被害というのは特にありませんが、成虫でもある蚊が大量発生する事で被害が出てくるようになります。

見た目の不快感

蚊は1回の産卵で100個から多いと300個ほど卵を産み付けるといわれています。つまり1つの水が溜まっている場所で大量のボウフラが孵化する可能性があります。

水中で大量に動いているボウフラは目視できる大きさなので、見た目にも不快な気分になります。

蚊の吸血被害

ボウフラは気温条件が良いと1週間ほどで蚊になります。蚊の吸血被害は深刻で刺された場所はかゆみが出てきます。

かゆみが出る理由は、蚊が吸血する際に血をスムーズに吸うために、血液の凝固を阻止する作用がある物質が含まれている唾液も一緒に注入しています。

この蚊の唾液に対してアレルギー症状が出てかゆくなり、数日は悩まされる事になります。

蚊の伝染病媒介

蚊に刺される事によって出てくるのはかゆみの被害だけではありません。蚊は伝染病を媒介する事がわかっています。

蚊が媒介する事によって感染する可能性がある疾病は、日本脳炎、デング熱、黄熱、マラリア、フィラリア、ウエストナイル熱、ジカ熱などがあります。

日本では昔からコガタアカイエカが媒介する日本脳炎や、2014年8月に感染が確認されたデング熱、ペットの病気ではフィラリア症といった感染症があります。

ここ最近懸念されているウエストナイル熱に関してはアカイエカ、ヒトスジシマカなど43種の蚊が媒介するといわれています。日本ではまだ発症が確認されていませんが、注意しておくべき感染症です。

蚊に刺される機会が多いほどこれらの感染症に接するリスクも高くなるので、蚊になる前段階でボウフラの駆除をする事は重要になります。

ボウフラが発生する原因について

ボウフラが発生する原因について

ボウフラが発生する原因として押さえておきたいポイントは放置された状態の水です。

ちょっとの量の水が溜まっていたというだけでもボウフラの発生する原因となってしまいます。

水が溜まっている場所

蚊が卵を産み付ける場所として一番の条件となるのが、水が溜まっている場所です。

バケツなどの容器、空き缶に雨水が溜まっていたり、鉢植えの水受けといったちょっとした水が溜まっている場所でもボウフラが発生する原因となります。

庭の池や水槽、そして見落としがちなのがタイヤを処分しきれなくてとりあえず放置しているような状態だと雨水が溜まりやすいです。

他には下水道や浄化槽、墓地でお供えしている花を立てる容器などもボウフラが発生する原因となります。

ボウフラは体が小さいのと、泳ぎはそれほど得意ではないという特徴があります。

そのため、水の流れがあると流されてしまうため、流れのない静かな水辺を好んで生息しているのです。

食虫植物で増える事も

最近では食虫植物も販売されるようになり、楽しんでいる人も増えてきています。

食虫植物の中でも溶解液を貯めておくタイプのウツボカズラやサラセニアなどを飼育していると、溶解液の中でボウフラが生息している場合があります。

気温条件

ボウフラは25℃以上の環境が適しているといわれていますので、温度条件が揃うと早い時期からボウフラが発生するようになります。

ボウフラを生活環境で増やさないために

ボウフラを生活環境で増やさないために

ボウフラが好む環境を作らないようにする事で、ボウフラの発生を防ぐ事が出来ます。どのように対策をしていけば良いのかを見ていきましょう。

水が溜まるような環境にしない

ボウフラの発生の原因ともなる蚊の産卵場所に適している「水が溜まった場所」を失くす事がボウフラを増やさないポイントとなります。

屋外で容器や空き缶、空き瓶などを放置しておくと雨が降った時に水が溜まりやすいです。こういったちょっとの水でもヒトスジシマカなどは卵を産みます。

水が溜まっている場所があるようでしたらすぐに流すようにすると良いでしょう。他にも植木の水受けなどは数日放置するだけでボウフラが発生するケースもありますので、こまめに溜まった水を流すようにして下さい。

また、普段からくぼんでいて、雨が降る度に水たまりになりやすい場所はボウフラの発生の原因になりやすいです。

水たまりが干上がってからイエカ類はすぐに死ぬのですが、ヤブカ類は干上がっても数か月は生き延びる事が可能です。

そのため、水たまりが出来やすい場所はくぼみを平らにして水が溜まらないようにすると良いです。

ボウフラが発生してしまったら

見落としていた水の溜まる場所があった、庭やベランダにある池や睡蓮鉢にボウフラが発生してしまったという場合、いくつかできる対処法がありますので大量発生する前に早めに対策する事がポイントとなります。

魚を飼育する

睡蓮鉢などはメダカを飼育して発生したボウフラをメダカが食べるという生態系のサイクルを利用するといったボウフラ対策が出来ます。

手軽に入手できるのは金魚やメダカなどです。メダカをボウフラ対策で飼育する場合は、ボウフラがエサとして口に入るぐらいの大きさのものを選びます。

小さいメダカだと、ボウフラを食べきれずに大量発生してしまう可能性がありますので注意して下さい。

また、金魚の方が入手しやすいというイメージもありますが、金魚の場合、1匹辺りに必要な水量がメダカに比べて多くなるのと、酸素を供給するエアポンプが別途、必要になります。

もし水草で酸素供給ができている場合は、酸素ポンプの必要がないメダカを選んだ方が扱いやすいでしょう。

銅の力を利用する

睡蓮鉢などでメダカを準備できないという場合におすすめなのが銅板を使う方法です。銅板から銅イオンが水中に徐々に溶けていきボウフラにとって苦手な環境を作り出す事が出来ます。

銅を利用する方法は10円玉でも有効ですが、錆びてしまうのと1リットルに対し20枚ぐらい入れないと効果が出ないなど、かなりの量が必要になるのであまりおすすめできません。

ホームセンターなどで売られている銅板を購入して、使用前に台所洗剤などで軽く洗い水面付近で浸っているぐらいの位置になるように紐やクリップなどで固定します。

水が泥っぽかったり土が多いと効果が少ないので、水質も含め、泥の影響を受けにくい場所に固定するようにして下さい。

ボウフラ対策用の薬剤を使用する

害虫対策の薬剤でボウフラ用の殺虫剤が販売されています。

錠剤や粉タイプを水に入れるだけという手軽さもありますし、基本的に水の流れがない場所で使用するので、ゆっくり溶けていくタイプを選ぶと1か月ほど効果が持続するものもあります。

水がたまったところに入れるだけで発生予防ができ、効果も続くのでおすすめです。

まとめ

ボウフラは短期間で蚊に成長していくので見つけたら早めに対策をする事が大切です。水を失くしてしまう事がポイントですが、難しい場合は薬剤を利用したほうが確実です。

気温が高くなるとボウフラが発生しやすい環境が増えてきますので、見つけ次第すぐに駆除できるようにボウフラ駆除用の薬剤は購入しておくと便利です。

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