アリ(蟻)が発生する原因とは?アリの習性を知って対策しよう

アリ(蟻)が発生する原因とは?アリの習性を知って対策しよう

アリは、わたしたちの生活圏で存在する虫の中でも身近です。アリを見たことがないという方はほとんどいません。害虫というイメージはあまり大きくありませんが、アリは集団でいることが多いので、住宅周りや、室内でアリがいると心理的に不快になる方もいらっしゃいます。

場合によっては咬みつかれたり、刺されたりすることもあり、近年問題になっている外来種の存在も脅威です。

身近でありながら、実は意外と知らないアリの生態や、アリ被害、発生原因から対策方法までを見ていきます。

アリの生態について

アリの生態について

世界で1万を超える種類がいると言われるアリ。日本では280種類以上が確認されています。そのため生態はさまざまですが、以下ではわたしたちの生活圏で身近に存在するアリを中心に見ていきます。

アリの社会性

アリは、コロニーと呼ばれる巣で女王アリを中心に集団で生活しています。ハチやシロアリ同様、社会性昆虫と呼ばれる虫で、それぞれが役割を持っています。

ハチ同様、1つの巣に対し女王アリは1匹ですが、外来種として日本で広まったイエヒメアリやヒアリなど種類によっては女王アリが多数存在するものもあります。繁殖の季節は春から夏にかけてです。

アリは小さく、人の目から見るとか弱い生き物というイメージが強いですが、実は虫の中ではかなり強い捕食者として存在しています。

アリの食性と種類

アリの食性も種類によってさまざまですが、こちらでは大きく2つに分けてご紹介します。近年問題になっている外来種のアルゼンチンアリと2017年に日本ではじめて確認されて話題となったヒアリについては後述します。

雑食性

雑食性とされている通り、あらゆるものをエサとするアリです。蜜や砂糖の他、他の虫の死骸を食べることもあります。また、肉、魚、乳製品などを食べるものもあります。人家でよくみられるアリは雑食性が多いとされています。

トビイロシワアリ

体長 約2.5~3ミリメートル
特徴 黒褐色で、頭部に縦のシワがある

イエヒメアリ

体長 約2~2.5ミリメートル
特徴 全体的に淡い色をしており、腹部が薄黒い

オオズアリ

体長 約3ミリメートル
特徴 頭部が目立って大きく、赤みがかっている

ルリアリ

体長 約2~3ミリメートル
特徴 体は黒色で、光沢を帯びている

吸蜜性(きゅうみつせい)

糖分を好み、樹液や果実、菓子などをエサとするアリです。自然の多い場所で見られることが多いようです。エサを持って運ぶ習性は弱いとされているため雑食性のものより、人家にいることが少ないと言われています。

アミメアリ

体長 約3ミリメートル
特徴 腹部以外が茶褐色、腹部が黒褐色で全体的に丸みと光沢がある

トビイロケアリ

体長 約2.5~3.5センチメートル
特徴 全体的に黒褐色で、胸部だけ全体より少し薄い

外来種『アルゼンチンアリ』

1990年代前半に広島県廿日市で発見されてから、日本で広くみられるようになった外来種です。

1つの巣に複数の女王アリがいるため、繁殖力が非常に高いため住み着かれてしまうと駆除が大変です。また、攻撃性の高さから在来種を襲い生態系を壊すと危ぶまれています。

体長 約2.2~2.8ミリメートル
特徴 淡褐色のものが多いが、個体によっては褐色のものもある
エサ 雑食性だが、砂糖や花蜜を好み、特にアブラムシやカイガラムシの分泌する甘露を好む
主な営巣場所 植木鉢や石の下、ブロック塀やコンクリートの隙間や割れ目など

外来種『ヒアリ』

外来種『ヒアリ』

2017年の5月に兵庫県で確認されて以来、全国で広がりを見せているヒアリは、殺人アリとも呼ばれ、強い毒性を持ちます。

刺されると患部が大きく腫れ、うみが溜まる症状が特徴的です。毒の性質から、アナフィラキシーショックの危険性もあります。

ヒアリは一部が羽アリとなって分巣するため、同じアルゼンチンアリに比べ分布の広がりが早くなると指摘されています。

体長 約2.5~6ミリメートル
特徴 全体は赤褐色で、腹部は黒がかった赤色
エサ 雑食性で、花蜜や種子、他の虫、場合によっては小動物なども捕食する
主な営巣場所 道路わき、牧草地、芝生、公園など

ヒアリやヒアリと思しきアリを見つけた場合は刺されないように注意しながら、自治体や地方環境事務所に連絡しましょう。

アリ被害について

アリ被害について

あまりピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、外来種を含めたアリの被害は人への直接的被害、住宅への侵入の他、農作物の被害まで、実に多く挙げられます。こちらでは事例を含みながらご紹介します。

人家への侵入被害

多くの方がすぐに思いつくものは、住宅への侵入・食品への被害ではないでしょうか?
雑食性アリとしてご紹介したイエヒメアリなどは食品の袋などを自ら破って食害する例もあります。また、外来種アルゼンチンアリは赤ちゃんの口元についたミルクに集っていたという事例も報告されています。

ご存知の通り、アリは基本的に集団で行動します。人間に直接害を与えることがなくても、集団でいるのを見て生理的な嫌悪や恐怖を覚える方も多いです。

人への直接的被害

稀に人を咬んだり、刺したりすることもあります。ハチのように針を持っているものもいます。肌の弱い方だと腫れることもあるようなのでむやみに触れるのはやめましょう。特に好奇心旺盛なお子さんをお持ちのご家庭は十分注意してください。また、電化製品に侵入して、故障されることもあると言われています。

ヒアリに関しては上述で説明した通りです。命に関わるものではありませんでしたが、日本でも咬まれた事例があります。

農作物への被害

アリは農作物に大きな被害をもたらす害虫・アブラムシやカイガラムシと共生関係を結んでいます。アブラムシやカイガラムシが分泌する甘露がアリのエサとなるため、彼等を天敵から保護し守っているため、農作物の被害を増やしていると考えられます。

特にアルゼンチンアリは個体が多く、被害が甚大と言われており、実際にアルゼンチンアリがはじめて発見された広島県廿日市周辺の家庭菜園や畑ではアブラムシやカイガラムシの被害が増えていると言います。

アルゼンチンアリ自体も直接農作物へ被害をもたらすため、アルゼンチンアリの広がりは国内農業へも大きな影響を及ぼすかもしれません。

アリの発生原因について

アリの発生原因について

住宅で見られるアリの発生原因はすべてエサと考えられます。また身近で巣が作られやすい場所はどこなのかを見ていきます。発生原因や具体的な営巣場所を知ることで対策が行いやすくなります。

アリはエサを求めて侵入してくる

アリが人家に侵入してくる目的はエサの確保です。
特に人家でよく見られる雑食性のアリは、多くのものをエサとします。人間のこぼした食べカスはもちろん、歯磨き粉や歯磨き粉の残った歯ブラシなどにも集っていることがあります。

アリはエサを見つけると、フェロモンを出して仲間を呼びます。アリの行列を見たことはありませんか?あれは仲間の出すフェロモンをたどっていると言われています。

巣(コロニー)の作られやすい場所

地面に直接植木鉢を置いている場合や芝生を敷いている場合、その下に巣を作っていることも珍しくありません。庭や芝生にボコボコが目立つようならアリの巣がある可能性が高いです。これは蟻塚(ありづか)と呼ばれ、アリが巣を作る際に掘った土が山になっている現象です。

自宅内に侵入の形跡がなくとも、庭や敷地内にアリの巣があれば、住宅内外をエサ場にされることは十分考えられますので注意が必要です。

また、アルゼンチンアリはちょっとした隙間や亀裂にも巣を作ります。生態で挙げた以外にも段ボールの下、空き缶の中などに巣をつくっていたケースがあるようです。

アリ対策について

アリ対策について

アリの生態、エサ、発生原因を知ったあとはアリの対策方法を見ていきます。アリの発生や巣をつくらせない予防方法はもちろん、実際にアリを見かけた場合、巣を作られてしまった場合の具体的な駆除方法をご紹介します。

アリ予防方法

まずは、予防方法についてです。以下の方法は駆除を行った後のアフターケアとして行うことでも、再発を防止できる可能性が高まります。

部屋を清潔に保つ

絨毯や畳、フローリングなどに食べカスなど落ちていませんか?
小さなお子さんや室内でペットを飼っているご家庭は特にこまめに掃除機をかけるなどしましょう。

食品の封を開けっぱなしにしない

砂糖やお菓子など、使いかけ、食べかけのものはしっかり封をする、保存容器や袋に入れ替えることを心がけましょう。

食品ではありませんが歯磨き粉や液体歯磨きなどにも集まる場合がありますので、使ったら蓋をしっかり閉めることを心がけ、液体歯磨きなどはキャップから液だれなどがないようにしましょう。

生ごみはすぐに処理する

三角コーナーに生ごみが放置されている、生ごみが入っている袋が開けっ放しという状態もアリを呼び込みやすいです。都度しっかり回収するようにしましょう。

食器・鍋・フライパンなどの洗い残しに注意する

アルゼンチンアリは、洗い残しやフライパン・鍋の焦げ付きにも集まるようです。洗い残し、焦げ付きもしっかり取り除いてから保管しましょう。

地面に直接モノを置かない

植木鉢などは専用の台などに設置するようにしましょう。できるだけ地面にモノを直接置かないことを心がけると、かなり営巣される危険性を減らすことができます。地面に直接敷いている防水シートは下を確認したり、芝生は定期的にお手入れすることをおすすめします。

アリ駆除方法

集団で活動するアリの駆除は、殺虫剤を用いての方法が最も効率が良いです。

即効性の高いオーソドックスなスプレータイプ、アリの習性の1つであるグルーミングを利用した遅効性(効果がでるまでにある程度時間がかかるもの)タイプの殺虫剤など種類はさまざまです。

部屋に侵入したアリをすぐ駆除したい場合

部屋でアリを見つけた場合、目の前のアリをすぐ駆除したい場合は、殺虫スプレーが効果的です。

一般的な殺虫スプレーでも駆除が可能です。あまりにも高い頻度でアリを見る場合や、数が多い場合は、上記した予防方法を施しながら巣ごと駆除することをおすすめします。

巣ごとアリを駆除する場合

まずは巣がどこにあるかを特定することが必要になります。アリが巣を作りそうな場所や蟻塚などを参考にしながら見つけましょう。アリの行列を辿っていくのも良いでしょう。

直接アリにかけるタイプの液体殺虫剤をアリの行列にかける、巣にかけるなどで駆除することが可能です。

また、住宅周辺に置くタイプの殺虫剤もありますが、これは一度液体殺虫剤でアリやアリの巣駆除を行った後のアフターケアとして使用すると、より効果的です。

まとめ

身近な虫ですが、実は細かく見ていくとかなり厄介とも言えるアリ被害。特にアルゼンチンアリは繁殖力や巣の規模が大きいため、一度営巣されてしまうと大変です。

生活の中でできる限りの対策を行い、アリを見かけたら殺虫剤を用いて安全に駆除を行ってください。何より有効なのは早期対策です!住宅周辺でアリを見かけることが多くなってきたなと思ったら、被害の規模や範囲が広がらないように早めに対策を行いましょう。



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