2018年3月15日 | 虫
ハチ(蜂)が発生する原因とは?ハチの退治方法と予防対策
身近に存在する虫の中でもおそろしいのがハチではないでしょうか。ハチの刺傷被害のニュースも流れてきます。命の危険があると言っても大袈裟ではないハチ被害。
ハチに刺されないようにするために、ハチの生態やハチの発生原因、ハチの巣を発見した場合はどうすれば良いのかを見ていきます。自力でのハチ・ハチの巣駆除の方法もお伝えします。ご自身や大切なご家族の身の安全のために、是非ご参考ください。
ハチの生態について
ハチはアリと同じく、高度な社会性を持ち、集団で生活を営む社会性昆虫です。
日本に生息するハチは大きく分けてスズメバチ・アシナガバチ・ミツバチの3種。いずれも攻撃性に違いはありますが人間を刺すこともあり、十分注意しなくてはいけません。それぞれ攻撃性が高くなる時期もご参考ください。
ハチの種類
スズメバチ
体長 | 15~30ミリメートル |
---|---|
営巣場所 | 軒下、屋根裏、木の根元など |
活動時期 | 5~11月 |
攻撃性が高くなる時期 | 7~10月 |
巣の特徴 | とっくりを逆さにしたような形で、入り口は1つ |
主な種類 | オオスズメバチ、キイロスズメバチ、クロスズメバチ、ヒメスズメバチ、コガタスズメバチ |
日本に分布するハチの中で最も警戒心が強いと言われるスズメバチは、その警戒心から攻撃性・毒性も高いです。また、種類も多く現在日本では10種以上が確認されています。
中でもオオスズメバチは世界最大のハチで、体長は大きい個体で40ミリメートルを超えるものもいると言います。
スズメバチについては、「スズメバチが発生する原因とは?スズメバチの習性を知って対策しよう」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
アシナガバチ
体長 | 20~25ミリメートル |
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営巣場所 | 軒下、植え込み、室外機の中など |
活動時期 | 4~9月 |
攻撃性が高くなる時期 | 6~8月 |
巣の特徴 | 剥き出しで六角形の巣穴がいくつも並んでいる |
主な種類 | セグロアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、キアシナガバチ、コアシナガバチ |
市街地でも良く見られるアシナガバチは、スズメバチに比べ大人しい性格のため益虫としての側面も大きいと言われています。しかし、低い場所にも営巣するため、小さなお子さんがいるご家庭は特に注意が必要です。スズメバチに間違えられることも多いようですが、アシナガバチは後ろ脚を垂らして飛ぶのが特徴です。
ミツバチ
体長 | 10~15ミリメートル |
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営巣場所 | 屋根裏、壁の間、木の空洞 |
活動時期 | 1年中 |
攻撃性が高くなる時期 | 10~11月、2~3月 |
巣の特徴 | 六角形の巣穴が剥き出しで平行に重なっている |
主な種類 | ミツバチ、クマバチ |
害虫というより、ほとんど益虫として扱われるミツバチはご存知の通り、養蜂場で飼われ、わたしたちにはちみつを提供してくれています。刺すと針がそのまま抜かれ、自身が死んでしまうため滅多なことでは刺してきませんが、巣を守るために集団で攻撃してくることもあります。
ミツバチについては、「ミツバチの面白い生態について 女王バチも働きバチもみんなメス・・オスは10パーセント」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
ハチ被害について
攻撃性に違いはありますが、ハチの刺傷被害は一年を通して報告されています。ただ痛いだけではなく命の危険もあるハチ被害。自分だけではなく、大切なご家族を守るためにも、まずはハチ被害の危険性を知りましょう。
ハチによる刺傷(ししょう)被害
ハチの刺傷被害は年間で数千件と言います。すべてのハチを合わせた件数ですがハチ被害が増える時期は7月~10月と報告されていて、これはちょうどキャンプや行楽のシーズンでもあり、スズメバチの攻撃性が増す時期と一致します。
被害は年々増加の一途をたどっています。スズメバチの活動範囲や営巣場所が都市部でも見られるようになったのが原因の1つと考えられています。本来、人の生活の近くで営巣しなかったスズメバチの一部が都市部の生活に適応してきたと言われています。
アナフィラキシーショックの危険性
ハチ被害で最もおそろしいのがアナフィラキシーショックです。
アナフィラキシーショックは、アレルギー反応の1つであり食べ物や薬物などが原因で起こることで知られていますが、ハチ毒も代表的なアレルゲンの例としてあげられています。
よく「ハチに2回刺されると死ぬ」という説を耳にしませんか?
これは1度刺されて毒に対するアレルギーを持ち、体内に抗体が生まれたあとに、もう1度刺されてしまうとアナフィラキシーショックが引き起こされる可能性があることに由来すると言われています。
それほど多い数ではありませんが死者が出ることも珍しくありません。
ハチ被害にあわないために
命の危険にもさらされるハチ被害にあわないために、どんな予防対策が有効なのでしょうか。ハチの警戒心の強さを理解し行動すれば多くの場合、安全です。
ハチの攻撃性が増す時期はちょうどお出かけシーズンです。自然が多い場所へ行く際には特に注意しましょう。
ハチを見かけた場合の対処法
ハチを発見した場合
基本的に『近づかない』を徹底してください。
ハチは警戒心が強い虫です。攻撃性が高いことで知られるスズメバチも不用意に近づいたりしなければ、わざわざ刺してくることはありません。
ハチが自分の周りを飛ぶ、カチカチと警戒音を発する場合はすみやかにその場を離れましょう。大きな声を出したり、手で振り払ったりするとハチが興奮して刺してくる可能性が高いです。
ハチの巣を発見した場合
ハチの巣を見かけた場合も同様です。極力近付かないようにしてください。自宅敷地内や、近所、公共の施設でハチの巣を発見した場合、遠くからオペラグラスや携帯カメラのズーム機能などで確認すると、種類の判別ができます。
自治体によってはハチの種類によって駆除してくれるところがありますので種類の特定ができると非常に効率く良く、迅速に行動できます。夢中になって近付き過ぎないように十分注意してください。
無理は禁物です。難しいと判断すればすぐに中断してください。
ハチに刺れないための予防方法
自然の多い場所に出掛ける際は、黒っぽい服は避けましょう。汗や香水の匂いに反応することもあるので注意してください。
ハチは甘い香りに引き寄せられてやってくることもあります。甘いジュースや果物などを身体のそばに長時間置いておくのは避けましょう。
また、アシナガバチなどが洗濯物に紛れていて気付かずに刺されてしまったケースなども多いと言います。特に女王蜂の活動が活発になる10~11月、3月~4月には注意が必要です。
ハチ・ハチの巣予防について
ハチの発生を予防し、営巣させないためにできることをまとめました。種類にもよりますが、以下の予防は営巣前(4~6月)に済ませておきましょう。早目の対策が有効です。
事前にハチの巣ができやすいところへ忌避スプレーを撒く
軒下など、住宅敷地内でハチの巣ができやすい場所に忌避スプレーを撒くのも有効です。屋外は雨などで殺虫効果が薄れることもありますのでシーズン中はこまめに行いましょう。
木の剪定を済ませておく
ハチは木の枝先に巣を作ることがあります。これは木の枝や葉が死角になり、外敵から巣を守れるからです。ハチの営巣時期の前に木の剪定は済ませておいた方が良いでしょう。庭木に吊るすタイプのハチ駆除製品などもありますので活用してみるのもおすすめです。
自宅周りの整理整頓をしておく
木の剪定をしておくことと重なりますが、死角を作らないようにすることが大切です。住宅周りの整理整頓をしておき、ハチが巣を作りにくくしてください。アシナガバチは低い場所にも巣を作りますので隅々まで片付けましょう!
ハチの巣駆除について
ハチの巣の駆除についてです。ハチの巣を自力で駆除することを考える前にまずは、お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。自治体によって対応は違いますが、スズメバチの場合は駆除してくれるところも多いようです。スズメバチの巣の処理は必ず専門家に依頼しましょう。
【参考】スズメバチの巣の撤去|江東区
自力でハチ・ハチの巣駆除を行う場合
【用意するもの】
- 丈夫なビニール袋(数枚)
- 防護服
- ヘルメットや帽子、ゴーグルなど
- ハチの巣を落とす長い棒
- ハチ用殺虫剤
自治体によって対応は違いますが、ハチの巣を落とす棒や防護服を貸し出しているところもあります。目や頭部を守るものも用意しましょう。露出はできるだけ避けてください。
駆除後の巣を入れておくビニール袋は丈夫なものを用意し、入れたら数枚重ねるため数枚ご用意ください。
ハチ用の殺虫剤も、予備も含めてできれば数本用意してください。
ハチの巣駆除方法
日没後に行うのがベストです。
- 離れた場所から巣に向かって殺虫剤を噴射します。ハチが巣から飛び出してきても慌てずそのまま噴射を続けてください。
- ハチの勢いが落ち着いたら少し近づいてそのまま殺虫剤を噴射しながら巣を落とします。
- ビニール袋に入れて、口を小さく絞りそこへまた殺虫剤を噴射します。ハチがほとんど出て来なくなったら何枚か重ねて完了です。
自力で行うハチの巣駆除の注意点
周辺への配慮を怠らず、気を付けながら行ってください。通行人や近所の方に被害がいかないように慎重に行います。駆除の前に近隣の方へ一言声をかけておきましょう。
また、殺虫剤で落ちたハチにも手を触れないようにしてください。筋肉の収縮運動で針が刺さるケースもあります。
自力で難しい場合は無理せずハチの巣駆除業者へ
どんな種類のハチであっても、自力でのハチ駆除が難しい場合は自治体や民間のハチ駆除業者を頼りましょう。いかなる種類のハチの巣であっても、バレーボールくらいの大きさになると自力での駆除が難しいと言われています。
無理をせず、あくまで自分たちで行える範囲かどうか確認してから行ってください。
まとめ
ハチは警戒心が強ければ強いほど攻撃性が高い傾向にあります。ハチやハチの巣を見つけたときは『近づかない』を徹底しましょう。
巣を見つけてしまった場合、まずは自治体に相談してみましょう。自力で巣を駆除する場合はくれぐれもご無理のない範囲で、難しいなら民間の駆除業者を頼りましょう。
巣ができて、大きくなってしまうと駆除が大変なだけではなく近隣の方や通行している方を危険に晒してしまうことも十分考えられます。早期対策・早期対処を行ってください。
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