2020年2月20日 | お役立ち情報
おしゃれ着洗いの基本と疑問を解決!
ウールのセーターやシルクのブラウスなど、デリケートな素材の衣類を普通に洗濯すると、毛玉ができたり毛羽だったりして、傷んでしまいます。大事なおしゃれ着を傷めずに洗いたいけれど、洗い方がわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、おしゃれ着洗いの基本とおしゃれ着洗いをする上で気になる疑問について解説します。
おしゃれ着洗いとは
まず、おしゃれ着洗いの「おしゃれ着」とは、普通に洗うと傷む可能性がある衣類を指しています。そういった、デリケートな衣類を傷めずに優しく洗うことを「おしゃれ着洗い」といいます。
普通の洗濯とおしゃれ着洗いの違いは?
「おしゃれ着洗い」とTシャツや下着などを洗う「普通の洗濯」は、どのような違いがあるのでしょうか。
洗剤の違い
普段の洗濯に使う洗剤には、液体洗剤と粉末洗剤があります。液体洗剤には中性もありますが、ほとんどが中性より洗浄力が高い弱アルカリ性です。また、衣類を白くする効果がある蛍光剤が配合された洗剤もあります。
粉末洗剤は液体洗剤以上に洗浄力が高く、酵素や漂白成分が配合されたタイプは食べこぼしのシミや、落ちにくい泥汚れもスッキリ洗い上げます。
一方、おしゃれ着用洗剤は中性なので、洗浄力は弱アルカリ性ほど高くありません。しかし、縮みや色褪せなど洗濯によるダメージを抑えながら洗えるので、デリケートな衣類を洗うときは、おしゃれ着用洗剤を選ぶようにしましょう。
洗い方の違い
普段の洗濯には、洗濯機の標準コースを使う方が多いのではないでしょうか。標準コースでは、洗濯物の汚れを落とすために洗濯槽が強めに動いて衣類を洗い、たくさんの水ですすいでしっかり脱水します。
一方、おしゃれ着を洗濯機で洗うときは、「ドライコース」や「おうちクリーニングコース」「ソフトコース」など、標準コースよりも優しく洗えるコースを選びます。
標準コースに比べると、洗濯槽の動きは優しく、すすぎの水流も緩やかです。衣類が絡み合わないようにほぐしながら脱水するので、型崩れの心配なく洗えます。
おしゃれ着洗いできるもの・できないものの見分け方
デリケートな素材の中には、おしゃれ着用洗剤を使っても洗えないものもあります。自宅で洗えるものと洗えないものの見分け方についてご紹介します。
洗濯表示を確認する
家庭で洗濯できるかできないか、洗濯機で洗えるか手洗いにすべきか、といったことは衣類についている洗濯表示を見て確認します。平成28年12月1日から洗濯表示マークが変更され、従来は22種類だったものが41種類に増え、より詳細に洗濯方法がわかるようになりました。基本的な記号は「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」の5つの記号で示されます。
家庭で洗濯できるか確認するには、「家庭洗濯」を表す洗濯桶のマークを確認してください。洗濯桶の中の数字は、洗濯に使う水の上限温度を示しますので、40と記載されていたら、40℃が上限ということになります。
また、洗濯桶マークの下に一本線が入っていたら「洗濯機で弱い洗濯ができる」という意味に、二本線が入っていたら「洗濯機で非常に弱い洗濯ができる」という意味になりますので、ドライコースなどの優しく洗えるコースを選んでください。
洗濯桶マークの中に手の表示がある場合、水の温度は40度を限度として手洗い可能という意味になりますので、40度以下のぬるま湯か水で手洗いをしましょう。洗濯桶マークにバツ印がついていたら、家庭での洗濯禁止ということです。
家庭での洗濯禁止マークがあればクリーニングへ
洗濯表示を見て、家庭での洗濯禁止マークがついている場合、自宅で洗うと縮んだり色落ちしたりする可能性があります。ムリして洗うと大切な衣類を傷めてしまう可能性がありますので、ドライクリーニング可能であるか洗濯表示を確認してクリーニング店に持って行く方がよいでしょう。
おしゃれ着洗いの前の準備
おしゃれ着洗いの前に準備しておくもの、チェックしておくべきことをご紹介します。
準備するもの
おしゃれ着洗いには、次のものを用意しておきましょう。
おしゃれ着用洗剤
普段使っている洗濯洗剤ではなく、おしゃれ着用の中性洗剤を用意しておきましょう。普通の洗濯洗剤に比べて洗浄力は弱いですが、繊維へのダメージが少ないので安心です。
洗濯ネット
洗濯機で洗う場合、そのまま洗うと洗濯物同士が擦れて傷んでしまいます。擦れを防ぐために、たたんで洗濯ネットに入れてから洗いましょう。手洗いする場合でも、洗濯機で脱水するときは洗濯ネットに入れてください。
洗面器
手洗いをする場合は、洗面器を用意しましょう。洗面器の容量に合わせて洗濯液を作って洗います。
平干しネット
ニットを洗った場合、平干しした方がいいものもあります。平干しネットがあれば、ハンガーに吊らずに干せるので便利です。
色落ちしないか確認する
洗う前に、色落ちしないか念のために確認しておきましょう。おしゃれ着用洗剤を白いタオルにつけ、衣類の目立たない部分をポンポンと優しく叩いてみましょう。もし衣類の色がつくようであれば、家庭での洗濯はやめてクリーニングに出すことをおすすめします。色落ちしないことを確認してからおしゃれ着洗いをしましょう。
シミがないか確認する
洗う前に食べこぼしなどのシミがないか確認しておきましょう。シミがついている場合は、その部分におしゃれ着洗い洗剤の原液をつけ、軽くたたいて汚れを浮かします。できるだけ洗う前に落としておきましょう。
おしゃれ着の洗い方
おしゃれ着洗いの方法について解説します。洗濯表示を確認して、「手洗い」のマークや「洗濯機で弱い洗濯ができる」「洗濯機で非常に弱い洗濯ができる」マークがついていたら、家庭でおしゃれ着洗いができます。洗濯機で洗う方法と手洗いする方法がありますが、デリケートな素材や大切な衣類は手洗いで優しく洗う方がよいでしょう。
洗濯機で洗う方法
洗濯機でおしゃれ着洗いをする手順や注意点をご紹介します。
衣類をたたんで洗濯ネットに入れる
型崩れなどを防ぐために、洗濯ネットに入れてから洗いましょう。衣類が洗濯ネットの中で動かないように、できるだけネットのサイズに合わせてたたんでください。
「ドライコース」で洗う
洗濯機のメーカーによって「オシャレ着洗いコース」「手洗いコース」など名前が異なります。標準コースよりも弱い水流で、優しく揺らすように洗いますので衣類を傷めません。
脱水時間は短く設定する
脱水時間が長いとシワや伸び縮みの原因になるため、1分以内にしておきましょう。
30℃以下の水で洗う
普段の洗濯にお風呂の残り湯を使っている方も多いでしょうが、おしゃれ着の素材には、熱に弱いものもあります。おしゃれ着は30℃以下の水で洗いましょう。
手洗いをする方法
おしゃれ着を手洗いする場合は、洗面器に水とおしゃれ着用洗剤を入れ、優しく押し洗いしましょう。ゴシゴシ擦ったり、揉み洗いをしたりすると生地が傷む恐れがありますので、押し洗いをしてください。洗い終わったら、たたんで洗濯ネットに入れ、洗濯機で脱水します。それから洗面器にきれいな水を入れて、泡がなくなるまですすいでください。最後にもう一度洗濯機で脱水するか、大きめのタオルではさみ、水気を吸い取ってから干しましょう。
柔軟剤も使った方がいい?
普段の洗濯に柔軟剤を使っている方は、おしゃれ着洗いと一緒に柔軟剤を使っていいか気になるでしょう。おしゃれ着洗い洗剤は、柔軟剤と一緒に使えるタイプが多いですが、おしゃれ着洗いだけでもふんわり仕上がるものが多いです。さらにふんわりさせたい方や香りづけしたい方は、最後のすすぎのときに使ってみてはいかがでしょうか。
漂白剤は一緒に使える?
漂白剤を使いたいときは、まず洗濯表示を確認しましょう。三角のマークが漂白を表す記号です。漂白記号には3種類あり、三角だけのマークは塩素系漂白剤でも酸素系漂白剤でも使用可能、斜線が入った三角マークは酸素系漂白剤のみ使用できます。三角マークにバツ印があるものは、漂白剤を使用できません。
おしゃれ着用洗剤と一緒に使えるのは液体の酸素系漂白剤なので、洗濯表示を確認して漂白剤を使用できる場合は、液体の酸素系漂白剤を使いましょう。
おしゃれ着の干し方
おしゃれ着を洗って脱水したら、なるべく早く形を整えてから干すようにしましょう。おしゃれ着は、風通しの良い場所に陰干しするのが基本ですが、洗濯表示には干し方についても指示がありますので、マークを確認してから干してください。
洗濯表示のマークの中で、正方形の中に線が入っているものは、自然乾燥の方法を表しています。
縦の一本線は脱水して吊り干し乾燥で、縦の二本線は脱水せずに吊り干し乾燥です。
また、横の一本線は脱水して平干し乾燥、横の二本線は脱水せずに平干し乾燥してください。
斜め線が入っているものは、陰干しをするという意味です。
セーターなど、洗った後に吊り干しをすると重みで伸びてしまうようなものは、吊るさずに平たく寝かせて干します。平干しは、ピンチハンガーの天面を利用するという方法もありますが、平干し用のネットも販売されていますので、便利なアイテムを活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
大切なおしゃれ着を自分で洗えたら、クリーニングに出す手間や費用がかかりません。おしゃれ着を自分で洗うと縮んだりしてしまわないか心配な方もいるでしょうが、洗濯表示をよく見て、正しい洗濯方法で洗えば自宅でもきれいに洗えます。
おしゃれ着は洗うと傷むというイメージを持っている方もいるでしょうが、おしゃれ着用洗剤の中には、着用時に擦れてできた毛玉をケアしたり、着用してできたヨレを整えたりするものもあります。おしゃれ着をきれいに保ち、長く着るためにも、自宅で定期的に洗うようにしてみてはいかがでしょうか。