2019年12月18日 | 園芸・ガーデニング
【簡単でおしゃれ!】キッチン菜園におすすめの野菜と育て方をご紹介
近年では、身近な野菜を再生させる「リボベジ(リボーンベジタブル)」の人気が高まり、キッチンで野菜を育てる「キッチン菜園」に取り組む人が増えています。今回は、キッチン菜園のメリットと管理のポイント、話題のリボベジの水耕栽培のほか、タネからスプラウトを育てる方法やトラブルの対処法についてご紹介します。身近な野菜のヘタや根元などを再利用し、簡単に取り組めるキッチン菜園の魅力をお楽しみください。
室内でガーデニング!キッチン菜園を楽しもう
「キッチン菜園」とは、キッチンのテーブルやカウンターなどの小さなスペースで野菜を育てる室内のガーデニングを指します。キッチン菜園は土を使わず、水で育てる「水耕栽培(すいこうさいばい)」で管理します。
キッチン菜園のメリット
キッチン菜園は、畑やプランターの菜園よりも手入れが簡単で生育の期間が短く、季節を問わずに育てられる点がメリットです。また、安全で新鮮な野菜を自分で育てて収穫することも大きな魅力です。さらに、キッチン菜園で野菜を育てれば食費が節約できる上、野菜のヘタや芯(しん)、根元などの再利用はゴミの削減につながります。
そのほか、きれいなカップや手作りの容器を使用すればおしゃれなインテリアとして飾れるだけでなく、日々の生長を撮影してSNSやブログで紹介する楽しみもできます。加えて、小さなお子さんがいるご家庭では理科の学習や自由研究に利用でき、親子で食生活に関する知識を深める「食育」への発展も期待できます。
キッチン菜園のポイント3つ
キッチン菜園は、次の3つのポイントを押さえて管理しましょう。
① 日当たりは3~4時間
植物の生長には日光が不可欠なので、キッチン菜園で育てるときも数時間の日照時間を確保してください。キッチンのテーブルやカウンターなどに日光が入らない場合、昼間は日が当たる窓際などに容器を移動させて管理しましょう。
ただし、夏の強い直射日光に当たると野菜が弱るので、レースカーテンなどで遮光することをおすすめします。なお、「スプラウト」と呼ばれる野菜の新芽をタネから栽培するときには、説明書に従って日が当たらない場所で管理しましょう。
② 室温は20度くらい
植物の栽培や発芽に適した温度は、15~20度くらいが理想です。したがって、キッチン菜園は温度を保てば冬でも収穫ができます。気温が高く上がる夏は、エアコンを使用した部屋で管理しましょう。
ただし、エアコンや暖房器具の吹き出し口の前は乾燥するため、容器の置き場所には気を付けてください。また、水耕栽培は中の水がこぼれることがあるので、容器は家電製品の近くを避けて置きましょう。
③ 毎日の水の交換
野菜を入れた容器の水は毎日交換し、内側も時々洗浄して清潔にしてください。特に梅雨や夏の間は、雑菌の繁殖を防ぐためにも水は朝と夕方の2回入れ替えると安心です。水の量は1~2cmくらいに抑え、野菜の傷んだ部分などはその都度取り除いて管理しましょう。
キッチン菜園~根菜類で水耕栽培
それでは、キッチン菜園で根菜のヘタや根の部分を再利用する方法をご紹介します。
おすすめの野菜
ヘタの部分を再利用する野菜は、ニンジンやダイコン、カブ、ラディッシュなどがおすすめです。根の部分を再利用する野菜は、ニンニクやショウガ、ワサビなどがあります。水耕栽培で育てる場合は葉の部分が再生するので、スープなどの具や彩り、香り付けとして使用しましょう。
基本の育て方
ニンジンやダイコンなどは葉と根の部分を切り落とし、平らな容器に水を張ってヘタを置きます。ニンニクやショウガなどは、形状に合った容器を選びましょう。どちらも日当たりが良い場所に置き、毎日水を交換してください。
野菜の本体にぬめりが出たら洗浄し、傷んだ部分や枯れた部分は取り除いて管理しましょう。生長して大きくなったときには、屋外の土に植え替えて育てられますが、葉が硬くなったり花が咲いたりしたときには観賞用としてお楽しみください。ニンニクやショウガは、環境が整えば地下の部分が生長して株が増えることもあります。
キッチン菜園~葉物類の芯で水耕栽培
続いて、キッチン菜園で葉物の芯を再利用する方法をご紹介します。
おすすめの野菜
芯の部分を再利用できる野菜は、キャベツやレタス類、白菜などがあります。市販の野菜のように大きな株には育ちませんが、伸びた葉をスープやみそ汁などの具に使用できます。キャベツなどは、芯を取り除いて保存すると本体が長持ちするメリットもあります。
基本の育て方
キャベツなどの芯をくりぬいたり切り取ったりした後、平たい容器に置いて育てます。半分に切って売られている株の芯も、大きめに切り取れば再生することがあります。毎日水を交換して傷んだ所を取り除きながら管理すると、芯の側面や上部から新しい葉が伸びてきます。
キッチン菜園~根元を残した水耕栽培
次に、キッチン菜園で野菜の根元を再利用する方法をご紹介します。
おすすめの野菜
根元の部分を再利用する野菜は、小松菜、チンゲン菜、水菜、ネギ、ニラ、三つ葉などのほか、ミントやバジルなどのハーブ類、パックの豆苗などがあります。小松菜などは縦に細長い容器を用意し、茎を安定させて育てましょう。小ネギやニラなどの細い野菜は、輪ゴムで束にするとバラバラにならず倒れません。
小松菜などの根元を利用する野菜は、ペットボトルの容器で育てることも可能です。ペットボトルの詳しい使い方については、「ペットボトルプランターで水耕栽培!こんなに使えるガーデニングの小技」の記事もご覧ください。
基本の育て方
小松菜やチンゲン菜などは根元から数cmのところで切り、根が残っている野菜はそのまま利用します。ハーブ類は、茎の先端を斜めにカットし、水に挿すと根が生えてきます。容器の水は毎日交換し、傷んだ部分や倒れた茎などを取り除きながら管理してください。
豆苗は、パックの形状が収まる平たい容器を選びましょう。豆苗は、豆の上の「脇芽(わきめ)」と呼ばれる小さい葉を残してカットするとよく生長します。容器の水は豆の部分が浸らないように注ぎ、毎日取り換えましょう。これらの根元を再利用する野菜も、土に植え替えて育てられます。
豆苗の育て方については、「【栄養たっぷり!】豆苗(とうみょう)の栽培方法やレシピをご紹介 」の記事も参考にしてください。
キッチン菜園~タネから育てる方法
続いて、野菜の新芽であるスプラウトをタネから育てる方法をご紹介します。スプラウトはビタミンやミネラルなどの栄養価が高いだけでなく、生長が速く短期間で収穫できる点がメリットです。
おすすめの野菜
タネから育てるスプラウト類は、ブロッコリーやカイワレ大根、ラディッシュなどのほか、マメ科のアルファルファという野菜がおすすめです。近年では、タネだけでなく栽培用の容器などがそろったキットも販売されているので、好みのものを探してみてください。
用意するものと基本の育て方
スプラウトを育てる際に用意するものは、下記の通りです。複数の容器を用意し、日にちをずらしてタネをまけば継続して収穫ができます。キットの場合は、セットになっているものを使用しましょう。
- 平らな容器
- スプラウト専用のタネ
- キッチンペーパーまたはスポンジ
- 霧吹き
- カバー用の新聞紙やアルミホイルなど
一般的なスプラウトの育て方は下記の順に行いますが、詳細はタネの袋やキットの説明書に従ってください。
- 容器にキッチンペーパーやスポンジを置き、ひたひたになるまで湿らせる
- タネは小さいので注意しながら扱い、重ならないように均等にまく
- 日が当たらない場所に置き、カバーをかぶせて20度くらいの室温を保つ
- 1日1回、霧吹きで全体を湿らせる
- 発芽したらカバーを外し、数cmくらいに育つまでは日光に当てずに管理する
- 一定の大きさに育ったら日光に当てて管理し、伸びた部分を収穫する
キッチン菜園のトラブルと対処法
最後に、キッチン菜園の管理で起こりやすいトラブルと対処法をまとめました。
ヒョロヒョロに育つ
伸びてきた茎や葉の色が薄かったり、ヒョロヒョロに育ったりするときは、日照時間の不足が考えられます。ご紹介したように、キッチン菜園の容器は日陰に置いたままにせず、日中は明るい窓辺などに移動して数時間ほど日光に当てましょう。
虫が付くときは
特に小松菜などの葉物の野菜は、購入した時点ですでに虫の卵が付いている場合があります。卵が孵化(ふか)して幼虫になると葉を食べてしまうので、幼虫を発見したらその都度取り除いて繁殖を防ぎましょう。そのほか、室内ではコバエなどの虫が繁殖してキッチン菜園の野菜に付くことがあります。
虫の数が増えて対応しきれないときには、植物性の原料を使用したフマキラーの「カダンセーフ」がおすすめです。カダンセーフは、食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。屋内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。また活力成分の天然アミノ酸とAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合していますので、病害虫対策だけでなく植物の生育もサポートする優れものです。
臭いやカビなど
キッチン菜園は、毎日の水の交換を怠ると雑菌が繁殖して臭いやカビが発生しやすくなります。特に夏の期間は室温が高いので、水は朝と夕方の2回入れ替え、容器の中も洗浄して清潔な状態を保つようにしてください。
毎日の観察を欠かさず行い、野菜の傷んだ部分や枯れた部分はすぐに取り除くこともポイントです。なお、ネギやニラなどの野菜自体の臭いが気になるときは、別の部屋かベランダなどの屋外に置きましょう。
キッチン菜園でおしゃれに野菜を育てよう
今回はキッチン菜園について取り上げ、話題のリボベジやタネから育てるスプラウト、生育中に起こりやすいトラブルと対処法をご紹介しました。キッチン菜園を管理する3つのポイントを押さえれば、初心者の方も楽しく育てることができるでしょう。
身近な野菜が徐々に生長する様子は、毎日の楽しみのひとつになりますよ。調理の際に出る野菜のヘタや芯、根元などは捨てずに再利用し、今日から小さなキッチン菜園をスタートしてみませんか。