残暑の季節に出る害虫を紹介。種類や対策、NG行動を解説!

残暑の季節に出る害虫を紹介。種類や対策、NG行動を解説!

地球温暖化の影響で、夏になると連日過酷なまでの暑さが続く状態が毎年のように訪れています。35℃を超えるような気温は、虫にとっても快適ではありません。

猛暑の影響もあり、夏の盛りを過ぎたころに活発に活動する害虫が増えてきました。

当記事では、残暑の頃に気をつけなければならない害虫を紹介し、さらにそれらの害虫に対する対策やNG行動を解説します。

残暑はいつからいつまで?

残暑はいつからいつまで?

残暑とは、もともと暦の上の秋となる「立秋」を過ぎて、秋分の時期(9月23日頃)まで残る暑さという意味です。立秋以前に時候の便りとして出していた「暑中見舞い」は、立秋を過ぎて出すときは「残暑見舞い」に変えなければなりません。

しかし、立秋は現代の暦では8月7~8日であるため、まだ夏の真っ盛りです。例年お盆を過ぎると少し暑さが和らぐ傾向になる点を考慮すると、現代の感覚では、8月中旬頃から9月中旬頃までが残暑の季節と考えられます。

もちろん、年によって暑さのピークや気温の変化は異なるため8月中旬頃から9月中旬頃」というのはあくまでもひとつの目安です

当記事では、8月中旬頃から9月末頃にかけてよく出る害虫を紹介します。

酷暑で虫の生態も変化!残暑も害虫に注意

地球温暖化は、昆虫をはじめとするさまざまな生物の生態に影響を与えています。生息域が北上したり、出現の時期が変化したりと、数多くの事例が報告されています。

さらに、気温が40℃近くなるような酷暑は多くの昆虫にとっても過酷な環境です。セミは熱中症のような症状によって死ぬケースがあります。気温が35℃を超すと鳴くのをやめ、40℃以上になると生存に影響を与えるようです。

害虫の中にも、真夏に活動できない分、少し暑さの和らぐ残暑の時期になって活動を活発化させるものがいます。

残暑に注意する7種の害虫

残暑に注意する7種の害虫

残暑の時期にも注意が必要な害虫を7種類紹介します。

① 蚊

日本の屋内でよく見られる蚊であるアカイエカが、もっとも活発に活動する気温は、20〜30℃です。それ以上の温度になると逆に動きが鈍くなり、木陰などの涼しいところで休むようになります。さらに35℃を超えると死亡率が上昇するといわれています。

「そういえば暑さの厳しい年には蚊をあまり見ない」という経験を持っている方も多いのではないでしょうか。

酷暑の年は、真夏ではなく暑さのピークが過ぎた9月頃に蚊の活動が活発化する傾向にあります。

【参考】
「蚊」は秋の季語に? 猛暑で活動できず、10月に活発化の可能性も|朝日新聞デジタル
セミも蚊も熱中症?目立たぬ今夏、酷暑に虫も悲鳴 |日本経済新聞

② ダニ

ダニは、年間を通して人間の生活に入り込んでいます。ふとんや枕、カーペットなどに潜み、人間のフケやアカなどをエサにしています。

ダニは高温多湿を好むため、梅雨から夏にかけて活発に繁殖し、多くのフンも出ます。残暑から秋にかけて気温が下がると大量に死亡します。

ダニの死がいやフンは、アレルギーの原因となるため注意しなければなりません。実際にダニアレルギーの患者は秋になると増える傾向にあります。

③ カメムシ

カメムシは洗濯物に付く習性があり、触ると嫌なにおいを出す不快害虫です。成虫の状態で越冬し、4月頃に活動をはじめ、春から夏にかけて産卵。幼虫は1カ月程度で成虫になります。

気温が低くなり始めると越冬場所を求めて、民家の近くにやってきます。カメムシは暖かい場所の隙間にもぐりこんで越冬する性質があるため、人間の住まいは最適の場所です。秋に洗濯物にカメムシが付くのは越冬の準備のためです。

④ ショウジョウバエ

ショウジョウバエは台所などによく現れる体長2〜2.5mm程度の小さなハエです。よくコバエといわれますが、コバエという種類のハエは存在しません。

家屋でよく見られる体長6~8mmのイエバエよりも小さいハエを総称してコバエと呼んでいます。コバエの中でもっともよく見かける種類がショウジョウバエで、それ以外に次の項で紹介するチョウバエやノミバエ、キノコバエなどを総称してコバエと呼びます。

ショウジョウバエは果物が大好物です。腐った果物や野菜、ビール、パンなどの発酵物に集まり、産卵します。台所の三角コーナーなどの生ゴミはこまめに取り除き、ゴミ箱やゴミ袋は虫が侵入しないように気をつけましょう。

ショウジョウバエは、気温25℃前後でもっとも成長が活発になるため、春や秋によく見かけます。ショウジョウバエのメスが産卵を開始するのは、羽化してわずか数日後です。一度に約80個の卵を毎日産卵し、亡くなるまでの1カ月程度の間に合計で500~1,000個ほどの卵を産みます。成長する期間も早く、孵化してから10日程度で成虫になります。

放置するとあっという間に増えるため、注意しなければなりません。いったん増えると殺虫剤で駆除してもまたどこからともなく現れる可能性があります。

いつまでたってもショウジョウバエがいなくならないときは、誘引剤がおすすめです。フマキラーの「コバエ超激取れキューブ」は、置くだけでショウジョウバエやノミバエを引き寄せて退治します。殺虫剤を使いたくない台所でも安全に使用できます。

⑤ チョウバエ

チョウバエもいわゆるコバエの一種です。翅の形が特徴的で、左右に広がったハート形をしています。日本でよく見かけるチョウバエの種類は、体長2mm程度のホシチョウバエと体長3~5mmのオオチョウバエの2種です。

チョウバエは、汚泥やヌメリのあるジメジメした場所で繁殖します。そのため、浴室や洗面所、トイレの付近で見かけることがあります。

チョウバエの主な活動期間は4~10月です。気温25~30℃でもっとも活動が活発になり、蚊と同様に35℃を超えるような猛暑では活動が鈍化。残暑から秋の季節にかけて再び見かけるようになります。

⑥ チャタテムシ

チャタテムシという名前にはなじみがないかもしれませんが、人間の住居で普通に存在する虫です。体長1~2mm、薄い茶色をしていてよくダニと間違われます。

人間には直接害を与えませんが、古い本や乾燥食品、カビなどを食害する害虫です。薄暗くジメジメした場所を好み、押し入れや畳、本棚などでよく発生します。

チャタテムシも夏の終わりから秋にかけてよく発生する虫のひとつです。ジメジメした環境を好みますが、寒さにはあまり強くありません。気温18℃以下では活動が鈍くなります。また、乾燥した環境にも弱く、湿度55%以下では、生存できません。

チャタテムシの予防には、風通しをよくして湿度を適切に保つことが重要です。

⑦ トコジラミ

トコジラミは、別名ナンキンムシと呼ばれます。トコジラミは体長5~8mm程度、体の色は茶褐色をしています。シラミの名がついていますが、カメムシの仲間です。

トコジラミは家具や寝具、壁や床の継ぎ目などのあらゆる隙間に入り込みます。主に就寝中などに吸血し、刺されると激しいかゆみを引き起こします。

かつては頻繁に発生していましたが、殺虫剤の普及により1970年代には被害はほとんどなくなりました。しかし新型コロナが一段落し、海外との人の往来が活発になって被害が増加しています。海外から持ち込まれたトコジラミが、旅館などを通じて日本の家庭に拡がっていると考えられています。

トコジラミの生息場所の付近には、黒っぽいシミのような汚れがあります。これは、血を吸ったトコジラミが排出した糞の色です。天井や壁、部屋の四角などに黒っぽい汚れがないかチェックしてみてください。もし、トコジラミを発見したら殺虫剤ですぐに駆除しましょう。

フマキラーAダブルジェットプレミア」は、トコジラミのほかに蚊・ハエやゴキブリ、イエダニなどこれ1本で多くの虫を退治できる殺虫剤です。

残暑に出る害虫の対策

残暑に出る害虫の対策

残暑の害虫に限ったことではありませんが、害虫全般に当てはまる対策を紹介します。それぞれの害虫に特有の対策については、前項をご確認ください。

こまめに清掃する

ほとんどすべての害虫に当てはまる対策であり、残暑だけでなく一年を通して必要なことですが、まずはこまめな清掃が重要です。

食べ物の残りかすやホコリ、フケなどは多くの生物のエサとなります。微小な有機物をエサとして小さな生物が繁殖し、それをエサとする害虫も増えてしまいます。定期的な清掃が害虫対策の第一歩です。

風通しをよくする

生物にはある程度の水分が必要です。ジメジメした環境は害虫の棲み家となります。特にダニやチャタテムシは湿度の高い環境を好むため、日頃からこまめな換気を心がけてください。

押し入れやタンスなどは蒸し暑い夏が終わった後のカラッと晴れた日に風を入れたり、除湿剤を使用したりするなどの対策をとるとよいでしょう。

発見したら殺虫剤で駆除

害虫を発見したら、殺虫剤で速やかに駆除しましょう。殺虫剤はそれぞれ、適用できる害虫の種類や使用できる環境が異なります。説明書にのっとった正しい使用を心がけてください。

屋外に発生したカメムシなどの駆除には「フマキラープレミアム」が有効です。カメムシ以外にもアリやコバエなどの200種以上のはう虫・飛ぶ虫に優れた効果を発揮します。

やってはいけない!害虫を増やすNG行動

生ゴミを放置する

生ゴミを放置する

生ゴミはさまざまな害虫のエサであり、繁殖場所にもなります。シンクの三角コーナーや排水口にたまった生ゴミはこまめに掃除するようにしましょう。取り除いてゴミ袋に入れた後も、虫が侵入しないように密封しなければなりません。

溜まっている水を放置する

蚊はほんの小さな水たまりでも繁殖可能です。植木鉢の受け皿にたまった少量の水でもボウフラがわいてきます。屋内・屋外を問わずたまっている水を放置しないように心がけてください。

また、空き缶・空きびん・ペットボトルに残った少量の飲料にも注意が必要です。ショウジョウバエは、ジュースやアルコール飲料が大好物です。缶飲料を飲んだ後、そのまま放置しているとショウジョウバエやアリが寄ってくる原因となります。

缶飲料を飲んだ場合、一度水でゆすいだあとしっかりと水を切り、屋外で保管する場合はゴミ袋などに入れてしっかりと密封してください。

段ボールを放置する

以外かもしれませんが段ボール箱は虫の発生源になる可能性があります。特に湿気を含んでいる段ボールは要注意です。段ボールは紙製品のため、直接水がついていなくても湿度が高いと湿気を吸収して虫の発生につながります。

ダニやゴキブリ、チャタテムシは紙製品もエサにします。特にチャタテムシは、湿度の高い段ボールで繁殖したカビが好物です。

段ボールを廃棄するまで一時保管する際は、家の中ではなく屋外にしましょう。再利用のために屋内で保管するときは、なるべく風通しの良い場所を選び、ときどき清掃することをおすすめします。

網戸にせずに窓を開ける

暑さのピークが過ぎたので、網戸なしでも大丈夫だろうと思って窓を開けるのは禁物です。残暑の季節でも、まだまだ蚊やハエは元気に飛び回っています。窓を開けるときは網戸を利用してください。

網戸をしていても、窓を半開きにするのはよくありません。窓が半開きの状態では、窓と網戸の間に隙間ができて虫が侵入する可能性が高くなります。

残暑の害虫も油断禁物!万全の対策で備えよう

残暑であっても多くの害虫は活発に活動します。むしろ35℃を超えるような暑さは虫にとっても過酷なため、少し暑さの和らぐ残暑から秋にかけての方がすごしやすいといえるかもしれません。

害虫対策の基本はこまめな清掃です。さらに、それぞれの害虫にあった予防・駆除の方法を組み合わせて、快適な住環境を目指しましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。

こちらの記事もオススメです!