2018年2月15日 | お役立ち情報
言い訳ばかりする子供の心理と正しい親の叱り方・育て方
「だって僕だけじゃないもん!」「私じゃなくて〇〇ちゃんが悪い!」。このように小さな子供でも言葉を覚えてくると言い訳をすることが多くなります。その時についつい親も「言い訳しないの!」と怒ってしまいがちです。
実は言い訳をした子供に対する叱り方や子育てで悩む親というのは決して少なくありません。どのような対応をとることが子供の言い訳改善につながるのでしょうか?
今回は子育てで悩む親御さんに、言い訳をする子供の正しい叱り方や子育ての方法を解説します。
言い訳が目立つ子供の心理とは?
子供が喋れるようになってから言い訳を口にするとママ、パパも最初は驚くことかと思います。しかし、なぜ子供は成長すると言い訳をするようになるのでしょうか?ここではまず言い訳が目立つ子供の心理をまとめましたのでご覧ください。
怒られるのが怖い
小さな子供は当然のことながら失敗もまだ多い時期です。したがって一つの行動や行為に対してママ、パパから注意されることも多々あります。子供も成長するにしたがって善悪の判断が徐々についてきますから「失敗すると怒られる」という気持ちが心の中で芽生えてきます。この「怒られる」という感情が言い訳につながっていきます。
人は誰しも他人から怒られると精神的に嫌な気分になったり、辛くなったりします。これは小さな子供も同じことであり、ママとパパから怒られることを望んではいません。
しかし、すでに起こしてしまった過ちはどうしようもありませんので「怒られることを回避したい」という考えを持ち、その結果として言い訳を口にするようになります。
嫌われたくない・良く思われたい
前述のように子供も成長すると良い、悪いの判断がついてきます。また悪いことをすると子供ながらに「嫌われてしまう」という感情も湧いてきます。子供は優しいママ、パパから嫌われることを決して望んでいません。
そのため、問題やトラブルを起こすと嫌われたくない一心で「僕(私)は悪いことはしていない、悪いのは〇〇だよ」といった言い訳をするようになります。言い訳をする子供は表面的には「悪い子」に見えがちです。
しかし、その根底には親から嫌われたくない、親にもっと愛されていたいという純粋な素晴らしい気持ちがあります。
したがってこれから言い訳をする子供に正しい教育を行うなら、まずは言い訳をする子供にもこのような純粋な気持ちがあることを理解しておきましょう。
言い訳をする子供に対して親がしてはいけないNG行為
言い訳をする子供の心理は把握できましたか?この心理を事前に理解していると実際に子供が言い訳をした時にやってはいけないNG行為も自然と見えてくることがあります。ここでは言い訳をする子供に対してママ、パパがやってはいけない行為を取り上げてみましょう。
感情を露わにして怒鳴る
静かに注意しても聞かないからついつい「言い訳しないの!」と大きな声で怒鳴ってしまうこともあるでしょう。しかし、この怒鳴るという行為は基本的に厳禁です。なぜなら怒鳴るという行為は子供に「恐怖心しか与えていない」からです。
正しい叱り方だと叱り終わった後に「次はちゃんとしよう」という感情が心の中で芽生えるのですが、ただただ感情に任せて怒鳴ると子供の中には「ママ、パパ怖い」という気持ちや記憶しか残りません。この子供の心の中に植えつけられた恐怖心が「本当のことをいうと怒られるから言い訳しよう」という方向へとつながっていきます。
また恐怖心とは逆のケースで怒られ慣れた子供が親への反抗心から平気で嘘をついたり、言い訳をすることもあります。このように怒鳴るという行為は基本的にどう転んでも悪影響しか及ぼしませんので、絶対に行わないようにしましょう。
罰を与える
昭和生まれの大人は幼い頃に学校の先生や親から罰を与えられた経験もあるのではないでしょうか(例:廊下に立たされる・悪いことをするとおやつ抜きなど)。ひと昔前はこのような罰は決して珍しいことではありませんでしたが、現在同じようなことをすると体罰になってしまいます。
また罰は基本的に子供の言い訳モードをONにさせてしまう傾向にもあります。問題、トラブルが起きると「おやつが抜きになるかもしれない」「テレビを見させてもらえないかもしれない」といった気持ちが子供の中に生まれてきます。その結果として自分は悪くないといわんばかりの言い訳を連発するようになります。
また罰を与えられると子供も親に対して反抗や反発を持ってしまいがちです。小さな子どものうちは大きな問題に発展する可能性は低いですが、中学生ぐらいになると険悪なムードになってしまうことも少なくありません。
このように罰を与えるという行為も基本的には言い訳を止めるどころか、親子関係の悪化にもつながる恐れがあります。
理詰めで追い詰める
子供というのは親の行動や言動を見たり、聞いたりして育つことで思考力、行動力などが形成されていきます。したがって子供の言い訳に対して正論、理屈ばかりの理詰めで対応すると、将来子供が成長した時に理屈で押し通すような巧妙な言い訳を覚える可能性が高くなります。
簡単に説明するなら言い訳に対して理詰めで対応すると、子供はさらにそれを退ける言い訳を考えるようになるということです。つまり理詰めで子供の過ちを指摘することは、子供を言い訳上手に育ててしまう可能性があります。
正論、理屈ばかりを述べる人は口にしていることは確かに間違っているわけではありません。しかし、あまりに理詰めで話すと人間味が感じられなくなるため、周囲の人間も煙たがるようになります。
人間味があり誰からも愛されるような人間に育てたいのであれば正論や理屈の多用は極力避けるようにしましょう。それが言い訳を多用しないようにする一つのコツでもあります。
言い訳をする子供に対しての正しい叱り方・育て方を解説
現在、子育て中のご両親の中には前述のNG行為を行っていたという方ももしかしたらいるかもしれません。そのような方は少しずつでかまわないので今から取り上げる正しい叱り方、育て方を学んでおきましょう。どの方法もコツを掴むと非常に簡単なのでぜひ参考にしてください。
子供の言い分を最後まで落ち着いて聞いてあげる
子供の話が終わらないうちに「何でそういうことをするの?」「それは違うでしょ?」など途中で話を止めてしまうことってありませんでしょうか?実はこの瞬間に子供は「怒られる」という気持ちが強くなりがちです。
また子供の言い分を全部聞いていないタイミングで叱ると子供にも「だから最後まで話を聞いてよ」という感情が湧いてきます。特に悪いことをした時は親も感情的になりがちなため、ついつい話の途中でも口を出したくなります。しかし、前述のように子供の言い訳に対して感情的に接するのは逆効果となります。
したがってまずは子供の言い分を最後まで落ち着いて聞いてあげることが大切となります。子供の言い分を最後まで聞いてあげることで子供にも「ママ、パパは最後まで話をしっかり聞いてくれるから正直に話そう」という気持ちが芽生える可能性もあります。
ママ・パパの素直な気持ちを伝えてあげる
命令口調で「これはダメ!」と叱っても子供は萎縮してしまったり、反発心から言い訳をする可能性が高くなります。したがって言い訳をよくする子供に対しては親が抱いている気持ちを素直に伝えてあげましょう。
具体的には子供が他の子を叩いて泣かせてしまった時に「絶対に叩くな!」ではなく「ママが相手の子の立場だったら悲しくて泣いちゃうな」といったような言い方が好ましいです。
また野菜嫌いの子供の場合は「野菜食べなさい!」ではなく「〇〇には野菜を食べて元気な子に育ってほしい」といったように子供にも親の愛情が届くように話すことが大切です。
このような叱り方、育て方を意識することで子供も親に対して反発心や不信感を抱くことがなくなるため、素直な気持ちで親の言い分に耳を傾けることができます。
起きた出来事を相手の立場になって考えさせてみる
言い訳が目立つ子供には一度相手の立場になって物事を考えさせてみましょう。例えばですが、先ほども取り上げた子供同士の喧嘩。わが子が他の子供を叩いて泣かせてしまった時に「〇〇が叩かれたらどう思う?」と質問してみましょう。
おそらく子供は「痛い」と返答するはずです。そうしたら親は「痛いよね?〇〇君もものすごく痛かったはずだから、叩いたことはちゃんとごめんねと謝ろう」と諭すような言い方でアドバイスをしてあげればいいのです。
相手の立場になって物事を考えると意外と素直な気持ちになれるのが私たち人間の特徴でもあります。また先ほど子供は成長するにしたがって善悪の判断ができると解説しましたが、大人と比べるとやはりまだまだ未熟な部分はたくさんあります。
したがって問題やトラブルを起こした時に悪いことをしたという自覚がないこともあります。このような時に相手の立場になって物事を考えさせることは有効ですので、ぜひ試してみましょう。
子供と一緒に解決策を考えるようにする
子供の起こした失敗や過ちをただ指摘するだけでは言い訳モードがONに入ります。そのため、子供が問題やトラブルを起こした時は子供と一緒に解決策を考えるようにしましょう。具体的には子供がテストで低い点数をとってきました。
この際についつい親は「何でできないの?」と言ってしまいがちです。これでは子供も「だって時間が…」「部活が忙しくて…」など言い訳モード全開になります。そのため、このようなケースでは「次のテストで点数を上げるにはどうすればいいと思う?」など子供自らに解決策を考えさせる言葉を投げかけてみましょう。
こうすることで子供は言い訳の前に積極的に解決策を探るようになります。正しい子育てというのは悪いことをした子供を精神的に追い詰めることではありません。起こした過ちや失敗を責めるのではなく「次はどうする?」といったように解決策を導き出すサポートをしてあげることが親の大切な役目でもあります。
「起きてしまったことはしょうがないね、次はお母さんもお父さんも協力するから頑張ろう」という姿勢で子供に接することで、子供も親に対しての信頼感がアップし、言い訳を口にするようなことはしなくなるでしょう。
言い訳は必ずしも悪ではないことも理解しておこう
基本的に言い訳をする人は周囲からもあまり良い印象を抱かれることはありません。したがって子供が言い訳を連発する場合は少しずつ改善していくのが好ましいです。ただし、ママやパパに覚えておいてもらいたいのは言い訳は必ずしも悪ではないということです。一般的に言い訳には以下の2つがあります。
- 他人を傷つけないための言い訳(嘘)
- 自分の保身のためであったり、相手を傷つけるための言い訳(嘘)
この中で「他人を傷つけないための言い訳(嘘)」は大人になって社会で生きていく上で必要になるケースがあります。社会生活を送る上では相手を傷つけないように空気を読んで嘘をついたり、言い訳をすることがあります。
これは根底に「相手を傷つけたくない」という気持ちがありますから、良い言い訳(嘘)になるでしょう。しかし、自身が怒られるのが嫌だから他人のせいにしたり、嫌いな人を悪者にしたいがために言い訳(嘘)を考える人間も残念ながらいます。
このような言い訳(嘘)は周囲の人も嫌悪感を抱くだけではなく、自身の信頼度も大きくダウンすることになります。
したがって現在子育て中の家庭では悪い言い訳(嘘)をする子供に対しては我慢強く改善していくことを推奨します。同じ言い訳でも相手のことをしっかり考えた優しい言い訳(嘘)ができる子供に育つように努力してみましょう。
子供が言い訳するのは親の「愛」が原点にあることを忘れないで
言い訳をする子供を見るとついつい「悪い子だ」と叱りたくなります。しかし、子供が言い訳をする根底には「親の愛」があります。「ママとパパから嫌われたくない」という気持ちから言い訳につながっていることが多いので、両親も決して子供を怒鳴るようなことはしないでください。
言い訳をしない子供に育てるにはミスを責めるのではなく、解決策を一緒に探してあげるといった工夫が大事となります。現在、お子さまの言い訳で悩まされている方はぜひ参考にしてください。