2022年8月22日 | 園芸・ガーデニング
暑さに強い観葉植物をまとめて紹介!夏に育てるときのポイントは?
観葉植物はインテリアとして人気がありますが、季節によって育てやすい観葉植物があるのをご存知ですか?
今回は、暑さに強い観葉植物を12種類ご紹介。夏に育てるときのポイントや、日々のお手入れについても解説します。
夏の暑さに強い!観葉植物12選
夏でも室内でぐんぐん元気に育ってくれる観葉植物を、12種類ご紹介いたします。
① フィカス・ウンベラータ
細く白っぽい幹と、大きめのハート形をした美しい葉が特徴のフィカス・ウンベラータは、インテリア性も高くおしゃれな観葉植物です。すらっとした姿は涼しげな印象で、夏の観葉植物にぴったり。
- 科名・属名:クワ科・イチジク属
- 原産地:熱帯アフリカ
- 耐暑性:強
- 耐寒性:弱
- 耐陰性:強
育て方
原産地はアフリカで、夏の暑さにも強く、日光が当たる場所でよく育ちます。耐陰性も高く、室内でも元気に育つので初心者でも簡単に育てられます。日光が大好きなので、明るい窓辺に置いてあげましょう。葉やけを防ぐため、真夏はレースカーテンなどで直射日光を少し遮ってください。エアコンの風が直接当たるところに置くと葉を落とすことがあるので注意が必要です。
冬の寒さには弱く、窓辺だと冷え込んでしまうため窓から離して置くか保温をしてください。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりあげるようにしてください。夏は生育旺盛なので、こまめに水やりをします。冬は休眠期間に入るため、水やりは少なめです。1、2週間に一度くらいでも十分でしょう。
生育旺盛なフィカス・ウンベラータは、原産地では10mにもなる大木です。剪定して大きくなりすぎないように管理をしましょう。剪定は4月から9月ごろに行い、枯れかけた枝や込み合っている枝を剪定はさみなどで落とします。
② オリーブ
オリーブは、葉の表側は鮮やかな緑、裏側は銀色でとがった形もあいまって涼しげな印象の観葉植物です。夏の暑さにも強く、初夏には小さな花が咲き、秋には実をつけるなど、季節の移り変わりも楽しませてくれます。
- 科名・属名:モクセイ科・オリーブ属
- 原産地:地中海地方
- 耐暑性:強
- 耐寒性:普通
- 耐陰性:弱
育て方
オリーブは日光が大好きなため、本来は屋外の日当たりの良いところで育つ植物です。室内で育てるなら、なるべく日当たりのいい窓辺に置いてください。
水やりは、土が乾いたら鉢底から水があふれるほどたっぷり与えます。受け皿の水は置いておくと根腐れの原因になりますのでこまめに捨てましょう。
元気に花を咲かせ、実をつけるために肥料も大切です。開花前の3月ごろ、開花後の6月ごろ、実をつけた後の10月ごろに緩効性タイプの置き肥をするようにしましょう。
大きく成長する植物ですので、室内管理をするなら剪定が必要です。剪定は生育期間の5月から12月までに行います。込み合った枝を剪定用のはさみなどで落としましょう。
③ フェニックス・ロベレニー
見た目はまさにヤシの木のような、南国気分満載の夏らしい植物です。葉の形も美しく、花束の添え葉としても人気があります。見た目通り夏が大好きな植物で、水やりさえ気をつければ管理も簡単なおすすめの観葉植物です。
- 科名・属名:ヤシ科・フェニックス属
- 原産地:インドシナ
- 耐暑性:強
- 耐寒性:強
- 耐陰性:普通
育て方
フェニックス・ロベレニーは太陽の光と水が大好きなため、明るい窓辺に置き、水やりはこまめにするようにしましょう。真夏の直射日光は強すぎるので、レースカーテンをしてあげると葉やけの防止になります。
春から秋にかけての水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。夏は毎日忘れずに水やりをしましょう。冬の休眠期は乾燥気味でも大丈夫です。
葉元近くには、長いトゲがあるので要注意です。また、古い葉が枯れて垂れてくるのでこまめに取り除きましょう。
④ ストレリチア
エキゾチックな大きな葉が特徴のストレリチアは、インテリアにもピッタリで、まるでゴクラクチョウのような鮮やかな花が咲きます。
- 科名:ゴクラクチョウ科
- 原産地:南アフリカ
- 耐暑性:強
- 耐寒性:強
- 耐陰性:弱
育て方
日光が大好きで、乾燥に強く、夏に強い植物です。しっかり日が当たるように明るい窓辺に置いてあげましょう。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。冬の間は乾かし気味に管理してください。耐寒性も強く、室内であれば問題なく越冬できます。
花を咲かせるためには、しっかり日に当てることと肥料を与えることが大切です。春から秋は2ヵ月に一度、緩効性肥料を置き肥するか、2週間に一度液体肥料を与えます。
⑤ パキラ
パキラは熱帯地域が原産で、暑くても元気いっぱいの植物です。非常に生命力が強く、暑さ寒さだけでなく、乾燥や病害虫にも強いので手入れも簡単で、初心者にもおすすめの観葉植物です。
- 科名・属名:パンヤ科・パキラ属
- 原産地:中南米
- 耐暑性:強
- 耐寒性:強(5度以上)
- 耐陰性:強
育て方
耐陰性も高く、置き場所はあまり選びません。しかし、日光が大好きなので、なるべく明るい場所に置くことをおすすめします。
春から秋は土が乾いてきたら水やりをします。冬の間は乾かし気味に管理をしましょう。
⑥ ユッカ
ユッカは、暑さにも寒さにも強く、その丈夫さから「青年の木」と呼ばれます。夏の暑さが大好きで、直射日光に当たっても元気いっぱい、まさに夏向きの観葉植物です。
- 科:キジカクシ科(リュウゼツラン科で分類される場合もある)
- 原産地:北米、中米
- 耐暑性:強
- 耐寒性:強(2度以上)
- 耐陰性:普通
育て方
丈夫で育てやすい植物です。庭植えにもできるほど日光が大好きですが、耐陰性もあり日陰でもよく育ちます。根が太く、乾燥に強いのが特徴です。
春から秋は土が乾いてきたら水やりをします。冬の間は乾かし気味に管理をしましょう。
生育が穏やかなため、植え替えは3、4年に一度、4月から9月の間に行います。ひと回り大きい鉢に植え替えましょう。
⑦ エバーフレッシュ
エバーフレッシュは、同じマメ科のオジギソウのように、夜になると葉を閉じて眠ります。涼しげな葉とすらっとした樹形で人気の観葉植物です。熱帯原産で夏の暑さにも強く、また直射日光にも強いので夏でも育てやすいのが特徴。春から夏にかわいらしい小さな花が咲きます。
- 科名・属名:マメ科・コヨバ属
- 原産地:熱帯アメリカ
- 耐暑性:強
- 耐寒性:弱
- 耐陰性:強
育て方
耐陰性もありますが、日光が好きな植物なので明るい窓辺に置いてあげましょう。直射日光にも強く外での管理も可能です。耐寒性は低いので冬の間は室内に置いてください。
生育期間である春から秋の水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。冬の休眠期は乾かし気味に管理をします。
エバーフレッシュは葉水を好みます。葉水とは葉に向かって霧吹きで水をかけてあげることです。ハダニなどの害虫を防ぎ、ホコリが積もるのも予防できます。
⑧ アイビー
地植えでもよく育つアイビーは観葉植物としても人気です。つる性で、ハンギングにしても生長を楽しめるでしょう。斑入りの葉のバリエーションも多く、美しい斑をもつ品種もたくさんあります。壁や木に張り付く習性があるので、支柱を使って思い通りに仕立てることも可能です。
- 科名・属名:ウコギ科・キヅタ属
- 原産地:北アフリカ、ヨーロッパ、アジア
- 耐暑性:強
- 耐寒性:強
- 耐陰性:強
育て方
アイビーは暑さ寒さに強く、真夏の直射日光にも強く耐陰性も高いため、置き場所も選びません。屋外の越冬も可能です。
春から秋の水やりは土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。冬の間は1週間に1回程度と乾かし気味に管理をしてください。肥料はなくても育ちますが、与えるとよりよく育ちます。
⑨ モンステラ
大きな切込みの入った葉が存在感抜群のモンステラは、アロハシャツの柄としても人気です。水が大好きですが、熱帯の植物のため、夏の暑さにも乾燥にも強く管理も簡単で、初心者でも安心して育てられます。
- 科名・属名:サトイモ科・モンステラ属
- 原産地:熱帯アメリカ
- 耐暑性:強
- 耐寒性:弱
- 耐陰性:強
育て方
耐陰性は強く日当たりが悪くても大丈夫ですが、できるだけ日光に当たる場所の方が元気に育ちます。真夏の直射日光では葉焼けを起こすことがあるので、レースカーテンなどで少し遮ってあげてください。春から秋の生育期間の水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えてください。冬の間は水やりの回数を減らし乾燥気味に管理をしましょう。
水が大好きな植物なので、葉水をすると元気に育ちます。毎日霧吹きで葉に水を吹きかけるといいでしょう。
モンステラは生長が早いので、1、2年に一度は植え替えるようにしましょう。
⑩ サンスベリア
剣のようにすらりとした葉が特徴のサンスベリアは、NASAの研究で空気清浄効果があると認められた植物としても有名です。葉が肉厚で乾燥に強く、真夏でも元気に育つ初心者にもおすすめの観葉植物です。
- 科名・属名:キジカクシ科・チトセラン属
- 原産地:熱帯アフリカ
- 耐暑性:強
- 耐寒性:弱
- 耐陰性:普通
育て方
なるべく日当たりのよい場所に置いてください。水やりは控えめにして育てます。春から秋の生育期間は屋外に置くことも可能です。寒さに弱いので冬の間は室内で管理をしましょう。
子株が出るようなら、一回り大きな鉢に植え替えます。5月から8月が植え替え適期です。
⑪ ユーフォルビア
ユーフォルビア属には約2000もの種類があり、多年草や多肉植物、低木、高木になるものもあります。ユーフォルビアミルクブッシュやデュラニー、ラクテア、プリムリフォリアなどは多肉植物に分類され耐陰性もあり、観葉植物としても人気です。夏の暑さにも強く、個性的な見た目でインテリアのポイントになります。ユーフォルビア属は茎に傷がつくと毒性のある乳液を出しますので、素肌で触らないように注意してください。
- 科名・属名:トウダイグサ科 ・ユーフォルビア属
- 原産地:アフリカ大陸や中東
- 耐暑性:強
- 耐寒性:普通
- 耐陰性:普通
育て方
暖かい乾燥地帯に自生している植物なので、乾燥に強く、日光も大好きです。夏の暑さに強く明るい場所を好みますが、葉焼けの原因になるため、直射日光が当たるようならレースカーテン越しに置きましょう。
生育期間である春から秋の水やりは土の表面が乾燥したらたっぷりと与えてください。過湿に弱いので注意が必要です。冬の間は乾燥気味に管理をします。
⑫ リプサリス
細い紐のような見た目が特徴のリプサリスは、熱帯雨林の樹上にいる着生サボテンの仲間で、夏の暑さにも乾燥にも強い観葉植物です。細い枝がいろんな方向に向いて伸びて垂れている姿は、動きがあり個性的と近年人気が高まってきています。
- 科名・属名:サボテン科・リプサリス属
- 原産地:中央アメリカ、南アメリカなどの熱帯雨林
- 耐暑性:強
- 耐寒性:普通
- 耐陰性:強
育て方
熱帯の大樹の幹に着生するため、暑さには強くても直射日光は苦手です。明るい日陰に置きましょう。過湿に弱く、夏でも乾燥気味に育てます。夏の間は2週間に一度、夕方から夜にたっぷり与えます。少し元気がないようなら、葉水をしてあげてください。冬の間は水やりを行いません。
植え替えは2年に一度、春か秋に行います。
夏に観葉植物を育てるポイント
ほとんどの観葉植物が生育期を迎える夏の育て方は、置き場所、水やり、肥料がポイントです。基本的な夏の管理は以下の通りですが、詳細についてはそれぞれの植物にあわせてください。
置き場所
室内で育てる観葉植物は耐陰性がある反面、直射日光に比較的弱くなっています。暑さに強い種類でも直射日光で日焼けをすることがあります。窓辺に置くならレースカーテンをして、直射日光を遮ってあげましょう。オリーブや多肉植物などは直射日光を好むものもありますので、種類によって置き場所を変えてください。
水やり
植物の種類によって必要な水やりの間隔は異なります。トラブルの原因になるため種類にあったタイミングで水やりをするようにしましょう。
一般的に観葉植物は乾燥に強いものが多いため、水やりは毎日ではありません。春から秋の生育期間中は、土の表面が乾いたことを確認してから、たっぷりと与えます。鉢の底から出た水は毎回処分し根腐れを防ぎましょう。冬の間は休眠期に入ります。水やりの回数も減らしてください。
観葉植物の管理については、「観葉植物が枯れる原因とは?正しい対処方法を知り長く楽しもう!」の記事で詳しく紹介しています。
肥料の与え方
春から秋の生育期間中は固形肥料か液体肥料を与えます。緩効性の個体肥料は1、2ヵ月に一度を目安に根元から少し離れた土の上に置きます。液体肥料は商品の説明に従いながら、数週間に一度を目安に与えましょう。
植え替え
観葉植物を同じ鉢で何年も育てていくと根を伸ばす場所がなくなり、根詰まりを起こします。1~2年に一度は植え替えましょう。
植え替えは春か秋に行います。ひと回り大きめの鉢と鉢底石、水はけのよい観葉植物用の培養土を用意しましょう。株を取り出したら根をほぐし、傷んだ根や長い根をカットします。新しい鉢に鉢底石と培養土を半分程度入れ、苗を中心に置きます。隙間に培養土をしっかり入れて固定し、必要なら支柱をしてください。
最後にたっぷりと水を与えましょう。新しい培養土は水を吸いにくいため、何回かに分けてたっぷりと与えます。鉢底から流れた水は処分してください。観葉植物を植え替えるとき、根元から茎や幹が伸びていたら株分けできます。株分けとは、根ごと株を分け、それぞれ鉢に植え替え増やすことです。
根詰まりについては、「根詰まりとは?根詰まりサインや失敗しない植え替え方法を解説」の記事を参考にしてください。
冬越しの注意点
夏に強い観葉植物は熱帯や暖かい地方のものが多く、冬の寒さが苦手です。室内でも、冬は夜になると気温が下がります。夜間は窓辺を避けて置くか、鉢の周囲に新聞紙や不織布を巻いて保温します。葉が乾燥してしまうため、暖房器具の風が直接当たる場所も避けましょう。
乾燥気味に管理すると植物自体の耐寒性が上がるため、水やりは控えめにします。
そのほか、冬の管理については、「冬のガーデニングで気を付けるポイント」の記事もご覧ください。
真夏も元気いっぱいの観葉植物を育てよう
今回は、夏でも育てやすい観葉植物を12種類ご紹介しました。観葉植物を夏に育てるポイントは、直射日光に注意した明るい場所に置き、土の表面が乾いたときにたっぷりと水を与えることです。このポイントを押さえ、夏場に涼しげな緑の葉を楽しむ観葉植物を育ててみませんか。