冬に家の中で発生する害虫への対策

冬に家の中で発生する害虫への対策

夏場に頻繁に見かけた害虫も寒い冬の季節になると目にする機会は大幅に減ります。しかし、害虫はちょっとした隙間を突いて家の中に侵入し、暖かい環境の中で冬を越すこともあります。そのため、冬の季節でも害虫対策というのは必要となります。

冬の間に適切な対策を施すことで、害虫の活動ピークである春~秋の大量発生を防ぐことも可能です。今回は冬に家の中で発生する害虫の基本情報やおすすめの害虫対策を紹介します。

なぜ寒い冬に害虫で悩まされるの?

なぜ寒い冬に害虫で悩まされるの?

最近は寒い冬でも予期せぬ害虫に悩まされている家庭が増えていると言います。虫も私たち人間同様寒さには非常に弱いため、本来であれば1年で気温が最も低い冬に害虫が発生することはありません。ではなぜ冬に家の中で害虫が発生するのでしょうか?ここでは冬に害虫に悩まされる原因を2つまとめましたのでご覧ください。

寒さをしのぐことができる快適な住環境が整っている

近年は床、壁、天井などに断熱材を使用したいわゆる「高気密高断熱住宅」が増えています。高気密高断熱住宅は外の空気と家の中の空気が交じり合わないような造りになっているため、冬でも非常に暖かいのが特徴です。また、空調の設備も整っていることから冬の家の中は寒さをしのぐには絶好の環境になっています。

実はこの人間が「寒さをしのげて快適」と感じる環境は虫にとっても非常に居心地が良く、冬を越すには申し分なしの環境となります。暖かい環境で冬を越した害虫は外気温が上昇してくる春先から活発に動き始め、繁殖を行うため、春から夏にかけて家の中の虫で悩まされることになります。

ライフスタイルの変化

近年は夫婦共に日中は働きに出ている「共働き家庭」が増えています。このような家庭では日中、防犯上の理由から窓は全て閉め切った状態で外出することがほとんどです。窓を閉め切った状態が長時間続くデメリットは家の中に湿気がこもりやすいことです。

害虫は基本的にジメジメとした湿気が多い場所を好みます。日中不在で戸締りも完璧という湿気がこもりやすい環境は虫にとって最高の住処になるため、最悪の場合は大量繁殖を招く恐れもあります。

冬に家の中で発生する害虫の侵入経路はどこ?

冬に家の中で発生する害虫の侵入経路はどこ?

戸締りなどはしっかりしているのに虫が発生する。多くの人は「この虫、どっから入ってきたの?」という疑問を抱えると思います。虫は非常に小さいサイズのため、私たち人間が想像もしないような場所から入ってきます。ここでは冬に家の中で発生する害虫の主な侵入経路をまとめましたので取り上げてみます。

玄関・窓

玄関や窓は定番の害虫侵入経路の一つです。玄関は1日の中で頻繁に開け閉めを行う扉でもあるため、わかりやすい侵入経路です。また、天気が良い日は窓を開けて換気を行う家庭も多いですが、この際に侵入されるケースも多いです。

その他では洗濯物を干す時や取り込む時も窓を開け閉めしますが、このタイミングで虫が家の中に入り込んでしまうこともあります。また「換気をするなら網戸にしておけば大丈夫」という方もいますが、これも完全な害虫対策とはいえないため注意が必要です。

と、いうのも前述のように虫はサイズが非常に小さいため、私たち人間が気付かない狭い隙間を突いて容易に侵入してきます。例えば網戸のほんのちょっと破れてできた穴は害虫にとっては絶好の侵入経路となります。

また、築年数が経過したアパートにありがちなのがサッシに隙間が出来やすいことですが、当然害虫はこのような不具合もしっかりと突いて家の中に入ってきます。その他、玄関で盲点となりやすいのが玄関ポストです。

玄関ポストに郵便物や新聞紙が挟まった状態だと隙間ができるため、このような場所からも害虫は侵入してきます。

ちなみに夏の代表的な衛生害虫であるゴキブリも外から侵入する時はこれらの場所から家の中に入り込みます。

エアコン・換気扇・排水口

エアコン・換気扇・排水口

エアコン、換気扇、排水口など「穴」がある場所も害虫の侵入経路となります。エアコンは基本的にエアコンを使用していない時に虫が入り込みます。侵入方法は外に排水ホースと室外機がありますが、ここを通じて家の中に入り込みます。

よく夏場にエアコンから「ゴキブリのカサカサ音が聞こえる!」という方もいますが、これも排水ホースおよび室外機が侵入経路になっています。また、エアコン用のホースを室外に通す時の「通し穴」はあらかじめ大きめに作られているため、ここからも害虫は家の中に入ることができます。

換気扇も室内の空気を外に出す排気の役割を果たしているため、残念ながら外から害虫の侵入を許してしまいやすい箇所です。その他、台所などでコバエを見かけることがありますが、これらは汚れが蓄積された排水口から発生します。

外出先

これは外出先で虫の卵や幼虫を衣服などに付着させてしまい、そのままの状態で家に帰宅することで害虫の侵入を許してしまうケースです。休日に野外でのレジャーを楽しんだり、草むらなどがある公園に遊びに行くという家族は多いですが、実はこのような緑が豊富な場所は害虫が暮らすには良好な環境でもあります。

代表的なところではダニが該当しますが、これらの害虫がいるところに出向いた時に何かの拍子に衣服などに付着することがあります。もちろん、ほとんどの人は虫が付着したことに気付くことはないため、そのままの状態で帰宅してしまうケースが圧倒的に多いです。

前述のように近年の住宅は冬でも快適に過ごしやすい環境になっているため、衣服に付着した害虫も家の中を新しい住処にしてしまいます。これが害虫の大量繁殖を招く一つの理由でもあります。

特にダニは家の中で発生すると思い込みがちですが、実はこのような外から連れてくるケースは非常に多いです。その他、時々新居でゴキブリが出たという悩みを持つ方もいますが、これも前の住居から持ち込んでしまったという可能性が高いです。

また、最も身近なところでは洗濯物にも要注意です。洗濯物を屋外で干している間に虫が付着し、それに気付かずに取り込んでしまうケースもあります。中にはムカデが付着していたという方もいるため、屋外干しの洗濯物には常に細心の注意を払う必要があります。

今すぐできる!冬の害虫対策を徹底解説!

今すぐできる!冬の害虫対策を徹底解説!

ちょっとした隙間、ちょっとした場所から害虫が湧いてくることがおわかりいただけたかと思います。現在進行形で家の中の害虫に悩まされている方にとっては「一刻も早く良い対策を教えて!」という気持ちにもなりますよね。そのような方のためにここでは今すぐできる冬の害虫対策を5つ紹介します。

外出先から帰宅したら玄関先でブラッシングなどを行う

仕事、学校などから帰宅したらすぐに家の中に入らずに一度玄関先で立ち止まるようにしましょう。そして、まずはブラシなどを使用してブラッシングを行ってみてください。この対策をするだけで付着している虫や卵を払い落とすことができます。

もちろんブラッシングのみで衣服に付着した全ての虫を落とすことは不可能ですが、無対策よりも効果は大きいです。コイガ、イガ、ヒメマルカツオブシムシ、カツオブシムシといった衣類を食べることで知られる衣類害虫は植物に寄ってきやすく注意が必要です。前述のダニも外から持ち込みやすいため、家の中に入る前にブラッシングを行うことを習慣にしてみましょう。

害虫の侵入経路を遮断する

先ほども取り上げたように害虫はエアコン、換気扇、排水口など小さな穴から家の中に侵入します。そのため、これら外と家の中を繋ぐ穴を塞いでしまいましょう。エアコンの排水ホースには網目の細かいネットを装着するのがおすすめです。

網目が細かいネットであれば体長が比較的大きいゴキブリはもちろんのこと、1ミリ~2ミリ前後の小さな虫の侵入も防ぐことができます。現在はエアコンの排水ホース専用のフィルターも販売されていますが、これらは基本的に網目が粗いという特徴があります。

そのため、大きな虫の侵入は防げても小さな虫の侵入を許しやすいのがデメリットです。エアコン関連の害虫侵入対策では「水やホコリをしっかりと排泄できるか?」「小さな虫の侵入も防げるか?」の2点を意識してみましょう。

ちなみに適当なネットがない場合はストッキングを使用するのもおすすめです。また、エアコンのホースが通っている通し穴ですがこの隙間はパテで埋めるのが一般的です。換気扇ですがこちらも室内の空気を外に排出しなければいけないため、穴を全て塞ぐことはできません。

そのため、換気扇も基本的には網目が細かいものを使用して害虫対策を行っていくことになります。現在は換気扇専用のフィルターが1,000円前後で購入できるため、これらのアイテムを使用することで害虫の侵入を防ぐことが可能です。

その他台所のシンクや洗面台などの排水口ですが、この箇所は排水パイプが外部から侵入できない造りになっていれば害虫も侵入できないため、まずはパイプの形状を確認しましょう。S字形状になっていれば問題はありません。

パイプが真っすぐな状態であれば専用のフィルターや髪の毛取りのネットなどを使用して害虫が侵入できないようにします。また、これも忘れがちですが排水管を通すために開けた穴にも隙間がないか確認してみましょう。

隙間があればパテで埋めておくことが大切です。網戸とサッシの間に隙間があるという家は隙間を埋めることができるテープが100円~500円前後で販売されています。このテープを使用することでゴキブリだけではなく蚊やコバエといった小型の害虫の侵入も防ぐことができます。

こまめに掃除をする

こまめに掃除をする

家というのはどんなに綺麗好きな方でも生活に伴うさまざまな汚れが発生します。特にその中でも代表的なのが塵やホコリです。よくこれらの塵、ホコリは害虫のエサになるということを聞きませんか?

塵やホコリの中には外から持ち込まれたものもありますが、家の中で発生する塵、ホコリには食べかす、フケ、アカ、カビ類などが含まれています。これらが含まれた塵やホコリというのはダニやゴキブリなどの害虫にとってはエサとなります。

つまり、汚れが目立つ家はダニやゴキブリの繁殖を手伝っている状態ともいえるわけです。害虫の大量繁殖を防ぐにはエサとなる塵やホコリを綺麗に取り除くことが大切です。特にキッチン周りはゴキブリを引き寄せる汚れやゴミの臭いが発生しやすいため、水回り関連は清潔にしておくようにしましょう。

掃除で害虫対策を行う上での注意点ですが冷蔵庫の下、ソファーの下、テレビ台の下など普段は目につかない箇所も手入れをしておくようにしましょう。「毎日掃除をしているのに虫が発生する」というケースではこれら目立たない箇所の塵やホコリが害虫のエサになっている可能性があります。

また、害虫対策で掃除をするなら極力掃除機は使わないことを推奨します。と、いうのも害虫の中には掃除機で吸っても排気口から外に出てしまうものもいるからです。そのため、塵やホコリを除去する場合はコロコロを上手に使うなどの工夫を施してみましょう。

こまめに換気をする

寒い冬の時期はツラいかもしれませんが、こまめに外の空気を取り入れることも大切です。先ほども取り上げたように害虫というのは湿度が高い場所を好む傾向にあるため、窓を閉め切った状態にしておくと大量繁殖を招く恐れもあります。

特に冬場は暖房器具や加湿器を使用するため、温度や湿度が上がりやすくダニにとっては活動しやすい環境になることがあります。そのため、寒い冬の間でも一定時間は窓を開けて換気を行うことを意識してみましょう。ちなみに湿度を下げる目的であれば除湿機の使用もおすすめです。

殺虫剤を使用する

害虫対策といえばやはり殺虫剤を挙げる方は多いと思います。特にスプレータイプの殺虫剤は害虫に向けて噴射するだけで死滅させることができるため、非常に楽です。冬の害虫対策でも家の中で万が一害虫を見かけたら積極的に使用していきましょう。

ただし、一つ注意しておきたいのは殺虫剤のみでは完璧な害虫対策は不可能ということです。前述のように害虫というのは外部から侵入してくることがほとんどです。そのため、殺虫剤をメインとした害虫対策を行う前に「外部から侵入してくる虫を防ぐ」「室内で害虫が繁殖しないような環境を整える」といったことを優先して実施するようにしましょう。

この順番で対策を行うことで害虫の数も減らすことができ、殺虫剤の出番も極力減らすことができます。害虫が発生する根本的な問題を解決させなければ、殺虫剤は何本あっても足りません。【害虫が発生する根本的な原因を突き止め解決する→殺虫剤で残りの害虫を駆除する】という順番を守るようにしましょう。

対策を施しても害虫が大量発生する場合は専門業者への相談がおすすめ

ここまで害虫が発生する原因や対策などを紹介しました。基本的には今回取り上げた対策を施すことで家の中の害虫で苦労することは少なくなります。しかし、中には「全く効果がない」という方もいます。

このような場合は既に害虫が家の中で巣を作り大量繁殖を起こしていることも考えられます。こうなると個人での対策は難しくなるため、現在家の中の害虫大量発生で悩まされている方は害虫駆除の業者に相談することも検討してみましょう。

害虫駆除専門業者であれば業者専門の強い薬剤などを駆使して効率的に害虫を駆除してくれます。また、良心的な業者であればその後のアフターケアもしっかりしているため、害虫対策のアドバイスも受けることができます。

冬の害虫対策で年間を通して住みやすい環境を作ろう!

冬の害虫に関する情報をご紹介しました。冬場は虫も行動力が落ちるため、害虫のことを考えない人は多いです。しかし、害虫は春が訪れるまで家の中でじっとしている可能性が高いです。

また、冬場でも家の中は暖かく、一歩間違うと季節外れの大量繁殖を招く恐れもあります。そのため「害虫が減る季節だからこそ、次の季節に備えて万全な害虫対策をしておく」という意識を持つことは大切です。

冬の間に害虫対策を施しておけば暖かくなってからの大量繁殖を防げる確率も高まります。春~秋にかけて害虫に悩まされたという方は、今年の冬はぜひ徹底した害虫対策を行ってみてください。

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