危険な害虫ムカデ

害虫にはゴキブリ・ダニ・蚊・クモ・ハチなどがいますが、この時期に活発に動き回る害虫にムカデがいます。ムカデは漢字で「百足」と書き、その脚の多さに特徴があります。玄関のドアを開けたら目の前にあらわれたり、時には家の中に侵入してくることもあります。

ムカデには毒があるため噛まれないように注意が必要な害虫です。
今回は、ムカデの特徴や予防と対策についてご紹介します。

ムカデの特徴とよく見かける種類

ムカデは、5月から7月にかけて産卵期のため多く発生します。昼は湿った石や木、落ち葉の下やわらの中、石垣の間など狭いところに隠れています。夜になってエサをもとめてウロウロ動き回り、時には家の中に入り込むこともあります。

ムカデは強靭な顎を持ち、ゴキブリなどをエサとして捕食する肉食性です。ムカデの寿命は6~10年と言われ、他の害虫と比べても長く、とても強い生命力を持っています。

ムカデの種類は、日本に生息しているだけでも100種以上いると言われています。よく見かけるムカデはオオムカデ科のもので、トビズムカデ、アオズムカデ、アカズムカデなどで、中には体長20cm以上にもなるものもいます。

トビズムカデ

北海道南部から沖縄まで生息し、体長は8~15cm程度で20cmを超えるものもいます。赤い頭や朱色の足を持つものもいます。毒性を持ちゴキブリやバッタなどを食べます。

アオズムカデ

青森県以南に生息し、体長は約10cm程度で、体色が緑味を帯び頭部と胴体が同じ色なのが特徴です。トビズムカデより小型ですが毒を持っています。

アカズムカデ

本州・四国・九州に生息し、体長は7~12cm程度で、頭と足が赤く強い毒性を持っています。

タイワンオオムカデ

沖縄島や南大東島など南西諸島に生息し、体長は8~12cm程度。体色は黄色で、各体節の間に黒褐色の帯があるのが特徴です。毒性は弱く、噛まれても命に関わることはありませんが、痛みが続くことがあります。

ムカデの危険な毒

ムカデの武器は脚が変化してできた顎です。この顎で獲物に噛みつき毒を注入します。ムカデの顎には、毒性のあるセロトニンやヒスタミンなどの成分が含まれ、この毒が人間の体に入ると、激しい痛みが発生し傷口が赤く腫れてしまいます。

また、過去に噛まれたことがある人が再び噛まれると、アナフィラキシーショックが起こる可能性もあります。

ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジの見分け方

ムカデはよくヤスデやゲジゲジと間違われます。それぞれの違いをご紹介します。

 

特徴 毒性
ムカデ 1つの体節に1対の脚しかない。オオムカデ科の脚は21対または23対あり、ヤスデやゲジゲジに比べると大きい。 肉食性で攻撃性が強く、毒を持っているため噛まれると強い痛みを伴う。
ヤスデ 体長は10mm~25mm程度でムカデに比べるとかなり小さく、1つの体節に2本以上の脚が生えている。
ムカデに比べて動きも遅く、刺激すると丸くなる。
毒は持っていない。
ゲジゲジ 正式名称は「ゲジ」。体長は40mm程度で、脚が長く動きが速く、夜行性で昼は石の下や草むらに潜んでいる。
ゴキブリなどを捕食する。
毒は持っているが、噛まれても人体に影響はない。

ムカデの予防と対策

お庭や家のまわりの雑草の除去や落ち葉がたまらないようにし、ムカデが住みにくい環境を作る事が大切です。
さらに、ムカデの侵入経路となりそうな床のすき間や使っていない排水口などは、テープをしたりフタで閉じたりします。
また家のまわりには、ムカデ用の誘引剤をまいて退治します。

もし発見した場合は、50℃以上の熱湯をかけて駆除したり、ハエ叩きなどで叩いて動かなくなったのを確認してから、菜箸などの長めの箸でつまんで熱湯に入れます。またはムカデ用の殺虫スプレーで退治します。

ムカデは時には家の中まで入り込んでくる、毒を持つ危険な害虫です。お庭や家のまわりは、ムカデ用の誘引剤などで発生を予防し、また発見した時には速やかに熱湯や殺虫スプレーなどで駆除することをおすすめします。

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