2020年6月1日 | お役立ち情報
マンションの湿気に悩まされている…湿気の原因と対策を解説!
気密性が高いマンションは冷暖房の効きがよく、室内をつねに快適な温度に保ってくれるくれる一方で、湿気がこもりやすいといった一面があります。すでに湿気対策をしているけれど、なかなか改善されずに困っている人や、マンション暮らしをはじめた人のなかには、湿気の多さに驚かれた方もいるのではないでしょうか。
放っておくとカビが発生し、壁や床を傷めてしまう恐れがある湿気。賃貸物件の場合、退去時にその分のクリーニング費用も請求されてしまうこともあります。
そこで今回は、マンションの湿気の原因と、その対策について紹介していきます。
マンションの湿気の原因
木造住宅や木造アパートなどに比べて、なぜ鉄骨やコンクリートなどでつくられたマンションには湿気が多いのでしょうか。その原因について解説します。
マンションやアパートは隣の部屋と接しているため、角部屋を除き両サイドに窓をつくることができません。窓はベランダのみという部屋がほとんどのため、風が通りにくく空気の流れが悪くなる傾向にあります。
気密性が高い
マンションの湿気の原因は、気密性の高い構造建築にも原因があります。住宅の気密性はC値(相当すき間面積)で表されますが、この数値によると、一般住宅ではハガキ約5枚分の隙間が空いているとされています(昔の住宅はハガキ10枚分の隙間が空いていたと言われています)。窓にアルミサッシなどが使用されたマンションでは、この隙間がハガキ約2枚分に設計。
熱を逃しにくいというメリットの反面、湿気を逃しにくいというデメリットも抱えているのです。
調湿性の違い
木造の場合、木が湿気を吸収して湿度を調整してくれますが、鉄筋コンクリート造りのマンションなどは調湿性が低いため、夏は暑く、冬は底冷えするという難点があります。また、コンクリートそのものに水分が含まれていて、その水分は5~10年かけて放出されると言われています。そのため、築年数の浅いマンションほど湿気が多い傾向にあります。
マンションの湿気対策
寒い冬の時期も暖房を効率よく効かせて、室内を快適な温度に保てるいっぽうで、窓にたまる結露に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。結露をそのままにしておくと、カーテンや壁にカビを発生させることになってしまいます。快適なマンション暮らしに、湿気対策は欠かせません。ここではマンションの湿気対策の方法について紹介します。
換気をする
窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。この際、風通りがよくなるように、2カ所以上の窓を開けます。窓がベランダにしかない場合は、玄関の扉を開けて風が抜ける道をつくります。特にキッチンや洗面所、浴室やトイレなどの水回りは湿気がこもりやすいので、換気扇を回して空気を循環させるようにしましょう。
風を送る
押し入れやクローゼットの中など、窓を開けても空気の流れが届きにくい場所には、扇風機やサーキュレーターで風を送って中の湿気を取り除きましょう。
結露を拭き取る
窓に結露ができていたらそのまま放置せず、すぐ拭き取る習慣をつけましょう。こうすることでカビの発生を抑えることができます。
温度差をつくらない
暖房をつけているときなどは、部屋の扉を閉めて暖めた空気を逃さないようにするという人は多いのではないでしょうか。この場合、省エネの効果が得られるいっぽうで通気性が悪くなり、たまった湿気の逃げ場がなくなってしまいます。普段使用していない部屋もできるだけ閉め切ったままにせず、こまめに換気をして湿気を取り払っておきましょう。
家具を壁から離して置く
窓や窓横の壁は湿気がたまりやすく、角部屋など外に面している壁も外との温度差の影響で湿気がたまりやすくなっています。そのため、家具を壁際に配置するときは、壁にぴったり寄せずに少し隙間をあけて置くようにします。
除湿機能を使う
除湿機やエアコンの除湿機能を使用するのも効果的です。その際、サーキュレーターを活用して空気の循環をよくすれば、さらに除湿効果を高めることができます。雨で洗濯物を部屋干しするときなどにも便利で効果的。除湿機を使用する場合、排水タンクにたまった水をこまめに捨てるようにしましょう。
乾燥剤を使う
押し入れやクローゼットの中など湿気がたまりやすい場所には、乾燥剤を使用する方法があります。フマキラーにはパワフルに湿気を退治する「激乾400ml 3個パック」があります。
<製品の特長>
- 冬場の結露対策や換気しにくい場所を除湿。吸った湿気がすばやく液体になるため効果がひと目で確認できます。
- 除湿量400mlでパワフルに湿気を退治。
- どこでも置ける汎用タイプ。
新聞紙を使う
新聞紙は吸湿性が高く、敷いておくだけで湿気取りの効果が得られる便利アイテム。靴や鞄などにも丸めて入れておけば、湿気に弱い革製品を守ってくれます。湿気を吸った新聞紙は、定期的に交換するようにしましょう。乾かせば繰り返して使用できる、手軽で経済的な湿気対策です。
モノを入れ過ぎない
押し入れやクローゼットなどはただでさえ風通りが悪く、湿気がこもりやすい場所。そうした場所にモノを入れ過ぎていると、サーキュレーターなどで定期的に換気を行った場合も、風が十分に行き届かず湿気が残ってしまう可能性があるので、収納の際はモノを入れ過ぎないよう注意しましょう。
入浴後は浴室内に水をかける
入浴時には湯気やシャワーのお湯で、浴室内の湿度はぐんぐん上昇し、壁には無数の水滴が…。湿気や水滴を放っておくと、カビを発生させる原因となります。
そこで入浴後は、シャワーで浴室内に冷水をかけて温度を下げ、壁についた水滴をタオルで拭き取ります。こうすることで浴室内の湿度を抑えることができます。また、お湯の蒸発を防ぐため、入浴後は浴槽にしっかりとフタをしておくことをお忘れなく。
お湯を沸かすときに換気扇を回す
ヤカンでお湯を沸かすときなども大量の湯気が発生します。しばらく放置したためにキッチンの壁を水滴だらけにしてしまった経験のある人もいるのではないでしょうか。お湯を沸かすときも換気扇を回すことで湿度を抑えることができます。また、安全のためにもお湯が沸いたらすぐに火を止めるよう十分に注意しましょう。
植物や水槽をおくときの注意点
植物は室内の湿度を高める要因となるため、植物の置きすぎに注意しましょう。また、室内に水槽を置いている場合、水槽から蒸発する水蒸気が湿度に変わります。湿気対策として水槽にはフタをし、サイズもできるだけ小さめのものを選ぶとよいでしょう。
着用した服はすぐしまわない
一日着用したジャケットなどをしまう場合、脱いですぐクローゼットに入れるのはNG。着ていた服は少なからず湿気を含んでいるため、乾かしてからクローゼットに入れるようにしましょう。また、クローゼットの中にはなかなか出番が回ってこない服もあるので、定期的に衣服の入れ替えを行うようにしましょう。
当分着る予定がない服は、必要に応じてクリーニングしてから、圧縮袋に入れて収納します。こうすることで大切な衣服をカビなどから守ることができます。
マンションを選ぶ際のポイント
駅チカや築年数などマンション選びの条件はいくつもありますが、「湿気」についても、できるだけ少ない物件を選びたいもの。「窓が少ない」という理由以外にも、湿気が多いのには理由があります。ここでは、住む前に知っておきたいマンション選びのポイントについて紹介します。
立地
マンションの近くに川などの水辺がある立地は、自然の癒しを感じられる住みやすい環境ではありますが、川の水が蒸発することでその付近の湿度が上がります。また、マンションを選ぶ際、日当たりの良さを条件に挙げる人は多いと思いますが、日当たりの悪さも湿気がこもる原因となります。高い建物に囲まれ陰になってしまう物件は、日当たりはもちろん、風通しも悪くなるため湿度が高くなる傾向にあります。
湿気がこもりやすい場所
マンションの1階部分は特に湿気がこもりやすい場所。その理由は、地面からの影響を受けやすいことと、防犯のため窓を開けにくく換気がしづらいことが挙げられます。北側の部屋も陽当たりが悪くなることから、湿気がこもりやすくなります。
また、どの階数やどの方角でも、キッチンや浴室などの水回り部分や、押し入れやクローゼット、下駄箱など空気の流れが行き届きにくい場所は、湿気がこもりやすいので、使用時には換気扇を回したり、換気扇がない場所は定期的にサーキュレーターなどで風を送るようにしましょう。
窓の付近を要チェック
マンション選びで実際に物件を見に行った際にチェックしたいのが、結露がたまりやすい窓の付近です。結露は外気温との差が大きい窓に出やすいため、その付近をよくチェックすることで、湿気が多いかどうか判断することができます。
チェックするポイントは、まず、サッシが組みつけられている木材部分。この部分にカビの痕跡のようなものがないか、あるいは塗り直された様子がないか確認しましょう。次に窓の近くの壁をチェックします。湿気がたまりやすい場所は、壁紙が浮いていることがあるので、そのあたりをよくチェックしましょう。
十分な対策とこまめな換気で、快適なマンション暮らしを
木造建築に比べて、丈夫で振動や騒音などに強いうえ、気密性が高く冷暖房の効きも良く、セキュリティ面も充実…。そんなマンション暮らしをより快適なものにするためにも、湿気はなんとかしたい問題です。ただし、一度除湿したからといって完全に解決できるわけではなく、湿気は知らないうちに再びたまってくるもの。
こうしたやっかいな湿気と上手に付き合うためには、こまめな換気を習慣づけるのが一番です。今回ご紹介した湿気対策を参考に、さらに快適な暮らしを実践してみてください。