2020年4月25日 | 虫
蚊の発生と気温・気候の関係。蚊は冬に本当に出ないの?
暖かいシーズンを待ち望む人は多いと思いますが、暖かくなるとやっかいなのが「蚊」の存在です。刺されたらかゆくなるし、種類によっては感染症を引き起こす可能性もあります。
ところで、暖かい時期にはうんざりするほど見かける蚊ですが、冬はほとんど姿を見かけません。冬の間はどうしているのか、気になった人もいるのではないでしょうか。ほかにも、猛暑日にはあまり蚊を見かけなかったり、家の中にいる蚊と外で見かける蚊は種類に違いがあったり…。実は気温や気候は、蚊の発生に大きく関係しています。
そこで、これからの季節にしっかり対策ができるよう、気温や気候別に蚊の行動がどう変わるのか見ていきます。
人を刺すのは産卵を控えた雌(メス)だけ
血を吸うイメージが強いことから、蚊の栄養源は血だけと思っている人もいるのではないでしょうか。実は人や動物の血を吸うのは雌の蚊のみ。それも産卵の時期のみで、普段は草花や樹木から分泌される甘い汁を主食としています。
雌の蚊が吸血するのは、産卵に備えて高タンパクな栄養源が必要となるため。新しい命(卵)を産むために高タンパクな栄養素を必要とするのは、人間も同じです。出産を控えた妊婦さんが、赤みの肉、魚、鶏肉などたんぱく質が豊富に含まれている食事を推奨されるのは、タンパク質が胎児の成長に必要なアミノ酸の補給源になることが理由です。
ちなみに雌の蚊であっても吸血しない種類の蚊もいます。また、「主に哺乳類を吸血する蚊」や「主に鳥類を吸血する蚊」など、蚊によって好みの動物種が異なります。
蚊が活発に活動する条件
日本でなじみのある蚊といえば、「アカイエカ」や「チカイエカ」、そしてヤブ蚊としておなじみの「ヒトスジシマカ」がいます。それぞれの蚊の活動が活発になる気温や時間帯を見てみると、家の中にも入ってくるアカイエカは、約20~30℃の気温を好み、夕方から明け方にかけて活発に吸血します。
ビルや地下に生息するチカイエカは、低温にも強く、活発に活動するのは夜間。ヒトスジシマカは、約25~30℃の気温を好み、明け方から昼前までと夕方(15時〜19時頃)に活動が活発化するなど、活発に活動する条件は、蚊の種類によっても異なります。
蚊に関するさまざまな疑問
「暑すぎると蚊は出てこない?」「時間帯によって見かける蚊が違う?」「蚊は冬はどうしてるの?」など、蚊についてさまざまな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、そうした疑問に応えるため、さまざまな蚊の習性について見ていきます。
夏でも気象条件によって変わる?
夏のイメージが強い蚊ですが、ひと言に夏と言っても、猛暑日や雨の日、風が強い日などさまざまな気象条件があります。ここでは、それぞれの気象条件下では蚊の吸血活動に変化があるか見ていきます。
猛暑
日本に生息する蚊は、気温が30℃を超えると動きが鈍くなり、30℃以上の猛暑が続くと、昼間に活動するヤブ蚊(ヒトスジシマカ)の動きも停滞します。猛暑が続くと蚊に刺されにくくなるのではないかと思いがちですが、蚊は家や建物の中にも潜んでいて、エアコンが効いた涼しい部屋や、日陰などではしっかりと活動しています。
雨の日
雨が降っている日には蚊が少ないと感じた人もいるのではないでしょうか。人にとってはたいしたことのない雨粒も、小さな蚊にとっては、当たればかなりの衝撃となります。そのため、蚊は湿気などで雨が降ることを察知する能力を持っていて、雨が降り出す前には軒下などに避難します。雨上がりに蚊が多く飛んでいるように感じられますが、これは、隠れていた蚊がいっせいに飛び出すため大量発生したように感じられる状況です。
風が強い日
風が強いと小さな体が簡単にあおられてしまうため、風が強い日も苦手です。また、蚊は人間の熱や吐く息(二酸化炭素)を「毛状感覚子」という器官で感知して人に近づきますが、風が強いと二酸化炭素などが散らされてしまうため、毛状感覚子の働きが悪くなってしまいます。こうした風の効果を利用した蚊の予防対策として、家の中では扇風機を回しておくという方法があります。
昼と夜では?
日中に運動して汗ばんだ首筋に蚊が集まってきたり、夜寝るときに耳元で甲高いあの音が聞こえてきたり…。蚊は種類によって活動の時間帯が異なります。家の中によくいるアカイエカは夕方から明け方にかけて活発に吸血します。チカイエカは夜間、ヒトスジシマカは昼間から夕方にかけて活動が活発化します。
夏以外はどうしている?
活動時期は季節よりも気温が大きく関係するため、暖かい気候であれば季節を問わず活動します。また、温暖化の影響で活動開始時期の早期化と秋から冬への移り変わりの遅れで、蚊の対策期間は長くなっていると考えた方がよいでしょう。
冬はまったく活動しない?
これは蚊の種類によって異なります。人家とその周辺に生息するアカイエカや、ヒトスジシマカの活動時期はだいたい春~秋ですが、チカイエカはビルなどの屋内や温暖な地下で活動するため、冬眠もせず通年で活動します。
アカイエカの活動時期は4~10月ですが、雌は洞穴などの安全な場所で冬を越します。また、ヒトスジシマカは寒さに弱く、成虫のまま冬を越すことができないため、卵のまま越冬。ヒトスジシマカの卵は、乾燥にもよく耐えることができる卵となっています。
部屋の中に侵入した蚊はどれくらい生きる?
家の中で見かける蚊といえばアカイエカです。アカイエカの生涯サイクルは、だいたい3~11月まで。アカイエカは成虫になってから約1ヵ月生きると言われていますが、晩秋に羽化した雌は翌年の春まで約6カ月もの間、越冬に適した場所を見つけて休眠状態に入ります。
床下、物置小屋の隅、押し入れ、クローゼット、下駄箱の中など、「寒さをしのげる薄暗い場所」で越冬し、翌年の春に一度だけ産卵して次の世代へバトンタッチします。ただし、雄のアカイエカは越冬できずに死に絶えてしまいます。
蚊に注意するのは『夏』だけではない!
地球温暖化や猛暑なども影響し、今や蚊を警戒する時期は夏だけではありません。GWなどの大型連休の前後や、9~10月頃も蚊には十分注意が必要です。また、チカイエカは冬の間も冬眠せずに、地下鉄や商業施設の中で吸血を行います。薄着になる時期はもちろん、一年を通して蚊の予防対策を心がけましょう。
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まとめ
今回、蚊の活動は季節ではなく、気温で決まるということを見てきました。温暖化の影響などもあり、蚊が過ごしやすいと感じる季節も少しずつ変わってきています。また、冬でも暖房で快適な室内は、蚊の活動も十分に考えられます。蚊は刺されてかゆいだけでなく、感染症の恐れもある吸血害虫です。
風邪などをひきやすい時期に、刺されないように、蚊の予防対策はいつでもできるようにしておきましょう。